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入学編
第3話 個性の強い隣人マルク
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入寮手続きを終え、寮にやってきた。
広い敷地を持ってるだけあってか、寮もかなり大きい。さすがはアンガレド学園というべきだろうか。
まず寮の管理人さんのところに行き、自分の部屋に案内してもらおう。
入寮手続きのときに一度来たので、管理人さんがいる部屋は既に分かっている。
玄関のすぐ近くにある扉を開ける。
扉を開けた先には、初老のメガネをかけた男の人が椅子に腰をかけ、読書をしていた。
この人が管理人さんだ。
「管理人さん。昨日、入寮手続きを済ませたガレアです。荷物を持って来たので、僕の部屋まで案内してくれませんか?」
管理人さんは、本を閉じて机の上に置く。
机の上に置いてある鍵を取り、立ち上がり、俺の横を通り過ぎ、扉開けた。
「ついて来なさい」
管理人さんは、低く落ち着いた声で一言。
入寮手続きの時から思っていたが、この人必要最低限の事しか言わないんだよな。愛想が全くない
俺は、『分かりました』と言い、管理人さんの後をるいていく。
階段を上がると、管理人さんは【201】と書かれてある扉の前で止まった。
「ここが君の部屋だ」
そう言って、管理人さんは鍵を開け、扉を開ける。
中は予想通りの広さだった。泊まっていた宿の何倍も広く、快適そうだ。
部屋の中で、荷物を下ろす。
「質問などはありますか?」
管理人さんが話しかけて来たので、管理人さんの方へ体を向き直した。
「今のところ何もないですね」
「困ったことがあれば、いつでも私の部屋にいらしてください」
「分かりました」
会話を終えると、管理人さんは部屋から出ていった。悪い人じゃないんだろうが、少し苦手だなと感じてしまう人だったな。
部屋の中を見渡してみる。まず、嬉しいのがトイレ、風呂、ベッドの存在だ。この3つが揃っている宿は、高級宿屋ぐらいなもんだろう。
ベッドに腰を下ろしてみる。......おぉ、なんという心地の良さ。体を自然と包み込んでくれるようだ。今日の夜のぐっすり眠れるだろう。いつもぐっすり眠ってるけど。
ベッドの心地良さに感動していると、部屋のドアをノックする音がきこえてきた。
管理人さんだろうか。ベッドから重い腰をあげ、部屋のドアを開いた。
「おっ、やっぱり新入生の人だ。こんにちは、202に住んでる2年生のマルク・フーリエンです。さっき、声が聞こえてきたから挨拶でもしようかと思ってね」
ニコニコと笑顔を浮かべる好青年がそこにいた。どうやら、隣の部屋に住んでいる先輩らしい。俺の方から色々と挨拶に行こうと思っていたが、あちらから来てくれるとは。彼の第一印象は非常に良い。これから仲良くしていきたいところだ。
「わざわざありがとうございます。マルクさんの言う通り、新入生のガレアと申します。これからよろしくお願いします」
「ご丁寧にどうも。ガレア君は、家名がないみたいだね。ここは、貴族が多いからそれを差別する人が少しだけいるんだけど、気にしないでいいよ。気にしない人が大半だしね。ちなみに、僕も気にしてないよ」
「そう言っていただけると助かります」
「僕は先輩だけど、堅苦しいのは嫌いだから敬語は無しでいいよ。気楽にね」
「……分かった。俺もあんまり敬語は慣れてなかったから、少し気持ち悪かったんだ」
「うんうん。なんだかそういう気がしてたよ」
ハハハ、と笑うマルク。俺の想像していた貴族は、傲慢なイメージだったが全然そんなことはなかった。マルクの話をきいた限り、そういった貴族は少ないのかもしれない。
「……挨拶も済んだことだし、本題に移ろう」
「本題?」
マルクは、先ほどの笑顔で人当りの良い雰囲気とはうって変わり。真剣そのものといったような表情になった。
……なるほど。今のは俺を油断させる作戦だったというわけか。さて、どんなことをふっかけてくるやら。少し楽しくなってきたじゃないか。
「そう、本題だ。ガレア君……パンチラ同好会に入らないか?」
マルクは、真剣な眼差しで俺の目を見つめながらそう言った。
「は?」
俺は、自分でも驚くほどの気の抜けた声を出してしまった。誰だって面食らうだろ。なんだよ、パンチラ同好会って。
「学園からは認められていないんだけどね。僕は、パンチラ同好会の会長をやっているんだ。よかったら君も入らないかい?今なら副会長になれるよ」
「副会長って、もしかして会員あんただけだろ」
「ズバリ、その通りだよ」
「はぁ」
つい溜息が出てしまった。なんだこの人は。俺の第一印象を返せ。人当りの良い好青年だと思っていたが、全くの見当違いだった。もしかしたら俺は人を見る目がないのかもしれない。
「パンチラは良いよ。僕が最初にスカートの中身に興味を持ったのは、5歳のころだ。貴族のパーティに参加した時だね。その時に美しいお嬢様達が長いスカートを履いていたんだ。僕は、階段の前で転んでね。階段を上っていた年上のお嬢様のスカートの中身が見えそうになったんだ。そのとき、僕はこの先を見たいと心から思ったんだ。この先に見える景色程、この世で美しい景色はないのではないかと錯覚したほどだ。それから僕は、その先の景色を見るために努力した。風魔法を必死に覚えたんだ。あの先を見るには、風魔法の力が必要不可欠だと悟ったんだ。だが、魔法を使っても魔力の流れを見られると人為的に起こされた風だとバレてしまう。だから、僕は魔力の流れで人為的に起こした風だとバレないような自然現象の風を魔法で起こしたいんだ。これが僕の夢さ。まぁ、その努力のおかげか2年のクラスでは、一応Aクラスなんだ」
俺が呆れてるなか、マルクはすごい長々とパンチラについて語ってきた。もう中盤あたりから何を言ってるかよくわからなかった。一つだけ分かったことは、この人とはあまり関わらないほうがいいということだ。面白そうな人ではあるが、めんどくさそうだ。
「勧誘なら間に合ってるので、お帰りください」
めんどくさくなったので、俺は部屋のドアを閉めた。
なんだったんだ一体。入寮早々、ろくでもない人に絡まれてしまったな。
何かしようかと思っていたが、する気力をこの一件でなくなったので、俺は夕食の時間まで眠ることにした。
広い敷地を持ってるだけあってか、寮もかなり大きい。さすがはアンガレド学園というべきだろうか。
まず寮の管理人さんのところに行き、自分の部屋に案内してもらおう。
入寮手続きのときに一度来たので、管理人さんがいる部屋は既に分かっている。
玄関のすぐ近くにある扉を開ける。
扉を開けた先には、初老のメガネをかけた男の人が椅子に腰をかけ、読書をしていた。
この人が管理人さんだ。
「管理人さん。昨日、入寮手続きを済ませたガレアです。荷物を持って来たので、僕の部屋まで案内してくれませんか?」
管理人さんは、本を閉じて机の上に置く。
机の上に置いてある鍵を取り、立ち上がり、俺の横を通り過ぎ、扉開けた。
「ついて来なさい」
管理人さんは、低く落ち着いた声で一言。
入寮手続きの時から思っていたが、この人必要最低限の事しか言わないんだよな。愛想が全くない
俺は、『分かりました』と言い、管理人さんの後をるいていく。
階段を上がると、管理人さんは【201】と書かれてある扉の前で止まった。
「ここが君の部屋だ」
そう言って、管理人さんは鍵を開け、扉を開ける。
中は予想通りの広さだった。泊まっていた宿の何倍も広く、快適そうだ。
部屋の中で、荷物を下ろす。
「質問などはありますか?」
管理人さんが話しかけて来たので、管理人さんの方へ体を向き直した。
「今のところ何もないですね」
「困ったことがあれば、いつでも私の部屋にいらしてください」
「分かりました」
会話を終えると、管理人さんは部屋から出ていった。悪い人じゃないんだろうが、少し苦手だなと感じてしまう人だったな。
部屋の中を見渡してみる。まず、嬉しいのがトイレ、風呂、ベッドの存在だ。この3つが揃っている宿は、高級宿屋ぐらいなもんだろう。
ベッドに腰を下ろしてみる。......おぉ、なんという心地の良さ。体を自然と包み込んでくれるようだ。今日の夜のぐっすり眠れるだろう。いつもぐっすり眠ってるけど。
ベッドの心地良さに感動していると、部屋のドアをノックする音がきこえてきた。
管理人さんだろうか。ベッドから重い腰をあげ、部屋のドアを開いた。
「おっ、やっぱり新入生の人だ。こんにちは、202に住んでる2年生のマルク・フーリエンです。さっき、声が聞こえてきたから挨拶でもしようかと思ってね」
ニコニコと笑顔を浮かべる好青年がそこにいた。どうやら、隣の部屋に住んでいる先輩らしい。俺の方から色々と挨拶に行こうと思っていたが、あちらから来てくれるとは。彼の第一印象は非常に良い。これから仲良くしていきたいところだ。
「わざわざありがとうございます。マルクさんの言う通り、新入生のガレアと申します。これからよろしくお願いします」
「ご丁寧にどうも。ガレア君は、家名がないみたいだね。ここは、貴族が多いからそれを差別する人が少しだけいるんだけど、気にしないでいいよ。気にしない人が大半だしね。ちなみに、僕も気にしてないよ」
「そう言っていただけると助かります」
「僕は先輩だけど、堅苦しいのは嫌いだから敬語は無しでいいよ。気楽にね」
「……分かった。俺もあんまり敬語は慣れてなかったから、少し気持ち悪かったんだ」
「うんうん。なんだかそういう気がしてたよ」
ハハハ、と笑うマルク。俺の想像していた貴族は、傲慢なイメージだったが全然そんなことはなかった。マルクの話をきいた限り、そういった貴族は少ないのかもしれない。
「……挨拶も済んだことだし、本題に移ろう」
「本題?」
マルクは、先ほどの笑顔で人当りの良い雰囲気とはうって変わり。真剣そのものといったような表情になった。
……なるほど。今のは俺を油断させる作戦だったというわけか。さて、どんなことをふっかけてくるやら。少し楽しくなってきたじゃないか。
「そう、本題だ。ガレア君……パンチラ同好会に入らないか?」
マルクは、真剣な眼差しで俺の目を見つめながらそう言った。
「は?」
俺は、自分でも驚くほどの気の抜けた声を出してしまった。誰だって面食らうだろ。なんだよ、パンチラ同好会って。
「学園からは認められていないんだけどね。僕は、パンチラ同好会の会長をやっているんだ。よかったら君も入らないかい?今なら副会長になれるよ」
「副会長って、もしかして会員あんただけだろ」
「ズバリ、その通りだよ」
「はぁ」
つい溜息が出てしまった。なんだこの人は。俺の第一印象を返せ。人当りの良い好青年だと思っていたが、全くの見当違いだった。もしかしたら俺は人を見る目がないのかもしれない。
「パンチラは良いよ。僕が最初にスカートの中身に興味を持ったのは、5歳のころだ。貴族のパーティに参加した時だね。その時に美しいお嬢様達が長いスカートを履いていたんだ。僕は、階段の前で転んでね。階段を上っていた年上のお嬢様のスカートの中身が見えそうになったんだ。そのとき、僕はこの先を見たいと心から思ったんだ。この先に見える景色程、この世で美しい景色はないのではないかと錯覚したほどだ。それから僕は、その先の景色を見るために努力した。風魔法を必死に覚えたんだ。あの先を見るには、風魔法の力が必要不可欠だと悟ったんだ。だが、魔法を使っても魔力の流れを見られると人為的に起こされた風だとバレてしまう。だから、僕は魔力の流れで人為的に起こした風だとバレないような自然現象の風を魔法で起こしたいんだ。これが僕の夢さ。まぁ、その努力のおかげか2年のクラスでは、一応Aクラスなんだ」
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