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本編
33 お祭り始まるよー
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待ちに待ったお祭り当日。
テンはどうしても浴衣を着てお祭りに参加したくて、オルタリア家の人達に勧めてみた。
着付けはギリギリわかるけど、生地とか模様とか浴衣の作り方なんて知らないからいつも通り全て丸投げした。
何ならお祭り関連で浴衣作りが一番大変だった気がする…。
とにかく出来上がった浴衣は日本の物と遜色無い仕上がりで、本日お披露目する事になりました~。
オルタリア家の皆(+ヴィジスタ)には宣伝係というていで全員浴衣を着ているんだけど…。
………おれが元日本人だからかな?
黒髪黒目のおれは違和感ないんだけど、他の人たちの浴衣姿が観光客感。
似合ってるんだけど……似合ってるんだけどね……。
まあそんな事より聞いてよ。
おれの浴衣は白地に淡い水色の水玉模様なんだけど、筆でサッと円を描いたような柄で……
なんと!!
その円の中には薄桃色のうさぎさんが居るんだよ!!!可愛いな!!!(白目)
何をインスパイアしたかお分かりいただけただろうか…。
そう、この前のうさぎのダンスだ。
あれにいたく感動した2人が、あれからおれにうさぎのグッズを渡してくるようになった…。
この浴衣も、最初は白地に薄水色の円だけだったんだよ。なのにディオーレンがゴリ押ししてうさぎの柄が追加されたんだ…。
どうしてもうさぎ柄は女の子の物っていう固定概念があるから、何だかなーと思っちゃうんだけどさぁ。そもそも平民は男しか居ないから関係ないんだよねぇ。
さて、オルタリア家の皆は履きなれない下駄に少し戸惑っていたけれどディオーレン以外は商会長のおっちゃんの所に挨拶に行った。
おれとディオーレンはヴィジスタと一緒に屋台を回るんだい!
くふくふと笑ってワクワクを止められないテン。
そんなテンを抱っこしているディオーレンは紺地に白縦ストライプ柄のシックな感じで帯は角帯で黒色。それを貝の口結びで結んでいる。
ヴィジスタは白地に黒の縦ストライプでディオーレンと同じ角帯貝の口結びだ。
お揃いの鼻緒をつけた草履はヴィジスタも大喜びで履いてくれた。下駄は歩きにくいから草履にしたよ。
そろそろ開会の時間かな?と、鳥居前の特設ステージへとやって来ると丁度商会長のおっちゃんが開会の宣言をし始めた。
おっちゃんは開始の時刻と終わりの時刻、イベントの案内、御神輿の経路、屋台の紹介等説明を終えると、今日を楽しんでください!と締めくくった途端、空に大輪の花が咲いた。
日本にいた時は当たり前にあった花火。
火薬を使用した花火じゃなく、魔法を使った花火だ。
ひゅるるるるる、どおん!!パチパチパチ…
十発程花火が上がるのを見ているとやけに周りが静かで、きょろりと周りを見渡すと皆が口をポカーンと開けたまま空を見上げていた。
初めて見た空に打ち上がる芸術に、驚きすぎて誰しもが呆気に取られていた。
程なくして打ち上げが終わると、地面が揺れそうになるくらいの歓声が上がり、テンのボルテージは一気に跳ね上がる。
興奮冷めやらぬ中、今度は屋台部隊がお客の呼び込みをし始め、あちらこちらに人が流れ始めた。
テンはディオーレンの腕から降り、はやる気持ちを抑えずにパタパタと屋台に駆け出す。
特に浴衣は目立つから周りの視線を攫う。
何せ可愛い男の子が不思議な衣装を着て、きゃっきゃとはしゃいでいるのだ。
振り返ってディオーレンとヴィジスタを呼ぶテンの兵児帯がふわふわと揺れる。
背中で蝶々結びをしているから余計にヒラヒラと舞うような動きで、それを見ていた他の子供達は羨ましそうだ。
もちろん元々衣料を扱っているお店には今回のお祭りに向けて浴衣を用意しておいてあるので、お祭り中に着たい人はそこで買ってもらう。
「ディー!ヴィー!焼きそば食べよー!!」
だからテンは大いに宣伝するために、今日は珍しく変装もしないで黒髪黒目なのだ。
エキゾチックジャパンだよ!!
テンはどうしても浴衣を着てお祭りに参加したくて、オルタリア家の人達に勧めてみた。
着付けはギリギリわかるけど、生地とか模様とか浴衣の作り方なんて知らないからいつも通り全て丸投げした。
何ならお祭り関連で浴衣作りが一番大変だった気がする…。
とにかく出来上がった浴衣は日本の物と遜色無い仕上がりで、本日お披露目する事になりました~。
オルタリア家の皆(+ヴィジスタ)には宣伝係というていで全員浴衣を着ているんだけど…。
………おれが元日本人だからかな?
黒髪黒目のおれは違和感ないんだけど、他の人たちの浴衣姿が観光客感。
似合ってるんだけど……似合ってるんだけどね……。
まあそんな事より聞いてよ。
おれの浴衣は白地に淡い水色の水玉模様なんだけど、筆でサッと円を描いたような柄で……
なんと!!
その円の中には薄桃色のうさぎさんが居るんだよ!!!可愛いな!!!(白目)
何をインスパイアしたかお分かりいただけただろうか…。
そう、この前のうさぎのダンスだ。
あれにいたく感動した2人が、あれからおれにうさぎのグッズを渡してくるようになった…。
この浴衣も、最初は白地に薄水色の円だけだったんだよ。なのにディオーレンがゴリ押ししてうさぎの柄が追加されたんだ…。
どうしてもうさぎ柄は女の子の物っていう固定概念があるから、何だかなーと思っちゃうんだけどさぁ。そもそも平民は男しか居ないから関係ないんだよねぇ。
さて、オルタリア家の皆は履きなれない下駄に少し戸惑っていたけれどディオーレン以外は商会長のおっちゃんの所に挨拶に行った。
おれとディオーレンはヴィジスタと一緒に屋台を回るんだい!
くふくふと笑ってワクワクを止められないテン。
そんなテンを抱っこしているディオーレンは紺地に白縦ストライプ柄のシックな感じで帯は角帯で黒色。それを貝の口結びで結んでいる。
ヴィジスタは白地に黒の縦ストライプでディオーレンと同じ角帯貝の口結びだ。
お揃いの鼻緒をつけた草履はヴィジスタも大喜びで履いてくれた。下駄は歩きにくいから草履にしたよ。
そろそろ開会の時間かな?と、鳥居前の特設ステージへとやって来ると丁度商会長のおっちゃんが開会の宣言をし始めた。
おっちゃんは開始の時刻と終わりの時刻、イベントの案内、御神輿の経路、屋台の紹介等説明を終えると、今日を楽しんでください!と締めくくった途端、空に大輪の花が咲いた。
日本にいた時は当たり前にあった花火。
火薬を使用した花火じゃなく、魔法を使った花火だ。
ひゅるるるるる、どおん!!パチパチパチ…
十発程花火が上がるのを見ているとやけに周りが静かで、きょろりと周りを見渡すと皆が口をポカーンと開けたまま空を見上げていた。
初めて見た空に打ち上がる芸術に、驚きすぎて誰しもが呆気に取られていた。
程なくして打ち上げが終わると、地面が揺れそうになるくらいの歓声が上がり、テンのボルテージは一気に跳ね上がる。
興奮冷めやらぬ中、今度は屋台部隊がお客の呼び込みをし始め、あちらこちらに人が流れ始めた。
テンはディオーレンの腕から降り、はやる気持ちを抑えずにパタパタと屋台に駆け出す。
特に浴衣は目立つから周りの視線を攫う。
何せ可愛い男の子が不思議な衣装を着て、きゃっきゃとはしゃいでいるのだ。
振り返ってディオーレンとヴィジスタを呼ぶテンの兵児帯がふわふわと揺れる。
背中で蝶々結びをしているから余計にヒラヒラと舞うような動きで、それを見ていた他の子供達は羨ましそうだ。
もちろん元々衣料を扱っているお店には今回のお祭りに向けて浴衣を用意しておいてあるので、お祭り中に着たい人はそこで買ってもらう。
「ディー!ヴィー!焼きそば食べよー!!」
だからテンは大いに宣伝するために、今日は珍しく変装もしないで黒髪黒目なのだ。
エキゾチックジャパンだよ!!
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