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502 よもやよもやの 1(sideアルカンシエル)
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俺はまず最初に以前窺った薬草屋の店主フェレスの元に向かった。
素材屋の店主セオドアはフェレスの知己だ。話を通すなら先にフェレスに一言断る方が話が早く済みそうだと、そう思って薬草屋に足を運んだんだが・・・・・・
「『本日臨時休業』・・・・・・マジか」
店先には臨時休業の看板が下げられ、戸締まりもしっかりとされていた。
「ついてないな。仕方ない、このまま素材屋に行くか。以前のことを考えるに門前払いはされまい」
軽く溜め息を吐いて踵を返すと、今度は素材屋に向かった。
相変わらず分かりにくい店舗に着くと気配を察知する。どうやら店に誰かいるらしい。
「おーい、店主。アルカンシエルだ。いるなら開けてくれ」
扉をゴンゴンとノックしてそう言うと、奥からザッザッと足音が聞こえてきた。うん、よかった。気付いてくれた。
「───っアルカンシエル殿!? 久しいな。どうしたんだ、ノア殿は・・・・・・?」
「あー、ちょっと訳ありで今は別行動なんだ。アンタに用があって来たんだが、今いいか?」
のっそりと扉から顔を出したセオドアは、俺を見るなり驚いた声でそう言ってきた。
俺がそう説明すると、扉に臨時休業の札を下げてから中に招き入れてくれた。
前のように奥に進むと、素材の棚の更に奥、おそらく居住区の方まで案内された。その居住区にいたのは───。
「あっ、薬草屋の店主! ココにいたのか」
「うん? 何じゃ、お主。Sランクのヤツじゃないか。久しいの」
のほほんとお茶を飲みながら俺に笑いかけるフェレス。久しいの、じゃねえよ。
「さっき店に行ったら臨時休業ってなってたからこっちに来たんだよ。まあ、ちょうど都合がいいが」
「何じゃ、儂に用だったんか?」
小柄な身体を椅子の上で器用に胡座を組んで乗せているフェレスに俺は首を横に振った。
「いや、本命は素材屋の店主。ただアンタに話を通した方が早いかと思っただけだ」
「何じゃ、つれないのう。今日は美人な嫁はおらんのか? 珍しい」
やはり皆、ノアがいないことに違和感を持つらしい。まあ、俺だってこういうことでもなけりゃ離れないがな。
「ノアの頼みで来たんだよ。だから別行動なんだ」
「ほうほう、その頼みがセオドアという訳か」
「・・・・・・俺?」
台所からお茶を淹れてきたセオドアが俺にお茶を勧めてきた。適当に空いた席に座ってありがたく頂く。セオドアも最初に座っていたらしい席に戻ったので、俺は詳しい内容を話した。
「───という訳でセオドアの錬金術の腕を借りたい」
「・・・・・・はあ、なるほどな。王都の冒険者ギルドに勤めてる孫のアガットの頼み事がここで繫がった訳か」
「・・・・・・俺はとうに引退したただの素材屋だぞ。今更やれるかどうか・・・・・・」
フェレスとセオドアはどうやら王都にいるフェレスの孫に頼まれてすでに関わり合いがあったらしい。それなら話が早い。
セオドアはどうも自信がないようで今イチ乗り気ではないようなんだが。
「セオドア、いやテディ。お前さん、ノア殿に会ってからたまに錬金術をやってるだろうが。知ってるぞ?」
「───ななな、どどどうして・・・・・・っ!」
「うん? ならよけいに心配ないだろう? それにノアのレシピ通りに錬成すればいいんだし」
どうやらセオドアはノアに感化されて錬金術を使うようになったらしい。フェレスでも気付くってくらいだから結構な頻度で錬成してるんだろう。
俺はチラッと室内のそれらしいモノをザッと鑑定してみた。・・・・・・うん。薬やら魔導具やら、かなりの数がセオドアの錬成だと出てる。
しかもモノによっては品質がSというのもある。コレは思わぬ拾いモノだぞ。ノアの喜ぶ顔が目に浮かぶようだ。
「だが、王都の錬金術師ギルドでは俺は散々だった」
「いや、今あそこの現状を知ったからこそ思うが、あんなギルドで評価された腕なんかクソ食らえだ」
「ほほっ、お主も言うのう!」
フェレスが面白そうな顔をしてそう言ったあと、更に続ける。
「儂もそう思うぞ。錬金術師なんぞテディとノア殿くらいしか知らんが、真面目に錬金術に取り組むお前さんは立派な錬金術師じゃ」
そう言ってセオドアの側に歩いていき、自分より一回りも大きな背中をバシバシと叩いて鼓舞した。
何かフェレスの行動が友人にというより、気の弱い自信なさげな息子を励ましているように見えるのは俺の気のせいだろうか。
「・・・・・・何じゃアルカンシエル殿。いやあ、儂にもコレくらいの息子がおるでの。ついつい親身になってしまうのよ」
「ああ、うん。なるほど。何となく分かるわ」
世話を焼きたくなる感じだもんな、セオドアって。真面目すぎて頑張ってしまいそうな・・・・・・ノアみたいにのめり込むと周りが見えなくなりそうな感じ。
「そういやセオドアって独身? 家族とか見ないけど」
「・・・・・・王都で将来を考えた相手がいたが、錬金術師ギルドを辞めたときに振られた」
「おお!? それは初耳なんじゃが!」
フェレスが凄い食いつきを見せたが、察するにあまりいい記憶じゃなさそうだからツッコんでやるなよ?
そう思ったのにフェレスは空気を読まなかったのかあえて無視したのか、ガッツリツッコんだ。
「それはもしやお前のその錬金術の腕に惚れて、それで辞めるんなら付き合う意味ないとか何とかってヤツか!?」
「・・・・・・まぁ・・・・・・うん」
おいおいフェレス爺さん、ガッツリ地雷踏んでるじゃねえか。セオドアの顔を見ろよ。死んだ魚の目になってんぞ。
これ以上フェレスが古傷を抉らないうちに、俺はセオドア達をけしかけて、ひとまず冒険者ギルドに向かうことを告げた。
「ああ、儂も一緒に行くぞ!」
「───はぁ?」
おいフェレス爺さん、今なんつった!?
俺とセオドアがポカンとするとニカッと笑った。
「テディ一人じゃ心配だからな。それに儂もノア殿にまた会いたいしの」
「・・・・・・まぁ、一人も二人も変わらないが。あー、事後報告するマーカスが大変かもな」
・・・・・・ま、ノアが喜びそうだからいいか。
「それじゃ、支度が出来次第、冒険者ギルドのギルマスの執務室に向かうからよろしく」
「おう」
「分かった」
それからは慌ただしく時間が過ぎていった。
セオドアの支度が済んだので、今はフェレスの店で支度をしているところだ。
「そういや、何で今日は臨時休業なんだ?」
「ああ、ちっと腰を痛めての。テディの錬成した薬を貰いに行ってたのよ」
「なるほどな。で、もう大丈夫なのか?」
「ああ、バッチリよ! さすが腕のいい錬金術師じゃ。アイツの腕は鈍っておらんよ、儂が保障する」
そう言う声が聞こえたセオドアは気恥ずかしそうに目を逸らしていた。耳が赤くなってるぞ。
「フェレス爺さんが言うなら間違いないな」
笑いながら俺達は支度を済ませて冒険者ギルドのマーカスの元へと急いだ。
※アーク視点、一度終わります。
次話は冒険者ギルドの面々の視点で。
コレから書くのでお待ち下さい。
素材屋の店主セオドアはフェレスの知己だ。話を通すなら先にフェレスに一言断る方が話が早く済みそうだと、そう思って薬草屋に足を運んだんだが・・・・・・
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「ついてないな。仕方ない、このまま素材屋に行くか。以前のことを考えるに門前払いはされまい」
軽く溜め息を吐いて踵を返すと、今度は素材屋に向かった。
相変わらず分かりにくい店舗に着くと気配を察知する。どうやら店に誰かいるらしい。
「おーい、店主。アルカンシエルだ。いるなら開けてくれ」
扉をゴンゴンとノックしてそう言うと、奥からザッザッと足音が聞こえてきた。うん、よかった。気付いてくれた。
「───っアルカンシエル殿!? 久しいな。どうしたんだ、ノア殿は・・・・・・?」
「あー、ちょっと訳ありで今は別行動なんだ。アンタに用があって来たんだが、今いいか?」
のっそりと扉から顔を出したセオドアは、俺を見るなり驚いた声でそう言ってきた。
俺がそう説明すると、扉に臨時休業の札を下げてから中に招き入れてくれた。
前のように奥に進むと、素材の棚の更に奥、おそらく居住区の方まで案内された。その居住区にいたのは───。
「あっ、薬草屋の店主! ココにいたのか」
「うん? 何じゃ、お主。Sランクのヤツじゃないか。久しいの」
のほほんとお茶を飲みながら俺に笑いかけるフェレス。久しいの、じゃねえよ。
「さっき店に行ったら臨時休業ってなってたからこっちに来たんだよ。まあ、ちょうど都合がいいが」
「何じゃ、儂に用だったんか?」
小柄な身体を椅子の上で器用に胡座を組んで乗せているフェレスに俺は首を横に振った。
「いや、本命は素材屋の店主。ただアンタに話を通した方が早いかと思っただけだ」
「何じゃ、つれないのう。今日は美人な嫁はおらんのか? 珍しい」
やはり皆、ノアがいないことに違和感を持つらしい。まあ、俺だってこういうことでもなけりゃ離れないがな。
「ノアの頼みで来たんだよ。だから別行動なんだ」
「ほうほう、その頼みがセオドアという訳か」
「・・・・・・俺?」
台所からお茶を淹れてきたセオドアが俺にお茶を勧めてきた。適当に空いた席に座ってありがたく頂く。セオドアも最初に座っていたらしい席に戻ったので、俺は詳しい内容を話した。
「───という訳でセオドアの錬金術の腕を借りたい」
「・・・・・・はあ、なるほどな。王都の冒険者ギルドに勤めてる孫のアガットの頼み事がここで繫がった訳か」
「・・・・・・俺はとうに引退したただの素材屋だぞ。今更やれるかどうか・・・・・・」
フェレスとセオドアはどうやら王都にいるフェレスの孫に頼まれてすでに関わり合いがあったらしい。それなら話が早い。
セオドアはどうも自信がないようで今イチ乗り気ではないようなんだが。
「セオドア、いやテディ。お前さん、ノア殿に会ってからたまに錬金術をやってるだろうが。知ってるぞ?」
「───ななな、どどどうして・・・・・・っ!」
「うん? ならよけいに心配ないだろう? それにノアのレシピ通りに錬成すればいいんだし」
どうやらセオドアはノアに感化されて錬金術を使うようになったらしい。フェレスでも気付くってくらいだから結構な頻度で錬成してるんだろう。
俺はチラッと室内のそれらしいモノをザッと鑑定してみた。・・・・・・うん。薬やら魔導具やら、かなりの数がセオドアの錬成だと出てる。
しかもモノによっては品質がSというのもある。コレは思わぬ拾いモノだぞ。ノアの喜ぶ顔が目に浮かぶようだ。
「だが、王都の錬金術師ギルドでは俺は散々だった」
「いや、今あそこの現状を知ったからこそ思うが、あんなギルドで評価された腕なんかクソ食らえだ」
「ほほっ、お主も言うのう!」
フェレスが面白そうな顔をしてそう言ったあと、更に続ける。
「儂もそう思うぞ。錬金術師なんぞテディとノア殿くらいしか知らんが、真面目に錬金術に取り組むお前さんは立派な錬金術師じゃ」
そう言ってセオドアの側に歩いていき、自分より一回りも大きな背中をバシバシと叩いて鼓舞した。
何かフェレスの行動が友人にというより、気の弱い自信なさげな息子を励ましているように見えるのは俺の気のせいだろうか。
「・・・・・・何じゃアルカンシエル殿。いやあ、儂にもコレくらいの息子がおるでの。ついつい親身になってしまうのよ」
「ああ、うん。なるほど。何となく分かるわ」
世話を焼きたくなる感じだもんな、セオドアって。真面目すぎて頑張ってしまいそうな・・・・・・ノアみたいにのめり込むと周りが見えなくなりそうな感じ。
「そういやセオドアって独身? 家族とか見ないけど」
「・・・・・・王都で将来を考えた相手がいたが、錬金術師ギルドを辞めたときに振られた」
「おお!? それは初耳なんじゃが!」
フェレスが凄い食いつきを見せたが、察するにあまりいい記憶じゃなさそうだからツッコんでやるなよ?
そう思ったのにフェレスは空気を読まなかったのかあえて無視したのか、ガッツリツッコんだ。
「それはもしやお前のその錬金術の腕に惚れて、それで辞めるんなら付き合う意味ないとか何とかってヤツか!?」
「・・・・・・まぁ・・・・・・うん」
おいおいフェレス爺さん、ガッツリ地雷踏んでるじゃねえか。セオドアの顔を見ろよ。死んだ魚の目になってんぞ。
これ以上フェレスが古傷を抉らないうちに、俺はセオドア達をけしかけて、ひとまず冒険者ギルドに向かうことを告げた。
「ああ、儂も一緒に行くぞ!」
「───はぁ?」
おいフェレス爺さん、今なんつった!?
俺とセオドアがポカンとするとニカッと笑った。
「テディ一人じゃ心配だからな。それに儂もノア殿にまた会いたいしの」
「・・・・・・まぁ、一人も二人も変わらないが。あー、事後報告するマーカスが大変かもな」
・・・・・・ま、ノアが喜びそうだからいいか。
「それじゃ、支度が出来次第、冒険者ギルドのギルマスの執務室に向かうからよろしく」
「おう」
「分かった」
それからは慌ただしく時間が過ぎていった。
セオドアの支度が済んだので、今はフェレスの店で支度をしているところだ。
「そういや、何で今日は臨時休業なんだ?」
「ああ、ちっと腰を痛めての。テディの錬成した薬を貰いに行ってたのよ」
「なるほどな。で、もう大丈夫なのか?」
「ああ、バッチリよ! さすが腕のいい錬金術師じゃ。アイツの腕は鈍っておらんよ、儂が保障する」
そう言う声が聞こえたセオドアは気恥ずかしそうに目を逸らしていた。耳が赤くなってるぞ。
「フェレス爺さんが言うなら間違いないな」
笑いながら俺達は支度を済ませて冒険者ギルドのマーカスの元へと急いだ。
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