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本編
71 夏季休暇前の試験 その四
本日も滞りなく筆記試験が終わり、昼休みの後の実技試験。
今日はSとAクラスなので、当然、サクヤとスオウの出番がある。
生徒会の皆もSクラスなので今日はスタンバイの方だ。
先にAクラスの剣術のバトルロイヤルが始まった。
まず、1学年。
Aクラスともなるとさすがというか、皆、同じくらいの強さがある。
その中で飛び抜けているのは2人ほどか。
聞くとやはり風紀委員。
「あの人、片手剣を使ってるけど、本職は格闘だね。体術が凄い」
「ああ。剣術と銘打っているから使ってるが、無手の方が強いだろうな。体のキレが違う」
「やっぱり風紀委員の鍛錬に混ざろう! 絶対楽しいでしょ!」
「楽しいでしょ! じゃねえよ。戦闘狂!」
「えーーー?!」
抗議するサクヤを見ると、珍しく口を尖らせている。
そんなに死合いたいのか・・・・・・。
試合じゃなく、この字は間違ってないと思う。
サクヤの手合わせは絶対にコレだね。
スオウは遠い目をして思った。
そうしているうちに決着が着いたようだ。
純粋に剣術で勝ったのはもう一人の風紀委員。
大剣使いなのに信じられないくらいの速さで振るう剛腕でびっくりした。
「身体強化魔法無しであれって凄いよね」
「ガチムチって訳でもないのにあの腕力は凄いよ。脱いだら凄いのかな?」
羨ましい。
僕は筋肉がつきにくいから頑張って細マッチョなんだよねえ。
その後のAクラスの2年と3年もやはり風紀委員が最後まで残っていた。
サクヤは相変わらず風紀委員にきらきらした目を向けていた。
そしてSクラスのバトルロイヤルが始まった。
サクヤとスオウのバトルが見られるとあって、ほぼ全員、何なら教師から学園長までもが顔を出していた。
「スオウには手加減無しで大丈夫?」
「して欲しいけど、試験だからなあ。純粋な剣術でやり合いたいし、ガチンコでいいんじゃないか?」
「了解。お互い頑張ろう」
そういって舞台に上がる。
スオウはロングソード。サクヤは刀だ。
刀は扱う者が少ないため本数も少ない。
その中で手に馴染むものを選んだのだが。
「・・・」
手にしたもの以外にも違和感を感じたが、大したハンデにはならないと無視を決め込んだ。
鞘は無事。なら大丈夫。
「Sクラス1学年、始め!!」
事前に申し合わせていたのか、スオウとサクヤ以外の全員が共闘して二人に襲いかかった。
咄嗟に二手に分かれるサクヤ達。
残りのメンバーも分かっていたかのように綺麗に分かれた。
よく見ると分かれたメンバーは二人の戦闘パターンに合わせて組まれているようだ。
サクヤの方はスピード重視、スオウはパワー重視のようだ。
これはこの為に作戦を練っていたな。
サクヤとスオウは思った。
実は二人共生徒会に入り浸っていたので、その間にクラスの皆が対策を立てていたのだ。
勝てないことは百も承知で、出来ることをしようと。
速さにものを言わせて手数を多く打ち込んでいく。
それを軽く、鞘に収まったままの刀で捌いて往なして紙一重で避けて・・・と淡々と受け流していったが。
---不意に。
サクヤはニヤリと笑った。
滅多に笑わない顔が獣のように獰猛に・・・。
皆が先のキマイラとの戦闘を思い出してゾクッとした。
その一瞬、風が巻き起こり、サクヤと対峙していた9人が場外へ飛ばされて落ちた。
飛ばされた者は、何が起きたか分からなかった。
サクヤは落ちた生徒達を確認してからスオウの方をうかがう。
スオウがガンガン打ち合っている。
だが全然余裕そうだ。
最初の立ち位置からほぼ動いてない。
しかしスオウも、サクヤが片付いたのを見て動いた。
先ほどとは比べものにならない速さで剣を横に一薙ぎすると、サクヤと同じように風が巻き起こり、全員場外へ飛ばされて落ちた。
二人共、剣から斬撃を飛ばしたのだ。
もちろん魔法ではなく、単に剣を振ることによって生じた衝撃波だが、速すぎて剣を振るのが見えなかったりする。
残った2人はお互いを見るとニヤリと笑った。
後で皆に言われたが、二人共これぞ戦闘狂という何とも言えない顔だったらしい。
「これでゆっくりと死合えるね」
「そうだな」
闘技場にいた皆が固唾を呑んで見守る中、軽い感じでそう言うと、次の瞬間、いつの間にか切り結んでいた。
『神童』と『夜叉姫』の打ち合いが始まった。
今日はSとAクラスなので、当然、サクヤとスオウの出番がある。
生徒会の皆もSクラスなので今日はスタンバイの方だ。
先にAクラスの剣術のバトルロイヤルが始まった。
まず、1学年。
Aクラスともなるとさすがというか、皆、同じくらいの強さがある。
その中で飛び抜けているのは2人ほどか。
聞くとやはり風紀委員。
「あの人、片手剣を使ってるけど、本職は格闘だね。体術が凄い」
「ああ。剣術と銘打っているから使ってるが、無手の方が強いだろうな。体のキレが違う」
「やっぱり風紀委員の鍛錬に混ざろう! 絶対楽しいでしょ!」
「楽しいでしょ! じゃねえよ。戦闘狂!」
「えーーー?!」
抗議するサクヤを見ると、珍しく口を尖らせている。
そんなに死合いたいのか・・・・・・。
試合じゃなく、この字は間違ってないと思う。
サクヤの手合わせは絶対にコレだね。
スオウは遠い目をして思った。
そうしているうちに決着が着いたようだ。
純粋に剣術で勝ったのはもう一人の風紀委員。
大剣使いなのに信じられないくらいの速さで振るう剛腕でびっくりした。
「身体強化魔法無しであれって凄いよね」
「ガチムチって訳でもないのにあの腕力は凄いよ。脱いだら凄いのかな?」
羨ましい。
僕は筋肉がつきにくいから頑張って細マッチョなんだよねえ。
その後のAクラスの2年と3年もやはり風紀委員が最後まで残っていた。
サクヤは相変わらず風紀委員にきらきらした目を向けていた。
そしてSクラスのバトルロイヤルが始まった。
サクヤとスオウのバトルが見られるとあって、ほぼ全員、何なら教師から学園長までもが顔を出していた。
「スオウには手加減無しで大丈夫?」
「して欲しいけど、試験だからなあ。純粋な剣術でやり合いたいし、ガチンコでいいんじゃないか?」
「了解。お互い頑張ろう」
そういって舞台に上がる。
スオウはロングソード。サクヤは刀だ。
刀は扱う者が少ないため本数も少ない。
その中で手に馴染むものを選んだのだが。
「・・・」
手にしたもの以外にも違和感を感じたが、大したハンデにはならないと無視を決め込んだ。
鞘は無事。なら大丈夫。
「Sクラス1学年、始め!!」
事前に申し合わせていたのか、スオウとサクヤ以外の全員が共闘して二人に襲いかかった。
咄嗟に二手に分かれるサクヤ達。
残りのメンバーも分かっていたかのように綺麗に分かれた。
よく見ると分かれたメンバーは二人の戦闘パターンに合わせて組まれているようだ。
サクヤの方はスピード重視、スオウはパワー重視のようだ。
これはこの為に作戦を練っていたな。
サクヤとスオウは思った。
実は二人共生徒会に入り浸っていたので、その間にクラスの皆が対策を立てていたのだ。
勝てないことは百も承知で、出来ることをしようと。
速さにものを言わせて手数を多く打ち込んでいく。
それを軽く、鞘に収まったままの刀で捌いて往なして紙一重で避けて・・・と淡々と受け流していったが。
---不意に。
サクヤはニヤリと笑った。
滅多に笑わない顔が獣のように獰猛に・・・。
皆が先のキマイラとの戦闘を思い出してゾクッとした。
その一瞬、風が巻き起こり、サクヤと対峙していた9人が場外へ飛ばされて落ちた。
飛ばされた者は、何が起きたか分からなかった。
サクヤは落ちた生徒達を確認してからスオウの方をうかがう。
スオウがガンガン打ち合っている。
だが全然余裕そうだ。
最初の立ち位置からほぼ動いてない。
しかしスオウも、サクヤが片付いたのを見て動いた。
先ほどとは比べものにならない速さで剣を横に一薙ぎすると、サクヤと同じように風が巻き起こり、全員場外へ飛ばされて落ちた。
二人共、剣から斬撃を飛ばしたのだ。
もちろん魔法ではなく、単に剣を振ることによって生じた衝撃波だが、速すぎて剣を振るのが見えなかったりする。
残った2人はお互いを見るとニヤリと笑った。
後で皆に言われたが、二人共これぞ戦闘狂という何とも言えない顔だったらしい。
「これでゆっくりと死合えるね」
「そうだな」
闘技場にいた皆が固唾を呑んで見守る中、軽い感じでそう言うと、次の瞬間、いつの間にか切り結んでいた。
『神童』と『夜叉姫』の打ち合いが始まった。
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