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最終章
1.変化
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ここ最近、城内の様子がおかしい。
何気なく城内をふらふら歩いていると、廊下で見知った顔の侍女たちが数人集まって何やら話していた。何かあったのかと思って話しかけると、何でもないです、と慌ててその場から立ち去ってしまう。
数週間前から、こんなことが何度かあったのだ。しかし、特に情勢が不安定になっているわけでもないし、カトライア国内は至って平和だ。
誰もいなくなってしまった廊下で一人首を傾げていると、突然背後から何かがぶつかってきた。
「ひゃあっ!?」
「やっほー、ユキちゃーん! 久しぶり、元気してたぁ?」
「あ……アンナさん……!?」
何かにぶつかられたと思ったが、それは久しぶりに会うアンナだった。後ろからぎゅうっと抱きすくめられて、アンナのつけている花のような香水の匂いが鼻をくすぐる。
「ど、どうしたんですか? 衣装の発注に?」
「うん、そんなところね! ところでユキちゃん、あなた最近ちゃんとご飯食べてるのぉ? ほらっ、お姉さんに見せてみなさい!」
「へ? あ、アンナさんっ!?」
まだ状況もよく把握できないうちに、アンナの綺麗に整えられた手が肩や腰まわり、それに胸のあたりまで無遠慮に這いまわる。しかも、割と強い力で。
「うん、体型は前とそんなに変わってなさそうね。あ、でもちょっとバストは大きくなったかしら?」
「えっ……ほんとですか!?」
「あら、ちゃんと測ってないの? 下着もワンサイズ大きくしてもいいくらいよ。うふふ、ソウによーく育ててもらったのねぇ?」
「なっ……! ち、違いますっ!」
嬉しい言葉をもらって喜んだのも束の間、含みのあるアンナの発言で一気に顔が熱くなる。そんなわたしには目もくれず、アンナは両手でわたしの足首まで触り倒してからようやく目線を合わせてくれた。
「よしっ、完了! あ、そういえばリサは今どこにいるのかしら?」
「リサちゃんですか? 今は休憩時間なので、たぶん北棟の休憩室かと……」
「そう! ありがとう、ちょっと顔出してくるわ!」
そう言うなり、アンナは颯爽と去って行ってしまった。
呼び止める暇もなく、わたしはただ茫然とその場に立ち尽くす。リサに用事があったようだが、服の注文でも取りに来たのだろうか。
疑問に思いながらも、そろそろソウから回してもらう事務作業の連絡が来る時間だというのを思い出して、自室へと足を向けた。
*
「ねえ、ソウ。なんか最近変じゃない?」
「変? 何かあったん?」
夜眠る前、ここ最近感じていた異変についてソウに尋ねてみることにした。
不穏な空気こそ感じないものの、城で働く人たちはなぜかそわそわしているように思える。直接聞いてみてもうまくはぐらかされてしまって、わたしが知っては都合の悪いこともあるのかもしれないと思うと再度問い質すこともできずにいた。
「なんか、城の人たちとちょっと距離を感じるというか……別に、冷たくされてるわけじゃないんだけど」
「ああ……それはボクも思ったわ。そやけど、あんまり詮索せん方がええんちゃう? ボクらに知られたないこともあると思うし」
「そう、だね……でもなんか、寂しいというか……」
そうなのだ。別に、除け者にされたりあからさまに避けられたりしているわけではない。城の人たちは変わらず優しく接してくれるし、この城に来てもうすぐ一年経つということもあって、わたしはここでの生活にもすっかり慣れて、ノース城に居た頃よりも充実した毎日を送っていた。
けれど、数週間ほど前から違和感を覚えるのだ。どこか距離を取られているように思えてしまって、わたしはなんとなく寂しさを感じていた。
「あらら、ユキちゃんは寂しがりやねぇ? 毎晩ボクが愛してあげても、まだ足りひんの?」
「なっ……そ、そういうことじゃないのっ! もうっ、すぐそういう方向に持って行くんだから……!」
ちょっと弱みを見せただけで、それにつけこもうといやらしく伸ばされたソウの手を力いっぱい振り払う。今は真剣に相談しているのに、そうやってうやむやにされてしまったことは一度や二度では済まない。
「あ、そういえばユキちゃん、欲しいもんある?」
「え? 欲しいもの……? どうして?」
「もうすぐ結婚記念日やろ? そやから、ユキちゃんに記念でプレゼントしよう思て」
「そ、そんなのいいよ。ついこの前、誕生日プレゼントも貰ったばっかりなのに……」
一カ月前にやってきたわたしの誕生日に、ソウはたくさんのプレゼントを贈ってくれた。去年はまだ結婚する前だったし、決闘の直前だったということもあってわたし自身誕生日のことなどすっかり忘れていた。それを知ったソウが、今年は去年の分も祝おうと言ってくれたので、それはそれは盛大な誕生日パーティーを開いてくれたのだ。それに付随するように、誕生日プレゼントもいささかやりすぎなくらい豪華だったことを記憶している。
「誕生日はまた別やん。それに、誕生日プレゼントはボクがあげたいもんをあげたし、今度はユキちゃんが欲しいもんあげたいんや」
ソウの言う通り、誕生日にはソウがわたしのために見立ててくれたプレゼントをありがたく受け取ったのだが、一つに絞りきれなかったなどと言って随分とたくさんのものを貰ってしまったのだ。
あれからひと月と少ししか経っていないのに、またプレゼントを貰うのは少し気が引ける。
「気持ちは嬉しいんだけど、欲しいものって言われても思いつかないし……それより、ソウは何か欲しいもの無いの?」
「ボク? そんなん決まってるやん、ユキちゃんが欲しい」
「……そうじゃなくて」
「えー、なんで? ボクの誕生日にはくれたやん。そやな、ボクもういっぺんユキちゃんが欲しいわ。今度は何がええかなぁ、この前は猫ちゃんやったしウサギとか? あ、犬になってもろて言うこと聞かすんもええなぁ」
「ばっ、ばかっ! そういうことじゃなくてっ……!」
「あーもう、想像しただけで興奮するわ。さてユキちゃん、今日はもうベッド行こか? プレゼントはいちゃいちゃしながら考えるわ」
「なっ……!? ちょ、ちょっと!」
無駄に良い笑顔のソウに、ひょいっと抱き上げられる。そのまま強制的にベッドに連れて行かれて、結局城内の違和感についても、プレゼントの件もうやむやになってしまったのだった。
何気なく城内をふらふら歩いていると、廊下で見知った顔の侍女たちが数人集まって何やら話していた。何かあったのかと思って話しかけると、何でもないです、と慌ててその場から立ち去ってしまう。
数週間前から、こんなことが何度かあったのだ。しかし、特に情勢が不安定になっているわけでもないし、カトライア国内は至って平和だ。
誰もいなくなってしまった廊下で一人首を傾げていると、突然背後から何かがぶつかってきた。
「ひゃあっ!?」
「やっほー、ユキちゃーん! 久しぶり、元気してたぁ?」
「あ……アンナさん……!?」
何かにぶつかられたと思ったが、それは久しぶりに会うアンナだった。後ろからぎゅうっと抱きすくめられて、アンナのつけている花のような香水の匂いが鼻をくすぐる。
「ど、どうしたんですか? 衣装の発注に?」
「うん、そんなところね! ところでユキちゃん、あなた最近ちゃんとご飯食べてるのぉ? ほらっ、お姉さんに見せてみなさい!」
「へ? あ、アンナさんっ!?」
まだ状況もよく把握できないうちに、アンナの綺麗に整えられた手が肩や腰まわり、それに胸のあたりまで無遠慮に這いまわる。しかも、割と強い力で。
「うん、体型は前とそんなに変わってなさそうね。あ、でもちょっとバストは大きくなったかしら?」
「えっ……ほんとですか!?」
「あら、ちゃんと測ってないの? 下着もワンサイズ大きくしてもいいくらいよ。うふふ、ソウによーく育ててもらったのねぇ?」
「なっ……! ち、違いますっ!」
嬉しい言葉をもらって喜んだのも束の間、含みのあるアンナの発言で一気に顔が熱くなる。そんなわたしには目もくれず、アンナは両手でわたしの足首まで触り倒してからようやく目線を合わせてくれた。
「よしっ、完了! あ、そういえばリサは今どこにいるのかしら?」
「リサちゃんですか? 今は休憩時間なので、たぶん北棟の休憩室かと……」
「そう! ありがとう、ちょっと顔出してくるわ!」
そう言うなり、アンナは颯爽と去って行ってしまった。
呼び止める暇もなく、わたしはただ茫然とその場に立ち尽くす。リサに用事があったようだが、服の注文でも取りに来たのだろうか。
疑問に思いながらも、そろそろソウから回してもらう事務作業の連絡が来る時間だというのを思い出して、自室へと足を向けた。
*
「ねえ、ソウ。なんか最近変じゃない?」
「変? 何かあったん?」
夜眠る前、ここ最近感じていた異変についてソウに尋ねてみることにした。
不穏な空気こそ感じないものの、城で働く人たちはなぜかそわそわしているように思える。直接聞いてみてもうまくはぐらかされてしまって、わたしが知っては都合の悪いこともあるのかもしれないと思うと再度問い質すこともできずにいた。
「なんか、城の人たちとちょっと距離を感じるというか……別に、冷たくされてるわけじゃないんだけど」
「ああ……それはボクも思ったわ。そやけど、あんまり詮索せん方がええんちゃう? ボクらに知られたないこともあると思うし」
「そう、だね……でもなんか、寂しいというか……」
そうなのだ。別に、除け者にされたりあからさまに避けられたりしているわけではない。城の人たちは変わらず優しく接してくれるし、この城に来てもうすぐ一年経つということもあって、わたしはここでの生活にもすっかり慣れて、ノース城に居た頃よりも充実した毎日を送っていた。
けれど、数週間ほど前から違和感を覚えるのだ。どこか距離を取られているように思えてしまって、わたしはなんとなく寂しさを感じていた。
「あらら、ユキちゃんは寂しがりやねぇ? 毎晩ボクが愛してあげても、まだ足りひんの?」
「なっ……そ、そういうことじゃないのっ! もうっ、すぐそういう方向に持って行くんだから……!」
ちょっと弱みを見せただけで、それにつけこもうといやらしく伸ばされたソウの手を力いっぱい振り払う。今は真剣に相談しているのに、そうやってうやむやにされてしまったことは一度や二度では済まない。
「あ、そういえばユキちゃん、欲しいもんある?」
「え? 欲しいもの……? どうして?」
「もうすぐ結婚記念日やろ? そやから、ユキちゃんに記念でプレゼントしよう思て」
「そ、そんなのいいよ。ついこの前、誕生日プレゼントも貰ったばっかりなのに……」
一カ月前にやってきたわたしの誕生日に、ソウはたくさんのプレゼントを贈ってくれた。去年はまだ結婚する前だったし、決闘の直前だったということもあってわたし自身誕生日のことなどすっかり忘れていた。それを知ったソウが、今年は去年の分も祝おうと言ってくれたので、それはそれは盛大な誕生日パーティーを開いてくれたのだ。それに付随するように、誕生日プレゼントもいささかやりすぎなくらい豪華だったことを記憶している。
「誕生日はまた別やん。それに、誕生日プレゼントはボクがあげたいもんをあげたし、今度はユキちゃんが欲しいもんあげたいんや」
ソウの言う通り、誕生日にはソウがわたしのために見立ててくれたプレゼントをありがたく受け取ったのだが、一つに絞りきれなかったなどと言って随分とたくさんのものを貰ってしまったのだ。
あれからひと月と少ししか経っていないのに、またプレゼントを貰うのは少し気が引ける。
「気持ちは嬉しいんだけど、欲しいものって言われても思いつかないし……それより、ソウは何か欲しいもの無いの?」
「ボク? そんなん決まってるやん、ユキちゃんが欲しい」
「……そうじゃなくて」
「えー、なんで? ボクの誕生日にはくれたやん。そやな、ボクもういっぺんユキちゃんが欲しいわ。今度は何がええかなぁ、この前は猫ちゃんやったしウサギとか? あ、犬になってもろて言うこと聞かすんもええなぁ」
「ばっ、ばかっ! そういうことじゃなくてっ……!」
「あーもう、想像しただけで興奮するわ。さてユキちゃん、今日はもうベッド行こか? プレゼントはいちゃいちゃしながら考えるわ」
「なっ……!? ちょ、ちょっと!」
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