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第一話
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目を覚ますと見慣れない天井が見えた。
「たしか、大好きなチョコレートケーキを買いに出かけたはず…」
30歳というアラサー女が、1人寂しく誕生日を祝おうと大好きなチョコレートケーキを買いに出掛けた。
「その後は…え、思い出せない」
トントンとノックの音が聞こえてきた。
「ベリルお嬢様、奥様が危篤状態でございます…」
西洋風のメイド服に身を包んだ女の人が部屋に入ってきたて、そう告げた。
ベリルお嬢様…奥様…
きっと私がベリルお嬢様ね、奥様ということは、私の母親なんだろなと思いながらベットから起き上がる。
「お嬢様、お気を確かに」
と言われてもまだしっくりこない中、お母様がいる部屋へ案内された。
お母様のそばには、お父様だろうと思わしき男の人がいた。
「あなた…どうかベリルのことをよろしく…お願いしますね」
力なくそう告げたお母様の手を、しっかりと握るお父様。
「当たり前だ、何も心配いらない」
そのやりとりの後、お母様は息を引き取った。
私の目からは涙が溢れていた。前の持ち主の感情なのだろうか、不思議な感覚だった。
お母様の葬儀が慎ましく行われてる最中、この体の持ち主について考えていた。
白銀の髪にエメラルドのような透き通った緑の瞳、陶器の様な白い肌。
黒髪黒目のthe日本人だった私とは、全然比べ物にならないくらいの美人というか、キレカワ系だ。
侯爵家ということもあり、14歳になるまでお金に不自由な思いはしていない。いつも笑顔で優しくつつんでくれる母親の姿が記憶に残っている。
流行り病ということおり、病に伏せてからは会うことを禁じられていた。
ふと顔をあげると、まだお母様が亡くなったことを受け入れられないような顔をしているお父様が見えた。
この国の官僚を務めている父、クロード・リーレイ。爵位は侯爵家。茶色の髪に、私と同じエメラルドの瞳を持つ。官僚ということもあり、家にあまりいなかったのか、記憶があまり残っていない。それでも、母親と一緒に3人で笑顔で食事をしている姿を思い出すということは、仕事は忙しいが、家族思いな人間ではあるようだ。
「ベリル、大丈夫か?」
そう聞いてくるお父様だが、私よりもあなたが大丈夫?と聞きたくなる顔色だ。
「大丈夫です、お父様。お父様こそ無理なさらず」
ありがとうと消えてしまいそうな声だった。
「ベリル譲」
呼ばれて振り向くと、そこには金髪に赤い眼のベリルと同世代の男の子がいる。
「お気持ちお察しする、流行り病となると、手のつく仕様がなかっただろう」
心配そうに見てくるが、誰だろ?と考えていると
「ライズレット殿下、わざわざ足を運んで頂き感謝致します」
お父様が深々と挨拶をする。
「婚約者の母君が亡くなったとあれば、仕事があろうと来るものさ」
あ、なるほど。ベリルの婚約者か。
護衛もついて、殿下…この国の王族ということだ。
「殿下、お忙しい中お母様のためにありがとうござきます」
このぐらいの挨拶をしておけば怪しまれないだろう。
「いいんだ、君の顔も見たかったし」
心配そうに見つめてくる所をみると、婚約者との関係は良好なようね。
「たしか、大好きなチョコレートケーキを買いに出かけたはず…」
30歳というアラサー女が、1人寂しく誕生日を祝おうと大好きなチョコレートケーキを買いに出掛けた。
「その後は…え、思い出せない」
トントンとノックの音が聞こえてきた。
「ベリルお嬢様、奥様が危篤状態でございます…」
西洋風のメイド服に身を包んだ女の人が部屋に入ってきたて、そう告げた。
ベリルお嬢様…奥様…
きっと私がベリルお嬢様ね、奥様ということは、私の母親なんだろなと思いながらベットから起き上がる。
「お嬢様、お気を確かに」
と言われてもまだしっくりこない中、お母様がいる部屋へ案内された。
お母様のそばには、お父様だろうと思わしき男の人がいた。
「あなた…どうかベリルのことをよろしく…お願いしますね」
力なくそう告げたお母様の手を、しっかりと握るお父様。
「当たり前だ、何も心配いらない」
そのやりとりの後、お母様は息を引き取った。
私の目からは涙が溢れていた。前の持ち主の感情なのだろうか、不思議な感覚だった。
お母様の葬儀が慎ましく行われてる最中、この体の持ち主について考えていた。
白銀の髪にエメラルドのような透き通った緑の瞳、陶器の様な白い肌。
黒髪黒目のthe日本人だった私とは、全然比べ物にならないくらいの美人というか、キレカワ系だ。
侯爵家ということもあり、14歳になるまでお金に不自由な思いはしていない。いつも笑顔で優しくつつんでくれる母親の姿が記憶に残っている。
流行り病ということおり、病に伏せてからは会うことを禁じられていた。
ふと顔をあげると、まだお母様が亡くなったことを受け入れられないような顔をしているお父様が見えた。
この国の官僚を務めている父、クロード・リーレイ。爵位は侯爵家。茶色の髪に、私と同じエメラルドの瞳を持つ。官僚ということもあり、家にあまりいなかったのか、記憶があまり残っていない。それでも、母親と一緒に3人で笑顔で食事をしている姿を思い出すということは、仕事は忙しいが、家族思いな人間ではあるようだ。
「ベリル、大丈夫か?」
そう聞いてくるお父様だが、私よりもあなたが大丈夫?と聞きたくなる顔色だ。
「大丈夫です、お父様。お父様こそ無理なさらず」
ありがとうと消えてしまいそうな声だった。
「ベリル譲」
呼ばれて振り向くと、そこには金髪に赤い眼のベリルと同世代の男の子がいる。
「お気持ちお察しする、流行り病となると、手のつく仕様がなかっただろう」
心配そうに見てくるが、誰だろ?と考えていると
「ライズレット殿下、わざわざ足を運んで頂き感謝致します」
お父様が深々と挨拶をする。
「婚約者の母君が亡くなったとあれば、仕事があろうと来るものさ」
あ、なるほど。ベリルの婚約者か。
護衛もついて、殿下…この国の王族ということだ。
「殿下、お忙しい中お母様のためにありがとうござきます」
このぐらいの挨拶をしておけば怪しまれないだろう。
「いいんだ、君の顔も見たかったし」
心配そうに見つめてくる所をみると、婚約者との関係は良好なようね。
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