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02 勇者って何でしょうか?
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「勇者を派遣するって、どうやるんですか?」
僕はエレノアに聞きます。
「そうね、例えば、ある世界があるとするでしょ」
「はい」
「ほとんどの世界は、その中でのイザコザは処理できているの」
「はい」
「だけど、どうにもこうにも手が付けられない状態だ。とゼロが判断した場合、私たちに依頼してくるの」
「手の付けられない状態とはどういう・・・」
「よくあるのが魔物が増えすぎるってヤツね」
「魔物?」
「そうよ」
「そんなもの、いるんですか?」
「いるわよ、タツキチの世界にも何度も派遣してるのよ」
「え?ホントですか?」
「そうよ。日本にも派遣してるわ」
「そうなんですか?」
「たしか記録によると、だいぶ前になるけど、魔物が大暴れしてたから勇者を送ったはずよ」
「いつ頃ですか?」
「かなり前ね、確かタツキチの世界に話しが残ってるはず。
なんとかタロウ、そう!モモ太郎とかって言ってたわ」
「桃太郎?
鬼退治の?」
「そう。あと、なんとかセイメイ」
「安倍晴明?」
「そうそう!」
マジですか?
桃太郎と晴明は派遣ですか?
「それで、僕は何をすればよいのでしょうか?」
「タツチキは私のアシスタントよ。
特に日本のね!」
「日本の?」
「そう、最近の勇者のほとんどが日本からなの」
「え?勇者って日本人なんですか?」
「そうなの!
何でか知らないけど、ここ最近で爆発的に増えてるのよ、日本からの勇者が!
だから日本は勇者の宝庫なのよ!」
「へー、それで最近は行方不明者が増えてるんですかね?」
「それは違うわ。
勇者はほとんどが転生なの」
「転生?」
「そう、寿命の切り替えで、異世界に転生させるのよ」
「へー、そうなんですね。
でもそれだと、寿命が尽きるまで待たないといけませんよね?」
「そうね。でも異世界はそれぞれの時間の概念が違うのよ。
だから、タツキチの世界の1年が、別の世界では10分だったり、10年だったりするのよ」
「へー、そうなんですね」
段々と分かんなくなってきましたよ。
まぁ、そういうもんなんですね。
「だから勇者さえ沢山見つけておけば、後は依頼があった時に寿命が近づいてる勇者をすぐにピックアップできるってわけ」
「勇者ってどうやって探すんです?」
「私たちは目を見れば、素質があるかどうか分かるの。
そう訓練されてるから」
「それでエレノアさんは、駅前で探してたんですね」
「そう。
それで、タツチキと出会ったのよ」
「へー、それで僕には勇者の素質があったんですか?」
「無いわ」
「そうですか」
「無いけど、タツキチには私が見えたのよ。
見えるはずが無いのに・・・
それで、ゼロに会わせたってわけ」
「そうなんですね」
「だけどゼロにも分からないって事だったのよね・・・
ま、とにかく日本で勇者を探して、沢山ストックを集めれば、私は見習いを卒業できるの」
「ストックってどうやって集めるんですか?」
「私が目を見て素質がある人が居たら指輪で触れるの。
そうすれば電気が流れて指輪に記録されるの」
「電気?ビリビリって感じですか?」
「違うわよ。ほんの少し、ピリッとするだけよ」
「へーそうなんですね」
「とりあえず、それをタツキチに手伝ってもらいたいのよ」
「はい、わかりました。
で、どう手伝えばいいのでしょうか?」
「私にとってはタツキチの世界は異世界なの。
だから、日本の事は日本人に聞けってね!」
「なるほど。
でも僕には勇者を見分けることができませんよ」
「そう、だから私と組むのよ」
「どういう事でしょうか?」
「そうね、まずは実践あるのみ!
早速、日本に戻りましょう!」
「ギュイーンですね」
「なあに、それ?」
「いえ、何でもないです」
「それじゃ、タツキチ!
私に掴まって!」
「はい」
「行くわよ!」
ギュィィィーーーン!!
目の前が一瞬歪んで、駅前の景色が現れました。
------- 駅前に到着 -------
「エレノアさん」
「何?」
「こんな人通りの多い所に突然現れたら、みんなビックリするんじゃないんですか?」
「それは大丈夫よ。
私たちは見えないから」
「え?そうなんですか?」
「ええ、タツキチは私のパートナーだからね。
さっき、ゼロがあなたを見つめてたでしょ?
あれで登録されたのよ」
「ヘー、スゴいですね!
でもぶつかったらどうなるんです?
見えない壁に当たる感じですか?」
「ぶつからないわ。
すり抜けるの。
いちいちぶつかってたら、私たちの存在がバレてしまうでしょ?」
「へー」
僕はわざと通行人の前に立ってみます。
すると、ボワッという感じで人が通り抜けます。
なんだか妙な気分です。
「ちなみに私たちの声も聞こえないわ」
「へー、そうなんですね。
という事は、勇者に選ばれた人ってエレノアさんは見えてないんですか?」
「見えないわ。
私たちはストックするだけ。
後は寿命が来たら、自動で転生して目的に合った異世界に派遣されるのよ」
「へー、影の存在なんですね」
「そうよ。
まれに、一瞬だけ姿が見えたりすると、妖精とかゴーストとか呼ばれたりするらしいわ。
とにかくタツキチ!
勇者を探しましょう!」
「はい」
「まずは、平凡な人を探すのよ!」
「平凡な人ですか?」
「そう、平凡で何の取り柄もない人よ!
年齢と性別は関係ないわ!」
平凡で何の取り柄も無い人間か・・・
ん?でも、
「たしか、エレノアさんは駅前で男性ばかり見てましたよね?」
「今のところ男性の方が確率が高いのよ」
「そうなんですね。
だったら、この表通りには居ませんよ。
みなさんお仕事して生き生きしてますから。
もっと裏通りに行きましょう!エレノアさん!」
「ほら!
やっぱりタツキチがいてくれて助かったわ!」
------- 裏通りへ移動 -------
「タツキチ、ここは?」
「ココは駅の裏通り。
飲み屋街です。
ここなら真昼間から酒におぼれた酔っ払いがウジャウジャいます。
たぶん、勇者の入れ食い状態ですよ」
「さすがタツキチね!」
「はい!どんどん勇者を見つけましょう!」
------- 1時間後 -------
「ダメね・・・」
「はい・・・」
「全然いないわ・・・」
「はい、すみません・・・」
そうなんです。
何の取り柄もない人と、ぐうたらしている人は違うのです。
結果、何の取り柄もない人というのは探すと全然いないのです。
にもかかわらず日本からドンドン勇者が現れているんです。
これはたぶんエレノアさんよりもベテランの方が何らかの方法で見つけているという事だと思います。
「どうしよう・・・」
エレノアさんが、ふさぎ込んでいます。
「どうしたんですか?」
「今日中に見つけないといけないのよ、勇者を」
「え?」
「ゼロに依頼されてるの」
「もし今日中に見つからなければどうなるんですか?」
「私はクビね」
クビって・・・そうか、
やっぱりどこの世界も世知辛いですね。
あ!
「ということは、エレノアさんがクビになると僕の給料は・・・」
「ないわ」
「そ、そんな・・・」
「ごめんね」
そんな・・・
謝られても・・・
というかこれ、1週間以内にエレノアさんがクビになったら僕は無給ってこと?
タダ働き?
つらいね。
あぁ、僕の人生はつくづくツライねぇ。
「その、依頼されてる世界って、今どういう状況なんですか?」
「ボリボーリ村って所で、魔物が暴れてるの。
まだ魔物の数は少ないんだけど、村人たちが困ってるの」
「魔物はどうやって倒すんですか?」
「勇者によるわ。
剣で戦う人もいれば、魔法で戦う人もいるの」
「エレノアさんは魔法とか使えないんですか?」
「私は使えないわ。
異世界の橋渡しをするだけよ」
「そうですか・・・
じゃ、行ってみましょう!」
「どこへ?」
「そのボリボーリ村ですよ。
行って村の状況を見てみましょう。
もしかしたら数日ぐらい伸ばせるかもしれませんよ」
「そ、そうね」
「では、どうぞ」
僕は両手を広げます。
「何してるの?」
「え?移動するんですよね?」
「あなた・・・もしかしてそれが目的なんじゃないでしょうね?」
「そ、そんなことありませんよ」
いえいえ、そんなことあります。
大いにあるんです。
いやどちらかと言うと、それが目的なのです。
だってどうせクビになるんだったら、少しぐらいラッキーな事が無いと割に合いませんからね。
「それじゃ、行くわよ」
僕とエレノアさんが抱き合います。
うわぁ!ボヨンボヨンしてますよ!
そして、あま~い香りがします!
ギュィィィーーーン!!
目の前が一瞬歪んで、のどかな景色が現れました。
------- ボリボーリ村に到着 -------
「な!なんだお前は!」
「どうした!」
「こ!こいつ!突然現れやがった!」
え?何?
村人?
何で?日本語?
「エ、エレノアさん。
この人たち僕たちが見えてるみたいですよ」
僕は抱き合っているエレノアに聞きます。
『そ、そうみたいね・・・』
「こ!こいつ!誰と話してる!
何だお前は!!」
え?
この人たちエレノアさんが見えてないっぽいです。
僕だけ見えてるってことですか?
「な、何事じゃ!」
顔中が真っ白のヒゲだらけで、杖を持った老人が現れた。
「そ!村長!
この男が!
この男が目の前に突然現れました!」
「なんじゃと!
そうか!ついに現れたか!」
「え!?
それじゃ村長!
まさか!彼が!」
「いやいや待て待て、慌てるでない。
おぬし、名は何と言う?」
村長が僕に向かって聞くので、
「タツキチです」
と答えると、
「意味は?
おぬしの名前の意味は?」
というので、
「タツは龍で、キチは良いこと、という意味です」
と説明したわけですよ。
そしたら村長が目をひん剥いて叫ぶんですよ。
「り!龍ッ!!
ド!ドラゴンッ!!
こりゃ!間違いない!
ドラゴンの勇者じゃ!!」
て。
そしたら村人たちは僕を大歓迎ムードで出迎えるわけですよ。
これ、大変な事ですよ。
だって僕、勇者じゃないんですから。
僕はエレノアに聞きます。
「そうね、例えば、ある世界があるとするでしょ」
「はい」
「ほとんどの世界は、その中でのイザコザは処理できているの」
「はい」
「だけど、どうにもこうにも手が付けられない状態だ。とゼロが判断した場合、私たちに依頼してくるの」
「手の付けられない状態とはどういう・・・」
「よくあるのが魔物が増えすぎるってヤツね」
「魔物?」
「そうよ」
「そんなもの、いるんですか?」
「いるわよ、タツキチの世界にも何度も派遣してるのよ」
「え?ホントですか?」
「そうよ。日本にも派遣してるわ」
「そうなんですか?」
「たしか記録によると、だいぶ前になるけど、魔物が大暴れしてたから勇者を送ったはずよ」
「いつ頃ですか?」
「かなり前ね、確かタツキチの世界に話しが残ってるはず。
なんとかタロウ、そう!モモ太郎とかって言ってたわ」
「桃太郎?
鬼退治の?」
「そう。あと、なんとかセイメイ」
「安倍晴明?」
「そうそう!」
マジですか?
桃太郎と晴明は派遣ですか?
「それで、僕は何をすればよいのでしょうか?」
「タツチキは私のアシスタントよ。
特に日本のね!」
「日本の?」
「そう、最近の勇者のほとんどが日本からなの」
「え?勇者って日本人なんですか?」
「そうなの!
何でか知らないけど、ここ最近で爆発的に増えてるのよ、日本からの勇者が!
だから日本は勇者の宝庫なのよ!」
「へー、それで最近は行方不明者が増えてるんですかね?」
「それは違うわ。
勇者はほとんどが転生なの」
「転生?」
「そう、寿命の切り替えで、異世界に転生させるのよ」
「へー、そうなんですね。
でもそれだと、寿命が尽きるまで待たないといけませんよね?」
「そうね。でも異世界はそれぞれの時間の概念が違うのよ。
だから、タツキチの世界の1年が、別の世界では10分だったり、10年だったりするのよ」
「へー、そうなんですね」
段々と分かんなくなってきましたよ。
まぁ、そういうもんなんですね。
「だから勇者さえ沢山見つけておけば、後は依頼があった時に寿命が近づいてる勇者をすぐにピックアップできるってわけ」
「勇者ってどうやって探すんです?」
「私たちは目を見れば、素質があるかどうか分かるの。
そう訓練されてるから」
「それでエレノアさんは、駅前で探してたんですね」
「そう。
それで、タツチキと出会ったのよ」
「へー、それで僕には勇者の素質があったんですか?」
「無いわ」
「そうですか」
「無いけど、タツキチには私が見えたのよ。
見えるはずが無いのに・・・
それで、ゼロに会わせたってわけ」
「そうなんですね」
「だけどゼロにも分からないって事だったのよね・・・
ま、とにかく日本で勇者を探して、沢山ストックを集めれば、私は見習いを卒業できるの」
「ストックってどうやって集めるんですか?」
「私が目を見て素質がある人が居たら指輪で触れるの。
そうすれば電気が流れて指輪に記録されるの」
「電気?ビリビリって感じですか?」
「違うわよ。ほんの少し、ピリッとするだけよ」
「へーそうなんですね」
「とりあえず、それをタツキチに手伝ってもらいたいのよ」
「はい、わかりました。
で、どう手伝えばいいのでしょうか?」
「私にとってはタツキチの世界は異世界なの。
だから、日本の事は日本人に聞けってね!」
「なるほど。
でも僕には勇者を見分けることができませんよ」
「そう、だから私と組むのよ」
「どういう事でしょうか?」
「そうね、まずは実践あるのみ!
早速、日本に戻りましょう!」
「ギュイーンですね」
「なあに、それ?」
「いえ、何でもないです」
「それじゃ、タツキチ!
私に掴まって!」
「はい」
「行くわよ!」
ギュィィィーーーン!!
目の前が一瞬歪んで、駅前の景色が現れました。
------- 駅前に到着 -------
「エレノアさん」
「何?」
「こんな人通りの多い所に突然現れたら、みんなビックリするんじゃないんですか?」
「それは大丈夫よ。
私たちは見えないから」
「え?そうなんですか?」
「ええ、タツキチは私のパートナーだからね。
さっき、ゼロがあなたを見つめてたでしょ?
あれで登録されたのよ」
「ヘー、スゴいですね!
でもぶつかったらどうなるんです?
見えない壁に当たる感じですか?」
「ぶつからないわ。
すり抜けるの。
いちいちぶつかってたら、私たちの存在がバレてしまうでしょ?」
「へー」
僕はわざと通行人の前に立ってみます。
すると、ボワッという感じで人が通り抜けます。
なんだか妙な気分です。
「ちなみに私たちの声も聞こえないわ」
「へー、そうなんですね。
という事は、勇者に選ばれた人ってエレノアさんは見えてないんですか?」
「見えないわ。
私たちはストックするだけ。
後は寿命が来たら、自動で転生して目的に合った異世界に派遣されるのよ」
「へー、影の存在なんですね」
「そうよ。
まれに、一瞬だけ姿が見えたりすると、妖精とかゴーストとか呼ばれたりするらしいわ。
とにかくタツキチ!
勇者を探しましょう!」
「はい」
「まずは、平凡な人を探すのよ!」
「平凡な人ですか?」
「そう、平凡で何の取り柄もない人よ!
年齢と性別は関係ないわ!」
平凡で何の取り柄も無い人間か・・・
ん?でも、
「たしか、エレノアさんは駅前で男性ばかり見てましたよね?」
「今のところ男性の方が確率が高いのよ」
「そうなんですね。
だったら、この表通りには居ませんよ。
みなさんお仕事して生き生きしてますから。
もっと裏通りに行きましょう!エレノアさん!」
「ほら!
やっぱりタツキチがいてくれて助かったわ!」
------- 裏通りへ移動 -------
「タツキチ、ここは?」
「ココは駅の裏通り。
飲み屋街です。
ここなら真昼間から酒におぼれた酔っ払いがウジャウジャいます。
たぶん、勇者の入れ食い状態ですよ」
「さすがタツキチね!」
「はい!どんどん勇者を見つけましょう!」
------- 1時間後 -------
「ダメね・・・」
「はい・・・」
「全然いないわ・・・」
「はい、すみません・・・」
そうなんです。
何の取り柄もない人と、ぐうたらしている人は違うのです。
結果、何の取り柄もない人というのは探すと全然いないのです。
にもかかわらず日本からドンドン勇者が現れているんです。
これはたぶんエレノアさんよりもベテランの方が何らかの方法で見つけているという事だと思います。
「どうしよう・・・」
エレノアさんが、ふさぎ込んでいます。
「どうしたんですか?」
「今日中に見つけないといけないのよ、勇者を」
「え?」
「ゼロに依頼されてるの」
「もし今日中に見つからなければどうなるんですか?」
「私はクビね」
クビって・・・そうか、
やっぱりどこの世界も世知辛いですね。
あ!
「ということは、エレノアさんがクビになると僕の給料は・・・」
「ないわ」
「そ、そんな・・・」
「ごめんね」
そんな・・・
謝られても・・・
というかこれ、1週間以内にエレノアさんがクビになったら僕は無給ってこと?
タダ働き?
つらいね。
あぁ、僕の人生はつくづくツライねぇ。
「その、依頼されてる世界って、今どういう状況なんですか?」
「ボリボーリ村って所で、魔物が暴れてるの。
まだ魔物の数は少ないんだけど、村人たちが困ってるの」
「魔物はどうやって倒すんですか?」
「勇者によるわ。
剣で戦う人もいれば、魔法で戦う人もいるの」
「エレノアさんは魔法とか使えないんですか?」
「私は使えないわ。
異世界の橋渡しをするだけよ」
「そうですか・・・
じゃ、行ってみましょう!」
「どこへ?」
「そのボリボーリ村ですよ。
行って村の状況を見てみましょう。
もしかしたら数日ぐらい伸ばせるかもしれませんよ」
「そ、そうね」
「では、どうぞ」
僕は両手を広げます。
「何してるの?」
「え?移動するんですよね?」
「あなた・・・もしかしてそれが目的なんじゃないでしょうね?」
「そ、そんなことありませんよ」
いえいえ、そんなことあります。
大いにあるんです。
いやどちらかと言うと、それが目的なのです。
だってどうせクビになるんだったら、少しぐらいラッキーな事が無いと割に合いませんからね。
「それじゃ、行くわよ」
僕とエレノアさんが抱き合います。
うわぁ!ボヨンボヨンしてますよ!
そして、あま~い香りがします!
ギュィィィーーーン!!
目の前が一瞬歪んで、のどかな景色が現れました。
------- ボリボーリ村に到着 -------
「な!なんだお前は!」
「どうした!」
「こ!こいつ!突然現れやがった!」
え?何?
村人?
何で?日本語?
「エ、エレノアさん。
この人たち僕たちが見えてるみたいですよ」
僕は抱き合っているエレノアに聞きます。
『そ、そうみたいね・・・』
「こ!こいつ!誰と話してる!
何だお前は!!」
え?
この人たちエレノアさんが見えてないっぽいです。
僕だけ見えてるってことですか?
「な、何事じゃ!」
顔中が真っ白のヒゲだらけで、杖を持った老人が現れた。
「そ!村長!
この男が!
この男が目の前に突然現れました!」
「なんじゃと!
そうか!ついに現れたか!」
「え!?
それじゃ村長!
まさか!彼が!」
「いやいや待て待て、慌てるでない。
おぬし、名は何と言う?」
村長が僕に向かって聞くので、
「タツキチです」
と答えると、
「意味は?
おぬしの名前の意味は?」
というので、
「タツは龍で、キチは良いこと、という意味です」
と説明したわけですよ。
そしたら村長が目をひん剥いて叫ぶんですよ。
「り!龍ッ!!
ド!ドラゴンッ!!
こりゃ!間違いない!
ドラゴンの勇者じゃ!!」
て。
そしたら村人たちは僕を大歓迎ムードで出迎えるわけですよ。
これ、大変な事ですよ。
だって僕、勇者じゃないんですから。
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