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第一章 フォレスター編
到着 そして デジャブ
乗合馬車を降りてぶらぶらと歩く。
少し手前までは農耕地や果樹園が目立っていたが、ここまで来ると普通に街だな。先のフロウの街と同じくらい賑わっている。
「そう言えば今更だけど、この街はなんて言うの?」
「ああ、言ってなかったね。『イース』と言うんだ。ここは割と山間にあるけど、森林からの恵みや土壌がいいので国の食糧庫の一つなんだ。ちなみに王都まではけっこうかかるので、新鮮なものを輸送するときは転移魔法陣を使うんだよ。定期的にね」
「うへえ、高く付きそう」
輸送費がかかる分商品に上乗せされるもんね。
「うん、大概、王侯貴族の口に入る。庶民はドライフルーツとか、後は近くで採れる果物かな。味はここより落ちるけど」
日持ちするものは馬車で運ぶよ、とふんふん頷いているうちに、邸に着いた。
ちょっと予想と違ってた。
なんて言うか、デカいはデカいんだけど、無骨な?
あれだ、砦っぽい!
石造りで無駄な装飾がない。屋上があるっぽい。
門から玄関までが長い。なんか罠が色々あるっぽい!
ぽいぽい頭の中で興奮しつつ、あれだ、人じゃないから『鑑定』してもいいのでは? なんて思ってクラビスを見上げると。
にこっと笑われた。心の中を読んだね? そしていいんだね?
おけおけ! いざ、鑑定!!
・・・・・・
【隠蔽魔法(大)、不審者感知魔法、迎撃魔法、地雷魔法、自動追尾型爆弾、影警備】
うん、うん?
なんか色々あるな。よく分かんない魔法が・・・魔法?? 後半は魔法じゃないよな?
「どうだった? レベルがそこそこ高くないと罠がある、くらいしか分からないはずだけど」
「・・・魔法をよく知らないから、いまいちスゴいのか分からないけど、隠蔽魔法とか地雷とか?最後に影警備?」
クラビスが驚いた。
「隠蔽魔法見破るんだ? さすが鑑定EXだね。丸見えだ。影警備は人だから詳しく鑑定しないでやって?」
おっと、そうでしたか。らじゃ。お疲れっす!
そして門番さん。お疲れさま。ゴメンね、現実逃避してました。
・・・・・・だって。
ここからでも見える。あんなに遠い玄関に凄い人集りが。その先頭に見える人達が。
ギルマスの部屋で見たタブレット(でいいよね?)に映ってたオトーサマでは?
あれ? 王都までは馬車で3日って聞いたよ? 転移魔法陣は滅多に使わないって。
「やっぱりね」
クラビスは予想通りな感じ。ええ?
「それだけ貴方の事を想っている人達が大勢いるって事、分かって?」
「っっ、俺、」
今までそんなことを言う人なんかいなくて。
「俺はその中の1番だよ。---俺の太陽」
何で? ソレは、俺の方で・・・。
「急がないけど、覚悟してね。好きだよアルカス。一生俺と一緒に生きて?」
あまりにも甘い顔で言うもんだから、真っ赤になった俺はクラビスの胸に顔を埋めて、思わず
「よろしくお願いします」
瞬間、痛いほど抱きしめられて。
そのまま抱えられて玄関へ向かうこととなった。
恥ずか死ぬ。
そうして辿り着いた玄関先で。
「うおおおお!! アルカスお帰りいいいい!!」
「うるさいオヤジ!!」
「黙れオヤジ!!」
「静かにしろお前らぁ!!」
ドカッ ガスッ ゴンッ!
「ぴえっ!」
デジャブ三度。クラビスに必死にしがみついている俺。
もういい加減にしてくれ。心臓が持たないよ。
「よしよし」
クラビスが俺の頭を撫でてから、母さん達に向き直り、にっこりと、笑って言った。ただし目は笑ってない。
「昨日言いましたよね? 荒ぶった貴方方にアルカスが怯えていた、と。もう忘れたんですか?」
第一印象最悪ですよ。
ぽそっと言われた一言に『ガーン』となった父と兄二人。いや、兄達はあんまり怖くないけど?
でも空気読んで黙っとこうか。
「ええと、慣れるまでは、もう少し声も動作も押さえてもらえるといいんだけど・・・ビックリするんで」
こう言えば、テンション控えめになるかな? なにぶん、人の好意に慣れてないもんで、ぐいぐい来られると反応に困ってしまう。
とりあえず・・・。
「ただいま。父さん、母さん、お兄ちゃん達、お義姉ちゃん達。後、出迎えてくれた皆」
やっと言えた言葉に、皆はポカンとして。
『お帰り(なさい)! アルカス(坊ちゃま)!!』
どわあっと地響きのような叫びにビクッとクラビスにしがみつく。
だ か ら さっき言ったじゃん!!
頼むからもう少し静かにしてよぅ---!!
こんなんばっかり。スローライフへの道は遠い・・・。
とりあえず、家に入りませんか?
少し手前までは農耕地や果樹園が目立っていたが、ここまで来ると普通に街だな。先のフロウの街と同じくらい賑わっている。
「そう言えば今更だけど、この街はなんて言うの?」
「ああ、言ってなかったね。『イース』と言うんだ。ここは割と山間にあるけど、森林からの恵みや土壌がいいので国の食糧庫の一つなんだ。ちなみに王都まではけっこうかかるので、新鮮なものを輸送するときは転移魔法陣を使うんだよ。定期的にね」
「うへえ、高く付きそう」
輸送費がかかる分商品に上乗せされるもんね。
「うん、大概、王侯貴族の口に入る。庶民はドライフルーツとか、後は近くで採れる果物かな。味はここより落ちるけど」
日持ちするものは馬車で運ぶよ、とふんふん頷いているうちに、邸に着いた。
ちょっと予想と違ってた。
なんて言うか、デカいはデカいんだけど、無骨な?
あれだ、砦っぽい!
石造りで無駄な装飾がない。屋上があるっぽい。
門から玄関までが長い。なんか罠が色々あるっぽい!
ぽいぽい頭の中で興奮しつつ、あれだ、人じゃないから『鑑定』してもいいのでは? なんて思ってクラビスを見上げると。
にこっと笑われた。心の中を読んだね? そしていいんだね?
おけおけ! いざ、鑑定!!
・・・・・・
【隠蔽魔法(大)、不審者感知魔法、迎撃魔法、地雷魔法、自動追尾型爆弾、影警備】
うん、うん?
なんか色々あるな。よく分かんない魔法が・・・魔法?? 後半は魔法じゃないよな?
「どうだった? レベルがそこそこ高くないと罠がある、くらいしか分からないはずだけど」
「・・・魔法をよく知らないから、いまいちスゴいのか分からないけど、隠蔽魔法とか地雷とか?最後に影警備?」
クラビスが驚いた。
「隠蔽魔法見破るんだ? さすが鑑定EXだね。丸見えだ。影警備は人だから詳しく鑑定しないでやって?」
おっと、そうでしたか。らじゃ。お疲れっす!
そして門番さん。お疲れさま。ゴメンね、現実逃避してました。
・・・・・・だって。
ここからでも見える。あんなに遠い玄関に凄い人集りが。その先頭に見える人達が。
ギルマスの部屋で見たタブレット(でいいよね?)に映ってたオトーサマでは?
あれ? 王都までは馬車で3日って聞いたよ? 転移魔法陣は滅多に使わないって。
「やっぱりね」
クラビスは予想通りな感じ。ええ?
「それだけ貴方の事を想っている人達が大勢いるって事、分かって?」
「っっ、俺、」
今までそんなことを言う人なんかいなくて。
「俺はその中の1番だよ。---俺の太陽」
何で? ソレは、俺の方で・・・。
「急がないけど、覚悟してね。好きだよアルカス。一生俺と一緒に生きて?」
あまりにも甘い顔で言うもんだから、真っ赤になった俺はクラビスの胸に顔を埋めて、思わず
「よろしくお願いします」
瞬間、痛いほど抱きしめられて。
そのまま抱えられて玄関へ向かうこととなった。
恥ずか死ぬ。
そうして辿り着いた玄関先で。
「うおおおお!! アルカスお帰りいいいい!!」
「うるさいオヤジ!!」
「黙れオヤジ!!」
「静かにしろお前らぁ!!」
ドカッ ガスッ ゴンッ!
「ぴえっ!」
デジャブ三度。クラビスに必死にしがみついている俺。
もういい加減にしてくれ。心臓が持たないよ。
「よしよし」
クラビスが俺の頭を撫でてから、母さん達に向き直り、にっこりと、笑って言った。ただし目は笑ってない。
「昨日言いましたよね? 荒ぶった貴方方にアルカスが怯えていた、と。もう忘れたんですか?」
第一印象最悪ですよ。
ぽそっと言われた一言に『ガーン』となった父と兄二人。いや、兄達はあんまり怖くないけど?
でも空気読んで黙っとこうか。
「ええと、慣れるまでは、もう少し声も動作も押さえてもらえるといいんだけど・・・ビックリするんで」
こう言えば、テンション控えめになるかな? なにぶん、人の好意に慣れてないもんで、ぐいぐい来られると反応に困ってしまう。
とりあえず・・・。
「ただいま。父さん、母さん、お兄ちゃん達、お義姉ちゃん達。後、出迎えてくれた皆」
やっと言えた言葉に、皆はポカンとして。
『お帰り(なさい)! アルカス(坊ちゃま)!!』
どわあっと地響きのような叫びにビクッとクラビスにしがみつく。
だ か ら さっき言ったじゃん!!
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こんなんばっかり。スローライフへの道は遠い・・・。
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