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2人の青春を
語り手
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みんな固まっている
ロイドは牽制状態だ
そこでアオイが口を開ける
アオイ「レイ…何かあったの?」
レイ「あっ…えっとだな」
レイがモゴモゴと詰まっていると
ロルド「言わなくていいレイ」
ロイドがレイを守るように前に立った
いったい何がどうなっているんだ
アオイ「………レイ、ロイド。わかったよ!!よかったら僕らの話から聞いてよ」
アオイは不安を書き消すような笑顔で、始まり始まり!と紙芝居の話し手のように語り始めた
アオイ
とあるところに歌を歌うのがとても大好きな者がいました!
その者は何度も人前で歌ってきましたが、何か物足りなさを感じていました
歌に物語を乗せて歌うのが好きなこの者はある人に出会い、その人と一緒に物語を作り出したくなったのです
あなたと一緒に作りたい!
その思いを伝えようと曲を作りました
しかし、その人の前でその歌を歌おうとしたとき不運にも地震で落ちてきた機材にのまれて歌い手は亡くなったのです
どうしても思いを伝えたかったその者は神様に願いました
神様どうかあの人に伝えたい!
あの人と物語を作りたいのです
すると、その願いは叶えられ
その者は亡くなる1ヶ月前に戻ってきたのです
混乱しましたがその者は気を付けました
死なないように
1ヶ月後生き延びるために
しかし1ヶ月後
その者は亡くなりました
そしてまた1ヶ月前に戻ってきた
さまざまな死に方をしてまた戻ってと、それを何度も何度も繰り返しました
そこでその者は悟りました
あぁこの1ヶ月は私の悔いを残さないための1ヶ月なのだ
ならばもう生きようと足掻くのはやめよう
この1ヶ月私は1番やりたかったことをしよう!
そう決めた私はその人に全てを話しました
その人もここ何回かループしていることに気付きだしたようで私のやりたいことに承諾してくれました
そこまで言うとアオイはレイ、ロイドそしてラーズ(私)を見てひと呼吸置いて話しかけた
アオイ「だからね、僕はこの日々で悔いを残さないために今回のライブを成功させたいんだ!みんなで!」
レイとロイドは目をまん丸にしてアオイを見ていた
つたない説明できっとよくはわからないだろう
だけどアオイの話し方からは嘘ではなく、そして悲しみや苦しみ、諦めたのではなく決断したのだ!と決意さえ感じた
私はアオイに比べて少ないループだろうに、どれだけ泣いているのだろうというほど泣いていた
それを見てレイはまた驚き、そしてアオイに近づいていった
レイ「…よく…頑張ったな」
レイの頬にも涙が伝っていた
アオイ「信じてくれるの?」
レイ「当たり前だろ!!それで…何て言ったらいいのか……ごめん。」
アオイ・ラーズ「え?」
私たちは2人して最後のレイの謝罪に困惑した
レイ「もしかしたら…アオイがループしてるのは俺のせいかもしれない」
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