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12 身代わりオメガの甘い朝
朝陽の中、二人はまどろみの中にいました。
床に柔らかなブランケットを敷き、横たわるキリアンの胸に、リュカは体を重ねています。
キリアンはリュカの髪を撫でてくれます。
肌が直に触れ合い、温かくてすべすべで、すごく気持ちがいい…それに、色んな花の香りがします。
ん? 花の匂い?
それに、何だかお城の中が騒がしいような…
「陛下! 陛下、大変でございます!」
キリアンに使えている臣下が大急ぎであずま屋に向かって駆けて来ました。
「国中が様々な花で溢れています。魔女の呪いが解けたのです!」
「……呪いが?」
ブランケットを敷いた床の上から、二人はそっと体を起こし、周囲を見回しました。あずま屋の周囲は様々な花が咲き乱れています。
花は咲かず、葉の緑ばかりだったこの庭園は、今、百花繚乱の華やぎを見せていました。
キリアンが臣下に命じます。
「すぐに閣議の間に向かう。閣僚らを集めよ」
臣下が立ち去り、キリアンは衣服を身に着けます。問題に対処する毅然としたその表情をリュカはブランケットの上からぼんやりと見上げています。まだ、何が起きたのかよく分かりません。
小さな熾火のようで、指先がじんじんと甘く痺れています。
王様は傍の毛布を手に取ると、戸惑いと羞恥を感じて小さくなっているリュカの背中を包んでくれます。
「あなたは何も心配することはありません、私の花嫁。熱いお茶を運ばせます。咲いたばかりの花を愛でながら、ゆっくりと朝をお過ごし下さい。後程ブランチをご一緒しましょう」
そして不思議そうに首を傾げます。
「それにしてもいったい、どうして魔女の呪いが解けたのか――」
「真実の愛はどんな呪いよりも強いからです」
背後で聞き慣れた声が聞こえ、リュカは仰天して振り返りました。
ソファに、弟のセラが座っています。足を組み、平然とした表情でキリアンとリュカの二人を見下しています。
「セラ!? 何でここに!? 今まで、どこに…!」
「兄上、お久しぶりです。お幸せそうで何より」
神力で自由に移動できるセラです。姿を隠すのも現すのも簡単。セラは平然として、キリアンに頭を下げました。
*-------*--------*--------*--------*--------*
お読みいただきありがとうございます<(_ _)>
最終話、週末更新です。
オメガバースのショートストーリーもアップの予定です。
良かったら遊びに来てください✨
床に柔らかなブランケットを敷き、横たわるキリアンの胸に、リュカは体を重ねています。
キリアンはリュカの髪を撫でてくれます。
肌が直に触れ合い、温かくてすべすべで、すごく気持ちがいい…それに、色んな花の香りがします。
ん? 花の匂い?
それに、何だかお城の中が騒がしいような…
「陛下! 陛下、大変でございます!」
キリアンに使えている臣下が大急ぎであずま屋に向かって駆けて来ました。
「国中が様々な花で溢れています。魔女の呪いが解けたのです!」
「……呪いが?」
ブランケットを敷いた床の上から、二人はそっと体を起こし、周囲を見回しました。あずま屋の周囲は様々な花が咲き乱れています。
花は咲かず、葉の緑ばかりだったこの庭園は、今、百花繚乱の華やぎを見せていました。
キリアンが臣下に命じます。
「すぐに閣議の間に向かう。閣僚らを集めよ」
臣下が立ち去り、キリアンは衣服を身に着けます。問題に対処する毅然としたその表情をリュカはブランケットの上からぼんやりと見上げています。まだ、何が起きたのかよく分かりません。
小さな熾火のようで、指先がじんじんと甘く痺れています。
王様は傍の毛布を手に取ると、戸惑いと羞恥を感じて小さくなっているリュカの背中を包んでくれます。
「あなたは何も心配することはありません、私の花嫁。熱いお茶を運ばせます。咲いたばかりの花を愛でながら、ゆっくりと朝をお過ごし下さい。後程ブランチをご一緒しましょう」
そして不思議そうに首を傾げます。
「それにしてもいったい、どうして魔女の呪いが解けたのか――」
「真実の愛はどんな呪いよりも強いからです」
背後で聞き慣れた声が聞こえ、リュカは仰天して振り返りました。
ソファに、弟のセラが座っています。足を組み、平然とした表情でキリアンとリュカの二人を見下しています。
「セラ!? 何でここに!? 今まで、どこに…!」
「兄上、お久しぶりです。お幸せそうで何より」
神力で自由に移動できるセラです。姿を隠すのも現すのも簡単。セラは平然として、キリアンに頭を下げました。
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