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連載
449 交渉 3
そんなわけで始まった対談第二回目。
前回はノアの招喚を断り、使者として滞在中のスーラ侯爵家の次男の処罰を竜王国側で好きにさせて貰うという言質を取った。
「この辺りは王太子殿下もご存知ですよね?」
今回も進行はウラノスが行っているのでリオラルにそう尋ねた。
『ええ、そう聞いています。スーラ侯爵家次男の所業を聞けば当然かと。寧ろ招喚出来ると思い込んで恥知らずな行動を取った我が陛下や親バカなスーラ侯爵も責めを負うべきだと思いましたね』
「おやおや、王太子にとっては血を分けた父親や大切な臣下でしょうに手厳しいですね」
ウラノスがにっこり笑ってそう言うと、リオラルは眉をひそめて呟いた。
『陛下は陛下です。それ以上でもそれ以下でもありません。政を行う能力はそこそこありますが、父親としても夫としても結構なヘタレですからね』
若干ムスッとしてそう言うリオラルに宰相は眉を下げて苦笑するものの諫めたりはしなかった。
ならば彼等も同意見なのだろう。
---まあ、前回の様子を見ていればおおよそ見当はつくが。
「---ということは、そちらのトップの要は実質メーレ王妃殿下ということでしょうか」
『・・・・・・良くも悪くもそうと言えますね。だからこの度の王妃の病・・・・・・故意に起こされたものと思われます』
さすが王太子。
既に動いていたようだ。
ならばこちらも手札を幾つか出すしかあるまい。
クリカラ達に目配せをすれば頷いて応えたので、こちらの情報を少し出してみる。
「その件ですが、その前に一つ。メーレ王妃殿下の失踪ですが、ウチのノアが古の森で保護しておりまして、無事でございます」
そうウラノスが告げると、オウランは息を飲みリオラルは一瞬ピクリとしたものの安堵の表情を浮かべた。
『---っ』
『・・・・・・そうですか、良かった』
この様子だと王太子は事前に情報を得ていて、宰相の方は初耳という事か。
アークがアインの街の新領主でメーレ王妃の息子であるフィフス王子に情報を渡したと言っていたから、ソコから王太子に連絡が行ったか。
しかし宰相やレナード王には伝えなかったと見える。
今回だけなのかその辺りは分からないが、レナード王はあまり信用して貰えていないのかも。
・・・・・・暴走しそうだし。
「まあ、場所が場所だけに私共も詳しいことは分かりませんが、ノアの錬成した魔導具で毒は抜けたそうですよ。あとはとにかく落ちた体力の回復が必要だそうです」
ウラノスの言葉にさすがのリオラルもハッとした。
神妙な顔で呟いている。
『---、やはり毒が・・・・・・』
「ええ、何の毒かは現在調査中ですが、少なくとも二種類使われていたそうですよ。こちらの解析もノアが行っておりますが、そちらでは・・・・・・?」
『私の影達が調査中ですが、まだ詳しいことは何も』
渋い顔でそう言うリオラル。
幾ら優秀とはいえ、王太子の身分では使える影達も限りがあるのだろう。
思ったよりも成果の出ない状態に歯痒さを感じているようだった。
---頭がポンコツだと下が苦労するよな。
ウラノスやリュウギが小さく溜息を漏らすと、クリカラがあからさまに肩を揺らす。
それを見てルドヴィカはぷっと噴き出し、近衛騎士達にじろりと睨まれていた。
「---っすみません」
笑いながら謝る、全く悪びれていないルドヴィカ。
そういえばルドヴィカの下の団員達もこんな感じなんだろうな、と近衛騎士達やクリカラ達に思われていることに気付いていないルドヴィカだった。
それはともかく。
「では一つ、こちらから情報を・・・・・・」
ウラノスが神妙な顔でリオラルに向き合う。
その緊張を孕んだ空気を感じたのだろうか、リオラルもやや顔を硬くして聞く体勢になった。
「我が国でお預かりしているスーラ侯爵家次男のエレン殿ですが、どうやら薬物によって奇怪な行動をしていたようです」
『---何と・・・・・・?』
ウラノスの告げた言葉にリオラルやオウランが動揺を見せた。
まさか、そんなと呟いている。
「彼が最近日常的に使用していた香水に違法な薬草が使われておりました。そしてその香水の製作元が・・・・・・」
『---もしや我が国の薬師ギルドが?』
「いえ、薬師ギルドではなく錬金術師ギルドです」
『---っ!? 錬金術師ギルドですって!?』
ウラノスのその言葉に、リオラルは思わず立ち上がって叫んだ。
※王太子のために情報を渡して協力しようという気になったウラノス達ですね。
雪降ってきた!
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