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良心
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綿貫「ねぇ、白田さん」
白田「えと…綿貫さん?」
クラスメイトで学年1と評される美女
綿貫才加
普段グループが違う為、突然話し掛けられ
私は食べていたミートボールを落とした。
綿貫「ちょっと、いいかな」
白田「今?」
綿貫「お昼中、悪いんだけど
今が良いかな」
「行って来なよ、白ちゃん」
一緒に食べていた友達に言われ、
私は席を立ち、綿貫さんに着いて行った。
白田「話しって?」
綿貫「あのさ、東間君の事好き?」
白田「え、東間って…同じクラスの?」
突然、そんな事聞かれて
意味が分からなかった。
綿貫「どう?」
白田「どうって言われても、
話した事ないしな」
綿貫「なら、好きになってくれない?」
白田「えっと、なんで?」
綿貫「私、占い得意でね。
白田さんの運命の相手が東間君だったんだ」
白田「運命の人…」
スピリチュアルだけど、
女子力高い綿貫さんが言ってるしなと
私は鵜呑みにしてみる事にした。
~
次の日
昨日休んでいた東間が登校して来て、
ひとまず運命の人だし、
声を掛けてみる事にした。
白田「おはよう、東間」
東間「…え」
白田「風邪だったみたいだけど、
体調は平気?」
東間「…え、平気だけど
何で?」
白田「何でって、クラスメイトだし」
そりゃ、対話するの初めてだけど
そんな戸惑う?ってほど
挙動不審にされる。
白田「休んだ分のノート貸すよ」
東間「え…何で」
白田「明日、現文の小テストあるから
ノート写しておいた方が良いかなって」
東間は首を傾げ、私は半ば強引に
自分のノートを押し付けた。
「白ちゃん、これまたなんで東間に親切なの?」
白田「あーえと」
友達に疑問に思われそりゃそうだよねと
夢で神に東間に優しくしろと言われたと
適当な嘘をつき、その場を凌いだ。
それから、私は何かと東間に声を掛けるようになり
最初は周りから疑問に思われていたが
次第にそれが疑問に思われなくなった。
しかし、東間の挙動不審は治らなかった。
東間「何が目的?
俺、金持ってないから」
白田「えー心外だわ、
別に金銭目的で東間に声掛けてるわけじゃないよ」
東間「なら、何で」
白田「理由ってそんな重要?
普通にクラスメイトと絡んでるだけ」
東間に疑心の目を向けられ、
私は何故か東間の頬を指で突いた。
東間「な…何」
白田「東間って、普段1人でいる事多いでしょ?
だから、知りたいなって」
東間「…意味が分からない」
白田「だから、深い意味なんてないよ」
東間「そうやって、俺の事誑かせるつもり?」
白田「誑かせるって、心外だわー、
私の事なんだと思ってんだ」
東間「陽キャ」
白田「なら、東間は陰キャだね」
東間「…」
白田「あっ地雷だった?」
東間「…地雷じゃない、
自分が陰キャだと言う事は自覚してるから」
白田「ほうほう」
東間「だから、白田みたいなのが
俺に絡んでくる意味が分からない」
白田「意味なんてないよ」
東間「理解出来ない」
東間は拒絶してくるが、
何となくもっと知りたくなった。
~
今日は、体調不良で東間は休みだ。
綿貫「白田さん」
白田「ん?」
また、綿貫さんに声を掛けられる。
綿貫「東間君とは、どんな調子?」
白田「仲良しとまでは行かないかなー」
綿貫「そっか、それなら今日
お見舞いに行ってあげてよ」
白田「…えと、連絡先も家も知らないし」
綿貫「先生に聞いて来るから」
そう言って綿貫さんは去って行った。
「白ちゃん、本気で行こうとしてるでしょ」
白田「盗み聞きか!」
友達に言われ、まぁ確かにお見舞いは
行こうかなと思ってはいた。
「東間にそこまでする訳は?
まさか、好きなの?」
白田「なんか、綿貫さんの占いによると
東間って私の運命の人らしいよ」
「え?」
白田「運命の人なんて、なんかロマンチックじゃん?
私、そういう類の信じてこなかったけど
あの綿貫さんの占いだしなって」
「綿貫さんが占いやってるだなんて、
初耳なんだけど」
白田「まぁ普段の連んでるグループ違うし、
でも、突然話し掛けられてそんな事言われたら
逆に信憑性ない?」
「…確かに」
白田「まぁ、そんな感じよ。
今東間を好きかって言われたら、
分からないとしか言えないけど可能性は
無きにしも非ずかな」
「でも一年の時、東間って綿貫さんの事
好きだって有名だったよ」
白田「そうなの?」
「何度も告白して、断られてを繰り返して
今じゃストーカーだって噂だよ」
白田「ほうほう」
「あのさ、言っちゃ悪いんだけど
白ちゃんに東間を押し付けようとしてんじゃない?」
白田「流石にそれは無いでしょ」
「だから白ちゃんは、お人好しなんだよ」
私は綿貫さんの事も顔が良いくらいしか
知らないが、そこまで性格捻くれてないでしょと
笑って済ませた。
~
ピンポーン
東間の家の住所勝手に聞いて、勝手に着ちゃったけど
流石に引かれるだろうなと
一応ゼリーとかを買っておいた。
玄関のドアが開き、
青ざめた顔をした東間が出て来た。
東間「…何で」
白田「生きてるー?」
東間「何でここに」
白田「住所聞いて、お見舞いに着ちゃいました!」
東間「…理解出来ない」
東間はフラフラしていて、
今にも倒れそうな為、腕を掴んだ。
白田「うわ、熱いな」
東間「移すから帰って」
白田「親は?」
東間「話し聞いてる?」
白田「聞いてない」
東間「…風邪移す可能性あるから、帰ってよ」
迷惑そうな顔をされ、そりゃそうかと
東間の腕から手を離し、買い出し袋を渡した。
白田「ゼリーとか、栄養ドリンクとかあるから」
東間「…何が目的」
白田「そればっかだな、毒とか入ってないから」
東間「なんで、俺に優しくするんだ」
本人に運命の人とか言ったら、
ちょっと、怖いよなとなんて言おうか悩む。
東間「俺は才加ちゃんしか愛さないから」
さっき聞いた、何度も告白ってのは本当みたいだな。
東間「お前に付け入る隙はない」
何を言おうか悩んでる前にフラれてしまったなと、
滅茶苦茶複雑な気分だ。
やっぱ、綿貫さんは東間を自分から諦めさせる為に
私を利用してたんだろうなと分かって来て、
同時に東間を不憫に思う。
白田「付け入れさせてよ、私にしときなって」
何でそんな事言ってしまったんだろう、
まぁ東間に拒絶されるだろうけど、
何か言いたい事言ったからスッキリしたなと
顔を上げると東間は口を手で押さえていた。
白田「吐くほど嫌なのか、傷付くわー」
東間「…白田は、俺の事好きなのか?」
白田「んーそうだね」
東間「なんで」
白田「何でだろね」
東間「俺に聞かれても分からない」
白田「まっとりあえず、
元気になって登校して来てよ」
私は買い物袋を押し付けて、玄関のドアを閉めた。
~
次の日
東間は登校して来たが、元々肌白いし
元気になったのかは見ても分からない。
綿貫「白田さん、ちょっといいかな」
東間に挨拶しようとしたら、
綿貫さんに止められ彼女の後を着いて行った。
綿貫「昨日、お見舞いに行ったんだよね?」
白田「行ったけど」
綿貫「告白した?」
白田「したかも」
綿貫「なんて言われた?」
白田「東間は綿貫さんの事しか愛せないってさ」
そう伝えると、普段ニコニコしてる綿貫さんが
私を睨み付けた。
綿貫「使えないな」
白田「その言い方…やっぱ、東間を諦めさせる為に
私を差し向けたって事だね」
友達が言ってた通りだった。
綿貫「何度も何度も何度も何度もッ
断ってるのに、本当に気持ち悪いのよ!」
朝からオンオフ凄いなと、
半狂乱で怒る綿貫さんに呆れた。
白田「気持ち悪いって言い過ぎ。
その様子じゃ、本人にも言ったでしょ」
綿貫「本当の事言って何が悪い」
白田「人の好みにとやかく言えないけど
自分の事好きだっていう人にそれは無いんじゃない?」
綿貫「は?」
白田「それで、諦めさせる為にコレって…
人の気持ちを何だと思ってんの?」
綿貫「まぁ、白田さんには悪い事してるとは
思ってるけど」
白田「いや、私よりも東間だよ」
綿貫「何言ってるの?
アレは人じゃない」
いや、こっちのセリフだよと
人じゃないとか、意味分からないなと
結局予鈴が鳴ってしまい
綿貫さんは先に教室に戻って行ってしまった。
東間は綿貫さんに気持ち悪いとか、
他にもなんか言われてそうだな…
人の気持ちを他人に押し付けるような綿貫さんを
まだ好きだなんて…
東間は、不憫だな。
~
教室に戻ると、今まで見てなかったが
東間は綿貫さんに視線を送っている。
授業中、休み時間…本当にずっと見ている。
綿貫さんは嫌な奴だったけど、
それでも東間は綿貫さんしか見てないんだな。
白田「こら、授業は集中しないと駄目でしょ」
東間「何で話し掛けてくる」
白田「そんな迷惑そうな顔しますー?」
東間「…」
白田「ほら、昨日のノート貸してやろう」
私は東間の机にノートを置いた。
東間「いい」
白田「小テストあんのに?」
東間「必要ないから」
白田「頭良いんだっけ?
本当、東間の事全然知らないわ」
東間「元々興味なかったなら、
今更構うなよ」
白田「今は興味津々!」
東間は口元を手で押さえた。
白田「あはは、吐かないでよ」
「白ちゃーん、次科学室だって」
白田「うーい」
~
ザクッ
「先生ッ!
白ちゃんが、メスで指切りました!」
白田「先生!
すっごいざっくりです!」
「白ちゃん、血凄いよ!
早く傷口抑えて!」
完全油断してたなと、切ったところを洗ってると
横から手が伸びて来た。
白田「おぉ!」
振り向くと、まさかの東間だった。
東間「抑えないと」
白田「どうした」
東間「どうもしない」
東間の手が私の血だらけになる。
白田「殺人事件っぽい」
東間「ふざけてる場合じゃない」
「東間、そのまま保健室に連れてって」
東間「分かりました」
東間に傷口を抑えられながら、
保健室に行く事になった。
綿貫さんはどんな顔してるかなと見ると、
満足そうに笑っている。
東間「白田、自分でも抑えて」
白田「おっと」
~
保健室
白田「先生居ないんだね」
東間「そこにガーゼあるから、
傷口抑え続けて」
白田「保健委員だっけ?」
東間「今は図書委員」
白田「遂に自分の事言ってくれたね」
東間「委員会なんて、
俺が言わなくても…」
東間は慣れた手つきで包帯を巻いてくれた。
白田「ほら、今までは興味なかった訳だし」
東間「それなのに、俺の事…」
白田「好きだよ」
東間「俺は才加ちゃんしか
愛せないって言った」
白田「うん」
東間「俺の事全然知らないのに」
白田「それはどんどん
教えてくれたら良いよ」
東間はまた口元を手で抑えた。
東間「白田は、おかしいよ」
白田「そうかな」
東間「…きっと後悔する」
白田「それ自分で言っちゃう?」
~
私は結局綿貫さんの思惑に
全乗っかりする事にした。
でも、東間はまだ綿貫さんを目で追っている。
白田「おっし、頑張って振り向かせるぞ!」
白田「えと…綿貫さん?」
クラスメイトで学年1と評される美女
綿貫才加
普段グループが違う為、突然話し掛けられ
私は食べていたミートボールを落とした。
綿貫「ちょっと、いいかな」
白田「今?」
綿貫「お昼中、悪いんだけど
今が良いかな」
「行って来なよ、白ちゃん」
一緒に食べていた友達に言われ、
私は席を立ち、綿貫さんに着いて行った。
白田「話しって?」
綿貫「あのさ、東間君の事好き?」
白田「え、東間って…同じクラスの?」
突然、そんな事聞かれて
意味が分からなかった。
綿貫「どう?」
白田「どうって言われても、
話した事ないしな」
綿貫「なら、好きになってくれない?」
白田「えっと、なんで?」
綿貫「私、占い得意でね。
白田さんの運命の相手が東間君だったんだ」
白田「運命の人…」
スピリチュアルだけど、
女子力高い綿貫さんが言ってるしなと
私は鵜呑みにしてみる事にした。
~
次の日
昨日休んでいた東間が登校して来て、
ひとまず運命の人だし、
声を掛けてみる事にした。
白田「おはよう、東間」
東間「…え」
白田「風邪だったみたいだけど、
体調は平気?」
東間「…え、平気だけど
何で?」
白田「何でって、クラスメイトだし」
そりゃ、対話するの初めてだけど
そんな戸惑う?ってほど
挙動不審にされる。
白田「休んだ分のノート貸すよ」
東間「え…何で」
白田「明日、現文の小テストあるから
ノート写しておいた方が良いかなって」
東間は首を傾げ、私は半ば強引に
自分のノートを押し付けた。
「白ちゃん、これまたなんで東間に親切なの?」
白田「あーえと」
友達に疑問に思われそりゃそうだよねと
夢で神に東間に優しくしろと言われたと
適当な嘘をつき、その場を凌いだ。
それから、私は何かと東間に声を掛けるようになり
最初は周りから疑問に思われていたが
次第にそれが疑問に思われなくなった。
しかし、東間の挙動不審は治らなかった。
東間「何が目的?
俺、金持ってないから」
白田「えー心外だわ、
別に金銭目的で東間に声掛けてるわけじゃないよ」
東間「なら、何で」
白田「理由ってそんな重要?
普通にクラスメイトと絡んでるだけ」
東間に疑心の目を向けられ、
私は何故か東間の頬を指で突いた。
東間「な…何」
白田「東間って、普段1人でいる事多いでしょ?
だから、知りたいなって」
東間「…意味が分からない」
白田「だから、深い意味なんてないよ」
東間「そうやって、俺の事誑かせるつもり?」
白田「誑かせるって、心外だわー、
私の事なんだと思ってんだ」
東間「陽キャ」
白田「なら、東間は陰キャだね」
東間「…」
白田「あっ地雷だった?」
東間「…地雷じゃない、
自分が陰キャだと言う事は自覚してるから」
白田「ほうほう」
東間「だから、白田みたいなのが
俺に絡んでくる意味が分からない」
白田「意味なんてないよ」
東間「理解出来ない」
東間は拒絶してくるが、
何となくもっと知りたくなった。
~
今日は、体調不良で東間は休みだ。
綿貫「白田さん」
白田「ん?」
また、綿貫さんに声を掛けられる。
綿貫「東間君とは、どんな調子?」
白田「仲良しとまでは行かないかなー」
綿貫「そっか、それなら今日
お見舞いに行ってあげてよ」
白田「…えと、連絡先も家も知らないし」
綿貫「先生に聞いて来るから」
そう言って綿貫さんは去って行った。
「白ちゃん、本気で行こうとしてるでしょ」
白田「盗み聞きか!」
友達に言われ、まぁ確かにお見舞いは
行こうかなと思ってはいた。
「東間にそこまでする訳は?
まさか、好きなの?」
白田「なんか、綿貫さんの占いによると
東間って私の運命の人らしいよ」
「え?」
白田「運命の人なんて、なんかロマンチックじゃん?
私、そういう類の信じてこなかったけど
あの綿貫さんの占いだしなって」
「綿貫さんが占いやってるだなんて、
初耳なんだけど」
白田「まぁ普段の連んでるグループ違うし、
でも、突然話し掛けられてそんな事言われたら
逆に信憑性ない?」
「…確かに」
白田「まぁ、そんな感じよ。
今東間を好きかって言われたら、
分からないとしか言えないけど可能性は
無きにしも非ずかな」
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好きだって有名だったよ」
白田「そうなの?」
「何度も告白して、断られてを繰り返して
今じゃストーカーだって噂だよ」
白田「ほうほう」
「あのさ、言っちゃ悪いんだけど
白ちゃんに東間を押し付けようとしてんじゃない?」
白田「流石にそれは無いでしょ」
「だから白ちゃんは、お人好しなんだよ」
私は綿貫さんの事も顔が良いくらいしか
知らないが、そこまで性格捻くれてないでしょと
笑って済ませた。
~
ピンポーン
東間の家の住所勝手に聞いて、勝手に着ちゃったけど
流石に引かれるだろうなと
一応ゼリーとかを買っておいた。
玄関のドアが開き、
青ざめた顔をした東間が出て来た。
東間「…何で」
白田「生きてるー?」
東間「何でここに」
白田「住所聞いて、お見舞いに着ちゃいました!」
東間「…理解出来ない」
東間はフラフラしていて、
今にも倒れそうな為、腕を掴んだ。
白田「うわ、熱いな」
東間「移すから帰って」
白田「親は?」
東間「話し聞いてる?」
白田「聞いてない」
東間「…風邪移す可能性あるから、帰ってよ」
迷惑そうな顔をされ、そりゃそうかと
東間の腕から手を離し、買い出し袋を渡した。
白田「ゼリーとか、栄養ドリンクとかあるから」
東間「…何が目的」
白田「そればっかだな、毒とか入ってないから」
東間「なんで、俺に優しくするんだ」
本人に運命の人とか言ったら、
ちょっと、怖いよなとなんて言おうか悩む。
東間「俺は才加ちゃんしか愛さないから」
さっき聞いた、何度も告白ってのは本当みたいだな。
東間「お前に付け入る隙はない」
何を言おうか悩んでる前にフラれてしまったなと、
滅茶苦茶複雑な気分だ。
やっぱ、綿貫さんは東間を自分から諦めさせる為に
私を利用してたんだろうなと分かって来て、
同時に東間を不憫に思う。
白田「付け入れさせてよ、私にしときなって」
何でそんな事言ってしまったんだろう、
まぁ東間に拒絶されるだろうけど、
何か言いたい事言ったからスッキリしたなと
顔を上げると東間は口を手で押さえていた。
白田「吐くほど嫌なのか、傷付くわー」
東間「…白田は、俺の事好きなのか?」
白田「んーそうだね」
東間「なんで」
白田「何でだろね」
東間「俺に聞かれても分からない」
白田「まっとりあえず、
元気になって登校して来てよ」
私は買い物袋を押し付けて、玄関のドアを閉めた。
~
次の日
東間は登校して来たが、元々肌白いし
元気になったのかは見ても分からない。
綿貫「白田さん、ちょっといいかな」
東間に挨拶しようとしたら、
綿貫さんに止められ彼女の後を着いて行った。
綿貫「昨日、お見舞いに行ったんだよね?」
白田「行ったけど」
綿貫「告白した?」
白田「したかも」
綿貫「なんて言われた?」
白田「東間は綿貫さんの事しか愛せないってさ」
そう伝えると、普段ニコニコしてる綿貫さんが
私を睨み付けた。
綿貫「使えないな」
白田「その言い方…やっぱ、東間を諦めさせる為に
私を差し向けたって事だね」
友達が言ってた通りだった。
綿貫「何度も何度も何度も何度もッ
断ってるのに、本当に気持ち悪いのよ!」
朝からオンオフ凄いなと、
半狂乱で怒る綿貫さんに呆れた。
白田「気持ち悪いって言い過ぎ。
その様子じゃ、本人にも言ったでしょ」
綿貫「本当の事言って何が悪い」
白田「人の好みにとやかく言えないけど
自分の事好きだっていう人にそれは無いんじゃない?」
綿貫「は?」
白田「それで、諦めさせる為にコレって…
人の気持ちを何だと思ってんの?」
綿貫「まぁ、白田さんには悪い事してるとは
思ってるけど」
白田「いや、私よりも東間だよ」
綿貫「何言ってるの?
アレは人じゃない」
いや、こっちのセリフだよと
人じゃないとか、意味分からないなと
結局予鈴が鳴ってしまい
綿貫さんは先に教室に戻って行ってしまった。
東間は綿貫さんに気持ち悪いとか、
他にもなんか言われてそうだな…
人の気持ちを他人に押し付けるような綿貫さんを
まだ好きだなんて…
東間は、不憫だな。
~
教室に戻ると、今まで見てなかったが
東間は綿貫さんに視線を送っている。
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東間「…」
白田「ほら、昨日のノート貸してやろう」
私は東間の机にノートを置いた。
東間「いい」
白田「小テストあんのに?」
東間「必要ないから」
白田「頭良いんだっけ?
本当、東間の事全然知らないわ」
東間「元々興味なかったなら、
今更構うなよ」
白田「今は興味津々!」
東間は口元を手で押さえた。
白田「あはは、吐かないでよ」
「白ちゃーん、次科学室だって」
白田「うーい」
~
ザクッ
「先生ッ!
白ちゃんが、メスで指切りました!」
白田「先生!
すっごいざっくりです!」
「白ちゃん、血凄いよ!
早く傷口抑えて!」
完全油断してたなと、切ったところを洗ってると
横から手が伸びて来た。
白田「おぉ!」
振り向くと、まさかの東間だった。
東間「抑えないと」
白田「どうした」
東間「どうもしない」
東間の手が私の血だらけになる。
白田「殺人事件っぽい」
東間「ふざけてる場合じゃない」
「東間、そのまま保健室に連れてって」
東間「分かりました」
東間に傷口を抑えられながら、
保健室に行く事になった。
綿貫さんはどんな顔してるかなと見ると、
満足そうに笑っている。
東間「白田、自分でも抑えて」
白田「おっと」
~
保健室
白田「先生居ないんだね」
東間「そこにガーゼあるから、
傷口抑え続けて」
白田「保健委員だっけ?」
東間「今は図書委員」
白田「遂に自分の事言ってくれたね」
東間「委員会なんて、
俺が言わなくても…」
東間は慣れた手つきで包帯を巻いてくれた。
白田「ほら、今までは興味なかった訳だし」
東間「それなのに、俺の事…」
白田「好きだよ」
東間「俺は才加ちゃんしか
愛せないって言った」
白田「うん」
東間「俺の事全然知らないのに」
白田「それはどんどん
教えてくれたら良いよ」
東間はまた口元を手で抑えた。
東間「白田は、おかしいよ」
白田「そうかな」
東間「…きっと後悔する」
白田「それ自分で言っちゃう?」
~
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でも、東間はまだ綿貫さんを目で追っている。
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