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王都観光(side喫茶店店主)
しおりを挟む本日は光栄なことに、ノースライナ辺境伯家の方々の予約が入りました。
ノースライナ辺境伯と言えば、この国の辺境地で魔物の脅威から我々を護って下さっている、とてもお強い辺境騎士団の筆頭でございます。
現在は次男のヒューズ様が騎士団長をなさっておいでで、辺境伯を凌ぐ強さとか。
そんな方々が何やら王都にご用があったようで、その用事が済んだ為に本日は観光で来られるとか。
4名様の他に執事1名、護衛が5名とのこと。
午前10時頃の予約でございます。
お忍びと言うことで貸切では無いのですが、念の為人数制限をして店内のお客様を少なめにしました。
粗相のないように準備を整えてお待ちしておりましたら、一組のお客様が口論を始めました。
不味いです。
もうじき予約された方々がいらっしゃるというのに、何故、今ココで!
「お客様! 他の方のご迷惑になりますのでおやめ下さい!」
そういって止めに入ろうとした矢先・・・。
話し声とドアベルが鳴る音、そこに被せるようにケーキの乗った皿を掴んで叫びながら投げつける女性客。
方向音痴に投げられたケーキは、今まさに足を踏み入れた小柄な黒髪の子供の顔面にヒット!!
---さあーっと血の気が引きました。
その子の傍らには噂に聞く辺境騎士団の団長であるヒューズ様、その脇には同じような色彩の、恐らくは副団長のダグラス様。
その後ろには現辺境伯のイライアス様、執事と護衛騎士の方々が・・・。
そうそうたるメンバーが護っていらっしゃるこのお子様は・・・。
クリームを拭って現れた美しい顔に黒い瞳・・・・・・。
稀人様・・・・・・?!
最近、噂で聞いた事が事実だったとは。
辺境伯家で保護していらっしゃると。
そんな高貴な方になんと言うことを!!
結局、着替えのために予約をキャンセルなさって、出て行かれました・・・。
この不始末、どう責任を取って貰いましょうかね・・・!!
それにしても、服飾店と言うことは、幼馴染みの彼の店でしょうね。
お詫びにケーキを差し入れましょう。
決してご機嫌取りじゃ有りませんよ。
稀人様、可愛かったですね。
しばらくして、幼馴染みが来て、どうやら取りなしてくれたようです。
「稀人様はお優しい方です。店側に非はないとおっしゃって下さって。それは美味しそうにケーキを召し上がっておりましたよ。それにヒューズ様のお色のリボンも購入されて、嬉しそうになさってました」
「そうか、ありがとう。夕方はたくさんのケーキをお届けしよう」
本当に助かった。
彼らの手にかかれば物理的に店が消し飛んでいましたからね。
さてさて、あのカップルはどんな制裁を受けるのでしょうかね。
楽しみですよ・・・・・・。
せっかくの機会を滅茶苦茶にされた恨みを思い知りなさい。
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