404 / 622
連載
467 薬師カガシの協力(sideカガシ 下心アリ) 2
しおりを挟む『ほい、薬師ギルドのギルド長・ウカじゃよ』
「───あ、ギルド長。お忙しいところすみません、カガシです」
冒険者ギルドに通信したときは使っていなかったが、今度は念のため自身に防音結界の魔法をかけてチャリオンに聞こえないようにした。
それから通信魔導具で薬師ギルドに連絡を入れると、いきなりギルド長が対応に出て驚く。
おそらく表示された番号が俺の個人用通信魔導具だと気付いたのだろう。
今の薬師ギルド長は俺との付き合いが長く、信用に足る人物だ。
というか、同じナヘカ一族の者だった。
一瞬驚いたが、すぐに平常に戻って話し始めた。
「実は自分も初見の草を、今日同行した冒険者ギルド職員のチャリオンがうっかり口にしてしまって。今、処置をして休ませているところなんです」
そう告げると、ギルド長は通信先で唸った。
『ううむ・・・・・・。ちなみにその草は鑑定したのだよな?』
「はい。少し厄介な鑑定結果でしたので持ち帰り、詳しく鑑定と調査をしようとしていた矢先に、彼が、その」
『───その者は確か山猫の獣人と言っていたな?』
「はい」
『・・・・・・もしやと思うが───アタリか?』
「・・・・・・ギルド長」
俺は思わず声を潜めると咎めるように言った。
するとギルド長はサラッと応えた。
『ああ、もちろんこちらも防音結界の魔法を使っているし人払いもしている。誰にも聞かれんよ、大丈夫だ』
ギルド長の問いに予想はしていたが、しかしこの話は本当に誰かに聞かれるわけにはいかないのだ。
だがそこはさすがギルド長、しっかり対策をしていたようだ。
「なら良いですけど。そうですね。まだ確定出来ませんけど、鑑定には『猫系獣人には毒となる成分がごく微弱に含まれる。蓄積型』というのがありました」
『───なるほど』
「ただ、蓄積はされますがただの草として毎日口にしても致死量には全く達しないようです。精々が体調不良ぐらいでしょう。・・・・・・個人差はあるでしょうが」
『まあ、そうだろうな。でなきゃ、もっと早くに見つけられて調べられているだろうし』
ギルド長の意見には俺も賛同する。
「しかし、これが精製されて濃縮された毒だとしたら・・・・・・」
体内に取り込む量はただの葉っぱの比では無いだろう。
おそらくあっと言う間に、致死量に達する。
『・・・・・・メーレ王妃殿下も、おそらく・・・・・・』
「───でしょうね。聞くところによるとかなり衰弱しているとか」
『うむ。ただ、だからといってお前達の身が、一族が危険に晒されるのを儂らはヨシとしない。・・・・・・難しいの。今代の王妃殿下は素晴らしい御方と聞く』
「・・・・・・亡くすには惜しい方ですね」
今代の獅子王レナードはメーレ王妃を溺愛していてヘタレだという噂が、聞こうとしなくても耳に入ってくる。
病弱だった前正妃の代わりにガンガン政務を熟していて負担が大きかっただろう。
ソコを突かれた形か・・・・・・。
「『・・・・・・』」
二人とも暫く無言になった。
ギルド長は今どんな顔をしているのやら。
『───まあ、今、結論を急ぐことではない。それよりもだ。彼がそんな状態ではお前も今日は森に泊まりかな?』
「ええ、それをお伝えしたくて。俺も明日まで休みにして貰えますか?」
『おう、良いぞ。数日間休んでも全く問題はない。この機会を逃さず頑張るんじゃぞ』
「・・・・・・そうします」
楽しそうにほっほっと笑いながら切れた通信に苦笑いして、俺は通信魔導具を片付けた。
ちらりとチャリオンを窺うと、もぞもぞと動作が大きくなってきていた。
・・・・・・そろそろ覚醒するかな。
薬師ギルド長からも背中を押されて、俺はこれから積極的に攻めていこうと思ったのだった。
※遅くなりました。漸くお仕置きが始まる・・・かも?
454
あなたにおすすめの小説
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ユィリと皆の動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
過保護な父の歪んだ愛着。旅立ちを控えた俺の身体は、夜ごとに父の形で塗り潰される
中山(ほ)
BL
「パックの中、僕の形になっちゃったね」
夢か現か。耳元で囁かれる甘い声と、内側を執拗に掻き回す熱。翌朝、自室で目覚めたパックに、昨夜の記憶はない。ただ、疼くような下腹部の熱だけが残っていた。
相談しようと向かった相手こそが、自分を侵食している張本人だとも知らずに、パックは父の部屋の扉を開く。
このお話はムーンライトでも投稿してます〜
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結保証】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
悪役令息ですが破滅回避で主人公を無視したら、高潔な態度だと勘違いされて聖人認定。なぜか溺愛ルートに入りました
水凪しおん
BL
BL小説『銀の瞳の聖者』の悪役令息ルシアンに転生してしまった俺。
原作通りなら、主人公ノエルをいじめ抜き、最後は断罪されて野垂れ死ぬ運命だ。
「そんなの絶対にお断りだ! 俺は平和に長生きしたい!」
破滅フラグを回避するため、俺は決意した。
主人公ノエルを徹底的に避け、関わらず、空気のように生きることを。
しかし、俺の「無視」や「無関心」は、なぜかノエルにポジティブに変換されていく。
「他の人のように欲望の目で見ないなんて、なんて高潔な方なんだ……!」
いじめっ子を視線だけで追い払えば「影から守ってくれた」、雨の日に「臭いから近寄るな」と上着を投げつければ「不器用な優しさ」!?
全力で嫌われようとすればするほど、主人公からの好感度が爆上がりして、聖人認定されてしまう勘違いラブコメディ!
小心者の悪役令息×健気なポジティブ主人公の、すれ違い溺愛ファンタジー、ここに開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。