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魔窟編
その4
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「ギャハハ!!!!」
銀の大剣を振り下ろす魔獣。それを軽く避けるジュリア。彼女は持ち前の素早さで瞬間的に近寄り、相手の首のすぐ横で巨大な魔法陣を発現させる。
「〈インフィニフェスト〉」
魔法陣から出現した歪な炎の結晶が、相手の顔を容易く胴体から弾き飛ばす。
「〈インフィニフェスト〉」
彼女が姿勢を変えると炎の結晶が今度は円環状に現れ、集団で殴り込もうと飛び掛かった魔物達の腹を貫く。
「ちっ…キリがねえ」
白い肌と服を紫色の血で染めつつ、ジュリアが舌打ちをする。第二階層の敵が殲滅される寸前になった途端、突如魔物が出てきたのだ。それも大量かつ、質もかなり高いものである。既に何人かの傭兵が魔物に殺されている状態だ。
「恐らく召喚してる奴がいるな。炙り出そうにも爆発魔法は使えねえし…どうしてやろうか」
「グアア!!!」「ギエエエ!!!」
「〈インフィニフェスト〉」
今度は左右からの挟み打ち。結晶の隙間から紫色の血が吹き出し、命が直ちに2つ消えた。
「チッ…ここには腐る程魔力がある。魔力切れの心配は無いが…それは向こう側も同じか」
『こちらヴィレー。聞こえますか』
ジュリアの通信機が反応する。ここに入る前にマルルから貰っていたものだ。
『第三階層はかなりまずい状況です』
「何!?あいつらがか!?」
目の前の敵を蹴り飛ばしながら彼女は叫ぶ。
『ええ。実はチームが分断されてしまいまして。詠次さんの方はなんとか難を逃れたようですが、マルルさんの方に来た敵が非常に強いらしく』
「…あいつがか…一体何を手こずってるんだ?」
『誘爆防止の為に、全ての爆弾を使用禁止にしているからだと思います。彼女はあれを使わなければ弱い』
「は!?ならなんであいつを下に回したんだ!意味が分かんねえよ!!このクソ野郎が!!!」
目をかっ開いてジュリアが怒鳴る。その剣幕に驚いたのか、通信機の向こう側が静かになる。
「おい!!なんとか言えよ!!」
『…こちら側の誤算でした。
見込みでは、第三階層の魔素は1時間前に底を尽きているはずだったのです』
「…は?」
ヴィレーの口調が更に真剣になる。
『第三階層で戦う際、爆弾を利用出来る環境にするために、空間の魔素を過剰消費させる装置を秘密裏に持たせておきました。空気中の魔素が許容値になると電源が自動的に切れるように設定されていますが、それがまだ稼働しています』
ヴィレーが作る道具の凄さはジュリアが一番良く知っていた。恐らく、本当に予想外の出来事が生じている。そう彼女は確信した。
「つまり、俺に魔素を減らせということか」
『恐らく無駄に終わるでしょう。あの装置の魔素消費量ははあなたの最大出力を軽く5倍は上回ります。それより、ジュリアにはこの不可解な事象の原因を探して貰いたい』
「そうか。分かった」
『では、頼みましたよ』
「違う。もう答えが分かったって言ってんだよ」
『ほう!』
彼女は先程から攻撃の手を緩め、魔物の動きを観察していた。第二階層の細く分岐の多い通路から一斉にこちらへとなだれ込む魔物の数々。彼女はその通路の一つに注目する。そこではどういう訳か、そこでは屈強な魔物に混じって、見慣れない蛙が何やらぴょこぴょこと飛び出していたのだ。
「なあヴィレー。腹が緑に光るカエルみたいなやつって何だっけ」
『…ライトフロッグですね。生命力をエネルギーとして変換する、珍しい魔物です』
「それが一つの通路だけから出てくるんだ。で、俺に教えた時なんか言ってたよな。珍しいエネルギーがなんとかかんとかって」
『はい。他の生命の誕生に反応して、空気中から魔素を僅かに合成します。個々の生成量は非常に小さいですが、その特異性から、近年では魔素の生産に使えないか検討されています。…
…なるほど、そこにいますか』
「だろ?有り得そうな話だろ?」
ジュリアは得意げに言った。
「魔物を召喚している術師がいるんだ。そいつがライトフロッグを第三階層あたりで量産して、魔素を放出してるかもしれねえ。その魔素の余剰分で戦う為のバケモンを召喚している。何より、一つの通路からだけあの蛙が出てきてんだ。としたらあれは量産している場所から飛び出してきた個体で、」
『その通路の先に異常の原因があるに違いない…という推測ですね。断定は出来ませんが試す価値はありそうです』
「許可をくれ。もしかしたら任されていない第三階層に通じてるかもしれねえ」
『もう通してあります。彼女らもあと10分もつかどうかも分かりません。なるべく早めにお願いします』
「おうよ」
通信が切れる。高い岩場に座っていたジュリアはふんすと起き上がり、先程の道に手を向けて魔法陣を縦並び五重に展開する。
「〈ジャッジメント〉」
辺り一面の光源が消え、それと同時に彼女の手から燦々と煌めく光が放たれる。その致死的なエネルギーは彼女の手が示す方向へ轟音を上げながら照射され、経路上の全ての物質を塵も残さぬまで破壊した。
本来ならば光属性で破壊することが難しい岩でさえも、熱線ともいえるこの驚異的な魔法によって容易に溶かされた。通路の幅が元より1メートルほど大きくなっていた。
「驚いたか?あの炎魔法以外も使えるんだぜ?」
誰に届くこともない独り言を言いつつ、ジュリアは通路の奥へと駆け出す。
「侵入者が来たぞ!」
「俺達があの方をお守りするのだ!」
「〈インフィニフェスト〉」
「ギャオオオ!!!」
「〈インフィニフェスト〉」
「魔法装甲、強化完了。さあ、素晴らしい戦いをしようじゃ…」
「〈インフィニフェスト〉」
「〈インフィニフェスト〉」
「〈インフィニフェスト〉」
「〈インフィニフェスト〉」
邪魔者を消し、ジュリアは再び駆け出す。風景は暫くは溶けた岩肌だけであったが、少し奥まで来るとすぐに魔物が湧いてきた。それをたった一つの呪文で薙ぎ倒しながら奥へと進んでいく。
「ああ、ここのようだな」
そして通路の奥の開けた場所に入る。予感は的中していた。彼女の目の前には武器を持った大量の魔物、そして奥の方で銃を構える人間。更に奥の方は緑に光っている。ライトフロッグだ。
「来る人数を間違えたな、雑魚が!
お前ら!ボコボコにしてやれ!!!」
後方の少し高貴な身なりをした人間が叫ぶ。放たれた言葉を皮切りにして、一斉に敵が押し寄せる。
迫りくる大群を前にして、彼女は先程よりより一層興奮していた。
「こりゃ丁度良い!!!!せいぜい俺の技の紹介が出来る程度には耐えてくれよ!!!」
彼女は低く飛び上がると、自分を中心として上向きに魔法陣を展開、固定した。
「〈波動魔法陣:十二連展開〉!!!」
青と黒の二色で構成された禍々しい魔法陣。その全てが頭上に黒の光を放出し、彼女を中心としてゆっくりと回転を始める。
銃撃や敵の魔法は光線に弾かれ、近接戦を仕掛けようと近寄るものは全て消滅した。
「近寄るな!奴は防御をしているだけだ。回転するレーザーの隙間を狙って遠距離を叩き込め!!」
「ウオオオオ!!!」
魔法と銃弾が一斉に彼女へ襲いかかる。殆どの攻撃は黒い光線に弾かれて無力化されているが、銃弾や光魔法は僅かに当たっているらしい。ビームの隙間から見える彼女の腕の赤い血が、それを証明していた。
「よし。このまま射撃を続け…」
「た、隊長!レ、レーザーの方向が…!」
その時だった。魔法陣が回転速度を速め、更に光の角度を上方から水平へと変え始めたのだ。傾いていく黒い光が魔物の頭上をガリガリという音を立てて削っていく。入口は完全に彼女と付随する魔法陣で塞がれており、逃げ場は無かった。
「残念だったなお前ら!!!時間切れだ!!!!!!!」
高速回転により光線の筋が見えなくなる。それは生物としての終わりを告げる黒い天井となって、彼女に仇なす者に覆い被さった。
「「死ね!!!!!!!」」
そして血に濡れたジュリアが手で前髪を掻き上げて叫ぶと同時に、光が回転の水平面へと到達した。
この場にいる全員の敵が、高速回転する十二本のレーザーによって一斉に切り刻まれた。魔法装甲さえも削り取る貪欲な闇属性の力が、全ての敵の生命を平等に刈り取ったのだ。臓器、肉片と血が混濁しつつ飛び交い山を作り、周囲一帯は地獄絵図でも言葉が足りないほどの、凄惨な光景へと化した。
「…ふう。ちょっと疲れたな」
彼女は額の汗を拭い、奥を見渡す。蛙の姿はもうない。殲滅ついでではあるが、任務は遂行できた。彼女は耳辺りのボタンに触れ、通信機を起動する。
「おーい、終わったぞー」
『…ありがとうございます。魔素消費装置の消費量が低下しているので、魔窟内の魔素が順調に減り始めているようです。作戦成功ですね』
「やった!…あいつらは大丈夫か?」
『…』
『…10分ほど前、あちらの通信機のうち、2つの生体反応が、途絶えました』
「…!!」
銀の大剣を振り下ろす魔獣。それを軽く避けるジュリア。彼女は持ち前の素早さで瞬間的に近寄り、相手の首のすぐ横で巨大な魔法陣を発現させる。
「〈インフィニフェスト〉」
魔法陣から出現した歪な炎の結晶が、相手の顔を容易く胴体から弾き飛ばす。
「〈インフィニフェスト〉」
彼女が姿勢を変えると炎の結晶が今度は円環状に現れ、集団で殴り込もうと飛び掛かった魔物達の腹を貫く。
「ちっ…キリがねえ」
白い肌と服を紫色の血で染めつつ、ジュリアが舌打ちをする。第二階層の敵が殲滅される寸前になった途端、突如魔物が出てきたのだ。それも大量かつ、質もかなり高いものである。既に何人かの傭兵が魔物に殺されている状態だ。
「恐らく召喚してる奴がいるな。炙り出そうにも爆発魔法は使えねえし…どうしてやろうか」
「グアア!!!」「ギエエエ!!!」
「〈インフィニフェスト〉」
今度は左右からの挟み打ち。結晶の隙間から紫色の血が吹き出し、命が直ちに2つ消えた。
「チッ…ここには腐る程魔力がある。魔力切れの心配は無いが…それは向こう側も同じか」
『こちらヴィレー。聞こえますか』
ジュリアの通信機が反応する。ここに入る前にマルルから貰っていたものだ。
『第三階層はかなりまずい状況です』
「何!?あいつらがか!?」
目の前の敵を蹴り飛ばしながら彼女は叫ぶ。
『ええ。実はチームが分断されてしまいまして。詠次さんの方はなんとか難を逃れたようですが、マルルさんの方に来た敵が非常に強いらしく』
「…あいつがか…一体何を手こずってるんだ?」
『誘爆防止の為に、全ての爆弾を使用禁止にしているからだと思います。彼女はあれを使わなければ弱い』
「は!?ならなんであいつを下に回したんだ!意味が分かんねえよ!!このクソ野郎が!!!」
目をかっ開いてジュリアが怒鳴る。その剣幕に驚いたのか、通信機の向こう側が静かになる。
「おい!!なんとか言えよ!!」
『…こちら側の誤算でした。
見込みでは、第三階層の魔素は1時間前に底を尽きているはずだったのです』
「…は?」
ヴィレーの口調が更に真剣になる。
『第三階層で戦う際、爆弾を利用出来る環境にするために、空間の魔素を過剰消費させる装置を秘密裏に持たせておきました。空気中の魔素が許容値になると電源が自動的に切れるように設定されていますが、それがまだ稼働しています』
ヴィレーが作る道具の凄さはジュリアが一番良く知っていた。恐らく、本当に予想外の出来事が生じている。そう彼女は確信した。
「つまり、俺に魔素を減らせということか」
『恐らく無駄に終わるでしょう。あの装置の魔素消費量ははあなたの最大出力を軽く5倍は上回ります。それより、ジュリアにはこの不可解な事象の原因を探して貰いたい』
「そうか。分かった」
『では、頼みましたよ』
「違う。もう答えが分かったって言ってんだよ」
『ほう!』
彼女は先程から攻撃の手を緩め、魔物の動きを観察していた。第二階層の細く分岐の多い通路から一斉にこちらへとなだれ込む魔物の数々。彼女はその通路の一つに注目する。そこではどういう訳か、そこでは屈強な魔物に混じって、見慣れない蛙が何やらぴょこぴょこと飛び出していたのだ。
「なあヴィレー。腹が緑に光るカエルみたいなやつって何だっけ」
『…ライトフロッグですね。生命力をエネルギーとして変換する、珍しい魔物です』
「それが一つの通路だけから出てくるんだ。で、俺に教えた時なんか言ってたよな。珍しいエネルギーがなんとかかんとかって」
『はい。他の生命の誕生に反応して、空気中から魔素を僅かに合成します。個々の生成量は非常に小さいですが、その特異性から、近年では魔素の生産に使えないか検討されています。…
…なるほど、そこにいますか』
「だろ?有り得そうな話だろ?」
ジュリアは得意げに言った。
「魔物を召喚している術師がいるんだ。そいつがライトフロッグを第三階層あたりで量産して、魔素を放出してるかもしれねえ。その魔素の余剰分で戦う為のバケモンを召喚している。何より、一つの通路からだけあの蛙が出てきてんだ。としたらあれは量産している場所から飛び出してきた個体で、」
『その通路の先に異常の原因があるに違いない…という推測ですね。断定は出来ませんが試す価値はありそうです』
「許可をくれ。もしかしたら任されていない第三階層に通じてるかもしれねえ」
『もう通してあります。彼女らもあと10分もつかどうかも分かりません。なるべく早めにお願いします』
「おうよ」
通信が切れる。高い岩場に座っていたジュリアはふんすと起き上がり、先程の道に手を向けて魔法陣を縦並び五重に展開する。
「〈ジャッジメント〉」
辺り一面の光源が消え、それと同時に彼女の手から燦々と煌めく光が放たれる。その致死的なエネルギーは彼女の手が示す方向へ轟音を上げながら照射され、経路上の全ての物質を塵も残さぬまで破壊した。
本来ならば光属性で破壊することが難しい岩でさえも、熱線ともいえるこの驚異的な魔法によって容易に溶かされた。通路の幅が元より1メートルほど大きくなっていた。
「驚いたか?あの炎魔法以外も使えるんだぜ?」
誰に届くこともない独り言を言いつつ、ジュリアは通路の奥へと駆け出す。
「侵入者が来たぞ!」
「俺達があの方をお守りするのだ!」
「〈インフィニフェスト〉」
「ギャオオオ!!!」
「〈インフィニフェスト〉」
「魔法装甲、強化完了。さあ、素晴らしい戦いをしようじゃ…」
「〈インフィニフェスト〉」
「〈インフィニフェスト〉」
「〈インフィニフェスト〉」
「〈インフィニフェスト〉」
邪魔者を消し、ジュリアは再び駆け出す。風景は暫くは溶けた岩肌だけであったが、少し奥まで来るとすぐに魔物が湧いてきた。それをたった一つの呪文で薙ぎ倒しながら奥へと進んでいく。
「ああ、ここのようだな」
そして通路の奥の開けた場所に入る。予感は的中していた。彼女の目の前には武器を持った大量の魔物、そして奥の方で銃を構える人間。更に奥の方は緑に光っている。ライトフロッグだ。
「来る人数を間違えたな、雑魚が!
お前ら!ボコボコにしてやれ!!!」
後方の少し高貴な身なりをした人間が叫ぶ。放たれた言葉を皮切りにして、一斉に敵が押し寄せる。
迫りくる大群を前にして、彼女は先程よりより一層興奮していた。
「こりゃ丁度良い!!!!せいぜい俺の技の紹介が出来る程度には耐えてくれよ!!!」
彼女は低く飛び上がると、自分を中心として上向きに魔法陣を展開、固定した。
「〈波動魔法陣:十二連展開〉!!!」
青と黒の二色で構成された禍々しい魔法陣。その全てが頭上に黒の光を放出し、彼女を中心としてゆっくりと回転を始める。
銃撃や敵の魔法は光線に弾かれ、近接戦を仕掛けようと近寄るものは全て消滅した。
「近寄るな!奴は防御をしているだけだ。回転するレーザーの隙間を狙って遠距離を叩き込め!!」
「ウオオオオ!!!」
魔法と銃弾が一斉に彼女へ襲いかかる。殆どの攻撃は黒い光線に弾かれて無力化されているが、銃弾や光魔法は僅かに当たっているらしい。ビームの隙間から見える彼女の腕の赤い血が、それを証明していた。
「よし。このまま射撃を続け…」
「た、隊長!レ、レーザーの方向が…!」
その時だった。魔法陣が回転速度を速め、更に光の角度を上方から水平へと変え始めたのだ。傾いていく黒い光が魔物の頭上をガリガリという音を立てて削っていく。入口は完全に彼女と付随する魔法陣で塞がれており、逃げ場は無かった。
「残念だったなお前ら!!!時間切れだ!!!!!!!」
高速回転により光線の筋が見えなくなる。それは生物としての終わりを告げる黒い天井となって、彼女に仇なす者に覆い被さった。
「「死ね!!!!!!!」」
そして血に濡れたジュリアが手で前髪を掻き上げて叫ぶと同時に、光が回転の水平面へと到達した。
この場にいる全員の敵が、高速回転する十二本のレーザーによって一斉に切り刻まれた。魔法装甲さえも削り取る貪欲な闇属性の力が、全ての敵の生命を平等に刈り取ったのだ。臓器、肉片と血が混濁しつつ飛び交い山を作り、周囲一帯は地獄絵図でも言葉が足りないほどの、凄惨な光景へと化した。
「…ふう。ちょっと疲れたな」
彼女は額の汗を拭い、奥を見渡す。蛙の姿はもうない。殲滅ついでではあるが、任務は遂行できた。彼女は耳辺りのボタンに触れ、通信機を起動する。
「おーい、終わったぞー」
『…ありがとうございます。魔素消費装置の消費量が低下しているので、魔窟内の魔素が順調に減り始めているようです。作戦成功ですね』
「やった!…あいつらは大丈夫か?」
『…』
『…10分ほど前、あちらの通信機のうち、2つの生体反応が、途絶えました』
「…!!」
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