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2020年正月
しおりを挟むそれは年が明けて僕達もゆっくりしていた時には起こった話…。僕達がこの世界に異世界転移してきてから…半年は経つのかな…。そんな僕達は異世界にも年越しという風習…そしてお正月というものが存在してるのかが気になる…。事実を知るべくシャノワールさんの元へ向かったのだった。
「らいと!シャノワールさんの家ってこっちのローラ達が住んでる城下町の方にあるみたいなんだよね!」
隣を眠そうに歩いているらいとに僕は声をかけてみる。らいとは欠伸をころしながら答える。
「そうみたいだな…ふあぁ…ねむ…」
らいとは朝があまり強くなくいつも起こすのは僕の役目なんだ。そんな話をしながら商店街にさしかかると突然僕にぶつかって来た女性がいた。僕は飛ばされらいとに受け止められる。
「あっ!ごめんね!…じゃ…私は急ぐから!!」
女性はそう言うと足早に立ち去っていった。
すると後ろから大声をあげてひたすら走ってくる男がいたんだ!
「おい!そいつを捕まえてくれ!!」
男が叫んできたのと同時に僕は逃げた女性の方を振り向いていたんだ。さっきの女性の首筋に気になるマークを見つけていたんだよね。すると突然…僕達の目の前で姿を消していた。女性が消えた場所まで走っていくと…。消えた痕跡もなく…まるで煙のようだったんだ。
こんな事があったのだけど男にはもちろん僕達にも行方は分からず警察もお手上げという事でその場は解散。僕達は改めてシャノワールさんの自宅へと向かったのでした。
この街の城下町…そこはこの国の富裕層が住んでる高級住宅街だ。シャノワールさんの自宅はその住宅街の入口付近にあるという。もらった地図を見て場所を確認すると入口にドーンと広い日本庭園みたいな庭があり家は和風な老舗旅館というなんともここの街、景観にはそぐわないThe日本!と言わんばかりの御屋敷が存在していたのです。
「えっ?…ここ…かなぁ??」
僕も呆然と庭に驚きと動揺でらいとに問いかけるがらいとも絶句しながら答えるのでした。
「そう…みたい…だな……。」
シャノワールさんは普段から結構変わってると言えば変わっていたりしてそれでもこの日本…この世界で言えば倭国…かな?倭国の文化も好きなんだなと僕は思ったんだ。僕達が玄関先でそんな話をしていると突然インターホンのマイクから声が聞こえてきた。
「おはよう!みらいにらいと!」
それは玄関先でガヤガヤ騒いでいた僕達に向けての声だった。
「シャノワールさんおはようございます!突然の訪問すみません!」
僕は慌てて言うとマイクから優しそうなシャノワールさんの声がした。
「いいのよ!さぁ…玄関の扉は空いてるわ!入っておいで!」
僕達は言われるがまま、玄関から中に入ると奥へと進んでいく。お城のようなその屋敷の通路を進んでいくと倭国が本当に好きなんだなと思わせてくれる飾り様だ。
「凄い…な」
僕もらいとも和風が好きだったりしてるからシャノワールさんの御屋敷の至る所に目が奪われてしまう。そうして進む事五分ほどでシャノワールさんの応接室へとついた。この部屋で凛と座ってるシャノワールさんは本物の侍といっても過言ではないくらいだ。
「いらっしゃい二人とも、私の御屋敷にようこそ!びっくりしたでしょ?」
着物を着て僕達を迎えてくれたシャノワールさんは本当に綺麗で僕達も見とれてしまうのだった。正に日本女性の鏡!といった雰囲気が凄く魅力的だった。
「はい!まさかシャノワールさんの自宅がこんなに立派な御屋敷だなんて思わなかったです!
シャノワールさんは倭国文化が本当に好きなんだなと思いました!」
僕はついこんな風に言っていたんだ。でも本当に素敵だなと思った。
「あはは!みらい!らいと!実はね…私の名前はね…正式に言うとシャノワール・雅(みやび)と言うのよ。そう…私の家は倭国では代々の名家で雅家と言えば知らない人はいない家柄なの。」
なるほど、その言葉は疑いもせず納得できる話だった。ただ…シャノワールさんはほとんど目立たないようにギルドで働いているからいつものシャノワールさんと今の彼女が中々結びつかなかったんだよね。でもシャノワールさんはやはり僕達にとっては素敵なお姉さんというイメージの人なのは変わらない。僕はそんな事を考えていたんだけど隣の緊張してるらいとを見ると吹き出しそうになった。
「あはは!ぷぷぷ、らいと!?緊張しすぎだよ!」
僕は大笑いして言うとシャノワールさんもつられて笑う。そしてらいとも大笑いする!笑いの連鎖で僕達はお腹が痛くなる程笑った。
「あぁ!今年一番笑ったかもね!」
シャノワールさんの言葉で僕達も笑いをおさえていった。
「悪ぃ!悪ぃ!今日はシャノワールさんに聞きたいことあってきたんだけどいいかな?」
らいとの言葉に笑顔で僕達を見ている。
「この世界のお正月ってのは何をするんだ?」
シャノワールさんはポカーンとした顔をして、一瞬…間を開けると考え込む。
「う~~ん…どうかなぁ…私はこうして倭国文化を凄く取り入れているけど他の人達は…でもお正月はしてるみたいよ。文化的には君達がいた世界とほとんど変わらないからさ」
なるほど!僕もそれには納得する。僕はどちらかと言えばファンタジー系の洋風の方が好きだけどらいとは和風が好きだって言ってたっけな。
「そうそう、本当にシャノワールさんの御屋敷は凄いもんな……。」
らいとは周りを見回しながら言ってる。よほどこの豪邸が気に入ったのだろう。と…話していた僕達にシャノワールさんは提案してきたんだ。
「あのさぁ…もし良かったら今日は私の依頼を受けてもらってもいいかしら?」
ん?僕もらいとも突然の提案にびっくりしてしまった。
「えっ?シャノワールさんの依頼って?」
正月シナリオ楽しんでいただけましたでしょうか?この後どうなる事やら……。
皆様あけましておめでとうございます!
今年もよろしくお願いします⸜(* ॑꒳ ॑* )⸝
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