もしも、運命の赤い糸が見えたなら

帝亜有花

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もしも、神の声が聞こえたなら

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「好きです! 付き合って下さい!」

 私は人生で幾度目かの告白をした。だが・・・・・・。

「ごめん、君とは付き合えない」

 返事はもう耳にタコが出来るほど聞き飽きたお決まりの台詞だった。




「今日もフラれた。何で? 結構いい感じだと思ったのに。明君も大輔君も清史君も雅也君もみんなみんな本気だったのに」

 今にも涙が溢れ出しそうになり、私はベッドに突っ伏し枕を叩いた。

「もうっ! 私がすぐにフラれるのって絶対神様が意地悪しているからに違いない」

「それは心外だな」

「へっ?」

 何気なく言った言葉だった。それに返事があるだなんてこれっぽっちも思っていなかった。

「あはは、空耳か」

「現実じゃぞ小娘」

「ぎゃああ!」

 二度にも渡る謎の声に私は悲鳴を上げた。

「誰? 私の頭に直接響くみたいな声、何これ」

「お主が言う意地悪な神じゃよ」

「意地悪とか言ってごめんなさい、さっさと私の頭から出ていってくださいお願いします!」

 私は姿も見えない自称神に手を合わせて拝んだ。神なんて到底信じがたいが、失恋のショックで幻聴が聞こえているのか、精神的におかしくなったのかが考えられたが、今のところ拝むくらいしか出来る事がなかった。

「何じゃ、せっかく声を掛けてやったのにぃ、お主が運命の相手を結ばれるよう手助けしてやろうと思ったのにぃ、ああー残念残念、それじゃあのう~」

「ちょっと待ったー!!」

 餌針に食らいつく魚の様な勢いで私はそのワードに食いついた。

「そ、その、消える前に運命の相手とやらについてもう少し詳しく」

「分かりやすいやっちゃな~、簡単よ、今までの相手は皆結ばれない運命だったに過ぎぬ。説明するもの面倒じゃ。ほれ、お主の小指を見てみぃ」

「これは!」

 私の小指には赤い毛糸位の細さの糸が結ばれていた。何かの錯覚だろうかと目をこするも糸が消える事はなかった。

「今度は幻覚まで・・・・・・」

「有名じゃから知っとると思うけど、糸を辿れば運命の相手に出会い結ばれるじゃろう。健闘を祈る」

 その言葉を残して、声は聞こえなくなった。その夜、幻聴や幻覚の現象が起こるのは疲れているからだと結論づけるとそのまま寝てしまった。どうせ朝には何もなかった事になるだろうと楽天的に考えた。
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