5 / 40
5 休暇初日 1
討伐任務完了の日。
あれからアディスとダスク家に戻った俺は要望通りゆっくりお風呂に浸かり、美味しい御飯とスパークリングワインを飲んで、ほろ酔いのいい気分でアディスにデレデレと甘えまくって一緒のベッドで眠った。
翌朝、気付いたら日も高くて、今は大体9時頃だろうか。
朝早いうちに俺の額にキスをして出て行くアディスを夢うつつで見た気がする。
アディスは今日も仕事だって言ってたもんな。
俺はのろのろと起きてベッドに腰掛けてボーッとしていた。
「・・・・・・身体が重い。久しぶりの魔力枯渇だったな」
養子になったあとアディスに魔法の使い方を習っていて、初歩の魔力循環中にうっかり膨大な魔力を解放してしまって。
枯渇寸前でアディスが強制的に暴走を抑えてくれたおかげでなんとか無事だったけど、お腹がたぷたぷになるほど魔力回復ポーションを飲まされたっけ。
マズくはなくてむしろ美味しいくらいだったんだけど、もう無理ってくらい飲んだのにもっと飲めって言われて・・・・・・。
しばらくは瓶を見ただけで胸やけしてたな。
だって一本は50mlくらいだけど、それを20本は飲まされたんだよ?
4歳の胃袋舐めんなよ? 1Lだよ?
いっぺんに入るわけないじゃん。
でも魔力枯渇は死と隣り合わせだって聞いてたから、少しでも回復させないと。
俺は魔力の総量が多すぎて、最低ラインまで回復するにはかなりのポーションを必要とするらしい。
顔を真っ青にしたアディスにそう言われて、根性で飲みましたよ。
だってアディスにまた家族を失うなんて思いをさせたくないから。
でもさすがにもう飲めないってぶっ倒れて、丸一日寝てたらしい。そのあとも一週間くらいは怠くて重い身体でキツかった。
それ以来、最低ラインは切らないように気を付けてたから全然平気だったんだけど・・・・・・。
今回も、だいぶ軽い方だけどやっぱり重怠くて動きたくない。気が抜けてるから余計に。
「失礼します。お目覚めでございますか、セラータ坊ちゃま」
「・・・・・・あー、うん。起きた・・・・・・。坊ちゃまは止めてってば・・・・・・」
もうそんな歳じゃないのに、恥ずかしい。
「いえいえ、私にとっては何時まで経っても坊ちゃまですよ。さあどうぞお着替えなさって軽くお食事を。魔力回復によい食材を用意しておりますので」
サイモンはそう言ってにっこり笑い、俺の顔を濡らしたタオルで拭い、億劫で動かない俺の寝衣を脱がせて着替えさせる。
何時も思うけど凄い手際のよさよ。
「本日はとにかく食事と睡眠を、とアディス様に申しつけられておりますので、ごゆっくりお過ごし下さい」
「・・・・・・うん・・・・・・」
「まだ召し上がるまでは起きていて下さい」
「んー、がんばる・・・・・・」
ふふっと笑いながらサイモンが食事の用意をしてくれるのをボーッと見ていると、部屋の入り口に人の気配がして、俺は目だけをチラッと向けた。
・・・・・・ん?
「アルヴァ?」
寝惚けて幻を見てるんかな?
首を傾げていると、ソレはすすっと目の前に移動してきた。
「セラ、おはよう」
「・・・・・・おはよう? んん? あれぇ? ホンモノ?」
「──っふ、本物だよ。魔力枯渇で数日は動くのも辛いだろう? 俺も一週間休暇を貰ったから手伝いに来た」
「んー・・・・・・おー・・・・・・そーなんだ? ・・・・・・手伝い?」
回らない頭でボーッと返事をしたら更に笑ったアルヴァにほっこり嬉しくなって俺も笑った。
だって数年ぶりなんだもん。
「手伝いというか坊ちゃまのお世話でございますね」
そうサイモンが言い直して、なるほどと思う。
俺が動けないので昔のように世話を焼きにきたんだな。
「そういうことだ」
「おー・・・・・・じゃあ、お言葉に甘えちゃおうかな」
そう言って寝惚けた頭で何も考えずに両手を差し出した俺。
アルヴァはちょっと固まった。
「アルヴァ、抱っこ」
「───っぐぅ。可愛過ぎるだろう」
「? 御飯食べるー」
「あ、ああ。抱えるぞ」
「お願い」
軽く抱き上げられて、目の前にアルヴァの逞しくてムチムチの胸筋があったので無意識にスリスリするとピクッと胸筋が震えた。
「・・・・・・っ昔から変わらんな、その癖」
「んー?」
アディスとアルヴァにしかやらないよ?
もっとも成人(15歳)してからはアディスにもほとんどしないし、アルヴァに至っては噂が出回り始めた後から避けられてこうして会うこともなかったし。
俺は久しぶりのムチムチの胸筋とアルヴァの爽やかな香りに包まれて、またウトウトしだすのだった。
※コレくらいの文字数でちまちま投稿出来たらいいなと思ってます。
エロまで遠いな。
あなたにおすすめの小説
【完結】ダンスパーティーで騎士様と。〜インテリ俺様騎士団長α×ポンコツ元ヤン転生Ω〜
亜沙美多郎
BL
前世で元ヤンキーだった橘茉優(たちばなまひろ)は、異世界に転生して数ヶ月が経っていた。初めこそ戸惑った異世界も、なんとか知り合った人の伝でホテルの料理人(とは言っても雑用係)として働くようになった。
この世界の人はとにかくパーティーが好きだ。どの会場も予約で連日埋まっている。昼でも夜でも誰かしらが綺麗に着飾ってこのホテルへと足を運んでいた。
その日は騎士団員が一般客を招いて行われる、ダンスパーティーという名の婚活パーティーが行われた。
騎士という花型の職業の上、全員αが確約されている。目をぎらつかせた女性がこぞってホテルへと押しかけていた。
中でもリアム・ラミレスという騎士団長は、訪れた女性の殆どが狙っている人気のα様だ。
茉優はリアム様が参加される日に補充員としてホールの手伝いをするよう頼まれた。
転生前はヤンキーだった茉優はまともな敬語も喋れない。
それでもトンチンカンな敬語で接客しながら、なんとか仕事をこなしていた。
リアムという男は一目でどの人物か分かった。そこにだけ人集りができている。
Ωを隠して働いている茉優は、仕事面で迷惑かけないようにとなるべく誰とも関わらずに、黙々と料理やドリンクを運んでいた。しかし、リアムが近寄って来ただけで発情してしまった。
リアムは茉優に『運命の番だ!』と言われ、ホテルの部屋に強引に連れて行かれる。襲われると思っていたが、意外にも茉優が番になると言うまでリアムからは触れてもこなかった。
いよいよ番なった二人はラミレス邸へと移動する。そこで見たのは見知らぬ美しい女性と仲睦まじく過ごすリアムだった。ショックを受けた茉優は塞ぎ込んでしまう。
しかし、その正体はなんとリアムの双子の兄弟だった。パーティーに参加していたのは弟のリアムに扮装した兄のエリアであった。
エリアの正体は公爵家の嫡男であり、後継者だった。侯爵令嬢との縁談を断る為に自分だけの番を探していたのだと言う。
弟のリアムの婚約発表のお茶会で、エリアにも番が出来たと報告しようという話になったが、当日、エリアの目を盗んで侯爵令嬢ベイリーの本性が剥き出しとなる。
お茶会の会場で下民扱いを受けた茉優だったが……。
♡読者様1300over!本当にありがとうございます♡
※独自のオメガバース設定があります。
※予告なく性描写が入ります。
貴族軍人と聖夜の再会~ただ君の幸せだけを~
倉くらの
BL
「こんな姿であの人に会えるわけがない…」
大陸を2つに分けた戦争は終結した。
終戦間際に重症を負った軍人のルーカスは心から慕う上官のスノービル少佐と離れ離れになり、帝都の片隅で路上生活を送ることになる。
一方、少佐は屋敷の者の策略によってルーカスが死んだと知らされて…。
互いを思う2人が戦勝パレードが開催された聖夜祭の日に再会を果たす。
純愛のお話です。
主人公は顔の右半分に火傷を負っていて、右手が無いという状態です。
全3話完結。
ウサギ獣人を毛嫌いしているオオカミ獣人後輩に、嘘をついたウサギ獣人オレ。大学時代後輩から逃げたのに、大人になって再会するなんて!?
灯璃
BL
ごく普通に大学に通う、宇佐木 寧(ねい)には、ひょんな事から懐いてくれる後輩がいた。
オオカミ獣人でアルファの、狼谷 凛旺(りおう)だ。
ーここは、普通に獣人が現代社会で暮らす世界ー
獣人の中でも、肉食と草食で格差があり、さらに男女以外の第二の性別、アルファ、ベータ、オメガがあった。オメガは男でもアルファの子が産めるのだが、そこそこ差別されていたのでベータだと言った方が楽だった。
そんな中で、肉食のオオカミ獣人の狼谷が、草食オメガのオレに懐いているのは、単にオレたちのオタク趣味が合ったからだった。
だが、こいつは、ウサギ獣人を毛嫌いしていて、よりにもよって、オレはウサギ獣人のオメガだった。
話が合うこいつと話をするのは楽しい。だから、学生生活の間だけ、なんとか隠しとおせば大丈夫だろう。
そんな風に簡単に思っていたからか、突然に発情期を迎えたオレは、自業自得の後悔をする羽目になるーー。
みたいな、大学篇と、その後の社会人編。
BL大賞ポイントいれて頂いた方々!ありがとうございました!!
※本編完結しました!お読みいただきありがとうございました!
※短編1本追加しました。これにて完結です!ありがとうございました!
旧題「ウサギ獣人が嫌いな、オオカミ獣人後輩を騙してしまった。ついでにオメガなのにベータと言ってしまったオレの、後悔」
神子様のお気に入り!
荷稲 まこと
BL
異世界に召喚された主人公、百瀬瑠衣。
そこは女性が存在しないBLゲームの世界だった。
『神子様』と呼ばれイケメンたちにちやほやされる瑠衣であったが、彼はどうも不満そうで…。
長編の合間の息抜きに書きました。
ふわっと設定なのでふわわっと読んでください。
すけべシーンには※が付いてます。
【完結】一生に一度だけでいいから、好きなひとに抱かれてみたい。
村松砂音(抹茶砂糖)
BL
第13回BL大賞で奨励賞をいただきました!
ありがとうございました!!
いつも不機嫌そうな美形の騎士×特異体質の不憫な騎士見習い
<あらすじ>
魔力欠乏体質者との性行為は、死ぬほど気持ちがいい。そんな噂が流れている「魔力欠乏体質」であるリュカは、父の命令で第二王子を誘惑するために見習い騎士として騎士団に入る。
見習い騎士には、側仕えとして先輩騎士と宿舎で同室となり、身の回りの世話をするという規則があり、リュカは隊長を務めるアレックスの側仕えとなった。
いつも不機嫌そうな態度とちぐはぐなアレックスのやさしさに触れていくにつれて、アレックスに惹かれていくリュカ。
ある日、リュカの前に第二王子のウィルフリッドが現れ、衝撃の事実を告げてきて……。
親のいいなりで生きてきた不憫な青年が、恋をして、しあわせをもらう物語。
※性描写が多めの作品になっていますのでご注意ください。
└性描写が含まれる話のサブタイトルには※をつけています。
※表紙は「かんたん表紙メーカー」さまで作成しました。
生まれ変わったら知ってるモブだった
マロン
BL
僕はとある田舎に小さな領地を持つ貧乏男爵の3男として生まれた。
貧乏だけど一応貴族で本来なら王都の学園へ進学するんだけど、とある理由で進学していない。
毎日領民のお仕事のお手伝いをして平民の困り事を聞いて回るのが僕のしごとだ。
この日も牧場のお手伝いに向かっていたんだ。
その時そばに立っていた大きな樹に雷が落ちた。ビックリして転んで頭を打った。
その瞬間に思い出したんだ。
僕の前世のことを・・・この世界は僕の奥さんが描いてたBL漫画の世界でモーブル・テスカはその中に出てきたモブだったということを。
歳上公爵さまは、子供っぽい僕には興味がないようです
チョロケロ
BL
《公爵×男爵令息》
歳上の公爵様に求婚されたセルビット。最初はおじさんだから嫌だと思っていたのだが、公爵の優しさに段々心を開いてゆく。無事結婚をして、初夜を迎えることになった。だが、そこで公爵は驚くべき行動にでたのだった。
ほのぼのです。よろしくお願いします。
※ムーンライトノベルズ様でも投稿しています。
俎上の魚は水を得る
円玉
BL
前作「釣った魚、逃した魚」の番外・後日談です。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/546817982/116507482
番外編なのに長くなりそうなので別タイトルでアップすることにしました。
本編を読んでないと、伝わりきらないところが有ると思います。
厳密に言えば、後日談と言っても本編のラストシーンよりは少し前に遡ります。
建国の儀の翌年となります。
二人の生活を楽しんでいた召喚神子・三倉貴史(タカ)と護衛騎士であり伴侶のマクミラン。
マクミランがうっかり漏らした神子の誕生日を耳にした王家が、それを放っておくはずも無く。
『神子様生誕祭』を執り行うことに。
次第に大仰になっていく事に引き気味だったが、王家の計らいで温泉地が貰えることになったタカは、俄然発奮することに。
ただひたすらラブ語りなだけで、さほどの危機が訪れることもなく、メリハリ的には薄目です。
どちらかと言えばコメディ寄りかなと思います。
本編「釣った魚、逃した魚」は終始マクミラン目線(攻目線)でしたが、
本作では、神子様・タカ目線(受目線)になります。
本編「釣った魚、逃した魚」では崇拝恋慕しているマクミラン目線だったので、大分神子様が神秘的に美化されています。
今回、神子様本人目線なので、所詮は今時の日本人。そこそこ俗です。
あと、一応、今回も調子に乗らないように文字数2300以下の縛りを設けてみました。
ですが、連載回数を30話で締めたかったので、
ラスト近くの回から、文字数2300を越えてしまいました。
予約投稿にて、毎日更新します。
ムーンライトさんにも投稿しています。