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1,これが日常
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「なるほど」
納得すると同時に森を抜け例の町が姿を見せる。
「てなわけで、今回は思う存分暴れてやろうぜ?後始末はそいつ等がやるんだからよ」
「マナ、枯渇寸前なの、忘れないでよ」
1歩、足を前に踏み出すと同時に足元に魔法陣が描かれ光が溢れ出た。
レリアナからは赤く光る魔法陣、ワイズに関しては水色の魔法陣が浮かび上がっていた。それぞれの魔法陣からはその色の光の粒子と共に蝶のような形のものがヒラヒラと飛んでいる。
だがそれも一瞬の出来事であり、2人が閉じていた目を開ける頃には先程まで着ていた服とは打って変わってこれまた世界観が異なる服へと変わる。
「じゃ、こっからは手分けだな。そこまで大きくない町だが今回の相手は真っ向から行動するようなタイプじゃない。路地裏なんかで男を釣って生気を吸い取って手下にしてるみてーだな」
「ふーん、なら、もう死んでるのか、その人達」
「ああ、襲われてねぇ奴らは夜は家から出ないように指示されてるようだから人の目につくこともねぇ。ひっさびさだなぁ!こそこそせず狩るってのは!!」
「マナの枯渇に、危機感、無さすぎじゃない?……これだから、戦闘狂は……」
呆れ混じりに返答すると同時に2人は背中を向き合い逆方向へと駆ける。
「さてと……、」
スピードを落とすことなくレリアナは建物周りに置かれている樽などを使い軽々と建物の屋根上へと辿り着く。
そこからは路地裏などを重心的に視線を配りながら町の索敵に入る。
「さっさと片付けてマナを回収しねーと。暴れるだけ暴れてマナ枯渇して敵を逃しました、とか洒落になんねぇからなぁー」
まったく、燃費が悪いにも程がある────レリアナは悪態をつきながらも見逃すことがないよう神経を張り巡らせていた。
バタリ、と僅かな音を拾う。
金属や木材ではないなにかが倒れる鈍い音で確信する。
今回のターゲットはすぐ近くに居ると。
「今回は俺様の勝ちだなワイズ」
先程の物音の反響の仕方によりおおよその位置は把握済み。満足気に口角を上げながらも敵に気付かれないよう視界に入る位置へと移動する。
視界に入ったのは壁に寄りかかるように倒れている成人男性が1人と長い髪に隠れ顔は拝見できないものの、淡い水色のワンピースを着た女が1人。
あれが今回のターゲットの少女で間違いないだろう。
まぁ、夜に素足でこんな所にいる時点でただの人間だとしても怪しむべきであろう。
動きを探るように対象を観察するレリアナは身体を震わせた。
恐らく先程までお互い顔を向き合わせていたであろうこの現状と、互いに外傷が何一つ見当たらないことから色仕掛けで男を釣り接吻することで魂を喰らい下僕にしているのであろうと、そこまで想像は出来た。
が、それがレリアナの顔を歪ませる理由となったのだ。
「あれ、嫌いなんだよなぁ」
吐き気と同時に体内にある内臓ごと全て、口から抜き取られるようなあの感覚はもう経験したくないね───と。
「なら」
レリアナは自身の立つ位置の下に向かい両手を伸ばし魔方陣を展開する。
「さっさと脳天勝ち割るのが得策だよなぁ?」
魔方陣から呼び出した2丁の銃を両手に持ち、片方の銃をターゲットに向ける。コンマを置いてためらく事もなく引き金に手をかけた。
その流れの中でレリアナはスコープを覗くことはなかった。
────いや、2丁ともスコープはついていなかった。
裸眼のみで距離と位置を掴み、正確に弾を打ち込んだのだ。自信があるだけあって弾は真っ直ぐにターゲットの元へと伸びる。
通常通りであればターゲットの頭を横から撃ち抜いていただろう。
だが、
「────受け止めるか。ふーん……、」
銃撃音のみが路地裏に響いた。
レリアナの視線の先には自身の足元の影から忌々しい気を放った黒い何かを生やし、銃弾を受け止めたターゲットだ。
ズルッ、と音を立てながら地面の中へと消えていくその何かからターゲットはこちらへと視線を変えた。
「これ、普通の弾じゃないよね?受け止めたとこがヒリヒリする……。あんた、何?」
鋭く睨みつける視線をものともせず、へらりと笑ってみせる。
「マリー・ツインベルトだな?俺様はお前達みたいなアンデッドを狩る死神、葬儀屋だ」
────葬儀屋。
レリアナの指すそれは、通常の職ではない。
その才があるものが死に際に強い欲を望むことで、過去の自分を捨てアンデッドを狩ることを条件にその欲にみあった力を手に入れた者たちのことである。
そもそもアンデッドというのは、欲を望むも死に際に欲に喰われた者たちの成れの果て。いわば葬儀屋の劣化版というわけだ。
大方はアンデッドになるも知性を失い、ところ構わず襲うようになる。アンデッドに殺された者は生を奪われアンデッド化する。感染のようなものである。
その中でも知性を保ち欲のままにさ迷い続ける者もいる。そういうやつらからはそこら辺のアンデッドよりも豊富なマナを回収することができる反面、一筋縄ではいかない。
納得すると同時に森を抜け例の町が姿を見せる。
「てなわけで、今回は思う存分暴れてやろうぜ?後始末はそいつ等がやるんだからよ」
「マナ、枯渇寸前なの、忘れないでよ」
1歩、足を前に踏み出すと同時に足元に魔法陣が描かれ光が溢れ出た。
レリアナからは赤く光る魔法陣、ワイズに関しては水色の魔法陣が浮かび上がっていた。それぞれの魔法陣からはその色の光の粒子と共に蝶のような形のものがヒラヒラと飛んでいる。
だがそれも一瞬の出来事であり、2人が閉じていた目を開ける頃には先程まで着ていた服とは打って変わってこれまた世界観が異なる服へと変わる。
「じゃ、こっからは手分けだな。そこまで大きくない町だが今回の相手は真っ向から行動するようなタイプじゃない。路地裏なんかで男を釣って生気を吸い取って手下にしてるみてーだな」
「ふーん、なら、もう死んでるのか、その人達」
「ああ、襲われてねぇ奴らは夜は家から出ないように指示されてるようだから人の目につくこともねぇ。ひっさびさだなぁ!こそこそせず狩るってのは!!」
「マナの枯渇に、危機感、無さすぎじゃない?……これだから、戦闘狂は……」
呆れ混じりに返答すると同時に2人は背中を向き合い逆方向へと駆ける。
「さてと……、」
スピードを落とすことなくレリアナは建物周りに置かれている樽などを使い軽々と建物の屋根上へと辿り着く。
そこからは路地裏などを重心的に視線を配りながら町の索敵に入る。
「さっさと片付けてマナを回収しねーと。暴れるだけ暴れてマナ枯渇して敵を逃しました、とか洒落になんねぇからなぁー」
まったく、燃費が悪いにも程がある────レリアナは悪態をつきながらも見逃すことがないよう神経を張り巡らせていた。
バタリ、と僅かな音を拾う。
金属や木材ではないなにかが倒れる鈍い音で確信する。
今回のターゲットはすぐ近くに居ると。
「今回は俺様の勝ちだなワイズ」
先程の物音の反響の仕方によりおおよその位置は把握済み。満足気に口角を上げながらも敵に気付かれないよう視界に入る位置へと移動する。
視界に入ったのは壁に寄りかかるように倒れている成人男性が1人と長い髪に隠れ顔は拝見できないものの、淡い水色のワンピースを着た女が1人。
あれが今回のターゲットの少女で間違いないだろう。
まぁ、夜に素足でこんな所にいる時点でただの人間だとしても怪しむべきであろう。
動きを探るように対象を観察するレリアナは身体を震わせた。
恐らく先程までお互い顔を向き合わせていたであろうこの現状と、互いに外傷が何一つ見当たらないことから色仕掛けで男を釣り接吻することで魂を喰らい下僕にしているのであろうと、そこまで想像は出来た。
が、それがレリアナの顔を歪ませる理由となったのだ。
「あれ、嫌いなんだよなぁ」
吐き気と同時に体内にある内臓ごと全て、口から抜き取られるようなあの感覚はもう経験したくないね───と。
「なら」
レリアナは自身の立つ位置の下に向かい両手を伸ばし魔方陣を展開する。
「さっさと脳天勝ち割るのが得策だよなぁ?」
魔方陣から呼び出した2丁の銃を両手に持ち、片方の銃をターゲットに向ける。コンマを置いてためらく事もなく引き金に手をかけた。
その流れの中でレリアナはスコープを覗くことはなかった。
────いや、2丁ともスコープはついていなかった。
裸眼のみで距離と位置を掴み、正確に弾を打ち込んだのだ。自信があるだけあって弾は真っ直ぐにターゲットの元へと伸びる。
通常通りであればターゲットの頭を横から撃ち抜いていただろう。
だが、
「────受け止めるか。ふーん……、」
銃撃音のみが路地裏に響いた。
レリアナの視線の先には自身の足元の影から忌々しい気を放った黒い何かを生やし、銃弾を受け止めたターゲットだ。
ズルッ、と音を立てながら地面の中へと消えていくその何かからターゲットはこちらへと視線を変えた。
「これ、普通の弾じゃないよね?受け止めたとこがヒリヒリする……。あんた、何?」
鋭く睨みつける視線をものともせず、へらりと笑ってみせる。
「マリー・ツインベルトだな?俺様はお前達みたいなアンデッドを狩る死神、葬儀屋だ」
────葬儀屋。
レリアナの指すそれは、通常の職ではない。
その才があるものが死に際に強い欲を望むことで、過去の自分を捨てアンデッドを狩ることを条件にその欲にみあった力を手に入れた者たちのことである。
そもそもアンデッドというのは、欲を望むも死に際に欲に喰われた者たちの成れの果て。いわば葬儀屋の劣化版というわけだ。
大方はアンデッドになるも知性を失い、ところ構わず襲うようになる。アンデッドに殺された者は生を奪われアンデッド化する。感染のようなものである。
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