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第九十四話

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     翌日、学校にて隆は烈太と祐子を廊下の端に呼んだ。 



「じゃじゃーん!」



    そこで魔導システムのデバイスを見せた。



「それって…………」



「もしかして、出来たの?」



「もちのろんだぜ!」



     問いかける二人に隆は力強く答える。



「これが、あたしの魔導システム………」



     祐子が恐る恐るそれを取る。



「あとは、演習と実戦だな」



「うん、きっと流ねえも付き合ってくれるよ」



     烈太は隆に同意した。 



「そんなのやらなくても足手まといにはならないわよ」



     祐子は強気に言った。





☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆





    下校時、烈太のスマートフォンが鳴った。烈太は着信をとる。



「分かった、今行く。ドラグリィがまた出たみたいだ」



     ディリハから聞いた内容を祐子と隆に伝える。



「あたしも行くわ」



「待てよ、祐子のやつはまだ演習をやってないんだぞ!いきなり実戦はやばいぜ!」



     烈太について行こうとする祐子を隆は諌める。



「そんな悠長なこと言ってる場合?これはもう出来てるんでしょ?!だったら行かなきゃ昨日の二の舞じゃない!」



「そうだけどさあ………」



    祐子の強い反論に隆は言い返せない。



「行くわよ烈太」



「分かった」



    烈太は祐子に頷いた。
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