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「何故、お前が此処にいる」
王宮の車寄せで、ヴィヴィアンは馬車を待っていた。
武術大会を観覧する為、ヴィヴィアンはブライトン家の馬車を使用して王宮を訪れた。
ブライトン家の馬車、と言っても、ヴィヴィアンが輿入れした時に用意したものだ。
いつ帰宅する事になっても問題ないよう、馬車は、王宮裏手の馬車溜まりで待機している。
来た時には、闘技場に近い場所で下ろして貰ったが、今、いるのは王宮の正面玄関だ。
こちらに馬車を回すよう、コンラートが伝言を頼みに行っているその隙に、ヴィヴィアンに声を掛けたのは、
「…旦那様」
夫であるトビアスだった。
彼は、文官として王宮に伺候しているから、王宮で会う事自体に不思議はない。
わざわざ、ヴィヴィアンに声を掛けて来た理由が判らないだけで。
何しろ、彼はヴィヴィアンと顔を合わせたくないが為に、本邸をヴィヴィアンに明け渡し、街中に愛の巣を作っているのだから。
「耳がないのか?何故、此処にいるのかと聞いているんだ」
「…本日は、闘技場にて王都騎士団の武術大会が催されているのです。バレント男爵夫人にお誘い頂いて、観覧に参りました」
「闘技場だと?王宮の端ではないか。ならば、何故、此処にいる」
「…途中で具合を悪くして、休ませて頂いておりました。付き添って頂いた方が、今、馬車を呼んでくださって、」
「下手な嘘を吐くな。大方、武術大会にかこつけて、私に会いに来たのだろう」
「…」
いつもの事だ。
トビアスは、ヴィヴィアンの言葉を聞こうとしない。
頑なに、彼女が夫を愛していると思い込んでいる。
一方的にヴィヴィアンを嫌う彼との関係改善をする努力など、するだけ無駄な事、と、放置していた結果が、この思い込みの強さなのだろうか、と、ちらりと脳裏を掠めるけれど、努力した所で、変わらなかった気もする。
「やはり、噂は嘘だったな」
「…噂、でございますか」
「お前が夜会で、何処ぞの男と親しくしている、と言う噂だ」
トビアスの耳には入っていないと思っていたが、誰かが彼に告げたらしい。
「奥方を放っておいては、いずれ、捨てられるとか何とか脅しめいた事を言われたがな。お前が、私以外の男に目を向けるわけがない。あぁ、それともあれか。そんな噂を流してまで、私を振り向かせたかったか?」
何、馬鹿な事を言ってるんだろう。
と言うのが、正直な感想だ。
だが、そのような思いはおくびにも出さず、ヴィヴィアンは大人しく視線を伏せている。
反論した所で、トビアスが聞く事はないのだ。
「どうせ、私が来るまで、此処で立ち尽くしているつもりだったのだろう?」
「…いいえ、馬車が参りましたら、直ぐに帰宅致します」
「素直に認めればいいものを。だからお前は、アイリーンと違って可愛げがないのだ!」
声を荒らげ、一歩踏み込んだトビアスに、危機感を覚えたヴィヴィアンが顔を上げた所で、背後から声が掛けられた。
「お待たせ致しました。馬車は直ぐに参りますよ。あぁ、まだご気分が優れないのですから、どうぞ、日陰に」
ヴィヴィアンに優しく声を掛け、大切なものに向ける笑みを見せたコンラートは、はたとその存在に気づいたように、トビアスへと顔を向ける。
「…こちらは?」
「わたくしの夫の、トビアス・ブライトンですわ。王宮で、流通部門の長官補佐を務めておりますの。…旦那様、この方はコンラート卿です。具合を悪くして倒れたわたくしを、介抱してくださいました」
「あぁ!貴卿がブライトン伯爵ですか。お噂は、かねがね伺っております。一度、お目に掛かりたいと思っておりました」
コンラートが、微笑みつつも目だけは鋭くトビアスを見遣ると、トビアスは、その迫力に飲まれたように、棒立ちに立ち尽くした。
トビアスは、学生時代から結婚した今に至るまで、女性人気が高い男だ。
ヴィヴィアンからすれば、正妻を不当に扱って恥じない男に過ぎないトビアスだが、長年、一人の女性のみを愛し、他の誘いに揺れ動かない姿を、『一途』と評して、好意的に見ている貴婦人は少なくない。
だからこそ、トビアスは、ヴィヴィアンもまた、彼への恋慕を抱いていると信じているのだし、己の容姿や振る舞いに自信を持っているのだ。
だが、目の前の男と相対して、最初に感じたのは、敗北感だった。
同性ですら、見惚れる程に整った顔立ちには、甘さも媚びもない。
剣を使う人である立派な体躯のコンラートと、文官一筋の優男であるトビアスは、そもそもの気迫が違う。
「私は、貴卿が心底羨ましい。このように、美しく聡明な奥方を得られたのですから」
「……は?」
熱の籠もった視線をヴィヴィアンに向けるコンラートに、トビアスは件の噂の相手がコンラートである事に気づいたのだろう。
白い頬を、サッと赤らめた後、ヴィヴィアンを睨みつけた。
「お前は!夫がありながら、よその男に色目を使っているのか!」
ヴィヴィアンが、トビアスの怒声に眉を顰め、コンラートは、彼女を庇うように半身、前に出る。
「ブライトン伯、奥方をお叱りになるのは間違っております。奥方は、夫である貴方に顔向け出来ない事は、なさらない方です」
切なそうにヴィヴィアンを見るコンラートの表情に音声をつけるなら、
「あと一歩、踏み出したいのに、受け入れてはくれない」
と言う所だろう。
自らを『夫』と呼びながらも、その責任を一つも果たしていないトビアス。
人目を憚る関係でありながら、堂々と社交の場に愛人を連れ歩いている彼は、分が悪いと感じたのか、ぐっと押し黙る。
コンラートの気迫に飲まれただけ、とは、間違っても認めたくない。
「あぁ、馬車が来ましたね。どうぞ、お体をお大事に。…また、お会い出来る機会を、心待ちにしております」
「…コンラート卿、お手数をお掛け致しました。旦那様、お仕事がご多忙とは思いますが、どうぞご自愛なさってくださいませ」
名目上、トビアスが帰宅しないのは、仕事が多忙故、だ。
一礼したヴィヴィアンは、差し出されたコンラートの手を断り、御者の手を借りて馬車に乗り込む。
呆然とヴィヴィアンを見送るトビアスに、コンラートは悲し気に笑ってみせた。
「奥方は、淑女の鑑ですね。どれだけ貴方に冷遇されようとも、妻の立場をお忘れにならない」
礼を述べる一方でコンラートの手は借りず、どれだけ言葉で痛めつけられようと夫の身を案じるヴィヴィアンの姿を、夫を裏切り、愛人を作った女性として見る者はいない。
トビアスには、妻の不義を責め立てる余地など、なかった。
これまで、望まぬ政略結婚を理由に、妻を冷遇し、愛人との日々を過ごす正当な理由がある、と開き直っていた。
ブライトン家の没落は、トビアスを望んだヴィヴィアンのせい。
だから、原因であるヴィヴィアンを利用する事に、何ら、良心の呵責を感じてはいなかった。
周囲の声だって、心に想い定めた女性を選んだトビアスを、認めていたのだから。
だが、愛を貫き続ける事への称賛ばかりを選んで聞いていた事に、初めて思い至った。
その証拠に、第三者から、妻に非がない、と言い切られると、言い訳が一つも出て来ない。
同時に、憤りを滲ませるコンラートを見て、彼が本気でヴィヴィアンを慕っている、と理解する。
トビアスを振り向かせたいと思っているのならば、何故、ヴィヴィアンはこの状況を利用しない?
…妻が望んでいるのは、私ではないのか…?
「いずれ、また、お会いする機会もあるでしょう」
トビアスのヴィヴィアンに対する扱いへの苛立ちを抑え、そう言ってコンラートが立ち去っても、トビアスは暫く、立ち尽くしていた。
王宮の車寄せで、ヴィヴィアンは馬車を待っていた。
武術大会を観覧する為、ヴィヴィアンはブライトン家の馬車を使用して王宮を訪れた。
ブライトン家の馬車、と言っても、ヴィヴィアンが輿入れした時に用意したものだ。
いつ帰宅する事になっても問題ないよう、馬車は、王宮裏手の馬車溜まりで待機している。
来た時には、闘技場に近い場所で下ろして貰ったが、今、いるのは王宮の正面玄関だ。
こちらに馬車を回すよう、コンラートが伝言を頼みに行っているその隙に、ヴィヴィアンに声を掛けたのは、
「…旦那様」
夫であるトビアスだった。
彼は、文官として王宮に伺候しているから、王宮で会う事自体に不思議はない。
わざわざ、ヴィヴィアンに声を掛けて来た理由が判らないだけで。
何しろ、彼はヴィヴィアンと顔を合わせたくないが為に、本邸をヴィヴィアンに明け渡し、街中に愛の巣を作っているのだから。
「耳がないのか?何故、此処にいるのかと聞いているんだ」
「…本日は、闘技場にて王都騎士団の武術大会が催されているのです。バレント男爵夫人にお誘い頂いて、観覧に参りました」
「闘技場だと?王宮の端ではないか。ならば、何故、此処にいる」
「…途中で具合を悪くして、休ませて頂いておりました。付き添って頂いた方が、今、馬車を呼んでくださって、」
「下手な嘘を吐くな。大方、武術大会にかこつけて、私に会いに来たのだろう」
「…」
いつもの事だ。
トビアスは、ヴィヴィアンの言葉を聞こうとしない。
頑なに、彼女が夫を愛していると思い込んでいる。
一方的にヴィヴィアンを嫌う彼との関係改善をする努力など、するだけ無駄な事、と、放置していた結果が、この思い込みの強さなのだろうか、と、ちらりと脳裏を掠めるけれど、努力した所で、変わらなかった気もする。
「やはり、噂は嘘だったな」
「…噂、でございますか」
「お前が夜会で、何処ぞの男と親しくしている、と言う噂だ」
トビアスの耳には入っていないと思っていたが、誰かが彼に告げたらしい。
「奥方を放っておいては、いずれ、捨てられるとか何とか脅しめいた事を言われたがな。お前が、私以外の男に目を向けるわけがない。あぁ、それともあれか。そんな噂を流してまで、私を振り向かせたかったか?」
何、馬鹿な事を言ってるんだろう。
と言うのが、正直な感想だ。
だが、そのような思いはおくびにも出さず、ヴィヴィアンは大人しく視線を伏せている。
反論した所で、トビアスが聞く事はないのだ。
「どうせ、私が来るまで、此処で立ち尽くしているつもりだったのだろう?」
「…いいえ、馬車が参りましたら、直ぐに帰宅致します」
「素直に認めればいいものを。だからお前は、アイリーンと違って可愛げがないのだ!」
声を荒らげ、一歩踏み込んだトビアスに、危機感を覚えたヴィヴィアンが顔を上げた所で、背後から声が掛けられた。
「お待たせ致しました。馬車は直ぐに参りますよ。あぁ、まだご気分が優れないのですから、どうぞ、日陰に」
ヴィヴィアンに優しく声を掛け、大切なものに向ける笑みを見せたコンラートは、はたとその存在に気づいたように、トビアスへと顔を向ける。
「…こちらは?」
「わたくしの夫の、トビアス・ブライトンですわ。王宮で、流通部門の長官補佐を務めておりますの。…旦那様、この方はコンラート卿です。具合を悪くして倒れたわたくしを、介抱してくださいました」
「あぁ!貴卿がブライトン伯爵ですか。お噂は、かねがね伺っております。一度、お目に掛かりたいと思っておりました」
コンラートが、微笑みつつも目だけは鋭くトビアスを見遣ると、トビアスは、その迫力に飲まれたように、棒立ちに立ち尽くした。
トビアスは、学生時代から結婚した今に至るまで、女性人気が高い男だ。
ヴィヴィアンからすれば、正妻を不当に扱って恥じない男に過ぎないトビアスだが、長年、一人の女性のみを愛し、他の誘いに揺れ動かない姿を、『一途』と評して、好意的に見ている貴婦人は少なくない。
だからこそ、トビアスは、ヴィヴィアンもまた、彼への恋慕を抱いていると信じているのだし、己の容姿や振る舞いに自信を持っているのだ。
だが、目の前の男と相対して、最初に感じたのは、敗北感だった。
同性ですら、見惚れる程に整った顔立ちには、甘さも媚びもない。
剣を使う人である立派な体躯のコンラートと、文官一筋の優男であるトビアスは、そもそもの気迫が違う。
「私は、貴卿が心底羨ましい。このように、美しく聡明な奥方を得られたのですから」
「……は?」
熱の籠もった視線をヴィヴィアンに向けるコンラートに、トビアスは件の噂の相手がコンラートである事に気づいたのだろう。
白い頬を、サッと赤らめた後、ヴィヴィアンを睨みつけた。
「お前は!夫がありながら、よその男に色目を使っているのか!」
ヴィヴィアンが、トビアスの怒声に眉を顰め、コンラートは、彼女を庇うように半身、前に出る。
「ブライトン伯、奥方をお叱りになるのは間違っております。奥方は、夫である貴方に顔向け出来ない事は、なさらない方です」
切なそうにヴィヴィアンを見るコンラートの表情に音声をつけるなら、
「あと一歩、踏み出したいのに、受け入れてはくれない」
と言う所だろう。
自らを『夫』と呼びながらも、その責任を一つも果たしていないトビアス。
人目を憚る関係でありながら、堂々と社交の場に愛人を連れ歩いている彼は、分が悪いと感じたのか、ぐっと押し黙る。
コンラートの気迫に飲まれただけ、とは、間違っても認めたくない。
「あぁ、馬車が来ましたね。どうぞ、お体をお大事に。…また、お会い出来る機会を、心待ちにしております」
「…コンラート卿、お手数をお掛け致しました。旦那様、お仕事がご多忙とは思いますが、どうぞご自愛なさってくださいませ」
名目上、トビアスが帰宅しないのは、仕事が多忙故、だ。
一礼したヴィヴィアンは、差し出されたコンラートの手を断り、御者の手を借りて馬車に乗り込む。
呆然とヴィヴィアンを見送るトビアスに、コンラートは悲し気に笑ってみせた。
「奥方は、淑女の鑑ですね。どれだけ貴方に冷遇されようとも、妻の立場をお忘れにならない」
礼を述べる一方でコンラートの手は借りず、どれだけ言葉で痛めつけられようと夫の身を案じるヴィヴィアンの姿を、夫を裏切り、愛人を作った女性として見る者はいない。
トビアスには、妻の不義を責め立てる余地など、なかった。
これまで、望まぬ政略結婚を理由に、妻を冷遇し、愛人との日々を過ごす正当な理由がある、と開き直っていた。
ブライトン家の没落は、トビアスを望んだヴィヴィアンのせい。
だから、原因であるヴィヴィアンを利用する事に、何ら、良心の呵責を感じてはいなかった。
周囲の声だって、心に想い定めた女性を選んだトビアスを、認めていたのだから。
だが、愛を貫き続ける事への称賛ばかりを選んで聞いていた事に、初めて思い至った。
その証拠に、第三者から、妻に非がない、と言い切られると、言い訳が一つも出て来ない。
同時に、憤りを滲ませるコンラートを見て、彼が本気でヴィヴィアンを慕っている、と理解する。
トビアスを振り向かせたいと思っているのならば、何故、ヴィヴィアンはこの状況を利用しない?
…妻が望んでいるのは、私ではないのか…?
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