ぷるぷる。俺は、悪いスライムだ!

そば太郎

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ぷるぷる。初めてのお出かけ

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今日は、待ちに待った外出する日!朝からそわそわしてしまう。これまで何度外に出ようとしたが、その度に父と母から捕獲され、外に出れなかったのだ。しかも、家の敷地には強固な結界が張られており、俺が一人で外出出来ないだけではなく、外部からの侵入者も入って来れない仕様だった。

なにゆえに……?

俺は人間姿の父に抱かれ、横には母がいる。初めての外。俺はワクワクが抑えきれなかった。だって、街とか初めて見るのだぞ!いや、街ぐらい見た事はあるが任務遂行中だったために楽しむ余裕などなかった。それがどうだ!

屋台がずらりと並ぶストリート。母のミルクより惹かれるものはないものの、香ばしい匂い、スパイシーな匂い、砂糖菓子の匂い……!鼻がないというのにちゃんと嗅覚がある俺は様々な匂いを堪能する。

た、食べたい!
ペチペチ腕を叩いて訴えるけど、後でねと屋台に寄ってくれない。ひ、酷い……!見せるだけ見せて、俺に食べさせないだなんて……!

うるうるしてしまう。
俺の潤んだ瞳に、ぐっと喉を鳴らす父。見つめていると、目の前に濃厚なソースがかかった焼肉が差し出された。

?!
なんと、母が串肉を差し出してくれており、
「ほら、これが食べたかったんだろう?」
と笑っている。

は、母~~~~~~!す、好きっ、母、好きっ!父の腕から抜け出し、母の手の中にある肉にかぶりつく。口いっぱいに広がる肉汁。バクバクッと食べ、母の手についたソースまで必死に舐めとってしまう。

「クロノス、ほら落ち着け。くすぐったいぞ。」
人間である母を認めているものの、冒険者としての母に警戒していたつもりだったが、この瞬間俺は母大好きになった!

……い、いや、違うからな!
魔王様直属の配下の俺が……い、いや、餌に釣られたわけじゃ……

「ははっ、良かったね、クラウド。クロちゃんのツンがなくなって。」
父が嬉しそうに笑っている。何を言うか、俺は魔王様直属の配下だぞ。人間なんぞに気を許すはずがなかろうが!

だが、実際にクラウドの腕の中でにっこにこのクロノスに、すれ違う街の住民が微笑ましそうに見ていた。そしてこれまで自分の姿を見ると、カーテンに隠れていた我が子に少しばかり落ち込んでいたクラウドは、素直に自分の腕の中にいるクロノスが愛おしくてたまらなかった。

母の腕をペチペチ叩いて、食べ物を食べさせてもらいながら辿り着いた場所は酒場だった。いや、酒場が併設されたギルド?という場所らしい。中には冒険者がたくさんいて、最初こそ俺を罠にはめたのかと焦ったものの、そんなことはなくホッと胸を撫で下ろした。

……俺を守るように前に出ている父。安心させるように頭を撫でてくれる母。

心がほんわかする……

ん?
注目を浴びているようだが、なにかおかしい。父と母は気にすることなく、カウンターに行くと従魔契約をしたいと伝えた。

じゅうま?
軟弱そうな男が出てきて、別の部屋に案内される。なんと、この男は母の友人らしい。従魔契約のことを教えてくれる。これが繋がると、街にいる間は誰も手出しができないこと、モンスターを倒すと経験値が共有できることとか、色々。父から俺はレベル1だから、早くレベルをある程度上げたいと言われた。

この世界も危険なことがあるから、自分の身を守れるようにしないとねって。それは俺にとって願ったり叶ったりなやつだ。俺は、魔王様直属の忠実なる配下。力を取り戻し、いやそれ以上に強くなって、悪いことをしまくるのだ!

そうして、俺は母と従魔契約を結んだ。ん? 父は既に母と従魔契約を結んでいるのか?

手の甲に同じ紋章が浮かんでおり、なんか嬉しいと思った。

はっ、ぶんぶん!お、俺は魔王様の直属で忠実なる配下なのだぞ!でも……母とのバイパスを通じて母の魔力を感じ、胸が熱くなる。

自然と頬が緩む。にっこにっこ……!魔王様直属の配下の表情筋は壊れた。そして、本人は気がついていない。



その夜。
ちゅうちゅうちゅう……
今日も今日とて寝る前のミルクの時間を堪能する。今日は、はしゃいでしまったからな。夕ご飯は食べたものの母のミルクは別腹というものだ。

朝のミルクと違いあっさりしているが、今日は肉を食べたからかすこしこってりしている気がする。母が食べた食事がミルクの味に影響しているのか……ふむ。

あ……父に母のミルクを飲むなと言うのを忘れていた。むぅ。でも、俺もミルク以外も食べるようになったし、父も赤ちゃんに戻りたい時があるようだから、ここは俺が大人になってやろう。うむ。

ドヤ顔。

ちゅうちゅう……ガジガジ……ちゅうちゅう……ガジガジ
「……んっ、……あっ……っ、……んっ、……あんっ!」
チクビを吸っているとたまに噛んでいることがある。以前は、反発心から牙を立てていたが、もうそのような感情は持っていない。むしろ、母大好きになっているぐらいだ。

しかしこれまでチクビを噛んでいたためか、止めれない。この弾力が悪い。噛みごたえがあるというか……噛むとミルクの味が変わる気がして、止められそうにないのだ。

本気で噛むわけじゃないから、大丈夫だ!
甘噛みってやつ。母、大丈夫だよな? ちらりと母の様子を伺うと頭を撫でられ、抱き締められた。むぐっ……!胸に顔が埋まり、チクビを強く噛んでしまう。

「ンンンッ!」
ビクンと跳ねる体。眉間に皺を寄せて、堪えている表情。母は好きだけど……俺は、魔王様直属の忠実なる配下。そして俺は何よりもダークスライムなのだ!

いたずらが得意なモンスター。

母……!母は好きだけど、俺は悪いことをする!

ガジガジガジガジ!

「あ、あ、あ、あああああ~~~~~~~~!!!」
連続して甘噛みをしたら、母が涙を流し、気絶。

体を痙攣させ、チクビからミルクを溢れさせている母を見て、俺はなんでか分からなかったけど、いたずらが成功したと歓喜に震えた。

ちゃんと飛び散ったミルクは全て舐めとって証拠隠滅する。今父は、お風呂に入っているからバレる心配はない。ちゃんと服を整えて……っと。うん。あとは、シーツを被せて……よし!

母、おやすみなさい~

すやぁ……

その後、父がお風呂から出てきて寝ているクラウドの様子を確認。そして籠の中で寝ている可愛い我が子の寝顔をみてふふっと笑った。

「いたずらは、程々にね。」
その声は寝ているクロノスに届いていないが、スラは全てわかっていた。なぜなら服がミルクでびっしょりだし、何よりもズボンの中が濡れていたから。




【クロノス】
魔王様直属の忠実なる配下。その時の力を取り戻そうと頑張っている。悪いことをしようと画策しているものの、これまで上手くいっていない。現在は、人間である母に懐き、甘えたモード発動中。だが、時々ツンが戻ることがある。

完璧、餌付けされたようだ。
しかしダークスライムとして、魔王様直属の忠実なる配下として、悪いことをするために頑張る。初めていたずらが成功して、嬉しい。やる気に満ちる。

【スラ】
父。クロノスのレベルアップ手段をどうしようか悩み中。可愛いクロノスが怪我をするのが嫌。過保護傾向。のんびりお風呂に入るのが好き。たまにクラウドと一緒に入ることがある。ちなみに、クロノスは洗面器にお湯を張り、優しく洗うのは父のお仕事。

余談として元々国民的RPGゲームをプレイしていたから、ダークスライムの事も知っている。

【クラウド】
母。スラと子育て方法について喧嘩することがある。クラウドは正規に冒険をしてレベルを上げさせたい。クロノスが懐いてくれてすごく嬉しい。
クロノスに乳首を噛まれ続けた結果、新しい性癖に目覚める。意外とM。


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