月の至高体験

エウラ

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本編

87 ひ○狩り行こーぜ!! その伍

魔導具研究所から帰ってギルドに依頼完了の書類を提出し、報酬はかなりの額になりそうとのことで、後日にまた来ることになった。

さて午前中に一件終わったが、全く戦闘してなかったので不完全燃焼状態の二人は今度はガッツリ討伐系の依頼を探した。

ちなみに受付の人におすすめを聞いてみたが、反応がイマイチだったので顔見知り?の冒険者に聞いてみた。

「・・・・・・正直、あんたらなら何でも平気だろう。いっそのことこの【ガララビ亜種討伐】でも受けたらどうだ?」
「・・・・・・ガラガラヘビ?」
な。まあ、ヘビみたいなもんだが体長はさっきの火竜よりもデカくて15mくらいはあるな。亜種って事は毒や麻痺なんか使ってくるだろうな」
「おお、やるやる! 早速受けよう!」
「とりあえず受理してもらったら飯な」
「そうだった。お弁当作ってきたんだった。ここ、持ち込み大丈夫?」
「大丈夫だよ」
「ヨシ、じゃあこれ手続きお願いします」

さっさと受付で手続きして貰い、食堂兼酒場の隅のテーブルに座り、弁当を広げる。
僕は普通の量でも少し多いくらいだけどスオウは体格に見合った量を食べるからたくさん作ってきたんだ。

「「いただきます」」

手を合わせてからお箸でお漬物を摘まんでポイ。ポリポリ美味い。
お茶を啜る。
うん、合う。
お味噌汁を一口。うまうま。
塩むすびをパク。いい塩加減。
唐揚げを口に放り込む。じゅわっと肉汁が・・・。
今日もいい出来だ!

黙々と消費していると視線を感じる。
無視。
卵焼き。甘くて美味しー!
視線をスルー。
ジャガイモの甘辛煮も味がしみしみ。

・・・・・・。

「・・・・・・何か?」

ウザくて美味しく食べられないでしょ。
あんた、誰?

スオウよりも頭一つ分高い。
ガチムチって言葉がお似合いの体。
焦げ茶色の短髪に明るい茶色の瞳。ワイルドイケメンってヤツだ。

「スオウの知り合い?」
「・・・知り合いって言うか、何度か組んだことがある。Aランクのジスだ」
「そのジスさんが何用?」
「・・・いや、美味そうだなって」
「あげませんよ。スオウの為に作ったんです」

たくさんあるけど、それとこれとは別。
赤の他人にスオウのお弁当を食べさせたくはない。

「ああいや。そんな全力で拒否らなくても・・・」

捨てられた犬っぽくしてもあげません。

「じゃあ消えて下さい。邪魔しないで下さい。デートの邪魔です」
「デート・・・」
「えっ!! デートだったのか?!」
「婚約者と二人で出かけてお弁当食べてるんだからデートでしょう」
「婚約者?! えっ?! スオウ、こんな美人と婚約してたのか?!」

あれ? ジスの驚きよう・・・サクヤの事知らない?
・・・ン?

「ああ、もしかして野外授業の護衛依頼受けてなかった?」
「え? ああ、今年は野暮用で離れてたから参加してない。・・・ン? もしかして有名人?」
「『夜叉姫』です。以後、お見知りおきを」

スッと立ち上がって綺麗なお辞儀をするサクヤが格好いい。
ジスはポカンとしている。

「・・・・・・はあ?! 『夜叉姫』?!」
「ギルド職員や他の冒険者に聞いていいぜ。もちろんギルマスにも」
「いやそういう意味じゃ・・・はあ。何だって帝国にいるんだよ。皇国の冒険者だろう? ・・・え、護衛依頼受けてたのか?」
「違う。護衛される方。俺と同じく学園生だ。野外授業で出たキマイラを俺とサクヤが討伐したの。それで『夜叉姫』ってバレたんだよ」
「ちょっとまて。キマイラ? 二人で討伐? イヤでも二人ともSランクだからイケたのか」

ブツブツ煩い。もういいよね。

「スオウ、片付けて行こう」
「ああそうだな。じゃあまたな、ジス」
「え? ああうん、また?」

戸惑ってるジスを置き去りにしてギルドを後にした。


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