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第15部
第五章 我ら、愛の六戦士!②
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「…………は?」
大いに盛り上がる会場の一方で。
渦中の人であるアッシュは、ただただ困惑していた。
(え? 何だこれ?)
頭の中は、疑問符だらけである。
それも当然のことだった。
どうして、いきなり友人に名指しで決闘を挑まれるか……?
全くもって、理解が追い付かなかった。
「え? これってどういうこと?」
「……クライン?」
傍にいるサクヤとオトハも困惑している。
ユーリィだけは困惑しつつも、少しワクワクしているようだったが。
「アッシュ。アッシュ。何か面白いことが起きる予感が……」
と、ユーリィがアッシュの服の裾を、くいくいと引っ張った時だった。
『みんな! 聞いてくれ!』
不意に大きな声が舞台から響いた。
アッシュたちが目をやると、そこには拡声器を持ったエドワードの姿があった。
彼はいつの間にか、愛機である《アルゴス》を召喚しており、胸部装甲を大きく開いたその操縦席で立っていた。
『俺の名はエドワード=オニキス! 俺には好きな子がいるんだ!』
何を言い出すのか、エドワードはそんなことを語り始めた。
エドワードは手の平を、アッシュの隣に座るユーリィへと向けた。
ユーリィのワクワクが一瞬で消し飛んで、代わりに頬を引きつらせる。
『ユーリィ=エマリアさん!』
エドワードは、愛しい彼女の名前を呼んだ。
会場の視線がユーリィに集まる。
『俺は貴女が好きです! 愛しています! だからこそ!』
エドワードはアッシュを指差した。
『師匠! 俺は今日あんたに認めさせる! 娘を託せるのはお前しかしない! そう言わせてみせるぜ!』
エドワードの宣言に、会場は揺れるほどに沸いた。
エドワードは愛機の操縦席に入ると、そのまま胸部装甲を下ろした。ブンッと《アルゴス》の両眼が輝き、緑色の鎧機兵は槍を身構えた。
『おお! 愛の告白! 流石は四英雄が一人!』
司会者が乗りに乗って叫ぶ。
『駆る機体は護国の機神! 草原を駆けし大いなる槍兵 《アルゴス》! 恒力値は三千九百ジン! その槍で愛を貫け! エドワード=オニキ――――スッッ!』
「「「おおおおおおおおおお――ッッ!」」」
会場はもう大興奮だ。立ち上がる者さえ大勢いる。
一方、ユーリィはアッシュの袖をギュッと掴み、
「アッシュ。あいつを今すぐ塵ちゃって」
かつてないほどに強張った顔でそう懇願していたが。
『コホン。俺には、エドのように堂々と告白するほどの度胸はないが……』
続いて、そう語るのはロックだった。
彼も拡声器を片手に自分の愛機である《シアン》の操縦席に立っていた。
『俺にも愛する人がいる。彼女に振り向いてもらうために俺もここにいる』
淡々とそれだけを言って、愛機の中に入った。
青い機体が、ゴンッと勢いをつけて肩に斧槍を担いだ。
静かではあるが、その闘志は誰の目にも明らかだ。
『多くは語らず! 俺はただ力で語るのみ!』
やはり司会者は絶叫調だった。
『その姿はまるで求道者! 深い湖がごとき静謐の戦士 《シアン》! 恒力値は四千百ジン! 我が一撃は誰にも止められぬ! ロ――ック=ハルト――ッッ!』
「「「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお――ッッ!」」」
司会者の声が、会場をさらに沸かせた。
その一方で、
「……あいつら、一体何をしているのかしら?」
「さ、さあ?」
本日の選手たちが全員集まった控室にて。
呆れるように呟くアリシアと、顔を強張らせるサーシャだった。
『ああ~、オレっちのことは、多分、誰も知らねえだろ?』
続けて、そう切り出したのはジェイクだった。
会場の視線が、ジェイクに集まる。
彼の愛機は片手斧を装備した褐色の機体。
左半身に、白い外套を纏う重装型の鎧機兵だった。
『オレっちの名前は、ジェイク=オルバン。出身はエリーズ国。アッシュ=クラインさんの弟の連れだ』
「え? 弟?」「師匠に弟がいんのか?」
そんな呟きがあちこちから聞こえてくるが、ジェイクは構わず言葉を続けた。
『オレっちがここにいんのはエドやロックと同じ理由さ。オレっちにも惚れた人がいる。ただその人には好きな人がすでにいてさ。まあ、そういうことさ』
それだけを告げて、ジェイクは愛機に乗り込んだ。
司会者は『んン~』と喉を鳴らした。
『なんとニヒルな少年か! されど、彼もまた愛に生きる戦士の一人!』
司会者は拳を強く固めた。
『大国エリーズからの来訪者! 森の国の戦王 《グランジャ》! 恒力値は五千八百ジン! そのパワーで大地さえも打ち砕け! ジェイク=オルバ―――ンッッ!』
ジェイクの紹介に、親友であるコウタは頭を抱えていた。
会場はますます盛り上げる。
そして、
『俺はライザー=チェンバー。第三騎士団所属の騎士です』
白い紳士服を着た青年が語り出した。
呼び出した機体は、盾と剣を装備した騎士型だ。
『俺は師匠の友人です。ですが、それでも俺はここに立っている。何故なら――』
ライザーは緊張した面持ちで声を張り上げた。
『ミランシャ=ハウルさん! 初めて貴女のお姿を見た時から心惹かれていました!』
堂々とした告白。しかも、相手は本大会の選手の一人だ。
会場は「「「おお~」」」とどよめいた。
『貴女は俺の太陽です! 結婚を前提に、貴女とお付き合いしたく存じ上げます! だからこそ今ここで!』
ライザーは茫然したままのアッシュを指差した。
『師匠を倒す! 奇跡を起こしてみせる!』
ライザーの雄々しき宣言に、
「「「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお――ッッ!」」」
会場はさらに沸く。ただ、「ふっざけんなよ! てめえ!」「俺たちのミランシャちゃんに言い寄る気か!」という罵声も混じっていたが。
そしてその当事者であるミランシャは、
「……………え?」
完全に、目を丸くしていた。
『おおッ! なんと雄々しく凛々しき宣言か! わたくし感服いたしました! ミランシャちゃんも頬を赤らめているに違いません!』
司会者の勢いは止まらない。
もうこれ以上ないぐらいに絶好調である。
『騎士の鑑とはこれを示す! 愛と正義に殉ずる聖騎士 《クイック》! 恒力値は四千八百ジン! その剣は運命をも絶つ! ライザー=チェンバ――――ッッ!』
ライザーの愛機は、ゆっくりと剣を横にかざした。
大歓声が、会場を揺らした。
これで六戦士の内の四人の紹介が終わった。
会場の視線は、自然と五人目に移った。
そして、
『オイラの名は、ダインっす』
ポツリ、とその人物が呟いた。
シン、と会場が静まる。
その青年は、ほとんどの人間が初めて見る人物だった。
『オイラは、今回の大会に出場しているレナさんの傭兵団の団員っす』
――ああ、道理で。
観客の多くが納得する。
ダインが乗る鎧機兵の足の構造がレナ選手の愛機に酷似していたからだ。
ダインは、緊張した面持ちで言葉を続けた。
『オイラがここに立つ理由は、あのハーレムクズ野郎をぶちのめすため――いや』
そこでダインは言葉を止めた。
数秒ほど沈黙が続く。そして、
『レナさん』
ダインは、真っ直ぐ自分の想いを口にする。
『オイラはレナさんが好きです。誰にも渡したくないっす。だから!』
ダインはアッシュを睨みつけて叫んだ。
『あんたはオイラがぶっ飛ばす! レナさんは渡さねえっすよ!』
その宣言に、またしても会場は沸いた。
キャスリンは「よくぞ言ったよ! ダイン君!」と盛大な拍手をし、ホークスも「う、む! 見事だ!」と力強く頷いていた。ただ、会場では「え? それってレナちゃんまでっ!?」「師匠はあの子までGETしてんのかっ!?」と動揺の声も大きかった。
そして当事者であるレナといえば、
「え? レナさん? どこに行くんですか?」
と尋ねるサーシャに、
「ん? いや、『ごめん、無理』ってダインに言ってくるつもりだけど?」
真っ直ぐな瞳で、そう答えていた。
その場にいる全員が思わず「いきなりそれはやめてあげてっ!?」と止めるぐらいだ。
そんな中、司会者が叫ぶ。
『それは貫く一条の光! 数多の戦場を走り抜けた巨狼 《ダッカル》! 恒力値はなんと九千八百ジン! あの恐るべき《レッドブロウⅢ》に次ぐ恒力値だ! さあ穿て! 射抜け! 貫け! 戦えッ! ダイ――ンッッ!』
他のメンバー同様に、ダインの紹介も終わった。
少し紹介が長かったのは、その恒力値への期待の表れか。
ともあれ、これで会場ではいよいよ最後の一人に注目されるようになった。
紳士型鎧機兵・《デュランハート》の操縦席の上に立つ、鉄仮面の筋肉紳士。
グレイテスト☆デュークこと、ザイン=ガロンワーズである。
会場すべての視線を集めつつ、ザインは拡声器を手にゆっくりと語り始めた。
『ここにいる以上、宣言するまでもないが、俺にもまた愛する人がいる』
会場が静かになった。
誰もが、彼の声に耳を傾けている。
ザインは穏やかな声で続けた。
『美しき人だ。まさに女神のごとく。いや、俺にとっては女神と呼んでもいい女性だ。だが先日、俺は街である悲報を聞いたのだ』
ザインは、クワッと目を見開いた。
同時に、拳を強く強く握りしめた。筋肉がギシリと盛り上がる。
穏やかさから一変、怒りが抑えきれない様相である。
そうして、
『てめえ、師匠ッ!』
表情にも憤怒を露にして、ザインはアッシュを指差した。
それに対し、アッシュの方は「お、おう?」と困惑した顔を浮かべた。
そんな友人に、青筋を浮かべた筋肉紳士は、
『お前、アリシアさんをとうとう傷物にしたそうじゃねえかッ! あの人には手ェ出すなって言っただろうがッ! 絶対に許さねえからなッ!』
と、衝撃の台詞をぶつけるのであった。
大いに盛り上がる会場の一方で。
渦中の人であるアッシュは、ただただ困惑していた。
(え? 何だこれ?)
頭の中は、疑問符だらけである。
それも当然のことだった。
どうして、いきなり友人に名指しで決闘を挑まれるか……?
全くもって、理解が追い付かなかった。
「え? これってどういうこと?」
「……クライン?」
傍にいるサクヤとオトハも困惑している。
ユーリィだけは困惑しつつも、少しワクワクしているようだったが。
「アッシュ。アッシュ。何か面白いことが起きる予感が……」
と、ユーリィがアッシュの服の裾を、くいくいと引っ張った時だった。
『みんな! 聞いてくれ!』
不意に大きな声が舞台から響いた。
アッシュたちが目をやると、そこには拡声器を持ったエドワードの姿があった。
彼はいつの間にか、愛機である《アルゴス》を召喚しており、胸部装甲を大きく開いたその操縦席で立っていた。
『俺の名はエドワード=オニキス! 俺には好きな子がいるんだ!』
何を言い出すのか、エドワードはそんなことを語り始めた。
エドワードは手の平を、アッシュの隣に座るユーリィへと向けた。
ユーリィのワクワクが一瞬で消し飛んで、代わりに頬を引きつらせる。
『ユーリィ=エマリアさん!』
エドワードは、愛しい彼女の名前を呼んだ。
会場の視線がユーリィに集まる。
『俺は貴女が好きです! 愛しています! だからこそ!』
エドワードはアッシュを指差した。
『師匠! 俺は今日あんたに認めさせる! 娘を託せるのはお前しかしない! そう言わせてみせるぜ!』
エドワードの宣言に、会場は揺れるほどに沸いた。
エドワードは愛機の操縦席に入ると、そのまま胸部装甲を下ろした。ブンッと《アルゴス》の両眼が輝き、緑色の鎧機兵は槍を身構えた。
『おお! 愛の告白! 流石は四英雄が一人!』
司会者が乗りに乗って叫ぶ。
『駆る機体は護国の機神! 草原を駆けし大いなる槍兵 《アルゴス》! 恒力値は三千九百ジン! その槍で愛を貫け! エドワード=オニキ――――スッッ!』
「「「おおおおおおおおおお――ッッ!」」」
会場はもう大興奮だ。立ち上がる者さえ大勢いる。
一方、ユーリィはアッシュの袖をギュッと掴み、
「アッシュ。あいつを今すぐ塵ちゃって」
かつてないほどに強張った顔でそう懇願していたが。
『コホン。俺には、エドのように堂々と告白するほどの度胸はないが……』
続いて、そう語るのはロックだった。
彼も拡声器を片手に自分の愛機である《シアン》の操縦席に立っていた。
『俺にも愛する人がいる。彼女に振り向いてもらうために俺もここにいる』
淡々とそれだけを言って、愛機の中に入った。
青い機体が、ゴンッと勢いをつけて肩に斧槍を担いだ。
静かではあるが、その闘志は誰の目にも明らかだ。
『多くは語らず! 俺はただ力で語るのみ!』
やはり司会者は絶叫調だった。
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「「「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお――ッッ!」」」
司会者の声が、会場をさらに沸かせた。
その一方で、
「……あいつら、一体何をしているのかしら?」
「さ、さあ?」
本日の選手たちが全員集まった控室にて。
呆れるように呟くアリシアと、顔を強張らせるサーシャだった。
『ああ~、オレっちのことは、多分、誰も知らねえだろ?』
続けて、そう切り出したのはジェイクだった。
会場の視線が、ジェイクに集まる。
彼の愛機は片手斧を装備した褐色の機体。
左半身に、白い外套を纏う重装型の鎧機兵だった。
『オレっちの名前は、ジェイク=オルバン。出身はエリーズ国。アッシュ=クラインさんの弟の連れだ』
「え? 弟?」「師匠に弟がいんのか?」
そんな呟きがあちこちから聞こえてくるが、ジェイクは構わず言葉を続けた。
『オレっちがここにいんのはエドやロックと同じ理由さ。オレっちにも惚れた人がいる。ただその人には好きな人がすでにいてさ。まあ、そういうことさ』
それだけを告げて、ジェイクは愛機に乗り込んだ。
司会者は『んン~』と喉を鳴らした。
『なんとニヒルな少年か! されど、彼もまた愛に生きる戦士の一人!』
司会者は拳を強く固めた。
『大国エリーズからの来訪者! 森の国の戦王 《グランジャ》! 恒力値は五千八百ジン! そのパワーで大地さえも打ち砕け! ジェイク=オルバ―――ンッッ!』
ジェイクの紹介に、親友であるコウタは頭を抱えていた。
会場はますます盛り上げる。
そして、
『俺はライザー=チェンバー。第三騎士団所属の騎士です』
白い紳士服を着た青年が語り出した。
呼び出した機体は、盾と剣を装備した騎士型だ。
『俺は師匠の友人です。ですが、それでも俺はここに立っている。何故なら――』
ライザーは緊張した面持ちで声を張り上げた。
『ミランシャ=ハウルさん! 初めて貴女のお姿を見た時から心惹かれていました!』
堂々とした告白。しかも、相手は本大会の選手の一人だ。
会場は「「「おお~」」」とどよめいた。
『貴女は俺の太陽です! 結婚を前提に、貴女とお付き合いしたく存じ上げます! だからこそ今ここで!』
ライザーは茫然したままのアッシュを指差した。
『師匠を倒す! 奇跡を起こしてみせる!』
ライザーの雄々しき宣言に、
「「「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお――ッッ!」」」
会場はさらに沸く。ただ、「ふっざけんなよ! てめえ!」「俺たちのミランシャちゃんに言い寄る気か!」という罵声も混じっていたが。
そしてその当事者であるミランシャは、
「……………え?」
完全に、目を丸くしていた。
『おおッ! なんと雄々しく凛々しき宣言か! わたくし感服いたしました! ミランシャちゃんも頬を赤らめているに違いません!』
司会者の勢いは止まらない。
もうこれ以上ないぐらいに絶好調である。
『騎士の鑑とはこれを示す! 愛と正義に殉ずる聖騎士 《クイック》! 恒力値は四千八百ジン! その剣は運命をも絶つ! ライザー=チェンバ――――ッッ!』
ライザーの愛機は、ゆっくりと剣を横にかざした。
大歓声が、会場を揺らした。
これで六戦士の内の四人の紹介が終わった。
会場の視線は、自然と五人目に移った。
そして、
『オイラの名は、ダインっす』
ポツリ、とその人物が呟いた。
シン、と会場が静まる。
その青年は、ほとんどの人間が初めて見る人物だった。
『オイラは、今回の大会に出場しているレナさんの傭兵団の団員っす』
――ああ、道理で。
観客の多くが納得する。
ダインが乗る鎧機兵の足の構造がレナ選手の愛機に酷似していたからだ。
ダインは、緊張した面持ちで言葉を続けた。
『オイラがここに立つ理由は、あのハーレムクズ野郎をぶちのめすため――いや』
そこでダインは言葉を止めた。
数秒ほど沈黙が続く。そして、
『レナさん』
ダインは、真っ直ぐ自分の想いを口にする。
『オイラはレナさんが好きです。誰にも渡したくないっす。だから!』
ダインはアッシュを睨みつけて叫んだ。
『あんたはオイラがぶっ飛ばす! レナさんは渡さねえっすよ!』
その宣言に、またしても会場は沸いた。
キャスリンは「よくぞ言ったよ! ダイン君!」と盛大な拍手をし、ホークスも「う、む! 見事だ!」と力強く頷いていた。ただ、会場では「え? それってレナちゃんまでっ!?」「師匠はあの子までGETしてんのかっ!?」と動揺の声も大きかった。
そして当事者であるレナといえば、
「え? レナさん? どこに行くんですか?」
と尋ねるサーシャに、
「ん? いや、『ごめん、無理』ってダインに言ってくるつもりだけど?」
真っ直ぐな瞳で、そう答えていた。
その場にいる全員が思わず「いきなりそれはやめてあげてっ!?」と止めるぐらいだ。
そんな中、司会者が叫ぶ。
『それは貫く一条の光! 数多の戦場を走り抜けた巨狼 《ダッカル》! 恒力値はなんと九千八百ジン! あの恐るべき《レッドブロウⅢ》に次ぐ恒力値だ! さあ穿て! 射抜け! 貫け! 戦えッ! ダイ――ンッッ!』
他のメンバー同様に、ダインの紹介も終わった。
少し紹介が長かったのは、その恒力値への期待の表れか。
ともあれ、これで会場ではいよいよ最後の一人に注目されるようになった。
紳士型鎧機兵・《デュランハート》の操縦席の上に立つ、鉄仮面の筋肉紳士。
グレイテスト☆デュークこと、ザイン=ガロンワーズである。
会場すべての視線を集めつつ、ザインは拡声器を手にゆっくりと語り始めた。
『ここにいる以上、宣言するまでもないが、俺にもまた愛する人がいる』
会場が静かになった。
誰もが、彼の声に耳を傾けている。
ザインは穏やかな声で続けた。
『美しき人だ。まさに女神のごとく。いや、俺にとっては女神と呼んでもいい女性だ。だが先日、俺は街である悲報を聞いたのだ』
ザインは、クワッと目を見開いた。
同時に、拳を強く強く握りしめた。筋肉がギシリと盛り上がる。
穏やかさから一変、怒りが抑えきれない様相である。
そうして、
『てめえ、師匠ッ!』
表情にも憤怒を露にして、ザインはアッシュを指差した。
それに対し、アッシュの方は「お、おう?」と困惑した顔を浮かべた。
そんな友人に、青筋を浮かべた筋肉紳士は、
『お前、アリシアさんをとうとう傷物にしたそうじゃねえかッ! あの人には手ェ出すなって言っただろうがッ! 絶対に許さねえからなッ!』
と、衝撃の台詞をぶつけるのであった。
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