196 / 499
第7部
第一章 不運な少女の、最初の幸運①
しおりを挟む
季節は冬。『一の月』。
アティス王国は、年明けから四日目の朝を迎えていた。
寒風がまだまだ止まない時節だ。
しかし、その少女は、すでに春が訪れたかのようにとてもご機嫌だった。
室内でもまだ少し肌寒いというのに、スレンダーな肢体を惜しげもなく晒し、少し大人びた下着を身につけた彼女は、軽やかに鼻歌を口ずさんでいる。
アリシア=エイシス。腰までのばした絹糸のような栗色の髪に、切れ長の蒼い瞳。アティス王国の騎士学校に通う十七歳の少女だ。
そこは、アティス王国の王城区にあるエイシス邸三階。
アリシアの私室だった。
「さて、と」
彼女は美麗な顔立ちを「うふふ」と崩しながら、クローゼットの中に並べられた服からお気に入り――勝負服とも言う――の一着を取り出した。
少し厚手の白い冬用タイトワンピースだ。
「よし。これなら」
そう呟き、アリシアはタイトワンピースに袖を通した。
さらにその上に、白い毛皮のコートと、もふもふの同色の帽子を被る。
アリシアは立て鏡の前で自分の姿を見つめた後、一回転。再び口元を綻ばせた。
「……うん。我ながらいい出来ね」
アリシアは腰に手を当て満足げに頷く。
これならば今日の重要ミッションも無事こなせるだろう。
――いや、それどころか、一足跳びに大人的な展開さえも……。
「……うふふ」
彼女は両頬に手を当て、いやいやと首を振った。
白い肌がうなじまでほんのりと赤く染まる。
――そう。何気に、勝負服は上着だけではないのだ。
そんな願望と覚悟を密かに抱きつつ、アリシアはグッと拳を握りしめる。
が、しばらくして、
(……けど、あの鈍感なアッシュさん相手だと流石にそこまでは行かないかな)
不意に現実に立ち戻り、アリシアは少しだけ気落ちするように嘆息した。
いずれにせよ、今日は彼女にとってビックイベントがある。
現在、彼女の通う騎士学校は冬休みの真っ最中。アリシアはその残り少ない休暇の日に彼女の想い人と、二人っきりのデートの約束をこじつけたのだ。
それが、まさに本日なのである。
まあ、正確に言えば、数日前に終わった建国祭時のアリシアの惨状を心底憐れんだ恋敵達が、慈悲とばかりにお膳立てしてくれた舞台なのだが。
(それはともかく!)
アリシアは再度、強く拳を握りしめた。
「うん! そもそもアッシュさんの方からアピールしてくる場合ならOKって、事前にサーシャ達とも約束しているし、きっとチャンスはあるわ!」
元来、前向きの少女は、自分をそう奮い立たせた。
と、その時。
コンコンというノックと共に、ドアの向こうから「お嬢さま」とアリシアを呼ぶ声が聞こえて来た。エイシス家のメイドの声だ。
「なに? どうかしたの?」
アリシアは帽子とコートを脱いでベッドの上に置きつつ、ドアに話しかける。
すると、ドアの向こうのメイドは、
「朝食のご用意が出来ましたので、お呼びに参りました。旦那さまと奥さまはすでに食堂にてお待ちしておられます」
「あっ、ごめん。もうそんな時間だったんだ」
アリシアは慌ててドアを開けると、メイドにそう謝罪した。
そして一礼するメイドを背に、廊下を走り抜いて階段を下りていく。
「まっず……浮かれ過ぎていたみたいね」
どうやら自分の自覚以上に高揚していたらしい。
階段を駆け足で降りつつ、アリシアは苦笑を浮かべるのだった。
一方その頃。
「……ふむ」
一階の大食堂にて、カイゼル髭をたくわえた四十代前半の男性――エイシス家の当主であるガハルド=エイシスは、おもむろにあごに手を置き小さく呻いた。
すでに彼の手元には朝食の準備が整っている。
「珍しいな。あの子が朝食に遅れるとは」
そう言って、妻の方に目をやる。
傍らに座る妻――シノーラ=エイシスはクスクスと笑う。
栗色の長い髪と白いドレスがよく似合う淑女。アリシアの実母であり、一応ガハルドと同い年なのだが、今でも三十代前半で通りそうな美しい女性である。
「あの子ったら、何やら昨日の晩からとても興奮していたじゃない。きっと、今日は噂に聞く『彼』とデートなのでしょうね」
そんなことを言う妻に、ガハルドは「ぬ、ぬう」と呻いた。
それは、ガハルドも薄々察していたことだった。
「……やはりそう思うか。母親の勘か?」
と、ガハルドが妻に問うと、シノーラは頬に手を当て「ふふっ」と笑った。
「まあ、あれだけそわそわしていたら母親じゃなくても分かるわ。けどアリシアの『彼』って外国では有名な騎士だった人なのでしょう? 今は工房の職人に転職したとか」
「いや、彼はまだアリシアと付き合っている訳ではないようだが……」
やけに詳細に語るシノーラに面を喰らいながらも、ガハルドは答える。
「概ねその通りだな。しかし、随分と詳しいなお前」
「メイド達が噂しているのよ」
シノーラは柔らかに微笑んだ。
「『お嬢さまは最近とてもお綺麗になられた。きっと噂の彼が……』ってね。実際、私の目から見てもアリシアは綺麗になっているわ」
と、冷静に評価を下す妻に、
「う、む。そうか」
ガハルドは渋面を浮かべた。
正直なところ、ガハルドは『彼』の事を認めている。交際は勿論、最終的には『義息子』と呼ぶのもやぶさかではない。
しかし、父親としてはやはり複雑なのだ。
「……あの子も恋を知る歳なのか」
そう呟いて、ガハルドは朝早くから深々と溜息をついた。
シノーラはそんな夫に呆れたような眼差しを向ける。
「何を言っているの。そんなの当然でしょう。あの子はもう十七歳なのよ。私達が付き合い始めたのもそれぐらいじゃなかったかしら」
「いや、確かにそうだが……」
と、ガハルドがシノーラの前でしか見せない情けない顔をした時だった。
「――遅れてごめんなさい!」
話題の当人であるアリシアが登場した。
遅れて来た割には、随分と気合いの入った服装である。
今日、何かあるのは一目瞭然だった。
ガハルドは厳つい表情を浮かべ、シノーラは楽しげに目を細めた。
「……うふふっ」
「……? どうしたの? 母さん?」
やけにニマニマと笑う母を訝しみつつも、アリシアは母の隣の席に座る。
それから父と母を順に見やり、再度謝罪する。
「ごめんなさい。少し服を選ぶのに手間取っちゃって」
「う、む。そうか……服を選んでいたのか」
と、ガハルドはどこか諦めたような顔を見せ、
「あらら。それじゃあ仕方がないわね」
一方、シノーラはますます笑みを深めた。
対照的な両親の反応に、アリシアは訝しげに眉をしかめると、
「ねえ、アリシア」
シノーラは愛娘の耳元にポツリと囁く。
「お母さん、お願いがあるの。今日のデートの相手、今度この家に連れて来て紹介してくれない? だって、あなたの未来のお婿さんなんでしょう?」
母の唐突すぎるそんな『お願い』に、
「……………え?」
アリシアはキョトンと目を丸くした。
が、ややあって愕然とした表情へと移り変わっていき――。
「えええっ!?」
その後、真っ赤になったのは語るまでもなかった。
アティス王国は、年明けから四日目の朝を迎えていた。
寒風がまだまだ止まない時節だ。
しかし、その少女は、すでに春が訪れたかのようにとてもご機嫌だった。
室内でもまだ少し肌寒いというのに、スレンダーな肢体を惜しげもなく晒し、少し大人びた下着を身につけた彼女は、軽やかに鼻歌を口ずさんでいる。
アリシア=エイシス。腰までのばした絹糸のような栗色の髪に、切れ長の蒼い瞳。アティス王国の騎士学校に通う十七歳の少女だ。
そこは、アティス王国の王城区にあるエイシス邸三階。
アリシアの私室だった。
「さて、と」
彼女は美麗な顔立ちを「うふふ」と崩しながら、クローゼットの中に並べられた服からお気に入り――勝負服とも言う――の一着を取り出した。
少し厚手の白い冬用タイトワンピースだ。
「よし。これなら」
そう呟き、アリシアはタイトワンピースに袖を通した。
さらにその上に、白い毛皮のコートと、もふもふの同色の帽子を被る。
アリシアは立て鏡の前で自分の姿を見つめた後、一回転。再び口元を綻ばせた。
「……うん。我ながらいい出来ね」
アリシアは腰に手を当て満足げに頷く。
これならば今日の重要ミッションも無事こなせるだろう。
――いや、それどころか、一足跳びに大人的な展開さえも……。
「……うふふ」
彼女は両頬に手を当て、いやいやと首を振った。
白い肌がうなじまでほんのりと赤く染まる。
――そう。何気に、勝負服は上着だけではないのだ。
そんな願望と覚悟を密かに抱きつつ、アリシアはグッと拳を握りしめる。
が、しばらくして、
(……けど、あの鈍感なアッシュさん相手だと流石にそこまでは行かないかな)
不意に現実に立ち戻り、アリシアは少しだけ気落ちするように嘆息した。
いずれにせよ、今日は彼女にとってビックイベントがある。
現在、彼女の通う騎士学校は冬休みの真っ最中。アリシアはその残り少ない休暇の日に彼女の想い人と、二人っきりのデートの約束をこじつけたのだ。
それが、まさに本日なのである。
まあ、正確に言えば、数日前に終わった建国祭時のアリシアの惨状を心底憐れんだ恋敵達が、慈悲とばかりにお膳立てしてくれた舞台なのだが。
(それはともかく!)
アリシアは再度、強く拳を握りしめた。
「うん! そもそもアッシュさんの方からアピールしてくる場合ならOKって、事前にサーシャ達とも約束しているし、きっとチャンスはあるわ!」
元来、前向きの少女は、自分をそう奮い立たせた。
と、その時。
コンコンというノックと共に、ドアの向こうから「お嬢さま」とアリシアを呼ぶ声が聞こえて来た。エイシス家のメイドの声だ。
「なに? どうかしたの?」
アリシアは帽子とコートを脱いでベッドの上に置きつつ、ドアに話しかける。
すると、ドアの向こうのメイドは、
「朝食のご用意が出来ましたので、お呼びに参りました。旦那さまと奥さまはすでに食堂にてお待ちしておられます」
「あっ、ごめん。もうそんな時間だったんだ」
アリシアは慌ててドアを開けると、メイドにそう謝罪した。
そして一礼するメイドを背に、廊下を走り抜いて階段を下りていく。
「まっず……浮かれ過ぎていたみたいね」
どうやら自分の自覚以上に高揚していたらしい。
階段を駆け足で降りつつ、アリシアは苦笑を浮かべるのだった。
一方その頃。
「……ふむ」
一階の大食堂にて、カイゼル髭をたくわえた四十代前半の男性――エイシス家の当主であるガハルド=エイシスは、おもむろにあごに手を置き小さく呻いた。
すでに彼の手元には朝食の準備が整っている。
「珍しいな。あの子が朝食に遅れるとは」
そう言って、妻の方に目をやる。
傍らに座る妻――シノーラ=エイシスはクスクスと笑う。
栗色の長い髪と白いドレスがよく似合う淑女。アリシアの実母であり、一応ガハルドと同い年なのだが、今でも三十代前半で通りそうな美しい女性である。
「あの子ったら、何やら昨日の晩からとても興奮していたじゃない。きっと、今日は噂に聞く『彼』とデートなのでしょうね」
そんなことを言う妻に、ガハルドは「ぬ、ぬう」と呻いた。
それは、ガハルドも薄々察していたことだった。
「……やはりそう思うか。母親の勘か?」
と、ガハルドが妻に問うと、シノーラは頬に手を当て「ふふっ」と笑った。
「まあ、あれだけそわそわしていたら母親じゃなくても分かるわ。けどアリシアの『彼』って外国では有名な騎士だった人なのでしょう? 今は工房の職人に転職したとか」
「いや、彼はまだアリシアと付き合っている訳ではないようだが……」
やけに詳細に語るシノーラに面を喰らいながらも、ガハルドは答える。
「概ねその通りだな。しかし、随分と詳しいなお前」
「メイド達が噂しているのよ」
シノーラは柔らかに微笑んだ。
「『お嬢さまは最近とてもお綺麗になられた。きっと噂の彼が……』ってね。実際、私の目から見てもアリシアは綺麗になっているわ」
と、冷静に評価を下す妻に、
「う、む。そうか」
ガハルドは渋面を浮かべた。
正直なところ、ガハルドは『彼』の事を認めている。交際は勿論、最終的には『義息子』と呼ぶのもやぶさかではない。
しかし、父親としてはやはり複雑なのだ。
「……あの子も恋を知る歳なのか」
そう呟いて、ガハルドは朝早くから深々と溜息をついた。
シノーラはそんな夫に呆れたような眼差しを向ける。
「何を言っているの。そんなの当然でしょう。あの子はもう十七歳なのよ。私達が付き合い始めたのもそれぐらいじゃなかったかしら」
「いや、確かにそうだが……」
と、ガハルドがシノーラの前でしか見せない情けない顔をした時だった。
「――遅れてごめんなさい!」
話題の当人であるアリシアが登場した。
遅れて来た割には、随分と気合いの入った服装である。
今日、何かあるのは一目瞭然だった。
ガハルドは厳つい表情を浮かべ、シノーラは楽しげに目を細めた。
「……うふふっ」
「……? どうしたの? 母さん?」
やけにニマニマと笑う母を訝しみつつも、アリシアは母の隣の席に座る。
それから父と母を順に見やり、再度謝罪する。
「ごめんなさい。少し服を選ぶのに手間取っちゃって」
「う、む。そうか……服を選んでいたのか」
と、ガハルドはどこか諦めたような顔を見せ、
「あらら。それじゃあ仕方がないわね」
一方、シノーラはますます笑みを深めた。
対照的な両親の反応に、アリシアは訝しげに眉をしかめると、
「ねえ、アリシア」
シノーラは愛娘の耳元にポツリと囁く。
「お母さん、お願いがあるの。今日のデートの相手、今度この家に連れて来て紹介してくれない? だって、あなたの未来のお婿さんなんでしょう?」
母の唐突すぎるそんな『お願い』に、
「……………え?」
アリシアはキョトンと目を丸くした。
が、ややあって愕然とした表情へと移り変わっていき――。
「えええっ!?」
その後、真っ赤になったのは語るまでもなかった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
俺得リターン!異世界から地球に戻っても魔法使えるし?アイテムボックスあるし?地球が大変な事になっても俺得なんですが!
くまの香
ファンタジー
鹿野香(かのかおる)男49歳未婚の派遣が、ある日突然仕事中に異世界へ飛ばされた。(←前作)
異世界でようやく平和な日常を掴んだが、今度は地球へ戻る事に。隕石落下で大混乱中の地球でも相変わらず呑気に頑張るおじさんの日常。「大丈夫、俺、ラッキーだから」
チート魅了スキルで始まる、美少女たちとの異世界ハーレム生活
仙道
ファンタジー
ごく普通の会社員だった佐々木健太は、異世界へ転移してして、あらゆる女性を無条件に魅了するチート能力を手にする。
彼はこの能力で、女騎士セシリア、ギルド受付嬢リリア、幼女ルナ、踊り子エリスといった魅力的な女性たちと出会い、絆を深めていく。
異世界帰りの少年は現実世界で冒険者になる
家高菜
ファンタジー
ある日突然、異世界に勇者として召喚された平凡な中学生の小鳥遊優人。
召喚者は優人を含めた5人の勇者に魔王討伐を依頼してきて、優人たちは魔王討伐を引き受ける。
多くの人々の助けを借り4年の月日を経て魔王討伐を成し遂げた優人たちは、なんとか元の世界に帰還を果たした。
しかし優人が帰還した世界には元々は無かったはずのダンジョンと、ダンジョンを探索するのを生業とする冒険者という職業が存在していた。
何故かダンジョンを探索する冒険者を育成する『冒険者育成学園』に入学することになった優人は、新たな仲間と共に冒険に身を投じるのであった。
痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~
ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。
食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。
最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。
それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。
※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。
カクヨムで先行投稿中!
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる