拾われた俺、最強のスパダリ閣下に全力で溺愛されてます 迷い子の月下美人

エウラ

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511 お帰りからのお仕置き 1

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「悪いが皆、このあとの予定は全てキャンセルだ」

アークがそう言うと、リオラル達は一斉に首肯した。
えええ!? このあと、錬金術の話とかいっぱいするって約束したのに!

そう不満が顔に出ていたらしく、にっこり笑顔のアークに言われた。

「ノアはこれからがっつりしっぽり気の済むまでしような」
「───ううううん・・・・・・分かった」

そう言われて否やを言えようか、いや俺には無理だ。コレは久々にガチでお仕置きされるヤツ!

「・・・・・・えーと、あとはこちらで片付けるからもう戻ってもよいぞ?」
「そうそう。本当に助かりました! 機会があれば、後日またお話を窺いたいです!」
「ありがとうございました!」

触らぬ神に祟りなしとばかりにリオラル達がそう言って手を振るので、アークは椅子の上で未だに爆睡中のヴァンの首を掴んで持ち上げるとエレフに声をかけた。

「そういうわけで帰るぞ、エレフ」
《了解した。では邪魔したな》
「あああの、お邪魔しました」
「こちらこそ、何もできんですまないな」

えええ? ソレって今の状況のこと!?

リオラルが苦笑して言った言葉に俺が戸惑っているうちに、周りがぱあっと光ってあっという間に古の森に戻ってきてしまった。

古の森ではメーレ主体ですっかり引っ越しの荷物整理が終わったカガシやチャリオン、薬師一同がお茶を飲んでいた。

そこに何の前触れもなく現れた俺達にカガシ達はギョッとしてお茶を溢す者もいたが、転移を見慣れているメーレやエレン、ミオは平然としていた。

「お帰りなさい。ずいぶん時間がかかったんだね?」

メーレに言われて、そういえば午前中にカガシ達を任せてヴァンを迎えに転移しちゃったんだっけ、と思い出した。そうだよ、連絡してなかった!

「ごめんなさい。獣人国でちょっと一仕事してた」

俺がシュンとして言うとメーレはほのほのと笑った。

「大丈夫よ。精霊さんから言付かったから。何やら大変だったのね」

───うん、もの凄く大変だった。主に自分のやらかしで。
自業自得とはいえ、このあとがガクブルなんですが!

俺は一人心の中でそう騒いだ。アークは俺とメーレを交互に見てにっこり笑う。

「メーレ、戻ってそうそう悪いんだが、俺はノアにちょーっとをしなくちゃいけないんだ」
「・・・・・・あら。そう、こちらは私やエレン達に任せて。クルール達もいるから大丈夫だよ」

だからごゆっくりーなんて笑顔で、俺の縋る視線をバッサリ断った。
これ、メーレに勘付かれてる! やらかしてお仕置きなのバレてるー!

いやぁ───!!

アークにずりずり引っ張られて自分達のテントに連行される俺をポカンと見送るカガシ達がメーレに説明を求めているのが見える。

「メーレ様、アレは一体・・・・・・?」
「おそらくノアがやらかしてアークにお説教されるんだよ」

ふふふ、と困ったように笑うメーレ。

「やらかし・・・・・・」
「彼は規格外とか非常識という自覚が薄いから、普通じゃないことでもやっちゃったんだろうねぇ」
「なるほど、それで・・・・・・」

薬師達が納得するように頷く。いやいや、少しは自覚してたけど忘れちゃったんだよ!

「もっともアークのはお説教というよりはお仕置きだろうけど」
「・・・・・・お仕置き」
「これから丸一日は出てこないと思うよ?」
「・・・・・・」

最後のメーレの言葉に身に覚えのあるらしいカガシとチャリオンは何となく察したようで、顔を赤らめたチャリオンがカガシに抱きしめられているのが見えた

他の薬師達は同情的というか憐れむような視線で俺がテント内に連れ込まれるまで見つめていた。

ちなみにヴァンは古の森に着いた途端、狸寝入りだったのかと思うほどバッチリ目を覚ましてどこかへ行ってしまった。

薄情者! いや単なる八つ当たりだけど、元はといえばヴァンが獣人国に行ってたせいだから!
俺は最後の悪足掻きとばかりにそんな責任転嫁をしていた。

───そしてメーレの言葉通り、いや一日じゃ足りないほどお仕置きされることになる。






※次話、R18予定です。

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