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旅立ちはおしりの殻を付けたまま
しおりを挟む何時もどおり朝5:00にテントを出る。
森や川の水面に霧が立ちこめ、木々の葉はしっとりと濡れ、ここ最近見慣れた風景になった。漂う空気はヒンヤリとし、コンクリートやアスファルトに覆い尽くされた都会では味わうことの出来ない清々しさがあって、胸一杯に吸い込めば一気に目が覚めるってものだ。
始め不便な所だと思ったけど、キャンプだと思えばそれも楽しい。何よりも誰を気にする事も無く、自由に自分のペースで進められるのが良い。
普段と違っているとすれば朝のルーティーンだろう。何時もなら基礎体力や魔法の練習をするが、今朝はすぐに朝食の用意をする。お米を多めに炊いて燻製にした魚の解し身を具にお握りを作りハランの葉に2個ずつ包む。其れをいくつも作りストレージに入れる。こうしておけば道中歩きながらでも食事が出来る。
そう、今日このキャンプ地を出て行くのだ。一月があっという間に過ぎてしまった、短いような長いような。
戦闘訓練、薬師としての調合の練習。基本の薬は問題なく全て作れるようになった。ポーションと一緒にハーブティーを作っていたら【製薬】レベルが(D)になり誰に聞かれても新人薬師だと言える。
テントを片付け、火の始末もし、忘れ物チェックをする。作った竈はストレージに入ったので持って行く。
もう一度周りを見渡せば自然と涙が出てくる。
『ロッカもうイったほうがいいの』
分かっている。もう少しだけ此処に居たいの。
『ロッカ』
「…テンちゃん、今まで有り難う。テンちゃんが居てくれたからやって来られたんだよ。あのね、テンちゃんは私の友達だと思っても良いのかな」
『うん、ロッカはトモダチなの』
「ありがとう……初めての友達なんだよ。此処で別れてもまた会えるかな? 会いたい…」
『またあえるの』
「……うん…… うん、いっぱい冒険譚聞いてね。いっぱいっぱい、見て聞いて、食べていろんな事を体験してくるから。また会おう」
『うんタノしんできてね』
「……じゃあ、行ってきます」
『いってらっしゃい、ロッカ』
後ろを見ずに前だけ見よう。
夕べ「森を出て町に行く」と言うと、何時も遊びに来る精霊達が街道まで案内をしてくれるそうだ。テンちゃんとは此処で別れる。伸ばし伸ばしで別れられなくなるからね。この一月で随分と依存していると感じた。
いっぱい慰められた。アドバイスも貰った。褒められて、笑って、愚痴も沢山聞いて貰った。楽しかった。
これからまた一人だ。でも、私は変わるんだ。違う、変えてみせる。
「いかん、ネガティブ思考がクセになっている」
『ロッカもうすぐニンゲンのミチにでるよ。どっちにいく?』
『どっちもマチにいくよ』
『ミギちかいマチ。ヒダリとおいマチ』
「なら右で、みんな色々とありがとう。此処でお別れだね」
『う~ん、わたしたちはドコにでもいるの。いつでもあえるよ』
『また、モリでアソぼー』
『マチはきらいだからモリでアソぼー』
そうか、この子達はテンちゃんと違ってこの世界の精霊なんだ。
「うん、また遊ぼう、有り難う楽しかったよ。またね」
小さな精霊達に手を振り、明るくなり始めた森の外へと出て行く。
ロッカ
クラス:新人薬師(D)
サ ブ:料理人(C)
LV 7
HP 98
MP 268
腕力 79
脚力 93
瞬発力 61
体術 42
攻撃力 81
防御力 199+(30)+(40)
魔法スキル:土(D)・水(D)・風(E)・火(E)・光(C)・精霊(D)
攻撃魔法:アース・ホール アース・ドーム アース・ウェーブ
ファイアー・ボール
攻撃スキル:剣術(E)袈裟切り 突き 切り返し
弓術(E)懐中 乱れ打ち
固有スキル:製薬(D)・調合(D)・料理(C)・裁縫(C)・クリーン(S)
生活魔法・木工(F)・解体(E)・レシピ(E)
探索(D)気配察知100M
回復魔法(C)に成ると回復上昇と共に光魔法に統合された。
称号:無し
隠蔽中:闇(S)・時空(S)・隠蔽魔法(S)・鑑定(D)・マッピング(E)
地図機能(E)・結界(F)
称号:三大神の加護・精霊の愛し子
**************************
攻撃魔法は良く使うものを表示しました。
一部の表示中と隠蔽中のスキル・魔法を入れ替えてあります。前のページは直してありますが、あれ!おかしい?というものが有りましたら教えて下さい。
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