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水色の精霊石
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「デカいヤマさえ当たりゃぁよお、こんなシケた宿なんておさらばして…おい聞いてんのか」
「んぐッ、むッ…」
聞いても答えられる訳もない。ルカーシュは今、俺の股間で懸命にブツに奉仕している、いや、させられているところだ。
百姓の五男の俺に、生きるための選択肢はほとんど無かった。村に留まっても、どこかの家に婿入りして、肩身狭く百姓を続けるか。それとも、街で奉公に出るか。しかし奉公と言っても、読み書きも出来ない俺では雇ってくれる商家などない。腕っ節に自信があった俺が、冒険者を目指したのは必然と言える。
しかし冒険者なんて聞こえは良いが、その実ほとんどがゴロツキだ。有名になって大金を稼ぐヤツなんか、ほんの一握り。自慢の腕っ節なんて、ここじゃ箸にも棒にも掛からない。ご多聞に漏れず、俺もD級で頭打ち、付近の弱いモンスターを狩りながら、その日暮らしで酒に溺れる。
時折実入りの良いモンスターを狩れば、娼館に出向くこともある。だけどそんな幸運は滅多と起こらない。大概右手が相棒か、もしくは同じ冒険者同士で欲を発散し合う。臨時パーティーを組んだ流れ者のルカーシュと、こういう関係になったのも、たまたまではあったが、必然と言える。
ルカーシュは俺より小柄で、器用に何でもこなした。短弓で敵を牽制することもあれば、薬草を摘んで簡単な傷薬すら作れる。しかしどこの田舎から出て来たのか、世の中の常識を丸っきり知らない。俺は奴を言い包めて、半ば騙すように相棒に仕立て上げた。奴の方が働きが多いにも関わらず、取り分は半々。そして性の知識が無いのをいいことに、俺専用のメス穴に育てた。騙される方が悪い。恨むなら、運のない自分を恨め。
だが、運の無いのは俺も同じ。こうしてこんな田舎の地方都市で、明日をも知れぬその日暮らし。大怪我でもしようものなら、たちどころに棲家を失い、早々に野垂れ死ぬだろう。ああ、デカいヤマさえ当たれば、もっとマシな暮らしが出来るはずなのに。精霊が命と引き換えにドロップするという、伝説の精霊石でもあれば、一生遊んで暮らせるんだがな。
「オラ、ケツ出せ」
「…」
まだ少年と青年の中間ほどのルカーシュ。詳しい素性は知らない。恐ろしいほどの美形だが、愛想もなく、無口で、自分のことをほとんど語ろうとしない。しかしケツ穴は極上だ。俺のブツを難なく飲み込み、扱き、吸い上げ、搾り取る。
「ンンッ…!」
ニコリともしない奴が、俺を咥え込んで、必死で声を殺しながら、ヘコヘコと腰を振っている。たまらない。
「へへっ。この、メスが、よっ!」
「~~~~~!!!」
ケツを一発ひっぱたくと、ルカーシュはびくりと背筋を跳ね上げ、シーツにザーメンを撒き散らした。そんな奴を、背後から猛然と追い立てる。枕を引っ掴んで連続アクメを決めるルカーシュの痴態に満足しながら、俺は奴のケツマンコに何度もブチ撒けた。
その日はとにかくシケていた。当てにしていた魔物も見つからず、ロクに獣も狩れず。おまけに長剣は曲がり、予備の短剣では心許ない。
「もうお前を娼館にでも売っちまうかァ?」
そんな笑えない冗談を言いながら、正常位でねっとりと攻める。言葉とは裏腹に、身体をぴったりと密着させて、耳元に甘い吐息を吹き込みながら、まるで恋人を抱くように。今夜はひどく感傷的だった。酒では誤魔化し切れず、こうしてルカーシュに甘え縋らないと、やって行けないほど。
自分でも分かってる。俺はどうしようもないクズだ。大した才能もなければ、コツコツ表の稼業を続ける勇気も根性もない。一方、若いルカーシュは、どこに行っても才能を開花させ、一流の冒険者になれるだろう。ただ俺に捕まったから、こうしてうだつの上がらない生活を送っているだけ。そして実際、方々から「あんな奴やめときなよ、あんた騙されてるよ」と耳打ちされていることも、知っている。こんな爛れた関係、今だけだ。
「んっ…ふ…」
唇を重ね、舌を吸い上げながら、上も下も繋がって溶け合う。ルカーシュも興が乗ったのか、俺の首に腕を回し、俺が教えた通りに従順に応える。お互い汗にまみれて獣のように貪り合いながら、何度も何度も欲を吐き出す。
「マレク…好きだ…」
ルカーシュが、譫語のように耳元で囁いた。俺には、それに返す言葉がない。ただ無言で唇を奪い、そして追い立てた。
朝、目覚めると、そこにルカーシュの姿は無かった。それどころか、装備や持ち物なども見当たらない。いつかこうなるだろうとは予測していたが、こんなに早いとは思わなかった。惚けていても埒は明かない。またいつものソロに戻るだけだ。俺はのろのろと身体を起こし、身支度を始めた。
シーツの中に、硬い手触り。めくってみると、そこに透き通った水色の石が転がっていた。
「———精霊石?」
親指の先ほどの宝石は、微かに虹色の光を放っている。「精霊石さえあれば」酒に酔っては、幾度となくルカーシュにボヤいて聞かせた、あの精霊石。本物なのか。
「ルカーシュ?誰だいそれ?」
しかしその後、それが本物かどうか確かめる前に。誰に訊いても、誰一人ルカーシュのことを覚えていなかった。「アンタ、いっつもソロだったじゃねぇか」「とうとうヤキが回ったのか」散々馬鹿にされ、それが幻想でないことを知る。
「ま、今日もせいぜい頑張んな」
宿を出て、冒険者仲間に肩を叩かれ、さっさと仕事に行けとギルドを追い出され。俺は途方に暮れて、街の門を潜る。
「ルカーシュ…」
手の中には、虹色に輝く水色の宝石。まるでルカーシュの瞳のような。
「んぐッ、むッ…」
聞いても答えられる訳もない。ルカーシュは今、俺の股間で懸命にブツに奉仕している、いや、させられているところだ。
百姓の五男の俺に、生きるための選択肢はほとんど無かった。村に留まっても、どこかの家に婿入りして、肩身狭く百姓を続けるか。それとも、街で奉公に出るか。しかし奉公と言っても、読み書きも出来ない俺では雇ってくれる商家などない。腕っ節に自信があった俺が、冒険者を目指したのは必然と言える。
しかし冒険者なんて聞こえは良いが、その実ほとんどがゴロツキだ。有名になって大金を稼ぐヤツなんか、ほんの一握り。自慢の腕っ節なんて、ここじゃ箸にも棒にも掛からない。ご多聞に漏れず、俺もD級で頭打ち、付近の弱いモンスターを狩りながら、その日暮らしで酒に溺れる。
時折実入りの良いモンスターを狩れば、娼館に出向くこともある。だけどそんな幸運は滅多と起こらない。大概右手が相棒か、もしくは同じ冒険者同士で欲を発散し合う。臨時パーティーを組んだ流れ者のルカーシュと、こういう関係になったのも、たまたまではあったが、必然と言える。
ルカーシュは俺より小柄で、器用に何でもこなした。短弓で敵を牽制することもあれば、薬草を摘んで簡単な傷薬すら作れる。しかしどこの田舎から出て来たのか、世の中の常識を丸っきり知らない。俺は奴を言い包めて、半ば騙すように相棒に仕立て上げた。奴の方が働きが多いにも関わらず、取り分は半々。そして性の知識が無いのをいいことに、俺専用のメス穴に育てた。騙される方が悪い。恨むなら、運のない自分を恨め。
だが、運の無いのは俺も同じ。こうしてこんな田舎の地方都市で、明日をも知れぬその日暮らし。大怪我でもしようものなら、たちどころに棲家を失い、早々に野垂れ死ぬだろう。ああ、デカいヤマさえ当たれば、もっとマシな暮らしが出来るはずなのに。精霊が命と引き換えにドロップするという、伝説の精霊石でもあれば、一生遊んで暮らせるんだがな。
「オラ、ケツ出せ」
「…」
まだ少年と青年の中間ほどのルカーシュ。詳しい素性は知らない。恐ろしいほどの美形だが、愛想もなく、無口で、自分のことをほとんど語ろうとしない。しかしケツ穴は極上だ。俺のブツを難なく飲み込み、扱き、吸い上げ、搾り取る。
「ンンッ…!」
ニコリともしない奴が、俺を咥え込んで、必死で声を殺しながら、ヘコヘコと腰を振っている。たまらない。
「へへっ。この、メスが、よっ!」
「~~~~~!!!」
ケツを一発ひっぱたくと、ルカーシュはびくりと背筋を跳ね上げ、シーツにザーメンを撒き散らした。そんな奴を、背後から猛然と追い立てる。枕を引っ掴んで連続アクメを決めるルカーシュの痴態に満足しながら、俺は奴のケツマンコに何度もブチ撒けた。
その日はとにかくシケていた。当てにしていた魔物も見つからず、ロクに獣も狩れず。おまけに長剣は曲がり、予備の短剣では心許ない。
「もうお前を娼館にでも売っちまうかァ?」
そんな笑えない冗談を言いながら、正常位でねっとりと攻める。言葉とは裏腹に、身体をぴったりと密着させて、耳元に甘い吐息を吹き込みながら、まるで恋人を抱くように。今夜はひどく感傷的だった。酒では誤魔化し切れず、こうしてルカーシュに甘え縋らないと、やって行けないほど。
自分でも分かってる。俺はどうしようもないクズだ。大した才能もなければ、コツコツ表の稼業を続ける勇気も根性もない。一方、若いルカーシュは、どこに行っても才能を開花させ、一流の冒険者になれるだろう。ただ俺に捕まったから、こうしてうだつの上がらない生活を送っているだけ。そして実際、方々から「あんな奴やめときなよ、あんた騙されてるよ」と耳打ちされていることも、知っている。こんな爛れた関係、今だけだ。
「んっ…ふ…」
唇を重ね、舌を吸い上げながら、上も下も繋がって溶け合う。ルカーシュも興が乗ったのか、俺の首に腕を回し、俺が教えた通りに従順に応える。お互い汗にまみれて獣のように貪り合いながら、何度も何度も欲を吐き出す。
「マレク…好きだ…」
ルカーシュが、譫語のように耳元で囁いた。俺には、それに返す言葉がない。ただ無言で唇を奪い、そして追い立てた。
朝、目覚めると、そこにルカーシュの姿は無かった。それどころか、装備や持ち物なども見当たらない。いつかこうなるだろうとは予測していたが、こんなに早いとは思わなかった。惚けていても埒は明かない。またいつものソロに戻るだけだ。俺はのろのろと身体を起こし、身支度を始めた。
シーツの中に、硬い手触り。めくってみると、そこに透き通った水色の石が転がっていた。
「———精霊石?」
親指の先ほどの宝石は、微かに虹色の光を放っている。「精霊石さえあれば」酒に酔っては、幾度となくルカーシュにボヤいて聞かせた、あの精霊石。本物なのか。
「ルカーシュ?誰だいそれ?」
しかしその後、それが本物かどうか確かめる前に。誰に訊いても、誰一人ルカーシュのことを覚えていなかった。「アンタ、いっつもソロだったじゃねぇか」「とうとうヤキが回ったのか」散々馬鹿にされ、それが幻想でないことを知る。
「ま、今日もせいぜい頑張んな」
宿を出て、冒険者仲間に肩を叩かれ、さっさと仕事に行けとギルドを追い出され。俺は途方に暮れて、街の門を潜る。
「ルカーシュ…」
手の中には、虹色に輝く水色の宝石。まるでルカーシュの瞳のような。
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