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プロローグ
人前で全裸が許されるのは芸術関係だけ
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意識が少しづつはっきりしてくる。
最初は完全に途切れていた五感も徐々に鮮明になりつつある。
人が大勢目の前にいるけど何やってるんだろ。いやに声も大きいし祭りかなんかか?
そう思っていると、以前より五感で把握できる情報が強くなっているようで、周囲の状況が理解できてきた。
そこかしこから大きな声、剣戟の音が聞こえるうえに、鉄臭い血の香りが漂っている。やばい、完全に戦場じゃないか…………
あの女神め、そりゃ生命体の多いところには違いないけどこれは手抜きにもほどがあるだろ!
生命の危機を感じ、意識は既にはっきりしている。
周りを見回すと目の前に神輿のようなもので運ばれるローブ姿の骸骨の化け物とその周辺を守る兵士達が見えた。
すると、例の転生サポートの一つ『転生初日における周辺情報の開示』の影響なのか情報が頭に入り込んでくる。
●情報開示(固体情報)
名称:グライブス
種族:リッチー
概要:上位アンデッド。魔王軍四天王の一人
属性:闇
能力:膨大な魔力を持ち、屈指の魔法戦闘能力を誇る。
おいおい、四天王とかいきなり大物過ぎるだろ。
まだ相手には気づかれていないようだが、正直できる限り早く次の行動に移る必要がありそうだ。
しかし、ここはどこらへんなんだ。あの警護具合だと総大将もしくはそれに準じる存在みたいだが、聞こえる範囲で剣戟の音が近づいているのは劣勢ってことか?
それに、よく見ると四天王とやらは片腕、片足を失って運ばれているようだ。
あと今気づいたが体が靄のかかったように真っ黒だ。鏡もないから全身は見れないが、あの骸骨と同じように俺も人間辞めてるぜこりゃ。
●情報開示(現在地)
名称:セントラル平原、魔王軍本陣付近の森林地帯
状態:戦闘(魔王軍VSヒューマンの連合軍)
●情報開示(固体情報)
名称:平たいら 和人かずと
種族:ドッペルゲンガー
概要:女神の力により発生したユニーク固体(唯一固体)
属性:闇
能力:変身
・別固体の情報をコピーし変身することができる
・本人しか装備できない道具等も使用可能
・固有能力による変身であるため魔法の無効化や解呪等では解除されない
・変身前の状態は実体を持たず聖・闇属性による攻撃以外は透過。ただしこちらの攻撃も透過
※変身には条件有
条件①コピー先の固体を視界に入れていること
条件②能力値は元の固体の半分程度となり、蓄積された記憶や技術のコピーもできない
なお、変身前の初期能力値は全固体平均の半分程度に設定されている。
条件③変身中はコピー能力使用不可、再度使用するには一度変身を解除する必要がある
その他能力
・『転生初日における周辺情報の開示』 制限:有(初日限り)
・『一度限りの死の回避』 制限:有(一度限り)
・『言語の自動翻訳』 制限:無
しかし、思ってたより死ぬ可能性が減ったことで少し考える余裕がでてきた。
というか、『何事も卒なくこなせる器用さ』ってのが思ってたのと違うんですけど!!
まあ、とりあえず今は生き残ることを考えるか。
属性ってのはよくわからんが、一部の攻撃以外透過かつ1回限定でも死を回避できるってのは助かるな。こっちは戦闘のど素人だし
●情報開示(属性一覧)
①風 特殊効果:速度強化 弱点:土
②土 特殊効果:防御強化 弱点:水
③水 特殊効果:回復 弱点:火
④火 特殊効果:攻撃強化 弱点:風
⑤聖 特殊効果:万能 弱点:闇
⑥闇 特殊効果:弱体化 弱点:聖
属性についての情報開示はされたけど正直実物見ないと何が何だかわからないな。
一応の今後の方針としては、いったん戦場から距離をとり、安全を確保するって感じかな
それと平均の半分って時点で能力値自体は強くなさそうだから、できる限り誰にも見つからないように避けつつ、見つかったら逃げ足の速そうなやつに変身、その後撤退にしよう
とりあえず、今後の方針も決まったし逃げるためにジリジリ後退していると何か嫌な気配が近づいてきている感覚がある。
直後、例の四天王の付近の兵士達の一部が吹き飛ぶのが見えた。大地を抉るほどの衝撃だったようで土ぼこりが舞っている。
なんなんだあれは。やばいのだけはわかるが、迂闊に動けない。
土ぼこりが晴れてくると。光り輝く剣を携えた鎧姿の若い男性が見えてきた。
●情報開示(固体情報)
名称:道木どうき 遊尽ゆうじん
種族:ヒューマン
概要:勇者。転生者であり、前の世界では大学2年生。
属性:聖
能力:全能力値が高い(同装備の騎士であれば百人以上を同時に相手取れる。)
聖剣
・魔物に対して特攻ダメージを与える
・勇者以外の装備不可。また、勇者の身から離れた場合、自動で手元に移動する
・周囲の敵性固体の感知、また、それが無実体の魔物であれば消滅させる
・装備者が生命の危機に瀕した場合、能力を大幅に上昇させて体を操作、自動戦闘を行う
その他能力
・『転生初日における周辺情報の開示』 制限:有(初日限り)【効果消滅】
・『言語の自動翻訳』 制限:無
あれが勇者か。というか同条件でも戦闘のプロ相手にこれまで大学生をやってた素人が百人以上を同時に相手できるとか強すぎる。
その上逆境になったら更に強くなるのはジャンプ理論を体現してるな。
それにもう少し近かったら俺は消し飛ばされていたわけか…………
しかし、無実体の状態はそこそこ安全かと思っていたが、この状況だと逆に危ないか。とりあえずここは実体化するためにも一番強そうな勇者様に変身させてもらおう。
勇者を視界に入れ、変身したいと考える。すると、黒い靄のかかった体が変化し、光りながら人の体を形作っていく。
これが勇者の体。身体能力が高いからか全身が軽い。ただ、一つ問題があるとすれば……全裸だということだ……………………
いや、よく考えたらそうなるわ!!そんな場合じゃないのはわかる!!だが、常識を持った成人男性としてこの変質者スタイルはきつい…………
そう考えていると、何故か勇者が驚愕した顔でこちらを見ている。
こちらが思案し、変身をしている間にいつの間にか移動していたらしい。既にかなり近い距離に立っており、そのそばには切り捨てられた四天王とその護衛が横たわっている。
くそっ!しまった!もうこんなに近くにいたのか。変身の時の光で位置もばれてしまったみたいだし
そう焦っていると、勇者の顔が憤怒に染まる。
「おい!なんだお前は!?俺の姿でそんなふざけた格好してただで済むと思うなよ」
勇者が一瞬でこちらに駆けてくる。咄嗟に後ろに跳ぶが、速さが違い過ぎた。
なんとか身を捩り聖剣から逃れようとするが、努力もむなしく聖剣は胸に吸い込まれていく。
どこか他人事のように感じられながら、体を見ると聖剣は容易く体を貫通しており、奥深くまで突き立てられていた。
ああ、さすがにこれは助からなそうだ。激痛とともに体から力が抜ける感覚がある。ああ…短すぎる異世界生活だったな…………
無意識に剣を引き抜こうとしたのか、さまよう手が聖剣の柄に軽く触れた。その途端、急激に力が漲ってくる。
何だこれ?力が溢れてくる
そう思ったのも束の間、体が勝手に動き出す。
勇者から剣を無理やり奪い去り、そのまま流れるような動きで回し蹴りを放った。勇者がものすごい勢いで吹っ飛んでいく。
そして、右手に聖剣を持った状態で自分がその後を追いかけていく。
体の自由が効かない!?これは、もしかして聖剣の項目にあった自動戦闘ってやつなのか?
あっという間に吹き飛んだ勇者に追いつく、瞬間、聖剣に強い光が集まるとともに剣が振り下ろされた。
あっ…………
凄まじい光の氾濫、そして轟音と共に、爆炎が巻き上がった。
しばらく視界が黒煙で遮られていたが、煙が晴れると自分の立っているところを残すような形でクレーターが出来上がっていた。
先ほどまでいたはずの勇者を示す痕跡は何も残っていない。ただ、聖剣の纏っていた光は徐々に弱くなっているようだ。
なんなんだこれは。
もしかして、勇者を殺してしまったということか?体が勝手に動いていたということもあり、正直実感が無い
それに……不思議なほどに動揺は無いな。先に殺されたのが俺で正当防衛の部分があったことも関係しているのかもしれないが
そこまで考えていると聖剣の光が完全に消えた。そしてそれとともにあれほど溢れるように感じていた力が抜けていき、立っていられないほどになった。
とりあえず気になっていた胸の傷を見ると。綺麗にふさがっている。
ああ、これが『一度限りの死の回避』の効果かな。しかし、眠気が凄い。目も開けていられないくらいだ。
青空の下、真剣持った男が全裸でお昼寝とか……役満にもほどがあるぜ…………………
最初は完全に途切れていた五感も徐々に鮮明になりつつある。
人が大勢目の前にいるけど何やってるんだろ。いやに声も大きいし祭りかなんかか?
そう思っていると、以前より五感で把握できる情報が強くなっているようで、周囲の状況が理解できてきた。
そこかしこから大きな声、剣戟の音が聞こえるうえに、鉄臭い血の香りが漂っている。やばい、完全に戦場じゃないか…………
あの女神め、そりゃ生命体の多いところには違いないけどこれは手抜きにもほどがあるだろ!
生命の危機を感じ、意識は既にはっきりしている。
周りを見回すと目の前に神輿のようなもので運ばれるローブ姿の骸骨の化け物とその周辺を守る兵士達が見えた。
すると、例の転生サポートの一つ『転生初日における周辺情報の開示』の影響なのか情報が頭に入り込んでくる。
●情報開示(固体情報)
名称:グライブス
種族:リッチー
概要:上位アンデッド。魔王軍四天王の一人
属性:闇
能力:膨大な魔力を持ち、屈指の魔法戦闘能力を誇る。
おいおい、四天王とかいきなり大物過ぎるだろ。
まだ相手には気づかれていないようだが、正直できる限り早く次の行動に移る必要がありそうだ。
しかし、ここはどこらへんなんだ。あの警護具合だと総大将もしくはそれに準じる存在みたいだが、聞こえる範囲で剣戟の音が近づいているのは劣勢ってことか?
それに、よく見ると四天王とやらは片腕、片足を失って運ばれているようだ。
あと今気づいたが体が靄のかかったように真っ黒だ。鏡もないから全身は見れないが、あの骸骨と同じように俺も人間辞めてるぜこりゃ。
●情報開示(現在地)
名称:セントラル平原、魔王軍本陣付近の森林地帯
状態:戦闘(魔王軍VSヒューマンの連合軍)
●情報開示(固体情報)
名称:平たいら 和人かずと
種族:ドッペルゲンガー
概要:女神の力により発生したユニーク固体(唯一固体)
属性:闇
能力:変身
・別固体の情報をコピーし変身することができる
・本人しか装備できない道具等も使用可能
・固有能力による変身であるため魔法の無効化や解呪等では解除されない
・変身前の状態は実体を持たず聖・闇属性による攻撃以外は透過。ただしこちらの攻撃も透過
※変身には条件有
条件①コピー先の固体を視界に入れていること
条件②能力値は元の固体の半分程度となり、蓄積された記憶や技術のコピーもできない
なお、変身前の初期能力値は全固体平均の半分程度に設定されている。
条件③変身中はコピー能力使用不可、再度使用するには一度変身を解除する必要がある
その他能力
・『転生初日における周辺情報の開示』 制限:有(初日限り)
・『一度限りの死の回避』 制限:有(一度限り)
・『言語の自動翻訳』 制限:無
しかし、思ってたより死ぬ可能性が減ったことで少し考える余裕がでてきた。
というか、『何事も卒なくこなせる器用さ』ってのが思ってたのと違うんですけど!!
まあ、とりあえず今は生き残ることを考えるか。
属性ってのはよくわからんが、一部の攻撃以外透過かつ1回限定でも死を回避できるってのは助かるな。こっちは戦闘のど素人だし
●情報開示(属性一覧)
①風 特殊効果:速度強化 弱点:土
②土 特殊効果:防御強化 弱点:水
③水 特殊効果:回復 弱点:火
④火 特殊効果:攻撃強化 弱点:風
⑤聖 特殊効果:万能 弱点:闇
⑥闇 特殊効果:弱体化 弱点:聖
属性についての情報開示はされたけど正直実物見ないと何が何だかわからないな。
一応の今後の方針としては、いったん戦場から距離をとり、安全を確保するって感じかな
それと平均の半分って時点で能力値自体は強くなさそうだから、できる限り誰にも見つからないように避けつつ、見つかったら逃げ足の速そうなやつに変身、その後撤退にしよう
とりあえず、今後の方針も決まったし逃げるためにジリジリ後退していると何か嫌な気配が近づいてきている感覚がある。
直後、例の四天王の付近の兵士達の一部が吹き飛ぶのが見えた。大地を抉るほどの衝撃だったようで土ぼこりが舞っている。
なんなんだあれは。やばいのだけはわかるが、迂闊に動けない。
土ぼこりが晴れてくると。光り輝く剣を携えた鎧姿の若い男性が見えてきた。
●情報開示(固体情報)
名称:道木どうき 遊尽ゆうじん
種族:ヒューマン
概要:勇者。転生者であり、前の世界では大学2年生。
属性:聖
能力:全能力値が高い(同装備の騎士であれば百人以上を同時に相手取れる。)
聖剣
・魔物に対して特攻ダメージを与える
・勇者以外の装備不可。また、勇者の身から離れた場合、自動で手元に移動する
・周囲の敵性固体の感知、また、それが無実体の魔物であれば消滅させる
・装備者が生命の危機に瀕した場合、能力を大幅に上昇させて体を操作、自動戦闘を行う
その他能力
・『転生初日における周辺情報の開示』 制限:有(初日限り)【効果消滅】
・『言語の自動翻訳』 制限:無
あれが勇者か。というか同条件でも戦闘のプロ相手にこれまで大学生をやってた素人が百人以上を同時に相手できるとか強すぎる。
その上逆境になったら更に強くなるのはジャンプ理論を体現してるな。
それにもう少し近かったら俺は消し飛ばされていたわけか…………
しかし、無実体の状態はそこそこ安全かと思っていたが、この状況だと逆に危ないか。とりあえずここは実体化するためにも一番強そうな勇者様に変身させてもらおう。
勇者を視界に入れ、変身したいと考える。すると、黒い靄のかかった体が変化し、光りながら人の体を形作っていく。
これが勇者の体。身体能力が高いからか全身が軽い。ただ、一つ問題があるとすれば……全裸だということだ……………………
いや、よく考えたらそうなるわ!!そんな場合じゃないのはわかる!!だが、常識を持った成人男性としてこの変質者スタイルはきつい…………
そう考えていると、何故か勇者が驚愕した顔でこちらを見ている。
こちらが思案し、変身をしている間にいつの間にか移動していたらしい。既にかなり近い距離に立っており、そのそばには切り捨てられた四天王とその護衛が横たわっている。
くそっ!しまった!もうこんなに近くにいたのか。変身の時の光で位置もばれてしまったみたいだし
そう焦っていると、勇者の顔が憤怒に染まる。
「おい!なんだお前は!?俺の姿でそんなふざけた格好してただで済むと思うなよ」
勇者が一瞬でこちらに駆けてくる。咄嗟に後ろに跳ぶが、速さが違い過ぎた。
なんとか身を捩り聖剣から逃れようとするが、努力もむなしく聖剣は胸に吸い込まれていく。
どこか他人事のように感じられながら、体を見ると聖剣は容易く体を貫通しており、奥深くまで突き立てられていた。
ああ、さすがにこれは助からなそうだ。激痛とともに体から力が抜ける感覚がある。ああ…短すぎる異世界生活だったな…………
無意識に剣を引き抜こうとしたのか、さまよう手が聖剣の柄に軽く触れた。その途端、急激に力が漲ってくる。
何だこれ?力が溢れてくる
そう思ったのも束の間、体が勝手に動き出す。
勇者から剣を無理やり奪い去り、そのまま流れるような動きで回し蹴りを放った。勇者がものすごい勢いで吹っ飛んでいく。
そして、右手に聖剣を持った状態で自分がその後を追いかけていく。
体の自由が効かない!?これは、もしかして聖剣の項目にあった自動戦闘ってやつなのか?
あっという間に吹き飛んだ勇者に追いつく、瞬間、聖剣に強い光が集まるとともに剣が振り下ろされた。
あっ…………
凄まじい光の氾濫、そして轟音と共に、爆炎が巻き上がった。
しばらく視界が黒煙で遮られていたが、煙が晴れると自分の立っているところを残すような形でクレーターが出来上がっていた。
先ほどまでいたはずの勇者を示す痕跡は何も残っていない。ただ、聖剣の纏っていた光は徐々に弱くなっているようだ。
なんなんだこれは。
もしかして、勇者を殺してしまったということか?体が勝手に動いていたということもあり、正直実感が無い
それに……不思議なほどに動揺は無いな。先に殺されたのが俺で正当防衛の部分があったことも関係しているのかもしれないが
そこまで考えていると聖剣の光が完全に消えた。そしてそれとともにあれほど溢れるように感じていた力が抜けていき、立っていられないほどになった。
とりあえず気になっていた胸の傷を見ると。綺麗にふさがっている。
ああ、これが『一度限りの死の回避』の効果かな。しかし、眠気が凄い。目も開けていられないくらいだ。
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