月の至高体験

エウラ

文字の大きさ
120 / 149
本編

116 一方その頃(sideリオネル&ライナス)


「今年の体育祭は一波乱起きそうだな」

リオネルが執務室で影達に声をかける。

『今回は王立騎士団も警備に加わるとのことですが』
「そうだな。皇室の影も増員されたようだ。そちらとも連絡を取って共同戦線を張るようにしてくれ。陽希の動向にも気を配れよ」
『御意』

影の気配が消えた頃、深い溜息を吐いて椅子に凭れるリオネル。

思い出すのは先月の事・・・。

夏期休暇も終わりに近づいた頃、この体育祭の為に学園に戻ったサクヤ達を待ち構えたように執拗に生徒会室と風紀委員会室で待ち伏せをする陽希。

面倒事を避ける為にサクヤが転移魔法で部屋と寮を往復してくれたお陰でコレといったトラブルは無かったものの、結局はサクヤの負担を軽くするために許可を取って魔導具で転移できるようにした。

もちろん他言無用で。

「・・・・・・本当に何がしたいんだ、アレは・・・」

全く読めないんだよねえ。
生徒会や風紀委員会の役員にちょっかいかけて、サクヤの事は目の敵にする。

物語の主人公にでもなったつもりで行動しているのなら、その元になる物語の内容が分からないことには対策のとりようが無いが・・・。

「大変だろうが影を張り付かせて見張るしか無いかな」

もう一度深い溜息を吐いて、影にまた指示を出すのだった。





その頃、皇城でも同じような事が繰り広げられていた。

「体育祭の方はどんな感じだ?」
「今のところ、不審な動きは無さそうです。やはり前日や当日でしょうかねえ」

ライナスの言葉に応える側近のアーサー。
資料を捲りながら確認しているのは、皇室の影からの報告書だ。

皇陽希に張り付かせている影によると、夏期休暇後半に生徒会室と風紀委員会室を突撃していたが空振りに終わり、荒れていたらしい。

「・・・ああ、アレか。サクヤがまとめて転移していたが最終的に魔導具での使用許可を求めていたヤツ。アレのせいでほとんど接触出来てなかったんだよねえ」

そりゃあ確かに苛つくだろうが。

「・・・・・・本当に何をしたくて纏わり付くのか」

アレの考えている事は全く分からん。

はー・・・・・・、疲れる。



執務室の椅子にどっかり背を預けて溜息を吐いていると、影から最新情報が齎された。

一方その頃の大公家にも同じく影から一報が齎された。

その内容は・・・・・・。



「応援合戦のテーマが猫耳尻尾のメイドだって?」
『はい』
「代表が、サクヤ・・・・・・?」
『はい』
「・・・・・・壇上でお披露目するのか?!」
『・・・・・・はい』

---ソレは一目見たい!
でも一般人はおろか保護者さえ見学不可だから学園内では無理!!

ああ、記録媒体で記録して貰わないと・・・!!

影に警備と称して張り付かせてガッチリ残さないと---!!



同じ事を考えている兄弟だった。







感想 57

あなたにおすすめの小説

家族に忘れられていた第五王子は愛され生活を送る

りーさん
ファンタジー
 アズール王国の王宮には、多くの王子や王女が住んでいる蒼星宮という宮がある。  その宮にはとある噂が広まっていた。併設されている図書館に子どもの幽霊が現れると。  そんなある日、図書館に出入りしていた第一王子は子どものような人影を見かける。  その時、父である国王にすら忘れられ、存在を知られていなかった第五王子の才覚が露になっていく。

みどりとあおとあお

うりぼう
BL
明るく元気な双子の弟とは真逆の性格の兄、碧。 ある日、とある男に付き合ってくれないかと言われる。 モテる弟の身代わりだと思っていたけれど、いつからか惹かれてしまっていた。 そんな碧の物語です。 短編。

人気アイドルの俺、なぜかメンバー全員に好かれてます

七瀬
BL
デビュー4年目の人気アイドルグループ「ECLIPSE(エクリプス)」に所属する芹沢 美澄(せりざわみすみ)は、昔からどこか抜けていてマイペースな性格。 歌もダンスも決して一番ではないはずなのに、なぜかファンからもメンバーからも目を離されない存在だった。 世話焼きな幼なじみ、明るく距離の近い同い年、しっかり者で面倒見のいい年上、掴みどころのない自由人、そして無言で隣にいるリーダー——。 気づけば、美澄の周りにはいつも誰かがいて、当たり前のように甘やかされていく。

側妻になった男の僕。

selen
BL
国王と平民による禁断の主従らぶ。。を書くつもりです(⌒▽⌒)よかったらみてね☆☆

ヒロインの兄は悪役令嬢推し

西楓
BL
異世界転生し、ここは前世でやっていたゲームの世界だと知る。ヒロインの兄の俺は悪役令嬢推し。妹も可愛いが悪役令嬢と王子が幸せになるようにそっと見守ろうと思っていたのに…どうして?

第十王子は天然侍従には敵わない。

きっせつ
BL
「婚約破棄させて頂きます。」 学園の卒業パーティーで始まった九人の令嬢による兄王子達の断罪を頭が痛くなる思いで第十王子ツェーンは見ていた。突如、その断罪により九人の王子が失脚し、ツェーンは王太子へと位が引き上げになったが……。どうしても王になりたくない王子とそんな王子を慕うド天然ワンコな侍従の偽装婚約から始まる勘違いとすれ違い(考え方の)のボーイズラブコメディ…の予定。※R 15。本番なし。

あなたの愛したご令嬢は俺なんです

久野字
BL
「愛しい令息と結ばれたい。お前の家を金銭援助するからなんとかしろ」 没落寸前の家を救うため、強制的な契約を結ばれたアディル。一年限りで自分の体が令嬢に変わる秘薬を飲まされた彼は、無事に令息と思いを通じ合わせることに成功するが……

[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?

シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。 クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。 貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ? 魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。 ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。 私の生活を邪魔をするなら潰すわよ? 1月5日 誤字脱字修正 54話 ★━戦闘シーンや猟奇的発言あり 流血シーンあり。 魔法・魔物あり。 ざぁま薄め。 恋愛要素あり。