拾われた俺、最強のスパダリ閣下に全力で溺愛されてます 迷い子の月下美人

エウラ

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311 竜王陛下の帰還

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竜王陛下達が『箱庭の迷宮』を堪能した翌日に、冒険者ギルドは正式に迷宮の解禁を宣言した。

これにより、久しぶりに迷宮に潜ろうとする冒険者で溢れたギルドはてんてこ舞いの忙しさだった。

様子を窺いに来たノアとアークは苦笑した。
ギルドに入れずに、側の建物の陰から覗いていたのだ。

「昨日、貸し切って正解だったな」
「うん、あんなにいたら暴れられなかったよ」
「・・・・・・ソーダナ」

ノアの言葉に思わず片言になったアーク。

「何かご用ですか?」
「明日帰るからさ、その連絡をと思って」
「貴方達に挨拶を、と思って」
「・・・・・・少しは驚いて下さいよ」

ヌッと背後に現れたラミエルに、当然のように返事をするノアとアーク。
それに呆れるラミエル。

イヤだって来たの分かるし?

首を傾げているノアに溜息を吐くラミエル。

「貴方達にソレを求めた自分が悪かっただけです。普通は気付かないし驚くもんですよ。まあ良いです。執務室にどうぞ」

そう言って職員専用の裏口から入れてくれた。
すでにカフカが待ってくれていた。
さすがは阿吽の番い。

「先日はどうも」
「ありがとうございました」
「いえいえ。今日はどういうご用件で?」

カフカが穏やかな笑みで聞いてきた。

「明日竜王国に帰ることになったから別れの挨拶に来た」
「え、竜王陛下達もですか?」
「そう。精霊王に転移して貰うんだ」
「「は?!」」
「いやあ、護衛騎士の一人がこっちで偶然番いを見つけて連れ帰るのに、時間がね・・・?」
「ちなみに第三王子な」
「「---はあ?!」」

カフカとラミエルが同時に叫んだ。

まあ気持ちは分かるよ。

「転移ってどういう事?!」
「第三王子が番いって?!」
「ああまあ、・・・色々とね」
「何かあればギルド経由でも良いから連絡してくれ」
「・・・・・・分かりました。お気をつけて。色々ありがとうございました」

説明が面倒だからぼかしておく。
納得はしていないが、一応落ち着いたらしい二人に再度挨拶をしてからギルドをあとにした。


そうして翌日、何とか蜜月を終わらせて出て来たヴェルザンティとエクシア殿下と共に魔王陛下に挨拶に行って。

魔王陛下は滂沱の涙を流して宰相や上の王子達に苦笑されながら別れを惜しみ、エクシア殿下ははにかみつつ幸せそうにヴェルザンティに抱っこされていた。

「弟をよろしく頼む」
「幸せにね」
「たまには連絡を下さいよ」
「エークーシーアー! じあわぜにねえー!」
「・・・・・・はい、皆様もお元気で」
「私の全身全霊で幸せに致します」

そんな別れをして、いざ転移。

「精霊王、よろしく」
《うむ。では行くぞ?》

パッと現れた精霊王が散歩にでも行くようにそう言って、ぱあっと光ると、次の瞬間には竜王国の謁見の間。

知らされていなかった者達は驚いて大騒ぎ、聞いていた者達もさすがに驚いて慌てて使用人達に指示を出していた。

「---ちょっとどころじゃ無く大騒ぎになってしまったな」
「そりゃあ、派手な登場ですものね」
《我はこのままいて良いのか? 一応アレの事もあるが・・・・・・》
「ああ、そのままで。また急に現れる方が驚かれますので。ひとまず移動しましょう」

リュウギが段取りをつけていく。

「ヴェルザンティはウルズとスクルドと共にエクシア殿下の護衛をして送ってあげて」
「「「畏まりました」」」

ウルズとスクルドが騎士の礼をとってヴェルザンティのもとに付く。
ヴェルザンティはエクシア殿下を抱き上げているので目礼に留まった。

「ヴェルザンティも自宅の執事に話を通してあるから、蜜月休暇をとって、エクシア殿下と家で休むといい」
「ありがとうございます」
「エクシア殿下も、大変でしょうがよろしくお願い致しますね」
「こちらこそ、ありがとうございます」

そちらもそう言って別れていった。

「ノアちゃんとアークはとりあえず客室に行って休んでて良いよ。何かあれば呼ぶけど」
「分かった。じゃあまた」
「義父様、大祖父様達、またね」
「おお、またの!」
「精霊王もありがとう。またね」
《うむ。何時でも喚ぶと良いぞ》
「じゃあ、ヴァンも行こうか」
『おう』
「---って、おいおい、俺達を忘れてる!」
「俺達はもう帰って良いのか?!」

すっかり忘れられていたギギルル達が騒いで、ああそうだと思い出した。

「すまん。帰って良いぞ」
「扱いが雑っ!!」
「帰るって言うか、宿、取らないとなんだけど!」
「ルドヴィカ」
「はいはい、以前の宿を取ってありますので案内しますよー」
「「助かる!」」
「じゃあ、今度こそ、またね」
「「おう、待たなー!!」」


そんな感じでわちゃわちゃとした騒がしい帰還だった。





※遅くなりました。
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