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再会4
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ワナワナとこめかみに青筋を立てるべく、圭介の背後で睨みを利かせている宗一郎。
目を見開き、言葉を発せずにただ開いていく口を押さえようとしている圭介。
どちらに分があるか?
もちろん、宗一郎である。
「何しに来たんだ!?今更か!?」
その言い方に、やはり宗一郎は自分のことを知っていると圭介は確信する。
「あ、あの、す、す、すみませんでした!!!」
なんと、あろうことか圭介は恐れをなし、諏訪家の外へと逃げ出そうとしたのだ。
「あっ、圭くん!!ちょっとっ!!」
と、弥生子が呼び止めるまでもなく、圭介は宗一郎に腕を掴まれていた。
そして、耳元で、
「次に姿を見せたらただじゃおかないからな」
と、脅迫まがいのことを言われ、「は、はい……」と弱々しく返事をし、また走って行ってしまった。
弥生子は宗一郎が言っていた言葉が聞こえていたし、圭介の反応もわかっていた。夫の態度に腹はたったが、それ以上に圭介の姿が残念でならなかった。
あゆみに言われたからとはいえ、こんな遠方にまで来てくれたことは嬉しかったが、何せ唐突すぎる。
もう、愛情も何も、懐かしい人程度しか感情はなかったが、それでも同窓会という場で会えば、お互いの近況を語り合ってみたいとは思っていた。
別れた相手にいつまでも『自分は特別』だと意識しがちなのは男側が多いとはよく聞いたものだ。
弥生子は復縁など全く考えていなかったし、今は宗一郎とどうやってうまくやっていくか、バタバタしていることを喧嘩中とはいえ、幸せに思っている。
そんな弥生子の気持ちを知ってか知らぬか、宗一郎は弥生子の顔を見ずに部屋の中へ入っていった。
「……なんであいつ、ここを知っているんだ?」
「ごめんね……私があゆみに連絡したから……」
「あゆみ?誰だそれは?」
「同窓会の幹事、してる子。」
同窓会と聞き、宗一郎が眉を歪める様子がよくわかる。
「あ、でも……宗一郎にも原因あるんだからね。」
弥生子のその一言に、何で自分が?と納得いかない宗一郎だったが、徐々に明かされる内容に、どんな切り口で返そうか困惑してしまった。
つまり、自分が弥生子宛にきた同窓会の詳細ハガキをビリビリに破いたから、その内容知りたさに、弥生子が町田あゆみに連絡をしたことがコトの始まりなのである。
あのハガキを破いたところで、弥生子が同窓生に連絡をとれば詳細はわかるのだし、その可能性を考えなかった詰めの甘さが悔やまれる。
大元は、弥生子が同窓会に行くと返事を出したことだろうが、それは当日、自分も同行することを決め込んでいたし、1人でホテルに泊まらせるなど、あり得ないと策は練っていた。
どうあがいたって、惚れた女には弱い。
いい加減、弥生子の肌に触れたいし、自分にも触れて欲しい。
宗一郎は、できれば仕事せずに一日中弥生子とイチャイチャしていたいくらい、胸の内はまだ青春真っ盛りなのだ。
それは仕方がない。青春時代から恋い焦がれていた相手と、ようやく繋がることができたのは、つい最近なのだから。
目を見開き、言葉を発せずにただ開いていく口を押さえようとしている圭介。
どちらに分があるか?
もちろん、宗一郎である。
「何しに来たんだ!?今更か!?」
その言い方に、やはり宗一郎は自分のことを知っていると圭介は確信する。
「あ、あの、す、す、すみませんでした!!!」
なんと、あろうことか圭介は恐れをなし、諏訪家の外へと逃げ出そうとしたのだ。
「あっ、圭くん!!ちょっとっ!!」
と、弥生子が呼び止めるまでもなく、圭介は宗一郎に腕を掴まれていた。
そして、耳元で、
「次に姿を見せたらただじゃおかないからな」
と、脅迫まがいのことを言われ、「は、はい……」と弱々しく返事をし、また走って行ってしまった。
弥生子は宗一郎が言っていた言葉が聞こえていたし、圭介の反応もわかっていた。夫の態度に腹はたったが、それ以上に圭介の姿が残念でならなかった。
あゆみに言われたからとはいえ、こんな遠方にまで来てくれたことは嬉しかったが、何せ唐突すぎる。
もう、愛情も何も、懐かしい人程度しか感情はなかったが、それでも同窓会という場で会えば、お互いの近況を語り合ってみたいとは思っていた。
別れた相手にいつまでも『自分は特別』だと意識しがちなのは男側が多いとはよく聞いたものだ。
弥生子は復縁など全く考えていなかったし、今は宗一郎とどうやってうまくやっていくか、バタバタしていることを喧嘩中とはいえ、幸せに思っている。
そんな弥生子の気持ちを知ってか知らぬか、宗一郎は弥生子の顔を見ずに部屋の中へ入っていった。
「……なんであいつ、ここを知っているんだ?」
「ごめんね……私があゆみに連絡したから……」
「あゆみ?誰だそれは?」
「同窓会の幹事、してる子。」
同窓会と聞き、宗一郎が眉を歪める様子がよくわかる。
「あ、でも……宗一郎にも原因あるんだからね。」
弥生子のその一言に、何で自分が?と納得いかない宗一郎だったが、徐々に明かされる内容に、どんな切り口で返そうか困惑してしまった。
つまり、自分が弥生子宛にきた同窓会の詳細ハガキをビリビリに破いたから、その内容知りたさに、弥生子が町田あゆみに連絡をしたことがコトの始まりなのである。
あのハガキを破いたところで、弥生子が同窓生に連絡をとれば詳細はわかるのだし、その可能性を考えなかった詰めの甘さが悔やまれる。
大元は、弥生子が同窓会に行くと返事を出したことだろうが、それは当日、自分も同行することを決め込んでいたし、1人でホテルに泊まらせるなど、あり得ないと策は練っていた。
どうあがいたって、惚れた女には弱い。
いい加減、弥生子の肌に触れたいし、自分にも触れて欲しい。
宗一郎は、できれば仕事せずに一日中弥生子とイチャイチャしていたいくらい、胸の内はまだ青春真っ盛りなのだ。
それは仕方がない。青春時代から恋い焦がれていた相手と、ようやく繋がることができたのは、つい最近なのだから。
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