ロマンティックRPG

初めての書き出し小説風

文字の大きさ
2 / 5

第2話 対価と代償

しおりを挟む
「花……無事か、花?」
「……いない…のか」

「…」

「体が…痛くない」
「ここはどこだ?」
有人が見渡すと、そこはこの世ではないと直感出来る場所だった。

「やぁ!」
「目が覚めたかい?」
人の形をしたシルエットが喋りかけてきた。

「あなたは…?」
有人は戸惑いながら言う。

「僕は神様だよ」
神様と名乗る者は眩い光を放つほど神々しい。

「えっと―、僕は死にましたか?」
自分の状況を察した有人は聞く。

「天川有人君だよね?」
「話が早くて助かるよ~」
神様はポップに話しかけてきた。
「実はここから君の行動を見ていたんだ」
「かっこ良かったよ~」

「…」

「実はね――」

「っ!」
神様の一言に有人は息を呑む。

「本当ですか⁉」
「あの、あなたを何てお呼びしたら…」
有人はかしこまった様子だ。

「堅苦しいのはやめてくれ」
「僕の事は神様でも神、天帝…何て呼んでくれても良いよ」
優しく接してくれる神様に親近感を覚える。

「神様、お願いがあります」
「大切な約束があるんです」
「だから僕は――」
有人はある約束と願いを話した。

「なるほどね~」
「いいよ!」
「ただし、条件があるんだ…」
少し真面目なトーンで話す神様。

「平気です!」
「どんな事でもやります」
有人は条件を知る前に承諾した。

「ほ~」
「なるほどね、君を選んで正解だったよ」
「じゃあ早速取り掛かろうか――」

 そして時は流れ。

場所はパタゴニクス王国。
王国は建国以来初の事態に陥っていた。
近くのダンジョンが氾濫を起こし大量の魔物が発生していたのだ。
だが冒険者ギルドの緊急招集により集められた冒険者達のおかげで魔物の群れは鎮圧された。

そして現在、玉座の間にて。

「よく参った」
「此度は魔物を討伐してくれた事、感謝する」
「冒険者筆頭のお前達には特別報酬を授けよう」
「叶えられる範囲で述べてみよ」
国王は今回最も活躍した冒険者パーティーの2人を城へ招いていた。

「待ってくれ」
「俺はアーク、このパーティーのリーダーをしている」
「今回の氾濫で魔物を一番倒したのは俺だ」
「こいつの分の報酬も俺が頂く」
アークは自信満々に喋りだす。

「あのー」

「だがお前達はパーティーを組み共闘してきたのだろう?」
国王はアークの無作法を気にしていない様子だ。

「それは事実だ」
「だがこいつは男のくせに魔物の前で震えていた」
「ビビッていただけなんだろ」
アークは隣の仲間を指差した。

「いや…」

「落ち着け、アークとやら」
「…事の顛末が分かる者はおるか」
国王は近衛兵に問いかける。

「はい」
「今回探知された魔物は約1100体」
「魔物のクラスは9等級から6等級でした」
「そして討伐数はアーク殿が675体という記録で残っております」
「さらに氾濫の原因と判断されたボスクラスも討伐されています」
「よって魔物を一番多く討伐したのは彼らのパーティーで間違いありません」
近衛兵は今回の詳細を話した。

「675体⁉」
「魔物のランクは低いがあの短時間でそんなに⁉」
その場に居る者達がざわめく。

「ただそちらのアリトという者はギルドへの登録が無いようです」
「仮でもパーティーを組んでいた場合、アリト殿の討伐数はアーク殿に合算されます」
アークの隣に居たのはアリトという者だった。

「そうなんですよ…」

「だがその記録が証拠だ」
「よってこいつに報酬は必要ない」
アークは不敵な笑みを浮かる。

「だから…」

「口を慎めアークよ」
「判断するのはこちらだ」
国王は少し呆れた様子で考え事をした。

「…」

「1つ疑問なのだが」
「アークよ、お前の冒険者等級は6級だな?」
「ボスクラスを単独で討伐出来るのなら等級は…」
国王は何かに気付いた様子で言った。

「国王陛下、1つ提案があります」
すかさずアークは口を挟んだ。

「ほう…申してみよ」
アークを見透かした国王だったが話を聞く。

「俺とこいつで決闘をします」
「魔物を討伐したのがどっちか皆さんに証拠を見せるのはどうでしょう?」
その場の空気が少し変わった。

「えっ…」

「国王陛下の前で決闘だと!」
「先ほどから無礼が過ぎるのでは…」
「その者を牢に!」
近衛兵達がどよめく。

「静まりなさい!」
「父上、私この決闘見てみたいわ!」
王女殿下が初めて口を出した。

「ちょっとミラちゃん⁉」
「何を言ってるの?」
王妃は娘の意外な一面に驚く。

「はっはっはっ――」
「娘よ、戦いを好むか」
「この決闘を許可しよう!」
上機嫌に会話する親子。

「念のため防御結界を頼む」
「魔術師は結界の準備に取り掛かれ」
国王が命令すると魔術師達は魔法を発動させていた。
防御結界とはドーム型のシールドであり、ある程度の攻撃を防いでくれる魔法だ。

「ちょっとあなた本気なの?」
状況を変えられずに動揺したままの王妃。

「ただの若気の至りに過ぎんだろう」
「それに決闘とは懐かしいな」
「わしも若い頃は身分を隠して決闘に明け暮れていたものだ」
国王は少し上を向いて喋りだした。

「そうなのですか?父上」
王女は興味津々のようだ。

「あぁ、だがある日」
「防御結界を張らずに決闘をした時があった」
「そしてわしの放った魔法が城の壁に当たってしまってな――」
「っ!」
国王陛下は陽気に喋っていた様子から一変。

「あなた……後でお話があります」
王妃は笑顔で国王陛下を黙らせた。

「陛下、防御結界の準備が整いました」
近衛兵が話しかける。

「よ、よしそれでは決闘の合図を近衛兵に頼む」
冷や汗が止まらない国王は静かに見守る。

「承知致しました」
「ではアーク殿とアリト殿の決闘を始めます」

「…」

「始め‼」

------------------------
お読みくださいましてありがとうございます。
いかがでしたでしょうか?
ぜひお気に入り登録、評価などをしていただけたら今後の参考と活力にさせていただきます!
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

最強令嬢とは、1%のひらめきと99%の努力である

megane-san
ファンタジー
私クロエは、生まれてすぐに傷を負った母に抱かれてブラウン辺境伯城に転移しましたが、母はそのまま亡くなり、辺境伯夫妻の養子として育てていただきました。3歳になる頃には闇と光魔法を発現し、さらに暗黒魔法と膨大な魔力まで持っている事が分かりました。そしてなんと私、前世の記憶まで思い出し、前世の知識で辺境伯領はかなり大儲けしてしまいました。私の力は陰謀を企てる者達に狙われましたが、必〇仕事人バリの方々のおかげで悪者は一層され、無事に修行を共にした兄弟子と婚姻することが出来ました。……が、なんと私、魔王に任命されてしまい……。そんな波乱万丈に日々を送る私のお話です。

追放された味噌カス第7王子の異種族たちと,のんびり辺境地開発

ハーフのクロエ
ファンタジー
 アテナ王国の末っ子の第7王子に産まれたルーファスは魔力が0で無能者と言われ、大陸の妖精族や亜人やモンスターの多い大陸から離れた無人島に追放される。だが前世は万能スキル持ちで魔王を倒し英雄と呼ばれていたのを隠し生まれ変わってスローライフを送る為に無能者を装っていたのだ。そんなルーファスはスローライフを送るつもりが、無人島には人間族以外の種族の独自に進化した先住民がおり、周りの人たちが勝手に動いて気が付けば豊かで平和な強国を起こしていく物語です。

企業再生のプロ、倒産寸前の貧乏伯爵に転生する 

namisan
ファンタジー
数々の倒産寸前の企業を立て直してきた敏腕コンサルタントの男は、過労の末に命を落とし、異世界で目を覚ます。  転生先は、帝国北部の辺境にあるアインハルト伯爵家の若き当主、アレク。  しかし、そこは「帝国の重荷」と蔑まれる、借金まみれで領民が飢える極貧領地だった。  凍える屋敷、迫りくる借金取り、絶望する家臣たち。  詰みかけた状況の中で、アレクは独自のユニーク魔法【構造解析(アナライズ)】に目覚める。  それは、物体の構造のみならず、組織の欠陥や魔法術式の不備さえも見抜き、再構築(クラフト)するチート能力だった。  「問題ない。この程度の赤字、前世の案件に比べれば可愛いものだ」  前世の経営知識と規格外の魔法で、アレクは領地の大改革に乗り出す。  痩せた土地を改良し、特産品を生み出し、隣国の経済さえも掌握していくアレク。  そんな彼の手腕に惹かれ、集まってくるのは一癖も二癖もある高貴な美女たち。 これは、底辺から這い上がった若き伯爵が、最強の布陣で自領を帝国一の都市へと発展させ、栄華を極める物語。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

断罪後のモブ令息、誰にも気づかれずに出奔する

まる
ファンタジー
断罪後のモブ令息が誰にも気づかれないよう出奔して幸せを探す話

第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。

黒ハット
ファンタジー
 前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。  

処理中です...