完璧を目指す一華さんは自分好みのスパダリも育成しちゃいます!

涼月

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Episode2 プロデュース第一弾

オシャレ達人に弟子入り(龍輝side)⑥

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 一華が見たいお店があると言った時、龍輝は心得たとばかりに頷いた。
 目ざとくベンチを見つけて声をかける。
『俺はあそこで待っていますから、心ゆくまで見て来てください』

 ところが、一華はアッと言う間に戻ってきて懇願してきた。
『あの……水島さん。実は二つから選べなくて。もしよかったら水島さんにもアドバイスをいただきたいんですけれど』

 ファッションの教えを乞うことはできても、教えることはできない龍輝は、最初は慎んで辞退する。それでもと重ねてお願いされたら、応えないわけにはいかないよなと思い直した。

 きっと草間さんのことだからな。なんか考えがあるんだろう。

 龍輝はなんとなくそう思って頷いた。

 いよいよオシャレ修行の始まりってことだな。

 試着室から現れた一華は、先ほどまでの黒いシックな雰囲気とは全然違う、爽やかで夏らしいワンピースに身を包んでいた。細いウエストがさらに強調されたデザイン。襟付きの首元は軽く開かれていて、シャープな三角形の白肌が視線を呼ぶ。その頂点が指し示す先へ自然と誘導されてしまい、突如体の芯がどくんと跳ねた。
 
 なんだ! 今のは?
 
 初めての感覚に戸惑う。
 胸のフォルムから慌てて目を逸らしながら、肝心な洋服をちゃんと見ていなかったと焦る。落ち着いて見るにはどうすればよいかと頭をフル回転させた。

『クルって、回転してみてもらえますか?』
『え?』
『後ろも見たいなと』
『ああ、わかりました』

 優雅に回る一華が蝶のように見えた。

 綺麗だ―――

 やっぱり洋服よりも一華に視線がいってしまう。

 ちっともオシャレ修行にならないな。
 あ、でも別にいいのか。綺麗なモノを綺麗と思うことも大切なんだろうな。
 草間さんが美しいのだから仕方ないってことで。

 正直な気持ちのままに見つめていたら、一華がそそくさと試着室に消えてしまった。

 あれ? もう次?

 再び現れ出た時には、色鮮やかなターコイズの葉を纏っていた。隠せない色香が溢《あふ》れ咲く。

 ああ、そうか。彼女は蝶じゃ無くて、華だ。
 蝶を誘う花なんだ!

 一華―――その名がピッタリだな。

 そう思ったら、無意識に口からこぼれ出た。
『今の俺だったら、こちらの一華さんと一緒に歩きたいですね』
 自然と体も動く。
 龍輝は、流れるような仕草で一華に手を差し伸べた。

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