【完結】暁の騎士と宵闇の賢者

エウラ

文字の大きさ
19 / 40

19 つわものどもが夢のあと(sideアディス)

※R18の前にアディス視点が入ります、スミマセン。


急きょ行われた騎士団と魔導師団の合同訓練に紛れ込んだネズミ共を炙りだし、訓練にかこつけて粛清をした。

いやあ出るわ出るわ。
よくもまあ団員達にしれっと混じったな。
だがしかし、私を甘く見るなよ? 鑑定魔法に頼らずとも団員達の顔と名前は全部把握しているんだよ。

大体、命のかかった討伐任務に携わる団員は徹底的に調査するに決まってるだろうが。背中を任せて刺されたら意味ない。

合同訓練の終了と共にアルヴァに連れられて出て行ったセラータを見送ってから、檻の中の暗殺者共を結界魔法と拘束魔法でまとめて身動きできないようにした。

もちろん自決などさせないよ。

全員に罪人用の首枷を嵌める。コレは私が改良したモノで陛下にも使用許可が下りている特別製。
魔法使用不可、自死不可、攻撃不可、デバフで幼児並みの身体能力に自動で調整。更には嘘が吐けないようにもなっている。あとは煩くないように『沈黙魔法サイレス』もかかってる。

「さてと、あとは陛下に提出済みの報告書とコイツらの証言を照らし合わせて確認を取って、と」
「先ほど近衛騎士団に連絡したから、もうじきやって来るだろう。彼らに引き渡したら一旦休憩だな」

エリアス団長が溜息を吐く。うーん、まだまだやることがあるんだけどな・・・・・・。

「ダスク師団長、彼らに任せて一度お休み下さい。・・・・・・その、だいぶ魔力の消費が」
「あー、うん、まあ大丈夫なんだけど・・・・・・。確かにちょっと疲れたかな」

ラインが気遣わしげに言うので、苦笑して言った。疲れたのは本当のことだし。

ソレにホッとしたラインを横目に、訓練場の入り口に集まってきた魔導銀ミスリルの甲冑を身に着けた近衛騎士団達を眺める。

近衛騎士団は王城内と王族の護衛専門の騎士団だ。基本的に魔物討伐には行かない。
だから魔導師団や騎士団とは交流する機会もほとんどなく、何処かよそよそしい雰囲気が漂っていた。

あとはアレだ、顔がよすぎて近寄りがたい。
近衛騎士は顔も審査基準にあるのだろうか。全員、顔面偏差値が高い。眼福である。

そんな中で飛び抜けて美形の男がいた。

ドーン・エヴァルド近衛騎士団長。
そう、ウチの隣の領地であるドーン公爵家の嫡男でアルヴァの兄である。
アルヴァと同じ黒瞳で、背中の中程につくストレートの黒髪をポニーテールにしている。偶然にも普段の私と同じ髪型だ。

兄弟でありながらアルヴァよりも細いし、顔もどちらかといえば優しげで中性的な美人だ。
噂によると何時も無表情で無感情らしく、氷の近衛騎士団長と囁かれているそうだ。氷って・・・・・・あの優しげな顔の要素は何処へ行った?

かれこれ400歳は越えているはずだが、長命な竜人の中ではまだまだ子供扱いらしい。

実は彼はすでに番いを得ていた。

───と過去形なのは、およそ100年前にその番いを亡くしているからだ。

この世界の竜人は番いを亡くしても狂いはしないが、一度番いを得たら、大抵の竜人はその番い以外を愛することはしないらしい。
ごく稀に気の合う者と婚姻したりするが、正式にのは生涯たった一人だけ。唯一無二の者だけなのだ。

それ故、彼も生涯、誰かと添い遂げることはないだろう。

ドーン公爵シヴィルの話だと、彼は番いを亡くして以降、王城内の近衛騎士団専用の宿舎に寝泊まりしていて滅多に公爵家に帰らないそうだ。
確かに。実は私もダスク公爵家に生まれて32年、未だにちゃんと紹介されていない。

セラータを養子にしたときにシヴィルが『あとで紹介するよ』と言っていたが、結局帰らず、シヴィルの番いのメリア公爵夫人しか紹介して貰えてない。シヴィルは番いを囲いまくる性質タチらしく、夫人を見たのも数回だけで、外に出さないらしい。

同じように囲ってたなぁ。さすが親子だなぁ。アルヴァも囲う・・・・・・のはセラが嫌がりそうだな。
しかし容姿、全然変わらないなぁ。
でもこんなに無表情じゃなかったのに・・・・・・。

そんなことをぼんやり思って、とりあえず引き取り手が来たことにホッとして気が抜けたからか、スーッと意識が闇に落ちていくのを感じた。

「───っダスク師団長!?」

ラインの慌てた声が響く。
やっぱり結構疲れてたんだな。魔力もかなり減ってるし・・・・・・。

目を閉じる瞬間、何か、驚愕の顔をして焦ったように駆け寄るエヴァルドが見えた気がするけど、すぐに意識が途絶えて確認は出来なかった。




※思わせぶりをしておいて、次はセラとアルのイチャイチャ予定です。








感想 64

あなたにおすすめの小説

【完結】ダンスパーティーで騎士様と。〜インテリ俺様騎士団長α×ポンコツ元ヤン転生Ω〜

亜沙美多郎
BL
 前世で元ヤンキーだった橘茉優(たちばなまひろ)は、異世界に転生して数ヶ月が経っていた。初めこそ戸惑った異世界も、なんとか知り合った人の伝でホテルの料理人(とは言っても雑用係)として働くようになった。  この世界の人はとにかくパーティーが好きだ。どの会場も予約で連日埋まっている。昼でも夜でも誰かしらが綺麗に着飾ってこのホテルへと足を運んでいた。  その日は騎士団員が一般客を招いて行われる、ダンスパーティーという名の婚活パーティーが行われた。  騎士という花型の職業の上、全員αが確約されている。目をぎらつかせた女性がこぞってホテルへと押しかけていた。  中でもリアム・ラミレスという騎士団長は、訪れた女性の殆どが狙っている人気のα様だ。  茉優はリアム様が参加される日に補充員としてホールの手伝いをするよう頼まれた。  転生前はヤンキーだった茉優はまともな敬語も喋れない。  それでもトンチンカンな敬語で接客しながら、なんとか仕事をこなしていた。  リアムという男は一目でどの人物か分かった。そこにだけ人集りができている。  Ωを隠して働いている茉優は、仕事面で迷惑かけないようにとなるべく誰とも関わらずに、黙々と料理やドリンクを運んでいた。しかし、リアムが近寄って来ただけで発情してしまった。  リアムは茉優に『運命の番だ!』と言われ、ホテルの部屋に強引に連れて行かれる。襲われると思っていたが、意外にも茉優が番になると言うまでリアムからは触れてもこなかった。  いよいよ番なった二人はラミレス邸へと移動する。そこで見たのは見知らぬ美しい女性と仲睦まじく過ごすリアムだった。ショックを受けた茉優は塞ぎ込んでしまう。 しかし、その正体はなんとリアムの双子の兄弟だった。パーティーに参加していたのは弟のリアムに扮装した兄のエリアであった。 エリアの正体は公爵家の嫡男であり、後継者だった。侯爵令嬢との縁談を断る為に自分だけの番を探していたのだと言う。 弟のリアムの婚約発表のお茶会で、エリアにも番が出来たと報告しようという話になったが、当日、エリアの目を盗んで侯爵令嬢ベイリーの本性が剥き出しとなる。 お茶会の会場で下民扱いを受けた茉優だったが……。 ♡読者様1300over!本当にありがとうございます♡ ※独自のオメガバース設定があります。 ※予告なく性描写が入ります。

貴族軍人と聖夜の再会~ただ君の幸せだけを~

倉くらの
BL
「こんな姿であの人に会えるわけがない…」 大陸を2つに分けた戦争は終結した。 終戦間際に重症を負った軍人のルーカスは心から慕う上官のスノービル少佐と離れ離れになり、帝都の片隅で路上生活を送ることになる。 一方、少佐は屋敷の者の策略によってルーカスが死んだと知らされて…。 互いを思う2人が戦勝パレードが開催された聖夜祭の日に再会を果たす。 純愛のお話です。 主人公は顔の右半分に火傷を負っていて、右手が無いという状態です。 全3話完結。

ウサギ獣人を毛嫌いしているオオカミ獣人後輩に、嘘をついたウサギ獣人オレ。大学時代後輩から逃げたのに、大人になって再会するなんて!?

灯璃
BL
ごく普通に大学に通う、宇佐木 寧(ねい)には、ひょんな事から懐いてくれる後輩がいた。 オオカミ獣人でアルファの、狼谷 凛旺(りおう)だ。 ーここは、普通に獣人が現代社会で暮らす世界ー 獣人の中でも、肉食と草食で格差があり、さらに男女以外の第二の性別、アルファ、ベータ、オメガがあった。オメガは男でもアルファの子が産めるのだが、そこそこ差別されていたのでベータだと言った方が楽だった。 そんな中で、肉食のオオカミ獣人の狼谷が、草食オメガのオレに懐いているのは、単にオレたちのオタク趣味が合ったからだった。 だが、こいつは、ウサギ獣人を毛嫌いしていて、よりにもよって、オレはウサギ獣人のオメガだった。 話が合うこいつと話をするのは楽しい。だから、学生生活の間だけ、なんとか隠しとおせば大丈夫だろう。 そんな風に簡単に思っていたからか、突然に発情期を迎えたオレは、自業自得の後悔をする羽目になるーー。 みたいな、大学篇と、その後の社会人編。 BL大賞ポイントいれて頂いた方々!ありがとうございました!! ※本編完結しました!お読みいただきありがとうございました! ※短編1本追加しました。これにて完結です!ありがとうございました! 旧題「ウサギ獣人が嫌いな、オオカミ獣人後輩を騙してしまった。ついでにオメガなのにベータと言ってしまったオレの、後悔」

神子様のお気に入り!

荷稲 まこと
BL
異世界に召喚された主人公、百瀬瑠衣。 そこは女性が存在しないBLゲームの世界だった。 『神子様』と呼ばれイケメンたちにちやほやされる瑠衣であったが、彼はどうも不満そうで…。 長編の合間の息抜きに書きました。 ふわっと設定なのでふわわっと読んでください。 すけべシーンには※が付いてます。

【完結】一生に一度だけでいいから、好きなひとに抱かれてみたい。

村松砂音(抹茶砂糖)
BL
第13回BL大賞で奨励賞をいただきました! ありがとうございました!! いつも不機嫌そうな美形の騎士×特異体質の不憫な騎士見習い <あらすじ> 魔力欠乏体質者との性行為は、死ぬほど気持ちがいい。そんな噂が流れている「魔力欠乏体質」であるリュカは、父の命令で第二王子を誘惑するために見習い騎士として騎士団に入る。 見習い騎士には、側仕えとして先輩騎士と宿舎で同室となり、身の回りの世話をするという規則があり、リュカは隊長を務めるアレックスの側仕えとなった。 いつも不機嫌そうな態度とちぐはぐなアレックスのやさしさに触れていくにつれて、アレックスに惹かれていくリュカ。 ある日、リュカの前に第二王子のウィルフリッドが現れ、衝撃の事実を告げてきて……。 親のいいなりで生きてきた不憫な青年が、恋をして、しあわせをもらう物語。 ※性描写が多めの作品になっていますのでご注意ください。 └性描写が含まれる話のサブタイトルには※をつけています。 ※表紙は「かんたん表紙メーカー」さまで作成しました。

生まれ変わったら知ってるモブだった

マロン
BL
僕はとある田舎に小さな領地を持つ貧乏男爵の3男として生まれた。 貧乏だけど一応貴族で本来なら王都の学園へ進学するんだけど、とある理由で進学していない。 毎日領民のお仕事のお手伝いをして平民の困り事を聞いて回るのが僕のしごとだ。 この日も牧場のお手伝いに向かっていたんだ。 その時そばに立っていた大きな樹に雷が落ちた。ビックリして転んで頭を打った。 その瞬間に思い出したんだ。 僕の前世のことを・・・この世界は僕の奥さんが描いてたBL漫画の世界でモーブル・テスカはその中に出てきたモブだったということを。

歳上公爵さまは、子供っぽい僕には興味がないようです

チョロケロ
BL
《公爵×男爵令息》 歳上の公爵様に求婚されたセルビット。最初はおじさんだから嫌だと思っていたのだが、公爵の優しさに段々心を開いてゆく。無事結婚をして、初夜を迎えることになった。だが、そこで公爵は驚くべき行動にでたのだった。   ほのぼのです。よろしくお願いします。 ※ムーンライトノベルズ様でも投稿しています。

俎上の魚は水を得る

円玉
BL
前作「釣った魚、逃した魚」の番外・後日談です。 https://www.alphapolis.co.jp/novel/546817982/116507482  番外編なのに長くなりそうなので別タイトルでアップすることにしました。   本編を読んでないと、伝わりきらないところが有ると思います。 厳密に言えば、後日談と言っても本編のラストシーンよりは少し前に遡ります。 建国の儀の翌年となります。 二人の生活を楽しんでいた召喚神子・三倉貴史(タカ)と護衛騎士であり伴侶のマクミラン。 マクミランがうっかり漏らした神子の誕生日を耳にした王家が、それを放っておくはずも無く。 『神子様生誕祭』を執り行うことに。 次第に大仰になっていく事に引き気味だったが、王家の計らいで温泉地が貰えることになったタカは、俄然発奮することに。 ただひたすらラブ語りなだけで、さほどの危機が訪れることもなく、メリハリ的には薄目です。 どちらかと言えばコメディ寄りかなと思います。 本編「釣った魚、逃した魚」は終始マクミラン目線(攻目線)でしたが、 本作では、神子様・タカ目線(受目線)になります。 本編「釣った魚、逃した魚」では崇拝恋慕しているマクミラン目線だったので、大分神子様が神秘的に美化されています。 今回、神子様本人目線なので、所詮は今時の日本人。そこそこ俗です。 あと、一応、今回も調子に乗らないように文字数2300以下の縛りを設けてみました。 ですが、連載回数を30話で締めたかったので、 ラスト近くの回から、文字数2300を越えてしまいました。 予約投稿にて、毎日更新します。 ムーンライトさんにも投稿しています。