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19 真実って何でしょうか?
しおりを挟む「おい!お前がドーテー魔法をぶっ放してのかって聞いてんだよッ!」
少女が僕を見上げて怒っています。
いきなり何ですか、この子。
それに何で僕がドーテー魔法を使っているのを知っているのでしょうか?
隣のエレノアさんもビックリしています。
ヤッカイさんとキャサリンさんが仲良く長椅子に座ります。
「ヤッカイさん。ちょっとコレ、どういう事でしょうか?」
僕が長椅子に座るヤッカイさんに聞きます。
キャサリンさんがヤッカイさんに膝枕をしています。
「タツキチ、お前の目の前にいるのが大魔導士だ」
ヤッカイさんが頭をベストな位置に動かしながら言います。
なんですか。膝枕って・・・
人目を全く気にしないラブラブな2人を尻目に僕は目の前の少女につぶやきます。
「子供・・・だよね?」
「なんだ、ヤッカイ。
お前、言ってねーのか?」
少女が僕を見つめたまま言います。
言ってない?
何を?
「どうやってもいいから連れて来いって言ったの、ばっちゃんだろ?
いちいち説明してたらめんどくせーじゃねぇか!
俺は一番自然に見える形で連れて来たんだよ」
「ふん!こざかしい奴だ。
おい、お前!よく聞け!
ワラワは大魔導士のソフィアーヌュ。
ソフィ様と呼べ!」
少女が僕を見上げて言います。
「ソフィ?」
ボゴッ!!
「痛ッ」
少女が僕の足を蹴ります。
「ソフィ様だ!」
「ソフィ様・・・」
「そうだ」
なんか、名前とかどうでもいいんで、この状況を説明してもらいたいんですよ。僕は。
「こう見えて、ワラワはお前より年上だ!」
「ウソ?」
ボゴッ!!
「痛ッ」
ソフィとかいう少女が僕の足を蹴ります。
「ウソなんかつくか!
それにお前!
敬語だ!敬語を使え!」
え?
何言ってんのよこの子。
「返事しろ!」
「は?」
「は?じゃねぇ!返事しろっつってんだろッ!!」
ボゴッ!!
「痛ッ、は、はい・・・」
ソフィ様が足を蹴るので僕は返事をします。
「それでいい」
ソフィ様が納得します。
「ばっちゃんは、序列にきびしいからなぁ」
キャサリンさんに膝枕してもらっているヤッカイさんが言います。
なんでヤッカイさんは、さっきからこの子をばっちゃんと呼ぶのでしょうか?
というかですよ。
そんな事はどうでもいいんですよ。
ぜんぜん話しが進まないじゃないですか。
僕はですね、今のこの状況を知りたいのですよ。
「それで、これはどういう事なんですか?・・・ソフィ様」
「わかった、説明してやる」
ソフィ様がベッドにチョコンと腰掛ける。
「まず、お前。名前は?」
「そいつはタツキチだよ、ばっちゃん」
ヤッカイさんが言う。
「チッ!」
ソフィ様が舌打ちをする。
「ワラワはこやつに聞いておる!」
僕を指差します。
「タツキチです」
僕が答えます。
「タツキチ・・・
お前はどこから来た?」
「日本です」
「ニホン?知らんなぁ~。
そこ、遠いのか?」
「遠いと思います。
東洋の国と呼ばれています。」
「東か・・・
お前はそこからどうやって来た?」
『タツキチ!言っちゃダメよ!』
エレノアさんが慌てます。
僕がエレノアさんの方を見ます。
『適当に誤魔化すのよ!タツキチ!』
エレノアさんが必死です。
「何だこの女。適当に誤魔化すってどういう事だ?」
ソフィ様が冷たい目でエレノアさんを見ます。
え?
僕とエレノアさんが顔を見合わせます。
「もしかして見えるんですか?」
僕がソフィ様に聞きます。
「何が?」
「何がって・・・」
僕が戸惑っていると、ソフィ様がエレノアさんを指差します。
「この女のことか?」
「は、はい・・・」
「見えとる。うっすらだがな!」
「すげぇ・・・」
思わず僕がつぶやきます。
なぜかソフィ様はエレノアさんが、薄っすらと見えるようです。
それにエレノアさんの声も聞こえているのです。
エレノアさんもビックリしています。
というか、かなりビックリしています。
なんか2歩ぐらい下がって固まってますよ。
「だから言ったろ!ワラワは大魔導士だ!」
ソフィ様が満足気に微笑みます。
「そこら辺の魔法使いとは、わけが違う!わかったか!」
「は、はい・・・」
「俺には見えねぇぞ、ばっちゃん」
「だからお前は見習いなんだよ!」
「チッ!」
ヤッカイさんが舌打ちします。
でしょうね。
あなたの階級は、たしか、M級でしたっけ?
すごい下なんですよね。
「ま、お前らがどうやって来たかは想像がつく。
がッ!!そんなことより、ドーテー魔法だ!」
ソフィ様が叫びます。
!!
僕は驚きます。
「タツキチ、お前!昨日からドーテー魔法をぶっ放しとるやろ!」
「あ、はぁ・・・まぁ、そうですね・・・」
「だから、ヤッカイにお前を連れてこさせた訳だ!」
「あの~、ソフィ様とヤッカイさんの関係というのは・・・」
「孫だ」
「え?」
「ヤッカイはワラワの孫だ」
「孫?・・・ソフィ様って、歳はいくつなんですか?」
「知らん。忘れた!」
「でも・・・子供に、見えます、よね?」
「魔法で姿を変えとる」
「魔法で?」
「身なりのいいカワイイ少女は正義だ!
何をしても許される。
魔法なんか使わなくても、泣いてすがれば大抵の事は解決する。
美少女という名の特権魔法だッ!!」
ソフィ様が得意げに言います。
この人、ひねくれてますよ。
性根がひん曲がっておりますよ。
「あの~、どうして僕が、ドーテー魔法を使ってるって分かったんですか?」
「ワラワは大魔導士だぞ!それぐらい分かる!
それにあれだけ何度もドーテー魔法を使えば嫌でも気づくわッ!」
そうなんですね。
大魔導士のレベルになると、何かこうセンサー的なもので感じるんでしょうかね?
アッ、
「でも、ヤッカイさんは、どうやって洞窟で僕を見つけたんですか?」
「ヤツも魔導士だ」
「え?」
「見習いだがな!
ま、見習いと言っても魔法使いの最上位クラスなのは間違いない」
「え?」
僕がヤッカイさんを見ます。
ヤッカイさんが爽やかな顔でニヤニヤします。
この世界では、魔導士というのは魔法使いよりも上のクラスということですね。
で、大魔導士がその上なのですね。
ん?それじゃ、
「ヤッカイさんは、スゴい魔法とか使えるんですか?」
「使えるよ」
ヤッカイさんが当然のように言います。
「え?だって相手に全くダメージを与えない魔法とかって・・・」
「ああ、アレ。
よく聞くんだタツキチ」
ヤッカイさんが人差し指を動かしながら得意げに話します。
「低刺激魔法はな、かなり上位クラスの魔法だ。
本来、攻撃魔法はどんな初歩的なものでも相手を傷つけてしまう。
だが、低刺激魔法はどれだけ大量の魔力を使って放っても相手を傷つけない高等魔法だ。
世界一やさしい攻撃魔法だ!どうだ!スゴイだろ!」
なんかよく分かりませんが、スゴい魔法なのですね。
てことはですよ、M級ってのは上の階級ってことですか?
「だったら、もしかして、あの洞窟のスライムは倒せたんですか?」
「あんなのは、俺からしたら屁みたいなもんだ。
プッってやったら終わりだ」
「それじゃ、倒せないふりをしてたんですか?」
「そうだ」
「何でですか?」
「お前にドーテー魔法を使わせるためだ。
確かめる必要があった」
確かめる?
「それじゃ、最後の出口もわざと間違えたんですか?」
「そうだ」
「あれは、2回目のドーテー魔法です。
最初の巨人に使った時にすでに知ってましたよね?」
「あれは、お前、アレだ。
キャサリンに看護してもらう・・・ためだ」
看護してもらう?
なんですかソレは。
「ヤッカイ、お前、いい加減にしろ」
黙って聞いていたソフィ様が言います。
「何だよ、ばっちゃん」
「その女だ」
そう言って、ソフィ様がキャサリンさんに向かって指を鳴らします。
パチン!
「えッ!?」
キャサリンさんが、ハッと気づくように目を見開くと同時に叫びます。
「ちょと!何!!?
あんた!何してんのよッ!!?」
キャサリンさんが膝の上に頭を乗せてるヤッカイさんをずり落とし後頭部を蹴り飛ばします。
ボガッ!!
「ぉうはぁッーーーーー!!!!」
後頭部を蹴り飛ばされたヤッカイさんは、変な声を出しながら床をゴロゴロ回転します。
何ですか?
どういう事ですか?これは。
「女と見れば、すぐに惚れ魔法を使いやがる。
巡警に見つかったどうするつもりだ」
ソフィ様がかみつぶすように呟きます。
ほれまほう?
「何です?それ」
僕がソフィ様に聞きます。
「異性を惚れされる魔法だ。
相手がメロメロになる。
あまりにもメロメロになるので禁止されてる魔法だ」
それって、催眠術みたいなもんでしょうか。
そういえばキャサリンさんの様子がおかしくなったのも突然でしたね。
僕がヤッカイさんに近づこうとすると、キッー!!とか言ってましたもんね。
何か変だとは思ってましたけど。
「痛ってーー・・・」
ヤッカイさんが後頭部をおさえながら、ゆっくり立ち上がります。
というかですよ。
ドーテー魔法ですよ。
僕が知りたいのはね。
いつになったら教えてくれるのでしょうか?
「あの~それで、ソフィ様」
「なんだ、タツキチ」
「ドーテー魔法っていうのは一体どういう魔法なのでしょうか?」
「おぉ!そうだった!
タツキチ!」
「はい」
「お前、もう2度とドーテー魔法を使うなよ」
へ?
僕が驚いて固まっていると、ソフィ様が言います。
「もし使ったら、ワラワがお前をぶっ殺す!分かったな!」
へ?
なんで?
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