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Episode1 マッチングアプリで育成ターゲットをロックオンしました
予想外? いいえ、想定内です! (一華side)⑨
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一気に心の熱が冷めるのを感じて、一華の冷静さが戻った。
水島龍輝さん。『次回は無し』っと。
結論は出たので、ここからは単なる消化タイムとなった。
だが、常に己の生き方に完璧を求める一華。無意識レベルでも優雅な対応は忘れない。
全く興味を持てないベニクラゲの話題にも、必死に愛想笑いを張り付けて頷いた。
ところがそれを水島は『関心あり』と受け取ったらしい。
物凄く熱い口調で、ベニクラゲの生態や特異性、その研究がどんなことに役立つかを説明し始めた。
話は学術的な用語に溢れていて、一華の耳には全然入ってこない。
早く、ランチこないかな~
流石の一華も笑顔が引き攣る。
スペック高そうな男性なのに、彼女が居ない理由はこれね。
学者肌と言えば聞こえはいいが、筋金入りのオタク。
しかも、スイッチが入ってしまうと止まらないタイプ。
いくら光る原石でも、彼を磨くのは不可能だろう。
先ほどまでのプロデューサーモードはどこへやら。
一華は途中からあくびをかみ殺すことだけに、全神経を集中させていた。
上げ続けている口角のせいで、頬が痛くなってくる。
ランチ食べ終わるまでの辛抱よ。そうしたら笑顔でバイバイよ。
待望のランチが到着。ようやく口を閉じた水島は、目の前の皿をぐるりと見まわしてご満悦だ。ピザやサラダ、スープまで狭いテーブルに犇めいている。
そのまま食べ始めるのかと思いきや、ウェイターに小皿を手配して、屈託なく笑った。
「良かったら、Hanaさんも少し味見されませんか?」
まっさらなスプーンとフォークで手早くピザとサラダを取り分けてくれた。
「え、よろしいんですか?」
内心、カロリーオーバーを気にしながらも、予想外の気遣いに思わず皿を受け取ってしまった。
「はい。最初からそのつもりだったので」
なんの気負いもなくそう言って笑うと、「いただきます!」と手を合わせた。
「いただきます」
一華も一緒に唱えて、受け取ったサラダから食べ始める。
今日はセットメニューに甘んじていたのだが、本来の一華の食生活はサラダから食べるようにしている。だから、水島の厚意が凄く嬉しかった。
何なの! この変化球だらけの男は!
油断していると思わぬパンチを繰り出してくる水島に、またもや振り回され始めた一華の心。
シャキシャキとした野菜の歯ごたえを楽しみながらも、一華はまた水島を意識せずにはいられなかった。
水島龍輝さん。『次回は無し』っと。
結論は出たので、ここからは単なる消化タイムとなった。
だが、常に己の生き方に完璧を求める一華。無意識レベルでも優雅な対応は忘れない。
全く興味を持てないベニクラゲの話題にも、必死に愛想笑いを張り付けて頷いた。
ところがそれを水島は『関心あり』と受け取ったらしい。
物凄く熱い口調で、ベニクラゲの生態や特異性、その研究がどんなことに役立つかを説明し始めた。
話は学術的な用語に溢れていて、一華の耳には全然入ってこない。
早く、ランチこないかな~
流石の一華も笑顔が引き攣る。
スペック高そうな男性なのに、彼女が居ない理由はこれね。
学者肌と言えば聞こえはいいが、筋金入りのオタク。
しかも、スイッチが入ってしまうと止まらないタイプ。
いくら光る原石でも、彼を磨くのは不可能だろう。
先ほどまでのプロデューサーモードはどこへやら。
一華は途中からあくびをかみ殺すことだけに、全神経を集中させていた。
上げ続けている口角のせいで、頬が痛くなってくる。
ランチ食べ終わるまでの辛抱よ。そうしたら笑顔でバイバイよ。
待望のランチが到着。ようやく口を閉じた水島は、目の前の皿をぐるりと見まわしてご満悦だ。ピザやサラダ、スープまで狭いテーブルに犇めいている。
そのまま食べ始めるのかと思いきや、ウェイターに小皿を手配して、屈託なく笑った。
「良かったら、Hanaさんも少し味見されませんか?」
まっさらなスプーンとフォークで手早くピザとサラダを取り分けてくれた。
「え、よろしいんですか?」
内心、カロリーオーバーを気にしながらも、予想外の気遣いに思わず皿を受け取ってしまった。
「はい。最初からそのつもりだったので」
なんの気負いもなくそう言って笑うと、「いただきます!」と手を合わせた。
「いただきます」
一華も一緒に唱えて、受け取ったサラダから食べ始める。
今日はセットメニューに甘んじていたのだが、本来の一華の食生活はサラダから食べるようにしている。だから、水島の厚意が凄く嬉しかった。
何なの! この変化球だらけの男は!
油断していると思わぬパンチを繰り出してくる水島に、またもや振り回され始めた一華の心。
シャキシャキとした野菜の歯ごたえを楽しみながらも、一華はまた水島を意識せずにはいられなかった。
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