色んなストーカー

なゆか

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愛着形成

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相楽「あ~ぁ、ストーカーされたい」

相模「何言ってんの?」

相楽「人からストーカーされるほど、
愛されたいじゃん?」

相模「いくらモテないからって、
迷惑行為されたいって言ってるようなもんじゃん」

相楽「でもさ~、好き過ぎて…ほら
我慢出来ないくらい好きとか、ロマンチックじゃん」

相模「それ、ロマンか?」

この変な事を言ってんのは『相楽』
そして、私の苗字は『相模』
クラスが一緒になる度に名前順が並ぶ為
よく連んでいる友達である。

相楽「とにかく、追いかける恋より
追いかけられる恋がしたい」

相模「変な事言わずに頑張れ」

相楽は、見た目普通に可愛いのに
喋ると残念な為、彼氏が出来た事が無いらしい。

木野橋「相模さん、相模さん」

でも、ストーカーされたいとか
アホだなと思っているとソレを聞いていたらしい
クラスメイトの木野橋が、
相楽が席を離れた後に声を掛けて来た。

木野橋「相楽さんって、
ストーカーされたいの?」

相模「あぁ、また馬鹿言ってんだよ」

木野橋「ストーカーしたら喜んでくれるのかな」

相模「はい?」

コイツも何言ってんだと、
木野橋は席が隣で、よく話しかけられるが
内容が独特の為、
正面が相楽、横が木野橋の席で
周りにろくな奴しかいない席だなと
ため息を吐く。

相模「あのさ、相楽は何も考えずに喋ってるから
変な考えやめな。つか相楽の事好きなの?」

木野橋「いや、特別相楽さんが
好きというわけじゃなくて…ストーカーするくらい
人を好きになってみたいんだ」

相模「変わってんね」

相楽と言い、木野橋と言い
本当何言ってんだよと思う。

木野橋「さっきの話し聞いてて、
ストーカーされたい人にストーカーしても
迷惑にならないんじゃないかって」

相模「合意の上でも、キモいからやめな」

木野橋「でも」

相模「やめな」

木野橋「人を好きになってみたくて」

相模「別にストーカーするレベルじゃなくて、
普通レベルの好きでいいじゃん」

木野橋「…」

相模「やめて、その不満顔。
そもそも、私にそんな相談すんなよ。
相楽の友達なんだし、
止めるに決まってんでしょ」

木野橋「…」

木野橋は滅茶苦茶不満な顔して、頬杖を着いた。

相模「ストーカー行為は犯罪だから」

木野橋「…む」

相模「ぶりっ子すんな、
とにかく、私は止めたからね」

木野橋は不満顔のままで、
相楽は戻って来た途端に
買って来たペットボトルをぶち撒けた。

相模「なんで、蓋してないんだよ!」

相楽「買った時に捨てた」

相模「飲み干す量じゃないでしょ!
あーあー、制服がオレンジに」

相楽「ワンチャンオレンジの香水的な」

相模「ここ拭いとくから、着替えてこい」

言動も行動も馬鹿なのかよと、
相楽に体操着を押し付け、私は掃除用具入れから
雑巾を出す。

木野橋「相模さん、相模さん」

相模「何、手伝ってくれんの?」

木野橋「手伝わないけど、
相模さんの事、ストーカーするくらい
好きになっていい?」

相模「は?」

木野橋「相模さん、優しいし心広いから
ストーカーするくらい好きになれそうだよ」

相模「本人にそんな事聞くな、
嫌に決まってんでしょ」

木野橋「決めたよ」

相模「決めないでよ」

木野橋「よろしくね」

相模「拒否権無いのかい!」

木野橋「相模さんなら、きっと
俺の事受け止めてくれる」

相模「跳ね返すわ」
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