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連載
528 再調査と魔導具 1
「どうした、ノア」
「あ、アーク。ちょうどいいところに。実は──」
俺のあとを付いて来たらしいアークに声をかけられて、俺はこれ幸いとテントに逆戻りしてさっきの件を相談した。
「なるほどな。その『フレンジー』という薬の出所と、今回の錬金術師ギルドの犯人との関係性も洗い直しだな。そっちは俺の方で連絡を入れておく」
アークがそう言うのでそっちは丸投げするよ。面倒くさかった訳じゃないよ、信頼してるんだよ。
「ありがとう、頼むね。いや本当にあんなところにメーレを帰したくないからさ」
「それは俺も同感だ」
「あとね、獅子王はともかく、他の王族の人達の健康が心配なんだよね。だから、ちょっと対策用の魔導具を錬成しようかなって思って」
「常識の範囲内で頼むぜ」
魔導具のことを言ったらアークが遠い目をしてそう言った。うん、約束は出来ないかな。だって常識がよく分からないから。だから俺は笑って誤魔化した。
そして獅子王の扱いが雑なことにツッコミがないので、アークも思うところがあるんだろう。ヘタレで周りがよく見えてなくて、暴走しやすい残念な王様という認識があるもんね。
もしかしたら、メーレが関わらなければもう少しまともなのかも知れないけど。
それはともかく、アークはヴァルハラ大公家に連絡を入れるそうなので、俺はちょっと作業部屋に篭もって魔導具を錬成しよう。
まずは呪いを浄化するために手頃な魔石に聖浄化魔法の魔法陣を付与して、あとはいつも身に着けておけるような装飾品を作って填めるんだけど。
「うーん、どんなものがいいのかな。皆それぞれ好みとか邪魔にならないもので肌身離さず付けられるもの」
考えてみるも思いつかない。これはアレだな、本人達に確認してその場で錬成した方がいいな。
「そうと決まれば善は急げだ。毒薬の件は伏せて俺からの贈り物ということにすればいいな。どのみちリンクスと錬金術の話で盛り上がるつもりだったし」
その予定は俺のやらかしでアークにキャンセルされちゃったからね。それをやりたいと言えば不自然じゃないだろう。
「よし、報連相は大事だからこれもアークと相談して。まあ早くても明日以降だろうけど、魔石に付与だけでも済ませておこう。あ、メーレやエレン達にも作ろう。仲間はずれはよくない」
あれ、そうするとカガシ達にも作った方がいいかな。どうせ素材は余ってるし大丈夫そう。
こうしてせっせと魔石に付与しまくっていたら、作業部屋にアークがやって来て、机の上の付与済みの魔石を見て溜め息を吐いたのが目の端に見えた。
「ノア、どれだけの人数分作るつもりなんだ」
「とりあえず獣人国の王族の人達とメーレ達にカガシ達にもでしょ。あとはいらないかもだけどウラノス義父様達にもかな」
「うん、まあ父上達は何を貰っても大喜びだろうが、それならこんなに大量にはいらないんじゃないか?」
「……」
そう言われてようやく目の前の魔石を見る。うん、軽く一〇〇個はあるかな。おかしいな、いつの間に。
「ノアは集中すると、いつも寝食を忘れてやり過ぎるからな。分かったら、もう今日は止めろ」
アークに渋い顔でそう言われて、確かにもう夕ご飯の時間だったので、終わりにしようと片付けに入った。
「うん、ごめん。あっアーク、装飾品を決められないから本人達に確認してから完成させたくて、また獣人国に行きたいんだけど。ちょうどリンクスとの約束もあったし」
「約束? リンクスと?」
いつの間にしたんだ、という顔のアークに俺は説明した。
「アークがセオドアを連れにエイダンの街に行ってるときにね、錬金術の話で盛り上がっちゃって」
そう言うと納得したようだ。
「あのとき、予定を白紙にしてこっちに帰ちゃったでしょ。実はあのあと、リンクスと錬金術の話を色々とする予定だったんだよね」
「あー、そういえば確かに、彼と錬金術のことで盛り上がってたな。ノアのお仕置きで、俺がご破算にしちゃったのか。分かった、調整しておこう」
「お仕置き……うん。間違っていないけど、言い方がちょっと……まあいいか。じゃあお願いね」
とりあえず今日はもうすることないな。お仕置きも終わったし、久しぶりにゆっくり眠れそうかな。
俺はそんなことを考えながら片付けを終えて夕ご飯の支度をし、アークと一緒に食べてお風呂に入ると、今日はフラグにはならずにぐっすり眠ることが出来たのだった。
※過去の投稿分での誤字報告ありがとうございます。感想欄からの報告で承認はしてませんが助かります。
「あ、アーク。ちょうどいいところに。実は──」
俺のあとを付いて来たらしいアークに声をかけられて、俺はこれ幸いとテントに逆戻りしてさっきの件を相談した。
「なるほどな。その『フレンジー』という薬の出所と、今回の錬金術師ギルドの犯人との関係性も洗い直しだな。そっちは俺の方で連絡を入れておく」
アークがそう言うのでそっちは丸投げするよ。面倒くさかった訳じゃないよ、信頼してるんだよ。
「ありがとう、頼むね。いや本当にあんなところにメーレを帰したくないからさ」
「それは俺も同感だ」
「あとね、獅子王はともかく、他の王族の人達の健康が心配なんだよね。だから、ちょっと対策用の魔導具を錬成しようかなって思って」
「常識の範囲内で頼むぜ」
魔導具のことを言ったらアークが遠い目をしてそう言った。うん、約束は出来ないかな。だって常識がよく分からないから。だから俺は笑って誤魔化した。
そして獅子王の扱いが雑なことにツッコミがないので、アークも思うところがあるんだろう。ヘタレで周りがよく見えてなくて、暴走しやすい残念な王様という認識があるもんね。
もしかしたら、メーレが関わらなければもう少しまともなのかも知れないけど。
それはともかく、アークはヴァルハラ大公家に連絡を入れるそうなので、俺はちょっと作業部屋に篭もって魔導具を錬成しよう。
まずは呪いを浄化するために手頃な魔石に聖浄化魔法の魔法陣を付与して、あとはいつも身に着けておけるような装飾品を作って填めるんだけど。
「うーん、どんなものがいいのかな。皆それぞれ好みとか邪魔にならないもので肌身離さず付けられるもの」
考えてみるも思いつかない。これはアレだな、本人達に確認してその場で錬成した方がいいな。
「そうと決まれば善は急げだ。毒薬の件は伏せて俺からの贈り物ということにすればいいな。どのみちリンクスと錬金術の話で盛り上がるつもりだったし」
その予定は俺のやらかしでアークにキャンセルされちゃったからね。それをやりたいと言えば不自然じゃないだろう。
「よし、報連相は大事だからこれもアークと相談して。まあ早くても明日以降だろうけど、魔石に付与だけでも済ませておこう。あ、メーレやエレン達にも作ろう。仲間はずれはよくない」
あれ、そうするとカガシ達にも作った方がいいかな。どうせ素材は余ってるし大丈夫そう。
こうしてせっせと魔石に付与しまくっていたら、作業部屋にアークがやって来て、机の上の付与済みの魔石を見て溜め息を吐いたのが目の端に見えた。
「ノア、どれだけの人数分作るつもりなんだ」
「とりあえず獣人国の王族の人達とメーレ達にカガシ達にもでしょ。あとはいらないかもだけどウラノス義父様達にもかな」
「うん、まあ父上達は何を貰っても大喜びだろうが、それならこんなに大量にはいらないんじゃないか?」
「……」
そう言われてようやく目の前の魔石を見る。うん、軽く一〇〇個はあるかな。おかしいな、いつの間に。
「ノアは集中すると、いつも寝食を忘れてやり過ぎるからな。分かったら、もう今日は止めろ」
アークに渋い顔でそう言われて、確かにもう夕ご飯の時間だったので、終わりにしようと片付けに入った。
「うん、ごめん。あっアーク、装飾品を決められないから本人達に確認してから完成させたくて、また獣人国に行きたいんだけど。ちょうどリンクスとの約束もあったし」
「約束? リンクスと?」
いつの間にしたんだ、という顔のアークに俺は説明した。
「アークがセオドアを連れにエイダンの街に行ってるときにね、錬金術の話で盛り上がっちゃって」
そう言うと納得したようだ。
「あのとき、予定を白紙にしてこっちに帰ちゃったでしょ。実はあのあと、リンクスと錬金術の話を色々とする予定だったんだよね」
「あー、そういえば確かに、彼と錬金術のことで盛り上がってたな。ノアのお仕置きで、俺がご破算にしちゃったのか。分かった、調整しておこう」
「お仕置き……うん。間違っていないけど、言い方がちょっと……まあいいか。じゃあお願いね」
とりあえず今日はもうすることないな。お仕置きも終わったし、久しぶりにゆっくり眠れそうかな。
俺はそんなことを考えながら片付けを終えて夕ご飯の支度をし、アークと一緒に食べてお風呂に入ると、今日はフラグにはならずにぐっすり眠ることが出来たのだった。
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