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番外編 カーティス・ライン
俺はカーティス・ライン。
カーティス公爵家の次男だ。
カーティス家はエルフの家柄で、竜人族に次いで長命な一族だ。
そして竜人族ほどではないが番いを求める本能がある。だがこれもそう簡単に見つけられるわけでもなく、中には番いではないが相性のいい者と婚姻することもある。
まあ、長命ゆえ気長に番い探しをする者がほとんどだが。
大体、性欲が薄くて番い以外に勃たないというのもあるし。
そんなわけで俺も三百ウン歳過ぎて未だに番いには巡り逢わないわけだが・・・・・・。
そんなある日、魔導師団の副師団長を務めていた俺は、新たに入団してきた魔導師の中にビビッと来る人族と出会った。
ダスク公爵家の公子のアディス。
当時は十一歳だったと思う。
薄い白金の髪をポニーテールにして、大きくて垂れ目がちな薄い翠の瞳。人族というよりもエルフと言った方があっているんじゃないかと思う綺麗で可愛い美少年。
そして人族では歴代一位と思われるほどの豊富な魔力量のせいか、成長がかなり緩やかで精々五、六歳くらいの見た目。おそらく特注品のローブを纏っている。さすがにあのサイズの魔導師用の支給品は取り扱いがない。
俺は純粋に可愛いという印象を持った。
そこにもう一つ、愛おしいという感情が付随していたことに当時は気付かぬまま・・・・・・。
彼は才能に溢れていた。
年に三回の魔物討伐任務でもその能力を遺憾なく発揮してどんどん頭角を現していった。
気付けば俺は師団長となった彼を支えたいと、副団長の席を彼の義理の息子のセラータに譲り、師団長補佐官となって可能な限り側に控えて仕事にくっ付いていった。
この頃には己の恋心を自覚していた。
番いほどの執着はないが、出来ることなら婚姻したいと思うほどには愛していた。
それをアディスは、おそらく分かっていて知らんぷりを決め込んでいるのだ。
───何か事情があるのは分かっていた。
だからこちらからは踏み込まずにいたのだ。
それからだいぶ経ったあの日、彼が騎士団との合同訓練のあとに倒れた。魔力枯渇だ。
俺はすかさず魔力供給のために移動しようと抱き上げ・・・・・・る前に、何故か近衛騎士団のドーン団長が掻っ攫うように抱き上げて足早に去って行った。
「───は?」
俺は呆気にとられてしばらくポカンとしていた。
その時ドーン近衛騎士団長は何か口走っていた。なんて言っていた?
『やっと見つけた、私の番い』
そう言ってなかったか?
ドーン近衛騎士団長は百年ほど前に魔物討伐任務中だった騎士団所属の番いを失っている。
王城勤務の近衛騎士団とは仕事上の関わり合いが薄いためそれ以降こちらとは交流がない。
今回は王命もあったために事後処理で来て貰ったわけで・・・・・・。
そこであの言動・・・・・・つまり・・・・・・?
「アディスが、ドーン近衛騎士団長の亡くなった番いの生まれ変わり・・・・・・ということか?」
この世界、魂で番った相手は輪廻転生していつかまた出逢うと言われている。
それが今、目の前で起こったわけか───。
「───そんなの、勝ち目ないだろ」
「・・・・・・カーティス、その・・・・・・」
「・・・・・・ご愁傷様?」
「お前ら! 皆まで言うな! いやもう言われたけども!」
あの一瞬の出来事で、近くにいて色々と察したらしいエリアス騎士団長とディート補佐官が気まずそうにやって来てそう言うが慰めにもならない。
「・・・・・・しかし、ドーン近衛騎士団長の番いの生まれ変わりがねえ・・・・・・」
「まさかまさかのダスク師団長だったとは・・・」
「アレ、そういやアルヴァもダスク副師団長と番いなんだろ?」
「兄弟と親子ダブルで番い成立か。こりゃあ慶事だな!」
「・・・・・・お前ら、たった今、失恋したばかりの俺に配慮ってもんがないのか・・・・・・」
コロッと態度を変えてめでたい空気になった周りを恨めしく睨みながら、他人の番いにはもう手が出せないからと気持ちを切り替えて、アディスの代わりに事後処理の采配をするのだった。
───やがてアディスとエヴァルドの間に生まれた人族の男の子が己の番いだと分かり、あのアディスに向けた愛情はアディスの元に宿るであろうまだ見ぬ番いへ向けたモノだったのかもしれないと思うのは、だいぶ先の話───。
※そしてその人族の男の子も魔力が豊富で合法ショタになるわけですなw
そしておそらくカーティスに紫の上のように育てられる(笑)
カーティス救済回でした。
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