拾われた俺、最強のスパダリ閣下に全力で溺愛されてます 迷い子の月下美人

エウラ

文字の大きさ
433 / 641
連載

495 わくわくドキドキ錬成タイム 2

「あ・・・・・・よろしくお願いします。ノアです」

俺も慌てて挨拶をする。それをニコニコと笑ってうんうんと頷くファビア。まんま孫の話を聞くお爺さんみたい。

「こちらこそ、よろしくお願い致します。実は話を頂いたときはもう、年甲斐もなく興奮してしまって」
「私も同様でして。いくつになってもこういうのは楽しみですね」

ファビアとビビオがウキウキしながら前のめり気味に近寄ってきたので俺はちょっと人見知り発動で一歩後ろに下がった。
その隙間にアークがサッと身体を滑り込ませて壁になってくれてホッとする。

「すまないが、もう少し下がってくれるか? ノアが緊張してる」
「あっ、大変申し訳ありません。話は窺っていたのですが、つい」

そう言ってファビア達は素早く下がって距離を取ってくれた。

「まあ、興奮する気持ちは分かる。俺はアルカンシエルだ。聞いてると思うがノアの番いだ」

アークが自己紹介をして二人も同じく続いた。

「ファビアと申します」
「ビビオです。医師として浅慮でした。申し訳ありません」
「分かったならいい。もっともノアは実験にのめり込むと周りが見えなくなって人見知りも何も関係ないけどな」

アークがそう言って溜息を吐いたが、俺はそれを否定できないのでアークの背中でこっそり苦笑した。

その様子を微笑みながら眺めていたリオラルが、切りよく話を振ってきたので意識をそちらに戻す。

「さてそれじゃあ、あとはリンクスと宰相とその側近達だけだが───」
「お待たせしましたか、リオラル兄上」
「やや遅れましたか、王太子殿下」

リオラルが言い終える前に第四王子と宰相がそう言って部屋に入ってきた。宰相はパンテラを、第四王子は側近と思われる、王子よりやや年上の人を伴っている。王子の護衛騎士も一人着いている。

「いや、つい今しがたきたところだ。そんなに待ってはいない。ノア殿、彼が第四王子のリンクスだ。宰相達はすでに会っているね」

リオラルに声をかけられて、俺はアークの背中からそろっと顔を出す。すると優しげな顔と目が合った。

「お初にお目にかかります。リンクスと申します。こちらは私の側近のササメです」

そう言って挨拶をしたリンクスは猫獣人で、髪色も瞳の色も、顔立ちでさえメーレによく似ていた。背丈もメーレとあまり変わらないくらい小柄だ。
ササメも猫獣人でメーレの親戚だそうだ。こちらも確かにメーレと同じ髪と瞳の色だが、髪は短くて襟足が肩に付くくらいの長さで顔立ちは凛々しく、リンクスよりも頭一つ大きい。

メーレは長い髪を緩く三つ編みにしていたが、リンクスはリオラルのように後頭部で一つに括って垂らしていた。
なるほど確かにメーレの実子だとすぐに分かる。

俺は思わず呟いた。

「メーレそっくりだぁ」
「! 母はお元気でしょうか、ノア殿!」
「う、え? うん。めちゃくちゃ元気だよ。ふっくらしてきて自力で歩いてる」

何なら畑仕事を張り切ってやってるけど。

「そ、それはよかった・・・・・・。もう一時期は眠れぬほど心配で───」
「うんうん、お礼はあとでね、リンクス。いい加減、ノア殿に作業をして頂かないと」

このままリンクスのお礼祭りに突入かと思われたが、リオラルが上手いこと止めてくれてホッとする。
確かにいい加減、錬成に移りたい。

「・・・・・・あ、失礼致しました。そうですね、このあと作業が落ち着いたらお時間を頂けませんか?」
「うん、別にいいよ。・・・・・・ね? アーク」
「ああ、構わない」

終わったら時間をとることにして、アークにお窺いを立てる俺。イヤだって、俺の番いで保護者だから。
周りはその行動に納得なようで特に何もツッコまれなかったけど、それはそれでどう思われてるのかちょっと気になる。

「じゃあ、揃ったようなのであっちの作業台に行こうか」

そう言って俺は意識を錬成の方に切り替えた。






※うう、登場人物が多すぎて錬成まで行かなかったよう・・・・・・。
投稿も遅れました。お待たせいたしました。
次話こそノアの錬成XXXを!
酷暑です。体調にお気をつけ下さい。

※リンクスとササメの容姿の描写をちょっと追加修正しました。

※宰相と側近も出し忘れてました。追加修正しました。すみません。

※リンクスのお礼祭りの名前がリオラルになってました。ご指摘ありがとうございます。助かります。修正しました。
感想 1,589

あなたにおすすめの小説

家族に忘れられていた第五王子は愛され生活を送る

りーさん
ファンタジー
 アズール王国の王宮には、多くの王子や王女が住んでいる蒼星宮という宮がある。  その宮にはとある噂が広まっていた。併設されている図書館に子どもの幽霊が現れると。  そんなある日、図書館に出入りしていた第一王子は子どものような人影を見かける。  その時、父である国王にすら忘れられ、存在を知られていなかった第五王子の才覚が露になっていく。

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

家に帰ったら、妻は冷たくなっていた。突然シングルファザーになった勇者パーティーの治癒師は家族を修復したい

八朔バニラ
ファンタジー
勇者パーティーに所属し、魔王討伐した治癒師(ヒーラー)のゼノスは街の人々の歓声に包まれながら、3年ぶりに家に帰った。家族が出迎えてくれると思ったが、誰も出迎えてくれない。ゼノスは不満に思いながら家に入ると、妻の身体は冷たくなっていた。15歳の長男ルミナスはゼノスの代わりに一家の柱として妹を守り抜き、父に深い拒絶のこもった瞳を向けていた。そして、8歳の長女ミリアは父の顔も忘れていた。 ゼノスは決意する。英雄の肩書きを捨て、一人の不器用な父親として、バラバラになった家族の心を繋ぎ合わせることを。 これは世界最強の治癒師が家族を修復する物語である。

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました

あと
BL
「お兄ちゃん!一肌脱ぎます!」 完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け 可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…? 攻め:ヴィクター・ローレンツ 受け:リアム・グレイソン 弟:リチャード・グレイソン  pixivにも投稿しています。 ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。

批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。

外れ伯爵家の三女、領地で無双する

森のカフェしっぽっぽ
ファンタジー
十三歳の少女アイリス・アルベールは、人生を決める「祝福の儀」で“ゴミスキル”と蔑まれる《アイテムボックス》を授かってしまう。戦えず、稼げず、価値もない――そう断じた家族は、彼女を役立たずとして家から追放する。さらに、優秀なスキルであれば貴族に売り渡すつもりだったという冷酷な真実まで明かされ、アイリスはすべてを失う。 だが絶望の中、彼女は気付く。この世界が、自分がかつてやり込んだVRMMORPG『メデア』そのものであることに。 そして思い出す―― 《アイテムボックス》には、ある“致命的なバグ”が存在することを。 市場で偶然を装いながらアイテムを出し入れし、タイミングをずらすことで発生する“複製バグ”。それは、あらゆる物資を無限に増やす禁断の裏技だった。 食料も、装備も、資金も――すべてが無限。 最底辺から一転、誰にも真似できないチートを手にしたアイリスは、冒険者として歩み始める。だがその力はやがて、経済を歪め、権力者の目に留まり、そして世界の“仕様そのもの”に干渉していくことになる。 これは―― ゴミと呼ばれた少女が、“世界の裏側”を掌握する物語。

魔物に嫌われる「レベル0」の魔物使い。命懸けで仔犬を助けたら―実は神域クラスしかテイムできない規格外でした

たつき
ファンタジー
魔物使いでありながらスライム一匹従えられないカイルは、3年間尽くしたギルドを「無能」として追放される。 同世代のエリートたちに「魔物避けの道具」として危険な遺跡に連れ出され、最後は森の主(ヌシ)を前に囮として見捨てられた。 死を覚悟したカイルが崩落した壁の先で見つけたのは、今にも息絶えそうな一匹の白い仔犬。 「自分と同じように、理不尽に見捨てられたこの子だけは助けたい」 自分の命を顧みず、カイルが全魔力を込めて「テイム」を試みた瞬間、眠っていた真の才能が目覚める。