完璧を目指す一華さんは自分好みのスパダリも育成しちゃいます!

涼月

文字の大きさ
56 / 127
Episode2 プロデュース第一弾

イケメンの変わらぬ日常(龍輝side)①

しおりを挟む
「うおわぉ!」
 かなりオーバーなリアクションで驚いて見せる五十嵐に、当の龍輝は難しい顔のまま視線を向けた。

「すっげー。誰かと思った」
「五十嵐さん、おはようございます」
「お前、本当に水島? 本物? いやー、恋すると人間変わるって言うけどさ、こんなイケメンになるとは驚きだわ」
 その言葉に、ふにゃりと笑った龍輝。

「五十嵐さん、ヘアサロンで髪を切ってもらうと、寝癖がオシャレに変わるんですね」
 新発見をしたように目をキラキラさせている。

「ほー。水島がヘアサロン。色気づきやがって。で、彼女はその髪型見て何て言ったんだよ」
「あ、彼女ご推薦のスタイリストさんに切ってもらいましたから、もう完璧ですよ」
「え。つまり、彼女に連れて行ってもらったってことか、良かったな」
 内心で、世話好きな女性のようで良かったと安堵する。

「でもさ、その顔でその恰好じゃあ、イケメンが台無しだよな」

 そう言われてヨレヨレの上下を見下ろした龍輝。
「会社は別にこれで十分ですから」
「全くぶれねえ奴だな。まあいいや。で、どうだったんだよ。その様子だと上手くいってそうだな」
「はい。全部五十嵐さんのお陰です。ありがとうございました」

 素直に頭を下げる龍輝に、五十嵐はこそばゆくなる。照れ隠しに慌てて言葉を継いだ。
「そう言ってもらえると、アプリや秘伝を伝授した甲斐があったぜ。で、何処行ったんだよ」

 龍輝は昨日の出来事を掻い摘んで語ったが、最後は会社の水族館と言う話を聞いて、五十嵐の口がポカンと開きっぱなしになった。

「子供向け水族館でクラゲ講座。それでも嫌な顔せず付き合ってくれたんだ。その女性。えっと草間さんだっけ?」
「ええ。一華さん、喜んでくれましたよ」
「一華さん。もう名前呼び! いやー、運命の出会いってのはあるんだな。そんな奇特な女性はいないから、ガッチリ掴んどけよ」
「はい」

 満面の笑みで首肯いた後、直ぐに龍輝が真剣な表情になった。
 何を相談されるかと身構えた五十嵐は見事に肩透かしを食らう羽目になる。

「五十嵐さん、このデータの数値なんですけど」
 
 切り替わりの速さに唖然としつつ、五十嵐も無理矢理仕事モードに引っ張り込まれてしまった。

 やっぱり、水島はぶれない奴だ……

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

没落貴族とバカにしますが、実は私、王族の者でして。

亜綺羅もも
恋愛
ティファ・レーベルリンは没落貴族と学園の友人たちから毎日イジメられていた。 しかし皆は知らないのだ ティファが、ロードサファルの王女だとは。 そんなティファはキラ・ファンタムに惹かれていき、そして自分の正体をキラに明かすのであったが……

勝手にサインしろと仰いましたので、廃嫡書類に国璽を押して差し上げました

鷹 綾
恋愛
「確認? 面倒だ。適当にサインして国璽を押しておけ」 そう言ったのは、王太子アレス。 そう言われたのは、公爵令嬢レイナ・アルヴェルト。 外交も財政も軍備も―― すべてを裏で処理してきたのは彼女だった。 けれど功績はすべて王太子のもの。 感謝も敬意も、ただの一度もない。 そして迎えた舞踏会の夜。 「便利だったが、飾りには向かん」 公開婚約破棄。 それならば、とレイナは微笑む。 「では業務も終了でよろしいですね?」 王太子が望んだ通り、 彼女は“確認”をやめた。 保証を外し、責任を返し、 そして最後に―― 「ご確認を」と差し出した書類に、 彼は何も読まずに署名した。 国は契約で成り立っている。 確認しない者に、王の資格はない。 働きたくない公爵令嬢と、 責任を理解しなかった王太子。 静かな契約ざまぁ劇、開幕。 ---

明日結婚式でした。しかし私は見てしまったのです――非常に残念な光景を。……ではさようなら、婚約は破棄です。

四季
恋愛
明日結婚式でした。しかし私は見てしまったのです――非常に残念な光景を。……ではさようなら、婚約は破棄です。

とっていただく責任などありません

まめきち
恋愛
騎士団で働くヘイゼルは魔物の討伐の際に、 団長のセルフイスを庇い、魔法陣を踏んでしまう。 この魔法陣は男性が踏むと女性に転換するもので、女性のヘイゼルにはほとんど影響のない物だった。だか国からは保証金が出たので、騎士を辞め、念願の田舎暮らしをしようとしたが!? ヘイゼルの事をずっと男性だと思っていたセルフイスは自分のせいでヘイゼルが職を失っただと思って来まい。 責任を取らなければとセルフイスから、 追いかけられる羽目に。

私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました

放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。 だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。 「彼女は可哀想なんだ」 「この子を跡取りにする」 そして人前で、平然と言い放つ。 ――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」 その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。 「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」

王宮地味女官、只者じゃねぇ

宵森みなと
恋愛
地味で目立たず、ただ真面目に働く王宮の女官・エミリア。 しかし彼女の正体は――剣術・魔法・語学すべてに長けた首席卒業の才女にして、実はとんでもない美貌と魔性を秘めた、“自覚なしギャップ系”最強女官だった!? 王女付き女官に任命されたその日から、運命が少しずつ動き出す。 訛りだらけのマーレン語で王女に爆笑を起こし、夜会では仮面を外した瞬間、貴族たちを騒然とさせ―― さらには北方マーレン国から訪れた黒髪の第二王子をも、一瞬で虜にしてしまう。 「おら、案内させてもらいますけんの」 その一言が、国を揺らすとは、誰が想像しただろうか。 王女リリアは言う。「エミリアがいなければ、私は生きていけぬ」 副長カイルは焦る。「このまま、他国に連れて行かれてたまるか」 ジークは葛藤する。「自分だけを見てほしいのに、届かない」 そしてレオンハルト王子は心を決める。「妻に望むなら、彼女以外はいない」 けれど――当の本人は今日も地味眼鏡で事務作業中。 王族たちの心を翻弄するのは、無自覚最強の“訛り女官”。 訛って笑いを取り、仮面で魅了し、剣で守る―― これは、彼女の“本当の顔”が王宮を変えていく、壮麗な恋と成長の物語。 ★この物語は、「枯れ専モブ令嬢」の5年前のお話です。クラリスが活躍する前で、少し若いイザークとライナルトがちょっと出ます。

訳あり冷徹社長はただの優男でした

あさの紅茶
恋愛
独身喪女の私に、突然お姉ちゃんが子供(2歳)を押し付けてきた いや、待て 育児放棄にも程があるでしょう 音信不通の姉 泣き出す子供 父親は誰だよ 怒り心頭の中、なしくずし的に子育てをすることになった私、橋本美咲(23歳) これはもう、人生詰んだと思った ********** この作品は他のサイトにも掲載しています

処理中です...