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お店が出せてしまう…
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「テールムだったら3軒…???」
「ええ、ランス様ご自身はどれ程の量を販売したのか知らないと思いますが、すぐにでもお店は出せますね」
「ええぇ…」
父上が言ってた「何軒建てる気だ」っていう言葉に偽りはなかったのか…。
だってそんな簡単にお金が貯まると思ってなかったんだもん。
「もしランス様が学園在学中にでもお店を出したいとお考えであれば、商業ギルドから販売員を派遣致しますよ。ランス様は今まで通りにマジックバッグにお菓子を入れるだけでお店を経営出来るようにこちらで準備致しますので」
至れり尽くせり…!
行く行くは自分で販売したいけど、アンテナショップ的なお店なら今すぐに出来ちゃうのか…。
「少し考えさせて下さい…」
「ええ、急いで結論は出さなくても大丈夫ですよ。何時でも相談してください」
ぶっちゃけ今の販売方法に全く不満がない。
ただ不安なのは自分の魔力次第な分、ギルドに卸しながら自分の店舗分のお菓子を出せる魔力量があるのか分からないところだ。
僕が教室に戻ってからも悩んでいると、その様子をグランが心配そうにこちらを窺っていた。
放課後、グランの方から図書館の個室に誘ってくれて話を聞いてくれた。
「ラン、何を悩んでる?」
「うん…今日ベルさんが来ててね…卒業したらお店を出すって、僕の目標だったんだけど」
グランは無言でこくりと頷き、話しの続きを促した。
「ギルドで販売しているお菓子の売上げをお店を購入するのに貯めてたんだ。そしたら、既にテールムでお店を開くなら3軒は建つ程お金は貯まってるっていうから…」
「もう店を出すのか?」
「う~、それをいま悩んでて…販売員をギルドで派遣してくれるから、僕は今まで通りマジックバッグにお菓子を入れていくだけでいいんだ。でも魔力量が不安で…」
普通のお菓子だったら材料があればたくさん作れるけれど、僕のは魔法だから有限だ。
やりくりをどうすればいいのか…。
「ランスはどうしたい?今すぐに店を出したいのか、卒業後に店を出したいのか」
「父上に学業優先って言われてるから、学園にいる間はちゃんと勉強したいよ。でも少しだけ、僕のお店を出してみたい気もするの…」
「なら簡単だ」
え?
グランの何でもない事だ。みたいな言葉に、ランスは驚いて顔を上げる。
「ランスのお店、作ろう。学生の間はギルドの販売員を派遣してもらって、卒業したらランスと俺がやればいい」
「で、でも魔力量が足りなくなったら困るよ?」
「販売数を決めればいい。無限に与えてやる必要は無い」
「ええ?でも商売ってそういうものじゃないの?」
「?何でだ?ランスのお菓子を易々と手に入れられるものと一緒にしてはいけない」
「ええー??」
ランスは前世の知識に引っ張られ、商品を切らしちゃいけないと思い込んでいた。
しかし、グランの言い分は違う。買えないなら諦めろ。当たり前だろう?
という、ランスにとって目からウロコが落ちる思いだった。
「だからランスのやりたいようにやればいい。俺もランスの助けになりたい。行く行くはランスと一緒にお菓子屋さんを切り盛りして、慎ましく2人で暮らしていこう」
「グラン……ありがとう、背中を押してくれて。………でも最後のほうちょっと意味がわからないけど」
「ん?そうか?恋人になったら結婚だろ?俺もランスと一緒にお菓子屋さんやるぞ」
「うーん、その発想はなかったなー」
そもそも恋人じゃないからね?
なんか…気がついたらグランと結婚してそうで怖いんだけど。
それからグランと一緒に計画を立てる事にした。
まずは商業ギルドに出す商品をクッキーセットとチョコレートアソートだけにすることを決めて、あとは自分の店に出すことにする。
店舗を建てている間に出来るだけ商業ギルド分の商品を送っておけば、慌てることも無いし、これからクッキーとチョコレートは個数限定にさせてもらおう。
ギルドのお菓子は贈答用に使ってくれると嬉しい。
いや自分へのご褒美で買ってもいいんだけど、アソートとかって贈り物にちょうどいいから~。
そしてベルさんを呼び出し、ギルドへの卸しはクッキーとチョコレートだけでいいかを確認した。
細かいところは後で確認するとして、ざっくりと計画を話すと、ベルさんも快くOKしてくれてランスも安堵する。
ギルドへの売上げが減ったら、ガッカリさせちゃうかもしれないと心配したからだ。
むしろ忙しすぎて販売数を減らそうとしていたみたいで、その相談も僕にしようと思ってたみたい。
良かった~。
自宅に帰ると、父上に計画を話した。
「そうか。テールムの領地内でどこに出したいとかはあるのか?」
「まだそこまで確認してないので、オススメのところありますか?」
「そうだな…領地内で活気のあるところか、静かなところでゆったりとしたいのか。どちらが良いんだ?」
「……ゆったりとしたいです。でも人が押しかけてきても迷惑にならない所がいいです」
多分、いや絶対に行列が出来ると思うし。
「わかった、こちらで幾つか見繕っておこう」
「ありがとうございます!」
次はどんなお店の内装にするか…誰に相談しようかな。
「ええ、ランス様ご自身はどれ程の量を販売したのか知らないと思いますが、すぐにでもお店は出せますね」
「ええぇ…」
父上が言ってた「何軒建てる気だ」っていう言葉に偽りはなかったのか…。
だってそんな簡単にお金が貯まると思ってなかったんだもん。
「もしランス様が学園在学中にでもお店を出したいとお考えであれば、商業ギルドから販売員を派遣致しますよ。ランス様は今まで通りにマジックバッグにお菓子を入れるだけでお店を経営出来るようにこちらで準備致しますので」
至れり尽くせり…!
行く行くは自分で販売したいけど、アンテナショップ的なお店なら今すぐに出来ちゃうのか…。
「少し考えさせて下さい…」
「ええ、急いで結論は出さなくても大丈夫ですよ。何時でも相談してください」
ぶっちゃけ今の販売方法に全く不満がない。
ただ不安なのは自分の魔力次第な分、ギルドに卸しながら自分の店舗分のお菓子を出せる魔力量があるのか分からないところだ。
僕が教室に戻ってからも悩んでいると、その様子をグランが心配そうにこちらを窺っていた。
放課後、グランの方から図書館の個室に誘ってくれて話を聞いてくれた。
「ラン、何を悩んでる?」
「うん…今日ベルさんが来ててね…卒業したらお店を出すって、僕の目標だったんだけど」
グランは無言でこくりと頷き、話しの続きを促した。
「ギルドで販売しているお菓子の売上げをお店を購入するのに貯めてたんだ。そしたら、既にテールムでお店を開くなら3軒は建つ程お金は貯まってるっていうから…」
「もう店を出すのか?」
「う~、それをいま悩んでて…販売員をギルドで派遣してくれるから、僕は今まで通りマジックバッグにお菓子を入れていくだけでいいんだ。でも魔力量が不安で…」
普通のお菓子だったら材料があればたくさん作れるけれど、僕のは魔法だから有限だ。
やりくりをどうすればいいのか…。
「ランスはどうしたい?今すぐに店を出したいのか、卒業後に店を出したいのか」
「父上に学業優先って言われてるから、学園にいる間はちゃんと勉強したいよ。でも少しだけ、僕のお店を出してみたい気もするの…」
「なら簡単だ」
え?
グランの何でもない事だ。みたいな言葉に、ランスは驚いて顔を上げる。
「ランスのお店、作ろう。学生の間はギルドの販売員を派遣してもらって、卒業したらランスと俺がやればいい」
「で、でも魔力量が足りなくなったら困るよ?」
「販売数を決めればいい。無限に与えてやる必要は無い」
「ええ?でも商売ってそういうものじゃないの?」
「?何でだ?ランスのお菓子を易々と手に入れられるものと一緒にしてはいけない」
「ええー??」
ランスは前世の知識に引っ張られ、商品を切らしちゃいけないと思い込んでいた。
しかし、グランの言い分は違う。買えないなら諦めろ。当たり前だろう?
という、ランスにとって目からウロコが落ちる思いだった。
「だからランスのやりたいようにやればいい。俺もランスの助けになりたい。行く行くはランスと一緒にお菓子屋さんを切り盛りして、慎ましく2人で暮らしていこう」
「グラン……ありがとう、背中を押してくれて。………でも最後のほうちょっと意味がわからないけど」
「ん?そうか?恋人になったら結婚だろ?俺もランスと一緒にお菓子屋さんやるぞ」
「うーん、その発想はなかったなー」
そもそも恋人じゃないからね?
なんか…気がついたらグランと結婚してそうで怖いんだけど。
それからグランと一緒に計画を立てる事にした。
まずは商業ギルドに出す商品をクッキーセットとチョコレートアソートだけにすることを決めて、あとは自分の店に出すことにする。
店舗を建てている間に出来るだけ商業ギルド分の商品を送っておけば、慌てることも無いし、これからクッキーとチョコレートは個数限定にさせてもらおう。
ギルドのお菓子は贈答用に使ってくれると嬉しい。
いや自分へのご褒美で買ってもいいんだけど、アソートとかって贈り物にちょうどいいから~。
そしてベルさんを呼び出し、ギルドへの卸しはクッキーとチョコレートだけでいいかを確認した。
細かいところは後で確認するとして、ざっくりと計画を話すと、ベルさんも快くOKしてくれてランスも安堵する。
ギルドへの売上げが減ったら、ガッカリさせちゃうかもしれないと心配したからだ。
むしろ忙しすぎて販売数を減らそうとしていたみたいで、その相談も僕にしようと思ってたみたい。
良かった~。
自宅に帰ると、父上に計画を話した。
「そうか。テールムの領地内でどこに出したいとかはあるのか?」
「まだそこまで確認してないので、オススメのところありますか?」
「そうだな…領地内で活気のあるところか、静かなところでゆったりとしたいのか。どちらが良いんだ?」
「……ゆったりとしたいです。でも人が押しかけてきても迷惑にならない所がいいです」
多分、いや絶対に行列が出来ると思うし。
「わかった、こちらで幾つか見繕っておこう」
「ありがとうございます!」
次はどんなお店の内装にするか…誰に相談しようかな。
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