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本編
144 遠足と言う名のサバイバル? 3
午後は通常の授業とのことで、僕とスオウは昼休憩のあと生徒会室に来ていた。
午前中であらかたサバイバルの準備が終わったからだ。
「いらっしゃい。サクヤちゃん、スオウ」
「こんにちは、お邪魔します」
「どーも」
ガオウ兄様が何時ものように軽い感じで迎え入れてくれる。生徒会メンバー全員が揃っているようだ。
「遠足の方は、もういいのか」
「はい、Sクラスは午前中にまとまって午後は通常授業になったので、こっちに来ました」
「そういうところはやっぱりSクラスだよね。問題なく話し合いが済みそう。俺らのときも、ちょっと揉めたけどすんなりいった方だったね」
アルフレッドにそう応えると、ルークが懐かしそうに思い出している。
「揉めたっていっても、グループ分けで誰が何処に入るかってくらいだったろう」
ルイスが突っ込むと、すかさずルークが返す。
「それが揉める原因だっての! だって遠足では一人一つのテントじゃなくてグループごとに一つのテントなんだぜ。そうなれば若人ならば……分かるよな?」
「え、テントはグループごとなんだ? 知らなかった。先生、言ってなかったよね?」
前世でのグランピングみたいなサイズかな? あとは遊牧民の、ええとなんて言ったっけ、ゲルとかパオとかユルタ? 国で言い方が違うんだったか。ああいうヤツ?
「あー、そうだな。でもまあ兄弟や先輩から聞いてたヤツらも多いみたいだし、皆は分かってたんじゃないか? いやそれよりもだな、俺もうっかりしてたけど確かにルークの言うとおりだな」
……んん?
テントの件は分かったけど、ルークの言ってる意味がよく分からずに首を傾げる。するとレックスが口を開いた。
「ようするに性欲発散ってことだな」
「──……おおぅ……性欲発散」
「おまっ──はあ、ストレート過ぎんだろ」
「いやサクヤにはこれくらいハッキリ言わないと伝わらないだろうが。それで変に解釈されても困るし」
「それはそうだけど!」
スオウとレックスのやりとりに周りもうんうんと頷いていて、皆の僕に対する認識を改めて知る。
確かに前科があるもんね。その節はごめんなさい。
まあようするに、エッチなことをしたくなってグループ内で色々とヤっちゃうかもってことなんだね。遠足中に羽目を外す場合があると。
それが合意の上でならともかく、無理矢理だったら犯罪だ。いやいや合意でも遠足期間中はマズいでしょーが。……でも。
「ねえ、それでいくとさ……」
「ああ」
「Cクラス、ヤバくない?」
「ヤバいなんてもんじゃないな。ハルキとその仲間達のグループだろうし」
僕の言葉にスオウが応える。疑問じゃなくて確定の声で。
「……僕、関わりたくない」
「同感だ。だが、今回は一年生全員で協力しながらのサバイバルだから避けるのは無理」
「……スオウ」
僕は珍しく困り顔でスオウを見た、と思う。顔はともかく、声は感情が乗っていたはずだ。
「もちろん授業の一環だし協力はするよ、するけど……気持ちはもう、拒絶反応を起こすから……」
たぶん前みたいに聞き流したりスルーできない。何ならアイツを煽って矜持をへし折ってしまいそう──あ。
「そうだ!」
「ぅおっ!? 急にどうした」
へにょってた僕が急に叫んで顔を上げたから、スオウが驚いた。そんなことお構いなしに、僕はスオウに詰め寄って言った。
「ハルキを精神的にボコボコにして矜持をへし折ってしまえばいいんだ! 二度と僕達に突っかかってこないように、そんな気も起きないくらいに徹底的に!」
「────は?」
スオウは唖然とした顔でポツリと一言。他の面々は苦笑やら真顔やらで呟いた。
「……マジ?」
「まさかのサクヤの提案……」
「まあ一理あるな」
「うんうん。アレにはお似合いの作戦だろう」
ということで、僕の心の安寧のために遠足期間中にハルキを精神的に滅します。
さぁて、どうやって料理してやろうかな? うん? 言葉の使い方合ってるよね?
ドン引きしているところ悪いけど、スオウにも手伝ってもらうと思うからよろしくね。
そう言ってニコッと笑った。
──今回は俺達、参加できなくてよかった。いやよくないのか? などと話しているガオウ兄様達にも笑ってあげたら、同じようにドン引きされた。
解せぬ。
午前中であらかたサバイバルの準備が終わったからだ。
「いらっしゃい。サクヤちゃん、スオウ」
「こんにちは、お邪魔します」
「どーも」
ガオウ兄様が何時ものように軽い感じで迎え入れてくれる。生徒会メンバー全員が揃っているようだ。
「遠足の方は、もういいのか」
「はい、Sクラスは午前中にまとまって午後は通常授業になったので、こっちに来ました」
「そういうところはやっぱりSクラスだよね。問題なく話し合いが済みそう。俺らのときも、ちょっと揉めたけどすんなりいった方だったね」
アルフレッドにそう応えると、ルークが懐かしそうに思い出している。
「揉めたっていっても、グループ分けで誰が何処に入るかってくらいだったろう」
ルイスが突っ込むと、すかさずルークが返す。
「それが揉める原因だっての! だって遠足では一人一つのテントじゃなくてグループごとに一つのテントなんだぜ。そうなれば若人ならば……分かるよな?」
「え、テントはグループごとなんだ? 知らなかった。先生、言ってなかったよね?」
前世でのグランピングみたいなサイズかな? あとは遊牧民の、ええとなんて言ったっけ、ゲルとかパオとかユルタ? 国で言い方が違うんだったか。ああいうヤツ?
「あー、そうだな。でもまあ兄弟や先輩から聞いてたヤツらも多いみたいだし、皆は分かってたんじゃないか? いやそれよりもだな、俺もうっかりしてたけど確かにルークの言うとおりだな」
……んん?
テントの件は分かったけど、ルークの言ってる意味がよく分からずに首を傾げる。するとレックスが口を開いた。
「ようするに性欲発散ってことだな」
「──……おおぅ……性欲発散」
「おまっ──はあ、ストレート過ぎんだろ」
「いやサクヤにはこれくらいハッキリ言わないと伝わらないだろうが。それで変に解釈されても困るし」
「それはそうだけど!」
スオウとレックスのやりとりに周りもうんうんと頷いていて、皆の僕に対する認識を改めて知る。
確かに前科があるもんね。その節はごめんなさい。
まあようするに、エッチなことをしたくなってグループ内で色々とヤっちゃうかもってことなんだね。遠足中に羽目を外す場合があると。
それが合意の上でならともかく、無理矢理だったら犯罪だ。いやいや合意でも遠足期間中はマズいでしょーが。……でも。
「ねえ、それでいくとさ……」
「ああ」
「Cクラス、ヤバくない?」
「ヤバいなんてもんじゃないな。ハルキとその仲間達のグループだろうし」
僕の言葉にスオウが応える。疑問じゃなくて確定の声で。
「……僕、関わりたくない」
「同感だ。だが、今回は一年生全員で協力しながらのサバイバルだから避けるのは無理」
「……スオウ」
僕は珍しく困り顔でスオウを見た、と思う。顔はともかく、声は感情が乗っていたはずだ。
「もちろん授業の一環だし協力はするよ、するけど……気持ちはもう、拒絶反応を起こすから……」
たぶん前みたいに聞き流したりスルーできない。何ならアイツを煽って矜持をへし折ってしまいそう──あ。
「そうだ!」
「ぅおっ!? 急にどうした」
へにょってた僕が急に叫んで顔を上げたから、スオウが驚いた。そんなことお構いなしに、僕はスオウに詰め寄って言った。
「ハルキを精神的にボコボコにして矜持をへし折ってしまえばいいんだ! 二度と僕達に突っかかってこないように、そんな気も起きないくらいに徹底的に!」
「────は?」
スオウは唖然とした顔でポツリと一言。他の面々は苦笑やら真顔やらで呟いた。
「……マジ?」
「まさかのサクヤの提案……」
「まあ一理あるな」
「うんうん。アレにはお似合いの作戦だろう」
ということで、僕の心の安寧のために遠足期間中にハルキを精神的に滅します。
さぁて、どうやって料理してやろうかな? うん? 言葉の使い方合ってるよね?
ドン引きしているところ悪いけど、スオウにも手伝ってもらうと思うからよろしくね。
そう言ってニコッと笑った。
──今回は俺達、参加できなくてよかった。いやよくないのか? などと話しているガオウ兄様達にも笑ってあげたら、同じようにドン引きされた。
解せぬ。
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