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来訪者をおもてなし
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「遠い星からはるばるようこそお越しくださいました。勇敢なる貴方様の冒険譚をお聞かせ願いたいところですが、お疲れでしょう。
まずはごゆっくりお休みください。」
国々の代表者たちは突如飛来した異星人を一流ホテルの一室に連れて行き、心からの歓迎の意を伝える。
相手の意図がわからないうちは、とりあえずもてなしておけば間違いないだろう。というわけだ。
「ああ、そうしよう。」
来訪者も満更でもなさそうだ。
「ただ、この星に到着するまでに船に積んでいた食料を全て食べてしまった。腹が減って仕方ない。できれば食事をいただきたいのだが…」
「かしこまりました。ただ今お食事のご用意を致します。最高のおもてなしをいたしますので、しばらくお待ちください。」
「なんでも良いよ。」
なんでも良いと言われても、そうはいかないのがおもてなしだ。
「本当になんでも良い。あまり手間をかけさせるのも申し訳ないし…」
疲れているのだろう。空腹とはいえすぐに眠ってしまった。
今のうちに会議を始める。
議題はもちろん、何を食べさせるべきか。
なにしろ異星人とのファーストコンタクトだ。
失礼があってはならない。
「やはり我が国の料理を…」
「いや、うちの国の料理を出すべきだ。」
「いやいや、我が国の料理の方が口に合うに決まって…」
どの国の代表者も、当然自分の国の料理を食べさせたがる。
埒が開かないので、とりあえず肉料理か、野菜か、食べられないものはないか考えることになった。
「とりあえず魚はやめておいた方が良いだろう。」
来訪者には大きなヒレがあった。
「肉料理もやめた方が良い。」
肉を食べない宗派の国がこう提案する。
「うむ、たしかに他の生き物の肉を食べるのが地球だけの習慣でないとも言い切れない。
下手なことをして怒らせては大変だ。」
「では野菜料理か?」
来訪者の肌は緑色だ。万が一ということがある。
「じゃあ一体何を食べさせれば良いのだ。」
「お前、聞いてこいよ。」
再び来訪者の部屋に行くと、もう目を覚まし、食事を待ち侘びているようだ。
「もう食事はできたか?腹が減って死にそうだ。」
「申し訳ございません、もう少々お待ちください。」
「本当に何でも良いのだ。何でも食べるから…」
「ですが万が一お口に合わないことがあっては大変です。お聞きしますが、貴方様の故郷では他の生き物を調理して食べる習慣はございますか?」
「当たり前だ。魚も豚も食べる。おそらくこの星にもいるだろう?」
「では野菜も?」
「だから何でも食べるって。頼むから早く食わせてくれよ。」
どうやら杞憂だったようだ。
ただ、来訪者が空腹で少しイラついてきたようだ。
どの国料理をたべさせるかを気にしている暇はない。
ホテルのシェフに急いで料理を作らせる。
寿司、カレー、ハンバーグ、野菜炒め…
最高とはいえないが、それなりに豪華な食事だ。
料理を前にして来訪者の機嫌は途端に直る。
「おお、なんて良い匂いだ。悪いが挨拶は後にして、先にいただくぞ。」
言うと来訪者は目の前の食事に飛びついた。
寿司をパクパク、カレーをもりもり、ハンバーグをガツガツ、皿をバリバリ、フォーク、スプーンをポリポリと、机に乗せられたものを一つ残らず平らげた。
「だから言っただろう。何でも食べるんだよ。」
まずはごゆっくりお休みください。」
国々の代表者たちは突如飛来した異星人を一流ホテルの一室に連れて行き、心からの歓迎の意を伝える。
相手の意図がわからないうちは、とりあえずもてなしておけば間違いないだろう。というわけだ。
「ああ、そうしよう。」
来訪者も満更でもなさそうだ。
「ただ、この星に到着するまでに船に積んでいた食料を全て食べてしまった。腹が減って仕方ない。できれば食事をいただきたいのだが…」
「かしこまりました。ただ今お食事のご用意を致します。最高のおもてなしをいたしますので、しばらくお待ちください。」
「なんでも良いよ。」
なんでも良いと言われても、そうはいかないのがおもてなしだ。
「本当になんでも良い。あまり手間をかけさせるのも申し訳ないし…」
疲れているのだろう。空腹とはいえすぐに眠ってしまった。
今のうちに会議を始める。
議題はもちろん、何を食べさせるべきか。
なにしろ異星人とのファーストコンタクトだ。
失礼があってはならない。
「やはり我が国の料理を…」
「いや、うちの国の料理を出すべきだ。」
「いやいや、我が国の料理の方が口に合うに決まって…」
どの国の代表者も、当然自分の国の料理を食べさせたがる。
埒が開かないので、とりあえず肉料理か、野菜か、食べられないものはないか考えることになった。
「とりあえず魚はやめておいた方が良いだろう。」
来訪者には大きなヒレがあった。
「肉料理もやめた方が良い。」
肉を食べない宗派の国がこう提案する。
「うむ、たしかに他の生き物の肉を食べるのが地球だけの習慣でないとも言い切れない。
下手なことをして怒らせては大変だ。」
「では野菜料理か?」
来訪者の肌は緑色だ。万が一ということがある。
「じゃあ一体何を食べさせれば良いのだ。」
「お前、聞いてこいよ。」
再び来訪者の部屋に行くと、もう目を覚まし、食事を待ち侘びているようだ。
「もう食事はできたか?腹が減って死にそうだ。」
「申し訳ございません、もう少々お待ちください。」
「本当に何でも良いのだ。何でも食べるから…」
「ですが万が一お口に合わないことがあっては大変です。お聞きしますが、貴方様の故郷では他の生き物を調理して食べる習慣はございますか?」
「当たり前だ。魚も豚も食べる。おそらくこの星にもいるだろう?」
「では野菜も?」
「だから何でも食べるって。頼むから早く食わせてくれよ。」
どうやら杞憂だったようだ。
ただ、来訪者が空腹で少しイラついてきたようだ。
どの国料理をたべさせるかを気にしている暇はない。
ホテルのシェフに急いで料理を作らせる。
寿司、カレー、ハンバーグ、野菜炒め…
最高とはいえないが、それなりに豪華な食事だ。
料理を前にして来訪者の機嫌は途端に直る。
「おお、なんて良い匂いだ。悪いが挨拶は後にして、先にいただくぞ。」
言うと来訪者は目の前の食事に飛びついた。
寿司をパクパク、カレーをもりもり、ハンバーグをガツガツ、皿をバリバリ、フォーク、スプーンをポリポリと、机に乗せられたものを一つ残らず平らげた。
「だから言っただろう。何でも食べるんだよ。」
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