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とある日常の戯言
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とある神保町の片隅にそのビルは建っていた。
ビルというよりは一室が住居になっている事務所。
ソファとテレビと冷蔵庫や日常生活に必要な家財道具が一式
揃っており、南向きの窓があり、日当り良好。
***
橘修一目線
日当りのいい場所にソファが置いてあり、そこに橘修一は
寝転びダラダラとくつろいでいた。
「おーい、修一!橘修一!おーい!!」
誰かが俺の惰眠を阻止している。
「んー、むにゃ。何だ…一体」
気だるい体を起こし、目を開けると、警部の犬飼蓮司が困った
顔で立っていた。
「お前さんが待ちくたびれてダラダラと惰眠をむさぼっていたか
らお越しに来たのだよ。事件だぞ、探偵」
橘はむくりと起き上がり辺りを見渡す。
さっきまで雑多になって散らかっていた部屋が綺麗になっている。
「小林くーん、小林虎人くーん」
小林虎人は音楽を聴きながら掃除をしていた。
掃除と料理が好きな学生。
***
小林虎人 視点
僕は呼ばれた事に気づかず、冷蔵庫の中身を確認していた。
すると犬飼が僕の顔をのぞき込んでいた。
「あぁっ!犬飼警部!!びっくりしましたよー!どうかされましたか?」
「君の付き添いが呼んでるぞー」
と言いながらニヤニヤしている。
「付き添いは修一さんじゃなくて、僕なんですけど…わかって言ってますよね」
と苦笑いする。
僕こと【小林虎人】はマイペースなおっとりとした性格。
実は【橘修一】の事を尊敬している。
僕と修一さんの出会いはまた別の機会に書こう。
小林はたびたび思うことがある。
修一さんのような歳の重ね方をしたいと
鋭い観察力、鋭い目線や、鋭い視線もありつつ、優しさの溢れている
落ち着きのある鼻にかかったような声。
ヘビースモーカーではないけれど、たばこの香りをさせていて、
お酒も嗜む程度。本人は無意識のようだが色気が半端ない。
恋人はいるのかと聞いたことがあったのだが、ふっとニヒルな
笑顔を浮かべてくせ毛を掻き毟りながら、
「まぁ、前に彼女がいたことがあったけどな…自殺したんだよ」
と言われ、僕はそれ以上深く聞けないでいた。
あまり、たくさん喋る人ではない、甘党でドーナツをよく食べる。
聞き上手で愚痴も相談も乗ってくれる。
すぐにふらふらとどこかに行ってしまう事がある。
「恋人作らないのですか?」と聞くと
「俺はいいよ、とらちゃんこそどうなのよ」と無邪気な笑顔を
向けられるから困る。
***
犬飼警部はとてもお茶目だ。
41歳と言っていたが、少年ぽいというか、仕事はバリバリできる。
僕の料理が大好きと言っていて、ご飯を美味しそうに食べてくれる。
僕はというと、中性的な顔立ち、おっとりとしていてよく
女の子と間違えられることがある。
料理を作る事と掃除が好きで、修さんと犬飼警部のご飯をよく
作ることがある。
中性的な顔立ちでよく女の子に間違えられる事のせいで過去にトラウマがあるが、
そのトラウマを受け入れて親しくしてくれている人物が橘修一と
犬飼蓮司だ。
呼ばれていたので、はーいとリビングに向かうと、
犬飼刑事と橘が睨み合っていた。
「二人ともどうされたのですか?」
と聞くと、橘が
「あーやっと、とらちゃん来たー!このおじさんうるさくてさ、
俺は気持ちよく寝ていたのに、起こされるし」と不機嫌そうに
むすっとした顔をしていた。
犬飼が
「おいおい、お前もおじさんだろ、ほらおじさんが
ドーナツ買ってきてやるから」
「嫌だ!俺はとらちゃんのドーナツが食べたいんだ!!
俺の頭はたくさんの情報でキャパオーバーを起こして
いるし、疲れていて糖分が足りていないんだよ…
とらのドーナツは……」と一気にまくし立てると
すー…すー…と寝息が聞こえてきた。
この状況で寝るか???と二人は思ったが、ソファの下に
は大量の新聞や本が散乱していた。
犬飼警部は
「こいつはストイックだからな」とぽそりと呟き
散乱した新聞や本を片付け始めたので、僕はドーナツ
を焼くことにした。
しばらくするとドーナツが焼けてきたので、僕は
修一さんを起こそうと思い、声をかけた。
すると修一さんの目からぽろりと涙が流れていて、
「みさ…。」と呟いていた。
前の彼女さんの名前だろうか、僕は心が痛んだ。
思い切って修一さんを揺さぶって起こしてみた
「とらちゃん、ドーナツ出来た?」と無邪気な笑顔を向
けてきた、橘。小林は少し照れながら、その笑顔はず
るいです…と小さく呟いた。
僕はこの人の笑顔を守りたいと思った。
「出来ましたよ、修さん」
小林と橘がテーブルに向かうと、榑林が椅子に座り
捜査資料を広げていた。
「被害者の名前は、畑中明人28歳。大手企業の社員
だそうだ。」
「ふーーーん。殺害現場は、被害者の自宅か、
凶器は?」と橘が捜査資料をのぞき込んで聞いた。
「まだ見つかっていないそうだ」
そうか…と呟くと橘は上着を羽織り捜査資料を片手に
外へ出た。
ドアを半分開いて、二人に問いかけた。
「あ、ごめん被害者の自宅ってどこだっけ?」
小林と犬飼が同時にツッコミを入れる。
『捜査資料に書いてあるじゃん(笑)』
「あー(笑)本当だ」と橘は照れ臭そうに頭をかきむしる
橘はたまに天然ボケをかますところがある。
そういうギャップに小林は惚れているのだ。
***
場所は変わり
被害者の殺人現場に三人は到着した。
「シンプルな部屋だな」と橘は言いつつ、リビングに
向かいご遺体を観察する。棚の上には何個か花瓶が
置いてあり、1つは割られていた。
被害者と犯人が争った後だろうか…
ご遺体の後頭部には長方形の傷跡がある。
背中には大きな刺し傷があり、この傷が致命傷になっ
たと思われる。
第一発見者は同じ会社の同僚の林将吾。
無断欠席が続いていたため、様子を見てくるよう
頼まれたそうだ。
「チャイムを鳴らしても返事がないので、ドアを
叩いたのですが返事もないし、ドアノブを回したら
鍵がかかってないのか開いていたので中に入って
みるとこの有り様で…」と涙ぐみながら、答えていた。
ぎゅるるるると突然音がしたかと思うと、腹を抱えた
橘が
「ちょっとトイレ借ります汗」と言い残しトイレに
入っていった。
犬飼警部が警察手帳を見せながら
「おっと、自己紹介がまだでしたね、失礼しました
私は捜査一課の犬飼蓮司、こちらの少年は探偵の助手
の小林虎人。今お手洗いに入っているのが、刑事顧問
の橘修一です」と説明した。
「探偵さん大丈夫でしょうか?」と林が困惑している。
それを見た犬飼が答える。
「何、いつもの事ですので・・・。」と無邪気な笑顔で誤魔化していた。
その間橘はというと、トイレから出た後に部屋をいろいろと物色していた。
ちなみに橘は痔持ちであった。
この事は小林しか知らないはずだったのだが、犬飼は
とっくに気付いており、笑いを堪えるのに必死になっていた。
「うーん」と考え込みながら部屋を探索していると、ドレッサーを見つけた。
その上には婚約指輪が二つ置いてあり、隣にはトロフィーが置いてあった。
橘はトロフィーを写真に撮り、保存しておいた。
「ふむ、いいね」と呟きリビングに戻った。
小林が
「修さん何してたんですか?遅かったですよ」
とひとりごちた。
「すまん、すまん」と手刀を切りつつ橘は林に尋ねた。
「畑中さんはご結婚されていますか?」
「確か結婚していると聞いていますが、今は別居中みたいなことを言っていました。理由は詳しくは聞いてないですけれども・・・。」
「貴重なお話をありがとうございます。また何かありましたら伺わせてください。あともう一つ、奥様の名前はご存じでいらっしゃいますか?」
「確か、栗林恵さんだったような・・・」
「ありがとうございます。」犬飼は橘の質疑応答を事細かにメモしていた。
橘は犬飼に聞く。
「検視はもう済んだか?」
犬飼は「あぁ、もう大丈夫だ」と答え三人は被害者の部屋を後にした。
犬飼が「次は栗林恵だな、別居中だから住所を調べてからじゃないと、俺は調べてから行くことにするから一旦署に戻るがお前達はどうする?」
「俺はあのファミレスのプリンが食べたい」とお腹を鳴らしつつ橘が答えた。
橘が指差したファミレスは某ファミレスだ。
プリンが丁度良い甘さで何個でも食べられるサイズのプリン。
「朝ごはんも食べたし、お昼ご飯も食べていたし、更にさっきドーナツを食べていたじゃないですか」と小林がツッコミをいれた。
「ドーナツはいつでも別腹だ」と意気揚々とファミレスに入っていく橘を見て
小林は犬飼に会釈して橘の後を追いファミレスに入っていった。
橘はまずプリンを頼み、それからパスタ、ドリア、肉、サラダとテーブルいっぱいに料理を頼んでいた。
それを見た小林が
「修さん、毎回すごい量食べますよね。最初は驚きましたけど、だいぶ見てきたので、慣れちゃいました。僕もお腹空いてきたなぁ。」と小林もドリアを注文した。
「頭を使うからな、たくさん食べておかないと脳み
そが働かないんだ。」と言いながら、口いっぱいに
ドリアを詰め込んだ。
するとテーブルに置いてあったスマホが震え出した。
犬飼からで、栗林の住所がわかったとの事で連絡を寄越してきたのだ。
「修さん、行きますよ、ちょっと・・・」と橘はまだ口をもごもご動かしていたが、
口の中を水で流し込み
「おう。」と言いながら立ち上がった。
橘と小林は犬飼と合流し、栗林の住所に向かった。
栗林の家は一軒家で全体的にナチュラルテイストな部屋で統一されていた。
部屋全体を見渡した小林が
「可愛らしい部屋ですね。」と感激していた。
栗林は小柄な身長だからか背の低い家具がバランスよく並べられていた。
「どうも、こんにちは。」と栗林恵。
茶色のショートボブに白い素肌に白いワンピースを着た清楚系女子だ。
「家で育てているハーブを使って入れた、ハーブティーです。お口に合うと良いのですが・・・」と三人分のハーブティーを用意してくれた。
「頂きます」と三人はハーブティーを口にする。とても香りがいい、カモミールティーだ。
とても心が安らぐ。
「どういったご用件でしょうか?」と栗林。
それぞれ自己紹介を済ませた後に橘はまたトイレを借りに行く。
橘が部屋を探っていると棚の上にトロフィーを見つけた。そのトロフィーは被害者の自宅においてあったトロフィーと同じやつだ。
トロフィーを手に取りよく観察してみた。
底の部分が長方形の形をしており、被害者の後頭部の傷と同じ形をしている。榑林に頼んで科捜研に回してもらうためそのトロフィーを色々な角度から写真におさめていく。
よし、そろそろ戻るか・・・と橘はふらあとリビングに戻ると榑林が栗林に事情を説明していた。最初は無言で聞いていたが、次第に嗚咽を漏らし始め、目からは涙が溢れ出てきていた。
「すいません、涙が止まらなくて」と目頭を押さえていた。小林は慌ててはいたが、栗林にハンカチを差し出した。栗林は泣きじゃくりながらハンカチで涙を拭きつつ、声を絞り出しながら話し始めた。
「別居してからまだ一ヶ月くらいなのですが何が原因とか、浮気がとかそういうわけではないのです。少し距離を置きたいと向こうから言われまして」
「お辛いでしょうが、後日また日を改めてお伺いに来てもよろしいでしょうか。」と犬飼。
「はい、これ以上はすみません」と栗林。
「では、改めて伺いますので」と橘は言うと、三人は栗林の家を後にした。
三人が去った後栗林は歯軋りをしていた。
「意外と早く嗅ぎ付けたのね」先ほどまでの笑顔はどこへやら今は笑顔のかけらさえ見えず、憎しみと嫌悪の表情に変貌していた。
三人は話を一旦整理するために喫茶店に入った。
「別居しているという栗林恵が俺は引っ掛かっているんだが、二人はどう思う?」と橘は聞く
「うーん僕はあの同僚の林さんが怪しいかと思います。第一発見者だし・・・」
「俺も栗林恵が引っ掛かる、刑事の勘ってやつだな」
「俺はこれを見つけた」とケータイの写真を見せる。トロフィーの写真だ。
「これを科捜研に回してほしい、頼めるか」と橘は犬飼に頼む。
「おう」とケータイのデータをコピーして科捜研に持っていった。
最近の科捜研の鑑定が進化しているらしく写真のみでも鑑定が可能だそうだ。
犬飼は科捜研に鑑定を頼むため、署に戻ると言っていたので、橘と小林は事務所に戻ることにした。
「お前気づいてないんだな、今日はもういいから寝よう」と橘は笑いを堪えつつ言う。
「何の事ですか、修さん・・・」と言いつつ小林は船を漕いでいたのだが、
もぞもぞ動きながらソファに倒れこんだ。
橘はそのまま寝ずに椅子に腰掛け読書をしていた。
次の日
太陽の眩しさで目が覚めた。肩にはブランケットが掛けられており、卵の焼けるいい香りがする。
「目玉焼き焼けましたよ」と小林の声がする。
「ありがとうな、昨日全然眠れなくて、読書していたらいつのまにか寝ていた。」と眠そうな目を擦る。
「朝ごはん食べましょう、修さん」と小林が朝食の準備をしながら言う。
「そうだな」二人は朝ごはんを食べながら事件を考えることにした。
容疑者は二人。二人とも動機があると犬飼から聞いていた。
林は被害者と同期だが被害者の方が立場が上のため仕事を押し付けられていたり、残業を強いられていたそうだ。あまり被害者にいい印象を持っていなかったらしく他の同僚に愚痴をこぼしていたそうだとのこと。
「長方形の傷跡だが鑑定したところ、被害者の家に置いてあったトロフィーと一致したそうだ。あれが一つ目の凶器だ。」と犬飼。
小林は飲みかけのコーヒーを溢してしまった。
「え?栗林さんも共犯って事ですか?」
「いや、そうじゃない。栗林にもれっきとしたアリバイがある。別居してからすぐに浮気を疑ったそうだ。会ったときは誤魔化していたがあの涙も嘘泣きだろう。本当は旦那を殺せて清々しているのだろうと思う。悪魔みたいな女だ。栗林の過去を調べたのだが、昔に大学の演技サークルに入っていたらしく演技はなかなかのものだったらしいぞ。」
小林は騙されていたのだ。栗林のあの可憐な表情に。あの涙に。
橘は
「しょうがないさ、男は女性の涙に弱い。ちなみに俺と犬飼は最初からわかっていたけどな」と笑いながら小林の肩を叩く。
「僕は理解が出来ていなくて、一体どう言うことなんでしょうか」と小林の頭にはハテナマークがたくさん浮かんでいる。
そんな小林を見て橘がカラカラ笑いながら
「難しく考える必要なんてないんだよ、小林君。そもそも殺害現場の場所が違うし、凶器は全部栗林の家にある。森を隠すには森ってことだよ」
小林はまだ腑に落ちないそうで、栗林と林を集めて説明をすることになった。
なぜ呼ばれたのか、林と栗林は困惑していた。
「まず、単刀直入に言います。犯人はあなたですね」と橘は栗林恵を指差す。
栗林の困惑していた表情が固まる。
「一体何の根拠があって言っているんですか」と困惑はしているが落ち着いた口調で問いただす。橘はこう答える。
「簡単な事です。別居するときからあなたは畑中さんの浮気を疑いこの部屋で畑中さんを刺殺し、遺体を被害者の家に運んだ。被害者の家がシンプル過ぎたんですよ。一ヶ月も経ってるはずなのに、ベッドもテーブルもテレビもない。なぜかトロフィーはある。今まさに持っている包丁、それが凶器ですね。」 栗林は三人が来ると聞いて背中の後ろに包丁を隠し持っていたのだ。犬飼は栗林の包丁をすかさず取り上げ袋に入れる。林はというと、なぜ俺が呼ばれたのかと戸惑いを隠せないようで辺りを見回している。
「林さん」と犬飼に名前を呼ばれ「へいっ」なんとも間抜けな声が出る。
「あなたは被害者に恨みを持っていたそうですね、調べさせていただきました。トロフィーで殴り付けたのはあなたですね」と犬飼が諭すように言うと林は肩を震わせ泣き出してしまった。
「お、俺が悪いんじゃない。あいつが悪いんだ、散々俺をこけにしやがって、ちょっと恵さんに話をしようと思ってお邪魔したんだ。そしたらあいつ逆上しやがってトロフィーで殴ったら動かないし怖くなってトロフィーを持って逃げたんだ。管理人に開けてもらうときにこっそりトロフィーを置いておけばわからないと思って。」と林は涙ぐんだ。
栗林と畑中の名字が違うのは、別居してもう離婚届を役所に提出していたためだ。
栗林にとっては畑中の浮気と金づかいの荒さが原因だ。
栗林はと言うと最初の時に会った印象とは打って変わって、とてつもない怖い表情をし、
「あーあ・・・バレちゃったか、気づかれないと思ったのにあの人の帰りがいつも遅いから浮気を疑ってたのそしたら案の定浮気してて、何がお前が一番だよ!嘘じゃない!ってバカみたいに泣きつかれたわ」
憎しみと憎悪に満ちた声色で言い放った、だが表情は恍惚に満ちている。
「遺体は面倒だから畑中の家に運んだの。私の家に遺体なんて置いておきたくないもの。だから林くんを呼んだの。引っ越しの手伝いってことで」
林は何とも言えない表情でとてつもなくひきつっていた。
犬飼が二人に「詳しくは署で伺いますので」と二人を連行する。と栗林が
「小林くん、だっけ?ハンカチありがとう。ごめんね、あれねゴミ箱に捨てちゃったの。」
と言い残し二人は連行されていった。
小林は愕然としていた。
次の日
小林が朝目覚めると珍しく橘が台所に立って料理を作っていた。
その後ろ姿に小林はほっこりし、元気付けられたのだった。
(完)
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