婚約破棄されるはずが……………

SAKURA

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今度こそ……(フレア・ティストリア視点)

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「…………!?」
(ついに…………戻ってきた…………)
なぜかは分からない。
けれど分かった。
あの子が………『ドミニカ・ガーランド』が目覚めたと…………。
あの子が目覚めた…………それは私のことがバレるということ……いいえもうばれているのかもしれない。
私がおかした罪。
彼らはきっと私を捕らえに来る……。
そして……処刑を命じられるだろう。
(そんなの嫌!)
思わず自分の身体を抱き締めた。
(また奪われる………壊される……あの子のせいで……あの子がいなくて幸せだった日常がやっと戻ってくると思ったのに……また壊されるの……?嫌……嫌よそんなの……わたくしは……私は………やっと手に入れられると……愛されると思ったのに………)
また支配される。
嫉妬、怒り、苦しみ、悲しみ。
それらが混ざってどろどろになったドス黒い感情に………。
「あ……ああ……………」
もう1人の自分が囁きかけてくる。
誘惑してくる。
『邪魔なら消せばいい……殺せばいい』と
(やめて……やめてよ………わたくしは………私はもうこれ以上………)

「汚れたくない………!!」 

(穢れたくない………!自分の手を罪で汚したくない!ずるくて、意地悪で、醜い私になりたくない!嫌だ!もうこんなことしたくないのに!やりたくないのに!こんな自分………大っ嫌いなのに………)
『どうしてそんなこと言うの?これはあなたが望んだことでしょ?失いたくないんでしょ?愛してほしいんでしょ?あなたはずっと誰にも愛してもらえなかったんだから………。やっと見つけたんでしょ?あなたを愛してくれる人を………。なのに良いの?またあの小娘に奪われて、壊されて………それでいいの?』
(そんなの……嫌……)
失いたくない。やっと得られると思った愛、温もり、優しさ……またあの日に戻るなんてそんなの……耐えられない。
『だったら素直になればいいじゃない。あなたが憎くて憎くてたまらないあの小娘を殺すだけで、あなたが欲しいものは全部手にはいるんだよ?』
(そうかもしれない……でも私はもうそんなことしたくない!罪をこれ以上犯したくない!そんなこと思ってない!)
『強がるのはやめなよ。あなたはどうせ一人ぼっち。誰にも愛してもらえない。望まれてない………』

『いないのと同じなんだから』
 
「………!?」
『本当は分かってるんでしょ?自分が誰にも愛してもらえないことくらい。今までもずっとそうだったでしょ?それでもあなたは求めてる。愛が欲しいから。自分を認めてくれなかった父親に、母親に認めて欲しいから。愛されたいから。義弟じゃなくて実の娘の自分を愛してほしかった。そうでしょ?だからずっと頑張ってきた。でもそれすら無駄だった。むしろもっと拒絶されたよね?ずっと辛かったよね?誰にも愛してもらえなくて。お話で憧れていた素敵な王子様と婚約できて、やっと愛してもらえるって思ってたのに。結局横からしゃしゃくり出てきたあの子に全部全~部奪われちゃって。本当に可哀想。ふふふ。でも大丈夫私だけはあなたを分かってあげられるから』
(うるさいうるさいうるさい!あなたに……何がわかるって言うのよ!)
『分かるよ?だって私はフレア……あなただもの。あなたは私。私はあなただもの。ずっと一緒だったもの。フレアのことは全~部分かってる。記憶もフレアの望みも汚いところも全~部知ってるんだから』
(もう……やめてよ……)
『ふふふ。可哀想なフレア。でもあなただって本当は分かってるんでしょ?所詮自分は悪者なんだって……嫌われものなんだって』
(うるさい!うるさい!そんなことない!全部嘘よ!もう私に話しかけないで!)
『ふふふ。可哀想なフレア。弱くて脆い哀れな少女。誰にも望まれずに生まれて、愛されずに育った可哀想な子。欲しいものは全部奪われて、嫌われて、拒絶されてきた。醜い嫉妬心にかられて、罪をおかしすぎた醜いフレア。でも大丈夫。他のみんながあなたを嫌っても私だけはあなたを分かってあげる。愛してあげるから。フレアがずぅっと……。だからなんだってしてあげる!フレアの汚い願いも全~部叶えてあげる!フレアを拒絶する人も、フレアを愛さない人も、フレアの邪魔をする人もみんなみんなみんなみ~んな』

『消してあげるから』

「ひっ……」
『だからさぁ……フレア……私を受け入れてよ。そうすれば、あなたが望んでることをあなたに変わって私が叶えてあげる。あなたはただ私に任せて眠るだけでいいの。目覚めた頃にはきっとフレアが望んだ通りから』
(そんなこと……私は望んでなんか……)
『嘘はダメだよ?フレア。全部分かってるんだから。あなたの全てをわかってる私に嘘なんて通じないんだから。全部あなたの願い通りにしてあげる。フレアを拒む人も愛さない人も邪魔する人も誰もいない素敵な世界にしてあげる。だから私を受け入れて?一緒になろう??』
(い……嫌……やめて……怖い……嫌!)
黒い何かが私を侵食していく。
犯していく。
『大丈夫だよ、フレア。安心して眠って?あなたが眠ってる間に全部終わっているから。だから………』

『さようなら』

そうして、私の意識はに奪われた。
眠る瞬間、がニタリとおぞましい笑みを浮かべていた。


「ふふふ………やっぱりすっごく素敵だよフレア!あなたの身体。暗くて醜い感情で溢れたあなたの身体は驚くくらい私に馴染んでる。ふふ………こんないい身体もらっちゃったらもう手放せないかも♪あぁでも安心して?フレア。今度こそ………………。フレアが奪われたものを私があいつらからフレアのかわりに奪ってあげる。報いを受けさせてあげる。命を奪ってあげる。そうしたらフレアも私も望みが叶って幸せでしょ?ふふふふふ………あははははははははははははははははははははははははははははははははは!!」

「まっててね………『ドミニカ・ガーランド』今度こそ…………


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

はい!皆さんお久しぶりすぎてすみません!SAKURAです!
更新遅れて本当に申し訳ありません!成績がヤバすぎて勉強してました!あとはネタがなかなか浮かばなくて…………(ゴニョゴニョ)

えっと、今回はドミニカの体に入ってるフレアちゃん視点でした!
フレアちゃんをそそのかした?のは誰なのか…………というのはフレアちゃん達の過去物語で明らかになります!
じつはこれ書く前に書いてたやつが、美智瑠ちゃんでてくるんですけど、かなりブラックになってて…………あ、これはあかんってなったのでネタに困ってました!(メタい) 
ブラック美智瑠ん見てみたいって方が多かったらあげるかも…………です。
それでは今回はこのへんで!SAKURAでした!
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