拾われた俺、最強のスパダリ閣下に全力で溺愛されてます 迷い子の月下美人

エウラ

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382 古竜の宝 3


レインが手をかざすと、何の抵抗も無く堅牢な扉が開いていく。

レインは何気なく行っているが、扉に付与された魔法を思えば迂闊には手が出せない。
何しろ悪意のあるモノが触れればするような魔法が使われているのだ。

---いや、爆散って・・・。

そもそもこの島に立ち入ること自体無理っぽいんですが?
その上でこの厳重なに、一体何を保管してるんだ、古竜リンデン・・・。

そんな呆れを多分に含んだ皆の胡乱げな視線を受け止めたオリハルコン製のが、今、全容を現した。

扉の奥には整然と並べられた品と乱雑に積まれた山が何とも言えない空気を作り出していた。

「・・・・・・レイン、コレの説明はして貰えるのかな?」

アルジェントがにっこり笑ってレインに話しかけると、レインは当然のように応えてくれた。

「うん。ごちゃごちゃなモノを時間があるときに僕が仕分けて並べてるの。だって綺麗なモノとかたくさん積まれて埋もれてて可哀想だったから」

微笑みながらそう言うレインの頭をアルジェントがほっこりしながら撫ぜていると、ウラノスが口元をやや引き攣らせながら足元に転がる鉱石を掴みあげた。

「---そうだね。確かにどれもこれも滅多にお目にかかれない稀少価値の高いモノだよ。・・・コレなんか、ヒヒイロカネだよね?」
「・・・こっちはアダマンタイトなんだが・・・」
「ダマスカス鋼もあるよ」

アークとノアも思わず真顔になった。

二人はつい癖で鑑定アナライズをしてしまい、さすがのノアも稀少な鉱石の山に無表情にならざるを得なかった。

---父さん、どんだけ溜め込んでんの・・・。
アレか、竜ってきらきらしい宝石とか大好きって聞いたことあるような・・・?
そういったモノを蒐集するらしいとか・・・。
・・・でもアークは集めたりしてないよな?

「アーク、アークもなの?」
「・・・どういう意味だ?」
「いや、こういうのを集めるのが好きなのかと・・・」
「・・・・・・綺麗だとは思うが、生憎とさほどの興味は無い。ああ、でも今はノアがいるから贈り物にどうかとは考えるな。今度、何か贈ろう」
「ああ、うん。ソレは嬉しいけどね、そっか、個人によるんだね? たまたま父さんは蒐集癖があったと・・・。で、長年溜め続けた結果がコレね・・・」

しまいには整理整頓もせずにポイッて丸投げしたんだろうな。
レインが地道にやってもまだこれだけ散らかってて・・・。

レインとアルジェント以外はうんざりするほどのお宝の山だったが、レインの言うはコレでは無いようだった。

「この倉庫の奥に隠し扉があってね、そこには一つだけ、綺麗な箱に入ったがあるんだ」

レインの言う奥を見ると、更に厳重な結界魔法が張られた小さい扉が・・・。

ソレにも爆散魔法が付与されていたが、躊躇無く手で触れるレインにもはやという気持ちで一致したノア達だった。

かくして開かれた隠し扉の向こうに鎮座していたお宝は---。


「---ッ、これっ・・・・・・」
「・・・ノア」

そこに置かれていた箱に刻まれた言葉は古代語だった。
それを静かに読み上げるノア。

「『リンドヴルムとアリテシアのまだ見ぬ我が子へ贈る』---父さんと母さん・・・二人からの・・・・・・俺への、贈り物・・・・・・?」

ノアが震えながらその箱に手を伸ばす。
アークも寄り添ってノアの肩を抱いた。

「---っ!!」

そっと蓋に手をかけると、それは呆気なく開いて、中に納められていたモノは---。

『ノアズアーク』

金色に輝く細い鎖に通された、見慣れたプレートに刻まれた言葉。

震える手で胸元の鎖を引き出す。

「---母さんの形見と、同じ・・・・・・」

それは未来の我が子へと贈る為にお揃いで作られたであろうプレートだった・・・。

「・・・・・・ずっと、大切に・・・護ってくれてたんだ。こんな・・・・・・大袈裟なほどの結界魔法を付与して、稀少なオリハルコン製の・・・で・・・」

ノアは、顔をくしゃっと歪めて、その銀の瞳からぽろぽろと涙を溢した。

アークは黙ってノアを抱き締め、背中を擦った。


---ここにきて、予期せず両親からの深い愛情を知ったノアだった・・・。



















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