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13 身代わりオメガ、溺愛アルファと花々に愛される
「初めまして、キリアン陛下。神子のセラと申します」
キリアンも優雅な笑みを浮かべ、応えました。
「初めまして。私の妃の弟君」
「驚いていませんね。すべてに気付いていた?」
そうだ。
リュカは自分の裸の肩に触れます。
神子であれば、そこには華麗な薔薇の痣があるはずなのです。
昨日体を交わして、リュカのそこに痣がないことに気付かれてしまったはずなのに、キリアンには驚いた様子がありません。
「僕のいつもの我儘で振り回し、兄には身代わりでこの国に向かってもらいました。少々罪悪感を抱いていたのですが、却って良かったようですね。魔女の呪いは去り、花々への呪縛は完全に解けています。この国はこれから、百花繚乱に恵まれることでしょう」
神子らしく、福音を口にします。
「お二人の永きの幸福を心よりお祈りを申し上げます。それでは陛下、兄上、ご機嫌よう」
あ、お礼はけっこうですので。
そう言って、どろん、と消えてしまいます。
相変わらず、何て身勝手な弟! でも憎めません。
自分の意思は決して曲げず、自由であろうとする弟の強さはリュカの憧れだったからです。
だから身代わりだって引き受けたのです。
それに…今、リュカはこの人に恋しています。隣にいるキリアンを見上げます。弟の我儘がなければ、キリアンと出会うことはなかったのです。
「怒らないのですか? 昨夜…神子の証である薔薇の痣がないことには気付いたのでしょう?」
リュカは、彼が望んだ神子ではありません。
彼を騙したリュカに怒っているのが当然です。
けれど、彼は笑顔でいるのです。キリアンはシャツを手に取り、リュカに着せ掛けてくれました。
「…ありがとうございます。でも、自分で」
「脱がせたのは私だ」
リュカは真っ赤になりました。彼に奪われるようにシャツを脱がされ、露わになった肌に情欲のままに口づけされたことを思い出したのです。
情熱的な一晩の記憶。
「気付いていましたから」
「…いつから?」
「最初から。私たちが出会った玉座の間でステラリリーを見たあなたが、可愛い、と呟いたときから」
豪奢な薔薇を愛し、常に身に着けている神子の言葉としてはどうにも違和感がある。
何か事情があるのか、一生懸命わがままを言って初夜を遠ざけようとしていることにも気付いていましたが、それがいつも何か遠慮がちで、上手に主張が出来ない。
まるで小さなステラリリーみたいだ。
キリアンはそう考えたのです。
「初日の玉座の間? そんな、じゃあ最初から…?」
「ええ、一目惚れでした。自分の胸に美しい花が咲くのを感じました」
それは永久の愛という名前の花です。
どんな花よりも美しい、大切な花。
キリアンが目の前に跪きました。そして戸惑うリュカを見上げます。
「改めて言わせてください。私と結婚してくれますか? リュカ」
キリアンが優しく尋ねます。 花盛りとなったこの国で、いっそう美しい花を互いの胸に咲かせ続けようと彼は言います。
リュカは頷きました。
祝福のように、風が咲いたばかりの花の香りを運んで来ました。
おしまい🌸
*-------*--------*--------*--------*--------*
お読みいただきありがとうございました<(_ _)>
身代わりオメガのお話、いかがだったでしょうか?
ご感想をいただけますと嬉しいです。
🌸新しいお話の連載を始めています🌸
『禁断の魔法に失敗してお人形サイズになってしまったオメガですが、優等生アルファにお世話され甘やかされすぎです💦』
https://estar.jp/novels/26539463
魔法学園もののオメガバースです。
魔法に失敗してお人形サイズになってしまったドジっ子オメガちゃんを優等生のアルファ君がお世話しています。
ちょっと変わったラブシーンなども笑
🌸商業新刊のお知らせ🌸
2026年3月19日にリブレさんから新刊が出ます。
『無限初夜』イラスト:Ciel先生
皇帝アルファ×不憫なオメガ、中華風ファンタジー・タイムリープ・オメガバース。
時戻りから脱しようと頑張るオメガと、時間を繰り返す度に
オメガに溺れる皇帝アルファのお話です。
・Amazon⇒
https://amzn.asia/d/087VSWON
・コミコミスタジオさん*特典あり⇒
https://comicomi-studio.com/goods/detail/214962
・アニメイトさん*特典あり⇒
https://x.gd/dvEC9J
他の商業誌、個人電子書籍、SNSもどうぞよろしくお願いいたします。
https://x.com/y_marihei
キリアンも優雅な笑みを浮かべ、応えました。
「初めまして。私の妃の弟君」
「驚いていませんね。すべてに気付いていた?」
そうだ。
リュカは自分の裸の肩に触れます。
神子であれば、そこには華麗な薔薇の痣があるはずなのです。
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それに…今、リュカはこの人に恋しています。隣にいるキリアンを見上げます。弟の我儘がなければ、キリアンと出会うことはなかったのです。
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彼を騙したリュカに怒っているのが当然です。
けれど、彼は笑顔でいるのです。キリアンはシャツを手に取り、リュカに着せ掛けてくれました。
「…ありがとうございます。でも、自分で」
「脱がせたのは私だ」
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「気付いていましたから」
「…いつから?」
「最初から。私たちが出会った玉座の間でステラリリーを見たあなたが、可愛い、と呟いたときから」
豪奢な薔薇を愛し、常に身に着けている神子の言葉としてはどうにも違和感がある。
何か事情があるのか、一生懸命わがままを言って初夜を遠ざけようとしていることにも気付いていましたが、それがいつも何か遠慮がちで、上手に主張が出来ない。
まるで小さなステラリリーみたいだ。
キリアンはそう考えたのです。
「初日の玉座の間? そんな、じゃあ最初から…?」
「ええ、一目惚れでした。自分の胸に美しい花が咲くのを感じました」
それは永久の愛という名前の花です。
どんな花よりも美しい、大切な花。
キリアンが目の前に跪きました。そして戸惑うリュカを見上げます。
「改めて言わせてください。私と結婚してくれますか? リュカ」
キリアンが優しく尋ねます。 花盛りとなったこの国で、いっそう美しい花を互いの胸に咲かせ続けようと彼は言います。
リュカは頷きました。
祝福のように、風が咲いたばかりの花の香りを運んで来ました。
おしまい🌸
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身代わりオメガのお話、いかがだったでしょうか?
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