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1 フォレサクレ王国

閑話 マオリによるマダナに関する考察

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レーナ様が本当にお小さいころ、父に命じられて子守りの真似事をしたことがある。
学齢期になるまでは隠された姫君である為レーナ様の周りは人の姿が極端に少ない。父はそれを不憫に思ったのだろう。

久しぶりにお会いしたレーナ様はわたしとの再会を喜んで下さったし、マダナも最初は警戒していたようだけれど、わたしに心を開いてくれたようだった。

コドモトビネコは自由で気まぐれな生き物だと聞いていたがマダナはレーナ様に寄り添って過ごしているようだった
それでも、部屋の中だけではストレスがたまるだろうからと外へ連れ出すようにした。

外の空気と阻害魔法の中でのレーナ様の魔力、これでだいぶマダナのストレスも緩和されていくはずだ。

一般的に魔獣の寿命と大きさは比例する。コドモトビネコの寿命は3年、というのが通説だ。生まれてすぐにレーナ様に引き取られたマダナは今2歳。寿命まであと1年か2年か?

迷いの森の中で一人で暮らしていた老猟師はコドモトビネコと暮らしていたことがあると言っていた。
猟師を同じものを食べ、一緒に寝起きしていたが、1年ほどたったある日ふと居なくなり、翌日ドアの外にコドモトビネコと同じ色の魔獣石があったと茶色の魔獣石を見せてくれた。
猟師は死期を悟ったコドモトビネコの魔獣石だと信じているようだった。

健康観察の際にマダナの中に感じる魔獣石は、猟師の家で見た魔獣石よりも若干小さいくらいか?

マダナは猟師の食べるものよりも良いものを食べているだろうし、魔力も浴びている。外にもよく出るようになった
大体、コドモトビネコの寿命だって本当はよくわかっていない。
猟師のところに来たコドモトビネコが2歳だったとしたら、そして2年過ごしたのだとしたら4年生きたという事じゃないか?
コドモトビネコの寿命は意外に長くて4-5年くらいかも知れない

せめて、レーナ様にお友達ができるまでマダナに生きて居てもらいたい。
健康観察の度に魔獣石の大きさを確認しながらそう願い。そう多くはないわたしの魔力も注ぎ込む。一日でも長くマダナがレーナ様と一緒に居られるようにと願いを込めながら。



レーナ様のアサーダ王国への留学の話が出てきたのは、そんな時だった。

アサーダ王国は我が国よりも魔力の多い者が多いと聞いている。それはアサーダの気候が関係しているとも、魔力の多い大きな湖があるからだとも聞いたことがある。

レーナ様がアサーダへマダナを連れて行って、魔獣によい気候で もしかしてその湖に行くことが出来たら、それが無理でも今よりも少しでも自由に過ごすことが出来たならマダナの魔獣石の成長を遅らせる事が出来るのではないか?

わたしはつい、そんな夢のような事を考えてしまった。



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